美琴「キングダムハーツ?」2


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―――学園都市某所

木山「おかしいな……確か、例の病院はこの辺りだったはずだが」

木山(仕方がない、また人に尋ねてみるか)

ドナルド、マダツカナイノカ?

モウスコシサキダヨ

木山(あのツンツン頭は……先日駐車場を探した時の?)

木山「調度いい、彼にまた世話になるとしよう」

木山「やあ君、久しぶりだね。この間は君の知り合いの子にお世話になったよ」

ソラ「……え?」

グーフィー「ソラ、こんなところに知り合いがいたの?」

ソラ「ううん……ごめんなさい、多分人違いだよ」

木山「おや……? そういえば、彼はもっと細かいツンツンだったかな。失礼した」

木山「だが、違うなら別に構わない。道を訪ねたかったんだ」

木山「水穂機構病院というのを探しているんだが……」

ドナルド「あっ! それ、僕たちが行こうとしてるところだよ!」

ソラ「なんだ、それなら一緒に行こうよ!

木山「ありがとう。助かったよ」

ソラ「俺はソラ! それと、こっちがドナルドとグーフィー!」

木山「私は木山春生だ。よろしく」

木山「ところでドナルドとグーフィーはそんな着ぐるみを着て……暑くはないのか?」

ドナルド「もう、だから僕たちは着ぐるみじゃないんだってば!」グワァッ

グーフィー「でも確かに今日は暑いよね」

木山「ああ、まったくだ……」シュルリ

ソラ「え……ええ!?///」

ドナルド「な、なんでいきなり服を脱ぎだしてるの!」

木山「なんでって……暑いからさ。 それにドナルド、君も下半身は何も着ていないじゃないか」

ソラ「あ、そういえば確かに!」

ドナルド「僕のことはいいの!」

キャーナニアレー

キグルミノチカンシュウダン?

グーフィー「すごく目立っちゃってるね」

ドナルド「とにかく、早くシャツを着て!」

木山「まったく仕方がないな」

ドナルド「ソラも見ちゃダメ!」

ソラ「わ、わかってるよ」



―――水穂機構病院

木山「やれやれ、やっと着いたか」

ドナルド「なんか疲れちゃったよ……」

グーフィー「そういえば白衣を着てるし、木山さんはここのお医者さんなの?」

木山「いや、私は大脳生理学をの研究をしているんだ」

ソラ「だいのうせいりがく……?」

木山「そもそも生理学とは生命現象を機能の側面から研究する生物学の一分野なのだが、私は大脳の機能に……」

ソラ「わ、わかったよ、その話はまた今度に!」

ドナルド「でも、大脳……なんとかの先生がどうしてこの病院に?

