梓「こ、この白髪ぁ!」一方通行「いってろ触角」

通学路

梓「唯せんぱーい」

唯「あ、あずにゃん!」

梓「通学中に会うの、珍しいですね!」タッタッ

唯「そうだねー! じゃあこのまま一緒に行こっか」ニコッ

梓「はいっ」

梓「唯先輩、いつもこのくらいの時間に学校行くんですか?」

唯「ううん、今日は目覚ましを早くセットしちゃったの」

梓「あーなるほど。唯先輩らしいです」

唯「ちょっとあずにゃんそれどういう意味ー?」ムー

梓「だってしyいたっ!?」ドンッ ペタッ

一方通行「っと」ドンッ

唯「だ、大丈夫あずにゃん!? あの、すいません!」ペコッ

梓「ご、ごめんなさい」

 

一方通行「あァ?」

上条「お前がぶつかっといてガン飛ばすな!」ゴツン

一方通行「いっ!? オマエ右手で殴ンじゃねェ! ……悪りィな、大丈夫か?」スッ

梓「は、はい。あ、ありがとうございます……」ニギッ

一方通行「よっとォ」グイッ

上条「おーお前でも持ち上げられるんだな」

一方通行「オマエ死ぬか?」
唯「もーあずにゃん、ちゃんと前向いて歩かなきゃ!」

梓「す、すいません(唯先輩には言われたくないですよーだ)」

上条「怪我とかない?」

梓「あ、はい。大丈夫です」

上条「そっか、ならよかった」

一方通行「何してンだ三下ァ。とっとと行くぞ」スタスタ

上条「お前が悪いんじゃねぇかよ! それじゃ、ごめんな!」タッ

梓「……行っちゃいましたね」

唯「あの人、ちょっと格好良かったね」

梓「あー、あの白い人ですよね! ちょっと分かるかも……いや、なんでもないです!」

唯「えっ」

梓「えっ」

 

 

その日の放課後

部室

唯「という訳なんだよ!」

律「えっまさか唯」

澪「その人のこと」

紬「好きになっちゃったとか!?」ガタッ

律「むぎー、落ち着け」

唯「まさかぁ、そんなんじゃないよー……あずにゃん? あーずにゃーん?」フリフリ

梓「へ? ふぁ、はい、なんですか?!」アタフタ
律「ま、まさか梓が……!」

唯「違うよー? あずにゃんはもう一人のs」

梓「わー違う違うの違いますー!」バタバタ

律「三段活用!?」

澪「あ、梓落ち着け!」

紬「あ、梓ちゃん……!」ウットリ

律「ムギ、カムバック」

 

 