木山「実は最近、体には何の異常もないが意識不明で病院へ運ばれる患者が増えているらしくてね」

グーフィー「それって……」

ソラ「俺たちもそのことについて調べたくて、ここに来たんだよ!」

木山「そうだったのか。この件は原因不明で病院ではお手上げということで、私が院長から呼ばれたんだ」

グーフィー「こんな大きな病院から頼りにされるなんて、木山先生はすごい人なんですねぇ」

木山「ふふ……それほどでもないさ」



――――――

木山「お待たせしました、木山春生です」

ソラ「あ、ミコトにクロコだ!」

美琴「あなたは……って、ソラ、ドナルド、グーフィー!?」」

黒子「まったく、結局来てしまわれたんですのね」

ドナルド「もう、またそんな冷たい言い方をする!」



黒子「……それで、木山先生に道案内をしてここまで来たと」

ドナルド「そうだよ! 僕たちがいなきゃ、木山先生はここまで来れなかったんだよ!」

黒子「……ま、確かにその功績は認めてあげてもいいでしょう」

黒子「あと、昨日お姉さまのことをお守りしてくださったことも一応礼を言っておきますわ」

ソラ「じゃ、じゃあ俺たちも一緒に協力して……」

黒子「それとこれとは別ですの!」

グーフィー「昨日の姉御さんもそんなこと言ってたよねぇ」

美琴「黒子、あんたどうしてそんなに意地を張るのよ?」

ソラ「そうだよ! ハートレスも関係してるし、絶対協力した方がいいよ!」

黒子「…………」

木山「……君たち、まだいたのかね」

美琴「木山先生!」

黒子「木山先生、ちょっとおたずねしたいことが……」

木山「それはいいが……ここは少々暑すぎる」シュル…

ドナルド「また始まった!」

黒子「な、何いきなりストリップを始めてますの!?」

木山「いや、だって暑いs」

黒子「と、とにかくどこか涼しいところに移動しますの!」

ソラ「俺たちもついて行っていいよね?」

黒子「もう、勝手にすればよろしいですわ!」



―――

木山「なるほど、そのレベルアッパーというものが昏睡患者に関係していると君たちは考えているわけだ」

木山「こちらとしても興味深い。ぜひ協力させていただこう」

黒子「ありがとうございますの!」

木山「ところでソラくん、さっき君が持っていた剣だが……」

ソラ「え? キーブレードのこと?」

木山「やはりそれがキーブレードというものだったのか」

美琴「先生、キーブレードのこと知ってるんですか?」

グーフィー「この世界では、初めて知ってる人にあったね」

木山「……いや、噂を耳にしていただけさ」

木山「世界、心……あらゆる扉を開け閉めできる、伝説の剣」

黒子「木山先生までこんな非科学的なものに興味が御有りですの?」

木山「いや、脳と心には密接なかかわりがあると私は考えていてね」

木山「大脳生理学者として心に関連するものには興味があるんだ」

美琴「ふーん、キーブレードって結構すごいものだったんだ。ねえ、ちょっと私にも触らせてよ!」

ソラ「いいよ、はい」

美琴「へぇー、意外と軽いのね……」

美琴「きゃっ!」パシュン

ソラ「へへっ」スチャッ

美琴「え、何よ今の!? なんでソラの手に戻っちゃったの?」

ドナルド「キーブレードは、キーブレードに認められたものしか使うことができないんだ!」

木山「……なるほど、そしてソラ君がキーブレードに認められたキーブレードマスターというわけか」

美琴「なによそれ、ちょっとずるくないー!?」

ソラ「ミコトはキーブレードなんかなくても十分強いよ」

グーフィー「でもミコトならいつかホントに使えるようになるかもねぇ」



――――――

黒子「今日はありがとうございました」

木山「いや、私も教鞭をとっていた時代を思い出して楽しかったよ」

ソラ「木山先生は、学校の先生もやってたんだ!」

木山「ああ、特に君のような……」

ソラ「? 俺みたいな?」

木山「……君のような子供を、ね」フッ



ソラ「……今のどういうこと?」

グーフィー「ソラくらいの年の子の先生だったのかなぁ」

ドナルド「ソラはいつまでたっても子供だなーってことじゃないの?」

ソラ「むむ、そんなことないって!」

黒子「まったく、あなた方は……ともかく、いったん支部に戻りますわよ」




――――――次の日、風紀委員第177支部

初春「これがレベルアッパーの取引場所の推測地点のリストです」

ドナルド「げぇ、こんなにあるのぉ!?」

黒子「この中に必ずあるのでしたら、一つ一つつぶして行くまでですの!」

ソラ「黒子の言うとおりだよ! 皆で調べよう!」

グーフィー「うん、四人で調べればすぐだよ」

黒子「ってあなたたち、何を自然に私の仕事に首を突っ込もうとしてますの!?」

ソラ「なんだよクロコ、まだ言ってるのかよ!」

ドナルド「いい加減、観念すれば?」

黒子「いーえ観念などしません! ともかくあなたがた部外者はここでおとなしくしていてくださいな!」ガチャッ

ソラ「あ、リストの紙もってかれちゃった!」

グーフィー「あれがないとどうにもならないよねぇ」

初春「あのみなさん、これを……」ペラ

ソラ「……あれ、リストがもう一枚!?」

初春「実はリストは二枚だったんですけど、白井さんに一枚渡し損ねちゃって」

ソラ「俺たちがもらっちゃっていいの?」

初春「はい! ……最近白井さん働きづめで、本当は私も心配なんです」

初春「それに本当は白井さんだって、みなさんのこと嫌いなわけじゃないと思うんです!」

初春「私じゃみなさんみたいには戦えません、だから……」

ソラ「……わかったよ。きっとクロコの力になって見せる」

初春「ありがとうございます!」

初春「あ、あとこれを持って行ってください!」

ソラ「これ……何?」

グーフィー「すごく小さい機械みたいだねぇ」

初春「小型通信機です。 それを使えば離れたところにいてもお話できるんですよ」

ドナルド「そんなものまであるんだ! 本当にこの世界はすごいなぁ」

ソラ「でも、どうしてそんなものを?」

初春「だって……みなさんそのリストに書かれた場所がどこかわかります?」

ソラ「……あっ」

グーフィー「そういえば住所を見てもさっぱりだよ。全然頭になかったね」

初春「それを使って私が皆さんをナビゲートしますから、それに従ってください!」

ソラ「了解、それじゃあ行ってきます!」



―――第七学区、スキルアウトの溜まり場

ソラ「なあ、ホンットーに知らないの?」チャキンッ

ドナルド「正直に言わないと、また凍らせちゃうぞ!」

不良A「ほ、ホントにしらねーよ!!」

不良B「頼むから勘弁してくれぇ!!」

グーフィー「ここも結局、ただのスキルアウトたちの溜まり場だったみたいだね」

初春『そうですか……それじゃあ全部ハズレだったみたいですね、すみません』

ソラ「なーんだ、あんなに周ったのに収穫なしかよ……」

初春『白井さんからも、今のところ何の連絡も来ていませんね……』

初春『……あれ?』

ソラ「カザリ、どうかしたの?」

初春『いえ、もうずっと白井さんが同じところにいるんです』

ドナルド「ひょっとしたら、何かつかんだのかも!」

初春『でもそれなら連絡があるはずなんですけど……』

ソラ「とにかく俺たちもそこに向かうよ、位置を教えて!」


―――立て壊し予定のビル

ソラ「ここが、そのビルか……」

初春『はい、その付近に白井さんがいるはずなんですけど……』

佐天「ソラ! ドナルド! グーフィー!」

ソラ「ルイコ!?どうしてここに?」

ドナルド「あれ、それに男の人が倒れてる!」

グーフィー「見た目からして、スキルアウトみたいだね」

ソラ「ルイコ、クロコは?」

佐天「私レベルアッパーの取引現場に出くわしちゃって、スキルアウトに襲われて……」

佐天「白井さんが助けに来てくれたんですけど、スキルアウトの一人に今追いつめられてビルの中に逃げてるんです!」

ドナルド「た、大変だぁ!」

ソラ「早く助けにいかないと!」

グーフィー「み、みんな、ハートレスだよぉ!」

シャドウ「………」ウジャウジャ

ソラ「くそ、お前らこんなとこにまで出やがって!」

佐天「こ、これがハートレス!?」

ドナルド「ソラ、ここは僕たちに任せて早く白井さんを助けに行って!」

ソラ「でも……!」

グーフィー「佐天さんのことなら、僕たちに任せて!」

ソラ「……わかった、ルイコを頼んだ!」



――――――

黒子「……取り壊し予定だけあって、隠れるところは何にもありませんのね」ハァハァ

タッタッタッタッ……

黒子(!? もう追いつかれた?)

ソラ「クロコ!? 大丈夫!?」

黒子「なっ!? あなた、どうしてここに……!?」

ソラ「ルイコが教えてくれたんだ、クロコがピンチだって!」

黒子「まったく、余計なお世話ですの……」

ソラ「む、そんな言い方ないんじゃないの!?」

黒子「……とにかく少し静かにしてくださいな、見つかってしまいます」ピト

ソラ「な、何いきなり寄りかかって……///」

黒子「とにかくいったん上に逃げますわよ」シュンッ

ソラ「い、今のがテレポート……」ドキドキ

黒子「……どうやらここが最上階のようですわね」

ソラ(それにしても、クロコはもうかなりダメージをうけてる……)

ソラ(ここは、俺が頑張らないと!)