とある商店街

一方通行「おい、そンでどォすンだ?」

上条「知らねぇよ! マジでやんなきゃいけないのか?」

一方通行「アレイスターのクソ野郎の考えてる事だ。やらなかったら、何しでかすか分からねェ」

上条「……不幸だ」

一方通行「それはこっちの台詞だっつーの」
prrr prrr

一方通行「……誰ですかァ? こンな時に」パカッ ピッ

『手配は完了しました。早速明日からお願いします』

一方通行「ちっ、オマエか。……ンで、用はそンだけか?」

『ええ。あn』ピッ

一方通行「……終わったらしい」パタン

上条「マジですか」

一方通行「マジだ。明日から」

上条「……マジですか」

一方通行「……大マジだ」
帰り道

唯「聞いた? 今日の話」

梓「あ、あの話ですよね? 私も帰りのHRで聞きました」

律「聞いたもなにも、同じクラスだから聞いてるに決まってるだろー?」

澪「律は寝てただろ」

律「てへっ☆」ペロッ

澪「えいっ」コツ

律「いひゃい! ひははんは(したかんだ)!」

梓「」プッ

律「笑うなあじゅさ! あっ」

梓「律先輩……」プッ

律「くぅー……//」

唯「あじゅさだって! りっちゃんかわいー!」

律「う、うるさーい!」

紬「でも、凄く急な話よね。明日からなんて」
唯「だよねー。来年度からー! とかなら分かるんだけどさぁ」

律「あぁ、私の唯が真面目な話を……」

梓「唯先輩を馬鹿にしすぎじゃないですか?」

唯「む、りっちゃんのばーか!」
律「言ったなぁ!」グリグリ

唯「ひゃあ! ほへんほへん(ごめんごめん)!」

澪「もし怖い人とかきたらどうしよう……」

律「ピアスとか空けてたりして!」

澪「ひぃ!? や、やめろ律!」

紬「大丈夫よ澪ちゃん! ……多分、ね」

澪「多分ってなに!?」

唯「大丈夫、こんな時期にこないよ! 」

紬「…………」 

 

次の日

上条「なぁ、これで良いのか?」

一方通行「オマエは前のやつで良いンじゃねェの。っつっても、結局同じもンみてェだけどなァ」

上条「つーかお前、結構似合うな」

一方通行「……」ザッ

上条「そういう意味じゃねぇ! マジでドン引きしながら後ずさりすんな!」

一方通行「っと、そろそろ時間だ」

上条「無視ですかそうですか。上条さんちょっと寂しいですよ」

一方通行「さっさと行くぞ三下」ガチャ スタスタ

上条「へいへい(張り切ってんな、あいつ)」バタン カチャ タタッ

 

教室

唯「きょうっのおっかしはなっんでっすか!?」

紬「さぁ、なんでしょーう?」ニコニコ

唯「うームギちゃんのいじわるー!」

紬「ふふっ、放課後までのお楽しみっ♪」

唯「ちぇー、はーい」

ガラッ

さわ子「はい、みんな座ってね」
ザワザワ ガタ ガタ

さわ子「……はい、それでは皆さんにお知らせです」

「なにー?」

「えーなんなのー?」

ザワザワ ザワザワ

さわ子「みんな、静かに!」

さわ子「実は、今日! 早速て」

ガラガラ

一方通行「ここかァ?」キョロキョロ

上条「馬鹿お前、なに勝手に入ってんだよ!」

「え、男?」

「えー、早速!?」

ザワザワ ザワザワ

さわ子「みんな、静かにしてちょうだい! あなたたち、勝手に入ってきちゃ駄目じゃない!」

一方通行「あン?」

「きゃっ!」

上条「だからガンを飛ばすな!」ガン

一方通行「いっ!? オマエは星を飛ばすンじゃねェよ!」

律「ま、漫才?」

一方通行上条「誰が漫才だ!」ビシッ

律「いや漫才にしか見えないっての」ビシッ

クラス「あははははっ!」

唯「」グーグー

澪「こ、怖そう……」ブルッ

紬「……!」

さわ子「紹介するわね。この二人は転校生なの。昨日言った通り、共学になった我が校に、編入して来ました。名前は」

一方通行「一方通行だ」

上条「上条当麻です、よろしく」

さわ子「みんな、たった二人の男の子だから、仲良くしてあげてね。あ、席は一番後ろよ」

ザワザワ ザワザワ


紬「…………」

唯「」グーグー

律「よろしくなー!」

上条「おう、よろしくな!」

一方通行「……」プイッ スタスタ

律「あれ照れてんの?」ヒソッ

上条「多分な」ヒソッ

一方通行「……聞こえてンだよおい」




澪「律……なんて大胆な」

 

 

 