スキルアウト「おいおい、ヒーローさんの登場かぁ?」ザッ

ソラ「……お前がクロコをこんな目にあわせたのか!?」

スキルアウト「だったらどうするよ?」

ソラ「俺が相手だ!」チャキンッ

スキルアウト「おいおい、そりゃ噂のキーブレードじゃねえか」

スキルアウト「おもしれえ、お前に勝って俺が真のキーブレードマスターになってやるよ!」ダッ

ソラ「できるもんならやってみろ!」ダッ

黒子(ソラさんが時間を稼いでくれている、今のうちに……)シュンッ

ソラ「はぁっ!」ブンッ

スキルアウト「はっ! どぉこ狙ってんだぁ?」スカッ

ソラ「外れた!?」

スキルアウト「今度はこっちの番だ!」ズガッ!

ソラ「うあぁっ!」ズンッ!

黒子「ソラさん!?」

ソラ(なんだ……? 捉えたはずなのに当たらない、避けたはずなのに当たる……?)ハァハァ

黒子「奴の能力はただの目くらまし! 自分の周囲の光を捻じ曲げているだけですわ!」

スキルアウト「ほう、そっちの女は気づいてたか……『偏光能力〈トリックアート〉』って言うんだけどな」

スキルアウト「……だからっててめえらに何ができる!」

ソラ「……そんなのは、やってみなきゃ分からない!」

スキルアウト「はっ、そうこなくっちゃなぁ!」ダッ

ソラ「喰らえ、サンダー!」

ズシャァッ!!

スキルアウト「だから、当たらねえってんだよ!」ズガッ!

ソラ「リフレク!」ピキーンッ

スキルアウト「なにっ!?」

スキルアウト「……なるほど、広範囲の反射とは厄介だな」

ソラ「ヘヘん、これがあればお前の攻撃はきかないぞ!」

スキルアウト「……それはどうかなぁ?」シュンッ

ソラ「えっ……消えた!?」

黒子「ソラさん、後ろですの!」

スキルアウト「オラァ!」ドゴッ

ソラ「うぐっ!」ズンッ

スキルアウト「……っと、能力を応用すれば、後ろに回り込むのもわけねえ」

スキルアウト「反射を準備する前にやっちまえば、なんの問題もねえってことさ」

ソラ(くそ、攻撃がまったく当たらないなんて……どうすれば!?)

    (ソラ、見えるものだけを信じちゃだめだ!)

ソラ(この声は……王様!?)

    (相手の姿を見るんじゃない。相手の『闇』を見極めるんだ)

    (心の闇は決して隠せない。そして、その心の闇を打ち砕くんだ!)

ソラ(心の闇を、打ち砕く……)スッ

スキルアウト「さっきからなにブツブツ言ってやがんだ?」

スキルアウト「……そろそろ終わりにしてやるよ!」ズァッ

ソラ「受けてみろ……ソニックレイヴ!!」



――――――

スキルアウト「ム、ムチャクチャダ……」ガクッ

黒子「そりゃ手当たり次第に相手に向かって突進しまくれば、一撃くらいは当たるでしょうけど……」

ソラ「だから手当たり次第じゃなくって、『心の闇』を狙ったんだってば!」

黒子「はいはい、そういうことにしておいてあげま……」

ゴゴゴゴゴォ……

ソラ「な、なんだ!? ビルが……!?」

黒子「ああ、そうでした」

黒子「どうせあなたがやられると思って、ビルを崩してしまおうとしていたのを忘れていましたの」ニコッ

ソラ「む、無茶苦茶だあぁぁぁーー!!」



――――――

ズウウゥゥゥゥン……

ドナルド「び、ビルが崩れるよぉ!?」グワァッ

佐天「し、白井さん、ソラ!」

グーフィー「佐天さん、早く離れなくちゃ!」

シュンッ!

黒子「少々やりすぎた感もありますが……ま、良いでしょう」ニコッ

ソラ「」

スキルアウト「」

ドナルド「二人とも、無事だったんだね!?」

ソラ「……し、死ぬかと思った」ガクガク

グーフィー「ビルが崩れた時は、本当に心配したよぉ」

黒子「あらグーフィーさん、私も崩れるビルと運命を共にするほど馬鹿ではありませんわよ」

黒子「さあ、レベルアッパーをいただきますの!」グッ

ハァグギ!