暫くして。

授業中

唯「んー……」ムクリ

先生「ここにこの式を代入し……」

上条「(さっぱり分かんねぇ……)」ポリポリ

一方通行「(こンなもン暗算で出来ンだろ)」

唯「……えっ!? お、男の子だ!!」ガタッ

律「今更かよっ!?」ガタッ

先生「平沢さん、田井中さん、静かに。授業中ですよ」

唯律「すいません……」
唯「あっ! 朝の人だっ!!」

上条「お、おう(今気付いたのかよ!)」

先生「平沢さん? ……では、ここの問題の答を教えて下さい」

澪「えっ……いくらなんでもこれは難しくないか?」

紬「これはちょっと……」

唯「……m<n^2/(2n+1)のとき
m-n^2/(2n+1)>0より* ⇔ a<(m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)}
 (m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)}={m^2-n^2/(2n+1)*m+(n^2+2n+1)/(2n+1)*m}/{m-n^2/(2n+1)}=m+{(n+1)^2/(2n+1)}*m/{m-n^2/(2n+1)}
  =m+{(n+1)^2/(2n+1)}*{m-n^2/(2n+1)+n^2/(2n+1)}/{m-n^2/(2n+1)}=m+(n+1)^2/(2n+1)+{(n+1)^2/(2n+1)}*{+n^2/(2n+1)}/{m-n^2/(2n+1)}
  =m+n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)}+(n^2+2n+1)/(2n+1)={m-n^2/(2n+1)}+n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)}+(2n^2+2n+1)/(2n+1)
であるから,m-n^2/(2n+1)>0より相加相乗平均の関係が成立して,
 (m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)}≧2√[{m-n^2/(2n+1)}*n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)}]+(2n^2+2n+1)/(2n+1)=2n(n+1)/(2n+1)+(2n^2+2n+1)/(2n+1)
  =(4n^2+4n+1)/(2n+1)=2n+1.
等号成立条件はm-n^2/(2n+1)=n^2(n+1)^2/(2n+1)*1/{m-n^2/(2n+1)} ⇔ m-n^2/(2n+1)=n(n+1)/(2n+1) ⇔ m=n.
n-n^2/(2n+1)=(n^2+n)/(2n+1)>0であるから,これを満たす整数mは存在する.
∴(m^2+m)/{m-n^2/(2n+1)}の最小値は2n+1であるから,aはa<2n+1をみたせばよい」

先生「……その通りです」

「「!!?」」

「唯すごいっ!」

「唯ってそんなに頭良かったっけ!?」

ザワザワ ザワザワ

唯「えへへ~、ありがとうございやす」

律「唯のキャラじゃねー……」

澪「私、解らなかったなぁ……すごいな唯」

紬「うーん、あとちょっとで解けたのに……」

先生「……その通りです」

「「!!?」」

「唯すごいっ!」

「唯ってそんなに頭良かったっけ!?」

ザワザワ ザワザワ

唯「えへへ~、ありがとうございやす」

律「唯のキャラじゃねー……」

澪「私、解らなかったなぁ……すごいな唯」

紬「うーん、あとちょっとで解けたのに……」

キーン コーン カーン コン

先生「それでは授業を終わります」

 