モウニサンカイビルトイッショニツブレテミマス?

佐天「…………」



――――――

ソラ「……それじゃ、レベルアッパーの正体は音楽だったんだ」

黒子「ええ。……しかし、これを聞くだけでレベルアップだなんて信じがたいですわ」

ソラ「なんにせよ、一歩進んで良かったな!」

黒子「……ところで聞くところによりますと、お三方で取引現場探しを手伝ってくださったとか?」

ソラ「ギクッ! カザリのやつ、喋っちゃったのか!?」

黒子「しかも私の獲物を勝手に横取りして……」

ソラ「……悪かったよ」

黒子「……いえ、私も意地を張っておりましたの」

ソラ「えっ?」

黒子「初めてハートレス、そしてあなた方にであった時……」

黒子「私、とても怖かったんですの」

黒子「あんな未知の敵を相手に私がこの街を守れるかどうか、とても不安でしたの」

黒子「でも私、自分の力量不足を認められずに……」

ソラ「……それで意地を張っていたんだ」

黒子「……ええ、情けない話ですの」

ソラ「それならよかったよ!」

黒子「な、何がよかったんですの!? 私はあなたにあんな態度を……」

ソラ「だってそれは、この世界を守りたいって気持ちからだったんだろ?」

ソラ「だったら何にも問題ないよ、むしろ良かった!」

黒子「……まったく、あなたという人は」

黒子「ここまでなさったのだから、今更逃げ出すことは許しませんわよ?」

ソラ「!? それって……」

黒子「これからも事件が解決するまで、存分に働いていただきますわよ!

ソラ「……ああ、望むところさ!」

ドナルド「二人とも~!」バタバタ

グーフィー「こんなところにいたんだ」

ソラ「聞いてよ二人とも、クロコが『これからもよろしく頼む』って!」

グーフィー「本当かい? これで僕たちも、胸を張って行動できるね」

ドナルド「それは確かにいいんだけど、大変なんだよ!」グワッ

黒子「……どうかなさったんですの?」

ドナルド「佐天さんが見当たらないんだよ!」

ソラ「ルイコが!?」

グーフィー「そうそう、ちょっと目を離したすきに、消えちゃったんだ」

黒子「まあ、佐天さんだって小さい子供じゃありませんのよ」

黒子「きっと一人でお帰りになったんでしょう」

ドナルド「……確かに、そうかもしれないけど」

グーフィー「でも……」

ソラ「どうかしたの、二人とも?」

グーフィー「佐天さん、ちょっと寂しそうだったから……心配なんだよねぇ」



――――――

佐天(結局、私は守られてるだけだった……)

佐天(ソラは、『仲間といるから、心が強くなれる』って言ってた)

佐天(でも私は仲間に守られてるばかりで、自分じゃ何もできない……)

佐天(……このレベルアッパーがあれば、変われるのかなぁ?)



―――ジャッジメント、第177支部

初春「それにしても、レベルアッパーが音楽ファイルだったなんてちょっと信じられませんね」

黒子「木山先生によれば、五感すべてに働きかけなければこんなことは不可能という話でしたが……」

美琴「レベルアッパーはただの音楽ファイル、聴覚作用だけね」

グーフィー「音楽といえば、お城にいたころは毎日音楽隊の演奏を聴いていたよね」

ソラ「へえ、きっとすごい演奏なんだろうなぁ!」

ドナルド「もちろん! 王様えりすぐりの音楽家ばかりだったからね!」

グーフィー「今でも音楽を聴くと、お城での日々が目に浮かぶんだ」ウットリ

ドナルド「僕もだよ……」ウットリ

美琴「あ、それって共感覚ってやつじゃない!?」

ソラ「きょうかんかく? なにそれ?」

美琴「共感覚っていうのは、一つの感覚の刺激で複数の感覚を……」

美琴「……あっ!!」

黒子「お、お姉さま、それですわ!!」

ウイハルッイソイデキヤマセンセイニレンラクヲ!!