放課

上条「す、すっげぇな……なぁ、この学校頭良いやつばっかなのか?」

一方通行「あンなもン十秒で解けンだろ」

上条「十秒は無理があるんじゃないんですか?」

一方通行「解けたからいってンだろォが」

上条「はいはいそげぶそげぶ」

一方通行「なンて理不尽な」


律「なーお二人さん?」

上条一方「ん?(あァ?)」

律「あのさ。軽音、興味ある?」

上条「! ……」

一方通行「……嗜む程度にはな」

上条「いや、おかしーし」

律「は?」

一方通行「なンでもねェ。ないことはねェが、なンでだ?」

律「ああ、私軽音部なんだけどさ、今日見学してかない? 唯と知り合いみたいだし」

上条「まぁ知り合いってほど知ってないんだけどな。どうする?」

一方通行「ま、いいぜ。どこにいけば良いンだ?」

律「放課後、音楽室……ってもわかんないか。じゃ、授業終わったら一緒に行こう」

一方通行「ン」

上条「分かった。……そういや、名前聞いて無かったな」

律「お、ごめんごめん、私は田井中律。パートはドラムで一応部長だ。よろしくな! 」

上条「おう、よろしく!」

一方通行「お前ら、さっきも同じ事言ってたろ」

律「あれ? そうだっけ? ま、いいや! よろしく!」

一方通行「……おゥ」

唯「2√2(6π^2+3π)=」ブツブツ

紬「……」

放課後

上条「やっと終わった……」

律「上条くんと、一方通行……いや、長いな、一方くん! 行こうぜ!」

一方通行「どンだけ面倒臭がり屋なンだよ」

上条「ん? ああ、上条でいいって、田井中」

律「うーん、田井中って呼ばれ慣れてないから違和感が……律で良いよ! アクセランも律でよろしく!」

一方通行「もうちょっとマシなあだ名ねェのかオマエは」

律「じゃあ、アータ」

一方通行「最初と最後取っただけじゃねェか!」

律「じゃーなんならいいのさ?」

一方通行「……一方通行じゃ駄目なのか?」

律「長い」

一方通行「ひでェ」

律「もう一方で良いじゃん!」

一方通行「もォいいそれで」

律「んじゃ行きますか!」

部室

律「ここが部室だっ!」

上条「へぇ、なんか青春って感じするわ」

一方通行「なァ、他の部員はどォしたンだ? 」

律「ああ、もうすぐ来ると思うよ! 唯たちはなんか用事あるって言って職員室行ったから」

ガチャ

唯「遅れてごめんよっ! ……って、あれ? お客さんかな~? って、朝の人達じゃん! りっちゃん仲良いね~」

上条「朝の人って……」
律「おっ、ちょうど良かった! こいつが平沢唯。パートはギターだ」

唯「え、もしかして軽音部入部希望ですか!?」キラキラ

上条「え、いや入部希望までは」

唯「違うのか……」ズーン

上条「あ、違う! 入部希望だった! な、なぁ一方?」

一方通行「お、おォ……って、さりげなくオマエまで一方でて呼ぶンじゃねェ!」

上条「いいだろ別に?」

一方通行「……チッ」

唯「ところで、お名前を教えて下さいな?」

一方通行「朝自己紹介したじゃねェか」

唯「いやー、それがその時間は目を閉じて机に伏せながら考え事をしてまして」

上条「多分それ世間一般じゃ、寝てたって言うんじゃないのか?」
唯「えへへ~、そうともいいやす」

律「そうしか言わねぇよ!」

上条「まっ、良いけどな。俺は上条当麻」

一方通行「一方通行だ」

唯「あくせ……? も、もしかして外人さん!? あー、まいねーむいずゆいひらさわっ!」

一方通行「悪りィが、俺はれっきとした日本人だ。大体さっきから日本語喋ってンのにわざわざ片言の英語話す必要ねェだろ」

唯「あぅ、そうでした」

上条「平沢、か、よろしく!」

唯「あ、唯でいいよ~?」

上条「そ、そうか? じゃあ、唯、よろしくな」

唯「よろしく、かみじょーくん!」

上条「あ、そっちは苗字なんだ」

律「そういえば澪とムギは?」

ガタ

唯「二人ともまだ職員室だよー」

律「そっかー……」

律「ところで……」クルッ

唯「ん?」クルッ

上条「どうした?」クルッ

一方通行「あァ?」クルッ

律「あれだよ、あれ」ビシッ

一方通行「……扉がどォかしたのか?」

律「いくぞ? ……あー、澪のやつ遅いなー!」

ガタガタッ

上条「うおっ!?」

一方通行「!?」

唯「おっ! さすがりっちゃん隊員、エスパーをマスターしたんですね!?」

律「ほう、分かるか……じゃあ、もっかいいくぞ? ……最近澪太ったよなー!」

バタン!!

澪「誰がだっ!!」

上条「えっ?」

一方通行「はィ?」

澪「あ、いや、あの」

唯「ここで本人登場!」

律「素晴らしい登場の仕方だ! リプレイしてみよう!」

澪「しんでいい!」

律「みーおっ! そんなとこ突っ立ってないで早くこいよ」

澪「あ、う、うん……」ソロソロ

律「紹介するな! こいつは秋山澪。パートはベースだ」

澪「えっと、律? この流れはなんなの?」

律「あー、転校生のこの二人、軽音部を見学しに来たんだよ」

唯「そうだったの!?」

上条「ま、そういうことですよ。よろしくな」

一方通行「まァ、邪魔ンなンねェよォにしてっから、よろしく頼むわ」

澪「ど、どうも……」

律「あーこいつ人見知り激しいんだよ。そのうち慣れるだろうし、勘弁してやってくれな」

上条「そうなのか? まあ昨日までは女子高だったんだし、無理ねぇよな」

律「澪はもっと酷いけどなー」

澪「う、うるさいっ」

一方通行「なァ、オマエら練習とかしねェのか?」

唯「そうだねー、見学に来たんだし、まだあずにゃんとムギちゃん来てないけど……ギー太っ! 出番だよっ!」ジィーッ

澪「あ、ムギのことなんだけど」

律「ん、どうかしたのか?」
律「ん、どうかしたのか?」

澪「今日部活来ないってさ」

一方通行「……!」

唯「のぉおおおお!!」ガクッ

律「なんでだよ!?」

澪「家の用事らしいけど……」

唯「あれ?(ムギちゃん、今日の朝お菓子持ってたみたいだったのに……なんでだろう?)」

律「どうした唯?」

唯「あ、なんでもないよー」

上条「おい、ムギって……」ヒソッ

一方通行「……分かってる」ヒソッ

唯「お菓子はないけど頑張るよっギー太!」シャキーン

上条「おおっ、カッコイイな」

一方通行「女子高生がギブソン……だと?」

澪「!! あ、あの、楽器詳しいんですか?」

一方通行「まァ、一応な」

澪「えっと、なにか楽器やってるんですか?」

一方通行「アコースティックギター、ウッドベース、ピアノ、あとは、トランペットもやったことあンな」

澪「……って、ジャズ好きなんですか?」

一方通行「まァな。あァいう雰囲気が好きなンだよ。それより」

澪「は、はい?」

一方通行「敬語、やめろ」

澪「えっ……と」

一方通行「元が女子校だった訳だし、気持ちは分からなくもねェが、同じクラスなンだしよォ、気楽に行こォぜ?」

澪「は、……うん」

律「おー澪、大分慣れたみたいだな」

澪「……まぁ、な」

唯「それじゃあ行くぜ! 私の恋はホッチキス!」

(けいおん!!#1 高3! 参照)

 