ハ、ハイィ!

美琴「三人とも、お手柄よ!」

ソラ「なんか俺たちの知らない間に話が進んじゃってるなー」

グーフィー「ミコトがほめてくれたしいいんじゃないかなぁ」

初春「それじゃみなさん、私は木山先生のところに……」

prrrrrr……

初春「あれまた電話……あっ、佐天さんからです!」ピッ

初春「佐天さん、どうしたんですか?……えっ?」

初春「佐天さん、佐天さん!?」

ソラ「い、いったいどうしたの!?」

初春「佐天さんがレベルアッパーを……」

黒子「なんですって!?」ガタンッ



――――――水穂機構病院

美琴「佐天さんも、レベルアッパーを……」

ドナルド「……あれ、初春さんは?」

グーフィー「データを解析して絶対に佐天さんを助けるって、木山先生のところへ向かったよ」

ソラ「カザリのやつ、かなり思いつめてたみたいだけど……大丈夫かな?」

黒子「無理をして倒れたりしなければ良いのですけれど……」

美琴「皆、ちょっといいかな?」



――――――

ソラ「どうしたんだよ、ミコトが話なんて」

美琴「私、この間佐天さんと話したんだけど……」

美琴「そのとき『レベルなんてどうでもいいんじゃない』とか、無神経なことばかり言って」

美琴「ハードルの前に立ち止まっちゃう人もいること、全然考えたことなかった」

ソラ「……それなら、俺もだ」

美琴「えっ?」

ソラ「俺もルイコと話したんだ。『大事なのは心の強さ、皆がいるから心強いんだ』って」

ソラ「でもやっぱりルイコは俺たちに守られてるのは変わらなかった」

ソラ「きっとそれを見せつけられちゃって、昨日寂しそうにしていたんだ」

ドナルド「そっか、昨日のアレはそういうことだったんだね……」

ソラ「そりゃ俺たちみたいなのに『武器や力はどうでもいい』なんて言われても、説得力無いよな……」

グーフィー「ソラ……」

美琴「私は佐天さんを助けたい。そのためにも黒子、捜査に協力させて!」

ソラ「俺からもお願いだよ! 皆で一緒に頑張ろう!」

黒子「……わかりましたわ」

グーフィー「やったぁ、ミコトがいれば百人力だね!」

ドナルド「百人どころじゃ済まないかもね」シシシ

美琴「ちょっとドナルド、それじゃまるで私が化け物みたいじゃない!」グイッ

ドナルド「グワワゥ!? 冗談だよぉ!」

prrrrr……

黒子「はい、はい……了解しましたの」ピッ

黒子「また学生が暴れているらしいですの。私行ってまいりますわ!」

ソラ「あっ、なら俺たちも!」

黒子「あまり支部を留守にしているわけにもいきませんわ。皆さんは支部に戻っていてくださいな!」ダッ

ソラ「行っちゃった……」

グーフィー「白井さん、昨日の傷がまだ治ってないはずなのに……大丈夫かなぁ?」

ドナルド「きっと大丈夫だよ。あの白井さんだもん!」

美琴「…………」

ソラ「……ミコト? どうかした?」

美琴「……ううん、なんでもないわ。」

美琴「さ、早く支部に戻りましょ!」

ソラ「あ、待ってよミコト!」



――――――

prrrrr……

美琴「あれ、黒子からだ」ピッ

美琴「もしもし……うん、了解したわ!皆とすぐに向かう!」

ソラ「何かまた事件!?」

美琴「この近くで高校生がスキルアウトに絡まれているらしいの!」

美琴「皆、すぐに向かうわよ!」ダッ

ソラ・ドナルド・グーフィー「了解!」ダッ

――――――

ドナルド「……このあたりがその現場なの?」

グーフィー「よく見たら僕たちが着陸した所の近くだねえ」

マズハソノゲンソウヲブチコロスッ!