ジャーン ジャジャ

唯「……と、こんな感じかな!」

一方通行「ほォ……」

上条「すげぇな! 唯ってギター上手いんだな!」

唯「だてに二年ギターやってませんからっ!」

律「でも後輩にもっと上手いやつがいるんだよ」

一方通行「へェ、そいつァ楽しみだ」

唯「そうだよー、可愛いよー!」

上条「つーか、部員何人?」

律「五人だよ。今言った後輩と、ムギっていうキーボード担当のやつがいるんだ」

一方通行「さっき来れねェって話してたやつか?」

律「そうそう。梓も多分もう少しで」

ガチャ

梓「遅くなってすいません……って、え?」

唯「あっずにゃああん!」ダッ

澪「まて唯、ギター! 」

唯「おっと、掛けっぱなしだった! ギー太、ここで待ってて、ね」スッ

唯「それでは改めて……あっずにゃああん!」ダキッ
梓「うわっ!? 改め無くても良いです! って、そうじゃなくて!」

一方通行「あン? 朝のやつじゃねェか」

上条「お前が張り倒した子か」

一方通行「オマエ張り倒すぞ」

梓「ど、どうしてここに?」

律「ああ、こいつらな。転校生だ」

梓「へ?」

梓「て、ててて転校生?」

上条「もしかして、秋山よりも人見知り?」

澪「!……み、みんな名前で呼んでるみたいだし、澪でいいですよ……じゃなくて、いいです!」

一方通行「どっちも敬語じゃねェか」

上条「そうか? んじゃ名前で呼ばせてもらうな!」

澪「h……うん!」

一方通行「律、この触角みてェな頭したのが後輩か?」

梓「しょ、しょっか……!」ワナワナ

律「そ、そうだよ……」

唯「あ、あずにゃん?」

梓「こ、この白髪ぁ!」

一方通行「」

一方通行「やろォ……ナチュラルに気にしてる事平気で言いやがってよォ!」

上条「気にしてたのか」

律「てっきり染めたのかと」

唯「私は地毛かと……」

澪「ないない」

一方通行「唯を除いてオマエらひでェ

梓「や、やーいやーい!」

律「あずさー、帰ってこーい」

梓「やーいyっは!? わ、私ったらほぼ初対面の人になんて事を……!」

唯「あす゛にゃんか゛しょうきにもと゛った!」

上条「お前はファミコンかよ!」

一方通行「あー気にすンな。確かにオマエが九割悪りィが気にすンな」

律「九割はおまえじゃろがぁ!!」

一方通行「なンでですかァ!? 一万歩譲って俺が触角って言ったのが俺の落ち度だとしても九割はねェよ! せめて二割だァ!」

律「譲らなくてもでかい落ち度だっつの! よって二割はありえない! 八割!」

一方通行「三割!」

律「六割!」

一方通行「四割!」

律一方「五割!!」

澪「仲良いな、おい」

唯「ってなわけでお互い様だね!」

一方通行「チッ、悪かったな。あーっと」

梓「あ、中野梓です。こちらこそすいません……私」

一方通行「もォいい。あァ、俺は一方通行だ」

梓「変わった名前ですね……」

一方通行「否定はしねェけどな」

上条「俺は上条当麻、よろしくな!」

梓「はい、こちらこそ。あ、私も梓、で大丈夫ですよ」

上条「おう、分かった」

一方通行「ン、了解」
律「一段落着いたところで! もうすぐ下校時刻だし、そろそろ帰るか」

唯「あ、ねぇねぇ。明日休みだし、折角だから二人を町案内しようよ!」

梓「良いですね!」

律「私も良いよー! 澪は?」

澪「うん、良いぞ」

上条「おいおい、悪いって」

一方通行「そンな気ィ遣ってくれンで良いンだよ」

唯「ムギちゃんには私がメールしとくから! 13時に学校前集合ね!」

上条「おーい」

一方通行「聞いちゃいねェ」
澪「都合悪いの?」

一方通行「いや、そォいう訳じゃねェが……」

律「じゃあ良いじゃん! って訳で、また明日な!」ガチャ

一方通行「なンて理不尽な」

唯「じゃーねー!」

梓「失礼します」

澪「また明日な」


上条「あ、おい!」

バタン

一方通行「行っちまったな」

上条「……どうすんだよ?」

一方通行「……行くしかねェだろ」

上条「ま、強制じゃないって事だし、気楽にいくか」

一方通行「そォいうこった」

上条「しっかし、琴吹紬かぁ……どんな子なんだろ」

一方通行「さァな。レベル5っつゥくらいだし、俺には及ばねェにしろおっそろしィ奴かもなァ」

上条「そんな子だったら、絶対唯達みたいな子と合わないだろ!」

一方通行「わかってらァ」

上条「つか、なんで俺らが派遣されたんだ?」

一方通行「知るかよ。学園都市から俺達を追い出したかったンじゃねェの? 結局卒業までこの高校で過ごさなきゃいけねェらしィし」

上条「ま、マジか……」

一方通行「マジだ」

上条「……んじゃあさ、俺らも入れてもらおうぜ」

一方通行「……何処に?」

上条「分かってる癖に」

一方通行「……軽音部、か」

 

 

その日の夜 平沢家

唯「ふっでぺ~んふっふ~」ジャカジャカ

ブー ブー

唯「ん、メール? よいしょ、ギー太重い……」ドスッ

唯「んーりっちゃんからか」

律『いきなりで悪い! あのさ……アクセラと上条、軽音部に入れようと思うんだよねー! 昨日の話からしても梓気に入ってるみたいだしさ! 唯はどう思う?』

唯「おー! いいねいいねー! 全然おっけーですりっちゃん隊員! っと」ピピッ

唯「上条くんと一方くんかぁ」

唯「雰囲気的に、上条くんはギターっぽいなぁ。一方くんは……、……何だろう?」

唯「あっそうだ! 明日、楽器屋行こうよ! っと、送信!」ピピッ

ブー ブー

唯「うお、はやいっ!」ピッ

律『さーんせいっ! 明日さ、みんなで昼飯ファミレスとか行かない? アクセラ達と会うまで時間あるだろうしさー』

唯「ほうほう……私はいいよー! っと」ピピッ

ブー ブー

唯「りっちゃん打つのはやすぎない?」ピッ

律『おっけー! んじゃ、11時に〇〇のファミレスに集合な! みんなには私がメールしとくよ! じゃ、また明日な!』

唯「お休みー(はぁと)、っと。さーて、お風呂入って寝ようかな! ういーー! お風呂一緒に入ろー!」ドタドタ

 

中野家 お風呂

梓(一方先輩かぁ……。今思うと、先輩なのにすっごい生意気言っちゃったな)ブクブク

梓(瞳、紅かったな)ブクブク

梓(猫みたい。って、あんなに目付きの悪い猫さんはいないかな?)ブクブク

梓(ちょっと怖そうだけど、意外と優しかったし)ブクッ

梓「……軽音部入るのかな」

梓(もし入ったら、なにやるんだろう?)

梓(……ベースとかかな)

梓(洋楽とか聞いてそうだなぁ)

梓(特にメタルとか)

梓(意外にジャズとか好きで、トランペットとかやったりして)

梓「って、なんで一方先輩のことばっか考えてんのよ私!?」ザバッ


梓「……のぼせてきちゃった。そろそろでよう」バシャ

 

上条一方家

一方通行「アパートの一室を手配したは良いが、オマエと毎日共に過ごさなきゃなンねェのか……」

上条「露骨に嫌そうな顔すんな!」

一方通行「オマエ、家事出来ンだろ? よろしく」

上条「おいおい! お前も手伝えよ!」

一方通行「黙れ三下。俺は寝る」ゴロン

上条「おーい!」

一方通行「……」ゴロン

上条「……ふぅ、理不尽さも第一位って訳ですか。……いいぜ、テメェが一切これからの家事をやらねぇつもりなら」

一方通行「は? ちょ、ば」

上条「そのふざけた幻想をぶち殺す!」バキッ

一方通行「ぐはァあああ!!」

 

琴吹家

紬父「それは本当か?」

紬「はい。昔聞いた噂通りなら、今日転校してきた人は恐らく……一方通行」

紬父「ふむ、何故第一位が……?」

紬「……もしかして、私が元能力者だから?」

紬父「それと一方通行がこの街に来たこととなんの関係がある?」


紬「――学園都市に、連れ戻しにきた」

紬父「馬鹿な、学園都市には特別許可を得て桜高に編入しただろう」

紬「そうだけど……」

紬「と、特別許可が不正だったというのは……?」

紬父「有り得んな。学園都市統括理事長と話をして決めたのだから間違いはない」

紬父「第一、二年前の事を今更連れ戻して何のメリットがあるというのだ? それに」




紬父「紬、お前はもう能力は使えないだろう?」

 

次の日 早朝 4時

上条一方家

上条「なぁ一つ聞いていいか?」

一方通行「あン?」

上条「起きんの……はやくないですか?」

一方通行「そりゃオマエ、約束が13時なンだから用意する時間を考慮した妥当な時間じゃねェか」

上条「どこがだよ!? どう考慮したら朝4時になるんだ? ディ〇ニーランド車で行くときもそんな早くに起きねぇよ! 」

一方通行「ディ〇ニーランドなンか行ったことねェよ! 大体遅れたらあいつらに悪りィだろォが!」

上条「そりゃそうだけどいくらなんでも早過ぎだチクショウ! 頼むから二度寝させてください!」

一方通行「駄目だ。俺が起きてンのにオマエが寝てンのはムカつく」

上条「お休み」バフッ

一方通行「自転パンチ」ボソッ

上条「うーん、良い朝だ!」ガバッ

一方通行「あァ、そォいや例のレベル5の話なンだが」

上条「ん?」

一方通行「学園都市から出るときに渡された資料、改めて目を通したンだがな」ピラッ

上条「ん。どれどれ」パシッ



上条「……レベル、3?」

 