美琴「!! 今の声は……!」

ソラ「あっちだ、急ごう!」



上条「くそっ、離せ! お前も俺の右手を狙ってるのか!?」

黒フード「…………」

ソラ「ⅩⅢ機関! その人から離れろ!」チャキンッ

黒フード「!!」

黒フード「…………」シャキンッ

美琴「アンタ、こんなところで何やってるのよ!」

上条「ビリビリ!?」

上条「知らねえよ! 俺に絡んできたスキルアウト達をあの黒いのが全部倒して……」

美琴「それでなんであんたまで襲われてるのよ!?」

上条「俺に聞くな! ってかお前の連れてるあの着ぐるみは何なんだよ!?」

ドナルド「だーかーら、着ぐるみじゃないってば!」グワワァッ

黒フード「……」スッ

ソラ(……あの構えは!?)

ソラ「みんな、来るぞ!!」



―――――――

ソラ「とどめだぁ!」

ザシュンッ

黒フード「…………!!」

黒フード「…………」フッ

ドナルド「あぁ、逃げるなぁ!!」グワァッ

ソラ(あいつ、まさか……そんなことって)

ソラ(リク!?)



上条「……あいつ、俺の右手をつかんできたんだけど」

上条「『やはり……自分で何とかするしかないようだ』とか何とか言ってたんだ」

美琴「そこで私たちが助けに来たのね」

グーフィー「あらゆる能力を打ち消す『幻想殺し〈イマジンブレイカー〉』かぁ……」

ドナルド「この世界はホントに信じられないことばかりだよ!」

上条(いや、目の前の二体の不思議生物の方が上条さん的には信じられないんですけど……)

美琴「ソラ、あいつが例のⅩⅢ機関ってやつなの?」

ソラ「えっ? ああ、うん……」

ドナルド「ⅩⅢ機関はイマジンブレイカーを何かに利用するつもりなのかな?」

上条「あんな奴らにまで狙われるなんて、不幸だ……」

ソラ「いや、多分心配いらないよ」

グーフィー「ソラ、どういうこと?」

ソラ「あれはⅩⅢ機関じゃない、多分……いや、絶対リクだ!!」

美琴「リクって……探してた友達の!?」

美琴「でもその友達がなんでコイツを襲ったり、ソラを襲ったりしたのよ?」

グーフィー「そういえば確かにさっき戦った時は本気じゃなかったみたいに感じたなぁ」

ドナルド「僕たちの様子を見に来たのかも!?」

上条「おいお前ら……どうもこれ、そのお友達の落し物みたいだぞ」ペラッ

ソラ「リクの!?」

美琴「何かしら、この紙……図が描かれてるわね」

ソラ「きっとリクからのヒントだよ! ミコト、そこから何かわからない!?」

美琴「これ……ひょっとしたら脳電図?」

美琴「そうか! レベルアッパーによって無理やり脳を動かされていたのよ!」

ドナルド「それって、どういうこと!?」

美琴「多分レベルアッパーの使用者は、ここにある脳波パターンで脳が強制的に動かされているの」

美琴「でもそんなことされたらすぐ脳に負担が来てしまう……」

グーフィー「それでレベルアッパーの使用者が倒れちゃったんだね!」

美琴「うん……おそらくこの脳波パターンの持ち主が、真犯人よ!」

上条「あの、お取り込みのところ悪いんだけど……俺、帰っていい?