一方通行「あァ。あくまでもレベル5の可能性があるってだけらしい」

上条「な、なんだそりゃ……」

一方通行「ま、どォでもいィことだがなァ」

上条「そうだな、レベルなんて関係ねぇよな。まぁ、話はどうせ断るだろうし、仲良くやっていければ良いけどな」

一方通行「……まァな」

上条「ところでお前楽器経験者って言ってたよな」

一方通行「あァ、一応な」

上条「部室で、やったことある楽器めっちゃ上げてたけど、技術的な意味でどんくらい出来んの?」

一方通行「大したことねェよ」

上条「いーや嘘だね! お前のいう大したことないってのもどうせ俺から見たらプロレベルなんだろ!? ちくしょう!」

一方通行「まァその辺のプロ並には出来ますね」

上条「くっ……! これが庶民と第一位の差か……!」

一方通行「なァオマエなンか無駄にテンション高くねェか?」

上条「早起き過ぎて逆にハイテンションなのかも」

一方通行「だー、ねみィ」ボフッ

上条「テメェ……イマジンをブレイクされてぇのか」

一方通行「あン? やンのか?」

上条「冗談ですごめんなさい」

一方通行「おっと、すっかり忘れてたわ」

上条「何を?」

一方通行「朝飯。腹減った」

                        

 

    喫茶店 AM5:21

上条「うぉ……こんな時間に開いてるって珍しいな 」

一方通行「事前に調べといたンだよ。コーヒーが美味い店をなァ」

上条「なんつーか、まめな奴だな」

一方通行「コーヒー(豆)なだけにってかァ?」





上条「えっ」

上条「……」

一方通行「頼む、忘れてくれ」

 上条「……マジで奢って貰っちゃって良いのか?」

一方通行「モーニングぐれェ気にすンな」

上条「悪いな。今度なんか埋め合わせすっから」

一方通行「期待しねェで待ってやらァ。すいませーン」

ハーイ スタスタ

店員「お待たせしました。ご注文をどうぞ」

一方通行「あァ、コーヒー一つ」

店員「はい、コーヒーをお一つ。モーニングサービスでトーストかサンドイッチがお選びいただますよ」カキカキ

一方通行「サンドイッチで」

店員「かしこまりました」カキカキ

一方通行「オマエは?」

上条「じゃあ、小倉トーストで」

店員「かしこまりました。それでは、しばらくお待ち下さいませ」ペコッ スタスタ


一方通行「小倉トーストってなンだ?」

上条「名前のまんま、小倉をトーストで挟んだやつ。名古屋の喫茶店名物らしいんだけど、最近は割と色んなとこでポピュラーな食べ物らしいぜ」

一方通行「へェ、良くしってンな」

上条「……事前に調べました」

一方通行「オマエもかよ」

 中野家 AM5:37

ヴー ヴー

梓「……」

ヴー ヴー

梓「……」イラッ

ヴー ヴー

梓「……」モゾモゾ

梓「……」パカッ

梓「……もしもし」

律『やあおはよう!』

梓「早過ぎです。真面目にキレて良いですか?」

律『ごめんなさい。声のトーン低いしこわいです』

  梓「で、なんですか?」

律『梓って低血圧なの? 寝起き機嫌悪いんだな』

梓「……」

律『調子に乗りましたすいません』





律『まあ、あれだ。暇だし、今から梓んち言っていい? 起きんの早過ぎたんだよねー』

梓「……」ブチッ ツー ツー

 ヴー ヴー

梓「……」ピッ

律『切るなよ梓!』

梓「……他の先輩方にいってください。私眠いですから」シパシパ

律『みんな電話したけど出なかった』

梓「でしょうね」

律『で、いっていい?』

梓「嫌です」

律『今梓んちの前にいるんだけど』

梓「メリーさんかよ」

             スタスタ

店員「お待たせしました。コーヒーとサンドイッチになります」コトッ コトッ

店員「小倉トーストになります」コトッ コトッ

上条「」

一方通行「ま、マジか……」

店員「それでは、ごゆっくりどうぞ」ペコッ スタスタ

上条「え? なにこの小倉の量。つかトーストと小倉分けてあるとか聞いてねぇんだけど」

        

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最終更新:2010年11月11日 22:57
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