美琴「ちょっと待ちなさい!」ガシッ

上条「なんだよ、もう事件は解決したみたいだしいいじゃねえか?」

美琴「で、でもⅩⅢ機関のやつらとか、あんたを狙ってるかもしれないのよ!?」

上条「あれは友達の人だったんだろ?」

上条「それに、俺の右手を狙ってる奴なんか世界中にいるよ」

上条「いちいちビクビクしてたらキリがないぜ」

グーフィー「上条さんって結構壮絶な人生だったんだねぇ」

ドナルド「うん、世界中の人から狙われるなんてキーブレードマスターでも無いよ」

美琴「……と、とにかく何かあったら私に連絡しなさいよ!?」

上条「はぁ? なんでお前に連絡しなきゃいけないんだよ?」

美琴「それは……その……」

ソラ「ミコトは、トウマのことが大好きなんだな」

上条「……はい?」

ソラ「だから、ミコトはトウマが心配で仕方ないんだよ」

美琴「なななな……ソラ、何言ってるのよ!?///」

ソラ「俺も『絶対帰る』って約束して故郷に待たせてる人がいるんだけど……」

ソラ「きっとすごく心配させてると思うんだ」

ソラ「だからトウマも、ミコトのことを心配させない方がいいよ!」

上条「……わ、分かったよ、何かあったら連絡するからな御坂……それじゃあな」

美琴「」プスプスプス……

グーフィー「……聞こえてなさそうだねぇ」

ドナルド「もうソラ、いきなり何言っているのさ!」

ソラ「あれ? 俺なんか変なこと言ったかなぁ……」

ドナルド「ミコトが停止しちゃったのがいい証拠だよ!」グワァッ



―――ジャッジメント177支部

黒子「なるほど、ではその脳波パターンを『書庫〈バンク〉』で調べてみますわ」カタカタ

ソラ「いよいよ、犯人が分かるのか……」

グーフィー「なんか緊張しちゃうなぁ」

ドナルド「もうグーフィー、しっかりしてよね!」

美琴「相変わらず緊張感ないわね……」

黒子「見つけましたわ!脳波パターン一致率、99%!」カタッ

黒子「……木山、春生!?」

ソラ「……そんな、これどういうことだよ!?」ガタンッ

グーフィー「ソラ! 落ち着いて!」

ドナルド「きっと何かの間違いだよ!」

美琴「……ううん、あり得ないわ。脳波は個人個人違うから、同じ波形にはなりえない」

黒子「とにかく、初春が危ないですの!!」

ソラ「そうだ、カザリは木山先生のところに行ってるんだった!」

黒子「……ダメですわ、電話に出ませんの!」

美琴「とりあえず黒子はアンチスキルに連絡して!」

美琴「ソラ、ドナルド、グーフィー! 私たちで木山を追うわよ!」

ソラ「……わかった!」コクッ

黒子「お姉さま、私も行きますわ!」

美琴「黒子、あんたの体がボロボロなの私たちが気付いてないとでも思ってたの?」ポムッ

黒子「うぐっ!」ミシミシッ

ソラ「そうだよ、ここは俺たちに任せて!」

黒子「……わかりましたわ。お気をつけて行ってください」

ドナルド「よし、急ごう!」

黒子「あ、ちょっとお待ちになって!」

ソラ「まだ何かあるの?」

黒子「ソラさん……これをつけていってくださいな」

グーフィー「これ、ジャッジメントの腕章だね」

ソラ「これは黒子のものだろ? どうして?」

黒子「私の代理ジャッジメントに、あなたを任命いたしますの」

黒子「私の代理として、なさねばならぬこと……お分かりですわよね?」

ソラ「……ああ、絶対にミコトを守る。約束するよ!」

黒子「……お頼み申し上げますわよ!」

――――――

初春「誰かの能力を上げて、ぬか喜びさせて……何が楽しいんですか!?」

木山「……レベルアッパーの正体は、複数の脳に処理を割り振ることで高度な演算を可能にする演算装置だ」

初春「演算装置?」

木山「そう。 そしてそれを使ってあるシュミレーションをするのが私の目的だった」

初春「……『だった』?」

木山「……これを君に渡しておこう」

木山「これはレベルアッパーをアンインストールする治療用プログラム『光』だ」

木山「私にもしものことがあれば、研究室のレベルアッパーについてのデータはすべて失われるようになっている」

木山「おそらくこれが唯一の治療手段になるだろう」

初春「えぇっ!?」

木山「……大切にしたまえ、闇の奥に残された小さな光を」

黄泉川『木山春生だな!ただちに降車せよ!!』

木山「……アンチスキルか」

初春「どうするんですか、おとなしく投降した方がいいんじゃないんですか?」

木山「レベルアッパーを使ってシュミレーションすることが私の目的『だった』と言ったが……」

木山「それは、シュミレーションなどせずとも解決する方法がわかったからさ」

初春「それはどういう……!?」

木山「ハートレス、そしてキーブレード」

初春「!?」

木山「……面白いものを見せてあげよう」

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