電話越しオナニー編


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とある夜のこと。

「ん…はぁ…」

「?」

 学園都市第七学区・常盤台中学学生寮。

 机の上のパソコンに向かい、風紀委員の事務処理をしていた白井は、真横から聞こえてきたため息に、キーボードをたたく手をとめた。

「お姉さま? どうかなさいましたか?」

 問いながら、美琴の方を見る白井。

 彼女の隣では、同じようにパソコンで何かレポートをまとめている美琴の姿があった。

「えっ、あっ、な、なに!?」

「え、いえ…なんだか苦しそうなため息が聞こえたので、ちょっと気になりまして」

 やけに慌てた仕草でこちらを見る美琴。には定評のある白井の様子に軽く首をかしげた。

「あ、や、大丈夫よ? ぜんぜん、そんな…」

「でも…」

「ほんとにっ、うん、大丈夫。ちょっとだけ、暑くって」

「暑い、ですの? ヒーターの温度は…いつもどおりですけれど」

「ああ、ううん。ちょっと今日、少し厚着してるから…」

 美琴がぎこちない笑顔を浮かべた。

 頬が赤く、瞳も潤んでいる。

「なんだかお顔が赤いようですし…風邪でも召されたのでは?」

 よくよく見れば顔が赤いだけではなく、呼吸も少し乱れ、なんだかけだるそうな仕草が目に付いた。

「風邪っていうか、その…うん、ちょっとだけ、体調不良でさ」

 着込んでるのもそのせいなの、と弱々しく笑う美琴。

 紅色の頬で汗の浮いた彼女の姿は艶やかだが、流石に体調不良の相手に飛び掛るほど白井は非常識ではない。

「まぁ…それならばもうお休みになられたほうがよいのではありませんか? 風邪はなり掛けが大切ですし…」

 むしろ美琴を敬愛しているがゆえ、白井は本当に心配そうに眉根を詰めた。

「あ、うん。そうしたいんだけど…この前の実験のレポート、ちょっと急いでて、さ。なんとか今日中にケリつけたくて…ごめんね、心配かけて」

 うつっちゃうかも、とも言葉を追加。

「そんな、水臭いことを言わないでくださいまし。わたくしの方こそお姉さまの体調不良に気がつかなくて…」

「あはは、いいわよそんなこと。体調不良にしたって、昼くらい、からだし・・・っ!?」

 美琴が不意に、ぴん、と背筋を伸ばした。
「っ・・・っ・・・っ・・・」

 そしてキーボードの手前に置いた手をぎゅっと握り締め、眉根を寄せる。

「えっ、お、お姉さま!?」

 白井は突然の彼女の様子に、らしくなくおろおろとしてしまう。

 美琴がいままで体調不良をここまで表に出したことなど、なかったからだ。 

 だが白井が戸惑うのも無理もない。



 本当に美琴が体調不良であるのなら、こんなことにはならないのだ。

「―――っ、ご、ごめん黒子。やっぱり、ちょっと体調、悪い、みたい」

 ぎゅっ、と握った右手を胸元に当て、やけに荒い息を吐いた。頬は先ほどよりも赤くなり、吐く息は空調の効いた室内でなお、熱くなっている。

「あっ、し、しっかりしてくださいお姉さま! 今日はもう休んでくださいまし」

「う、ううん。それだとレポートが―――っ! っ、っ!」

「そんなご様子で何が書けると言うんですか! こんなに震えて、このままじゃ本当に倒れてしまいますの!」

「で、でも…」

 なおもキーボードを打とうとする美琴を、白井は「だめですの!」と手を伸ばした。

 パソコンを瞬間移動。白井の私物が入った鍵付きロッカーの中に転送し、取り出せないようにする。

 これでもう、レポートをしようとしても不可能だ。

「黒子…」

「申し訳ありませんが、パソコンは明日までロッカーの中にいてもらうことにします。…お姉さまの責任感は尊敬いたしますけれど、もう少しご自分を大事にしてくださいまし。さ、もうベッドでお休みくださいませ」

「……」

 そこまで言われても、白井は困ったように眉根を詰めて、動かない。

「お姉さま?」

 そんな彼女の様子に、白井は首をかしげた。

 御坂美琴という人物は、優秀だ。

 引くべきところは引くことを知っているし、逆にどんな無茶なことでもひいてはいけないところは絶対に引かないという、駆け引きを知っている人間だ。

 無理と無茶の線引きができない人間ではないのである。

 そんな彼女が、自分の体調を考慮できないわけがない。

「…その、レポートの締め切りも、今日明日というわけではないのでしょう?」

「それはっ、その、そうなんだけど…」と、美琴。

 だがやはり椅子から立とうとしない。

 白井は、はぁ、とため息をついて、

「わかりました」

 とだけ言った。

「……?」

 どこかぼんやりとした瞳でこちらを見てくる美琴の前で携帯電話を取り出し、登録してある番号を呼び出す。

 耳に押し当てて、コール音が響く。相手が取るまでほんの2コール。

「ごめんあそばせ、白井ですの。いまお電話よろしいですか? ええ、はい、そうです。…よくわかりましたね。…やっぱり、夕方には、でしたの。それで、口喧嘩になって、ですか」

 ちらり、と美琴を見る白井。

「はい、はい、わかりました。いま変わりますの」

 そして、ぽん、と美琴に自分の携帯電話を手渡した。

「え・・・」

 待ち受け画面に表示されているのは『通話中』の文字と、

「んっ……」

 こくり、と唾を飲み込む美琴。

 通話相手の名前には『上条当麻様』とあった。
『美琴か?』

 耳に当てた受話器から、聞きなれた声が響く。

「と、とうま・・・」

 はぁ、と自分でも熱く感じる吐息とともに、美琴は相手を呼んだ。

 目の前にいる白井は、わざとらしくため息をついたあと「飲み物と、医務室にお薬をとってきますの」と席を立とうとしている。

 ここは二人部屋で、医務室で薬をもらうにはそれなりに手続きがある。彼女が出て行けば、しばらく室内には美琴一人だ。

「あ、黒子・・・」

 咄嗟に通話口を押さえて白井に呼びかけるが、彼女はそれが聞こえないふりをして出て行ってしまった。

 出入り口のドアを閉める直前、唇が「きちんと仲直りしてくださいましね」と描いているのが見えた。

 そして、パタン、とドアが閉まる。

「・・・・・・」 

『白井のやつ、出て行ったのか?』

「アンタ、黒子になにを・・・?」

『いや、別に? ただちょっと、美琴は夕方から体調不良で休めって言った俺と喧嘩しちゃって意地張ってるかも、って言っただけさ』

 まぁ電話があったときはかなり肝が冷えたけどうまい言い訳だったろ? とも追加。

 楽しむような口調。だがその裏には、いたずらが成功した子供のような響きがあった。

 確かに、そういう風に言えば、白井は美琴が謝りやすいように席を空けるだろう。実際、あけてしまっている。

「で、でも、これはアンタがやれって…」

『そうだ。俺がやってくれって頼んだ』

 電話越しの上条は、一旦言葉を切り、

『でも、承諾したのは、美琴だよな?』

 と、言った。

(ああ……)

 美琴にはわかる。

 電話の向こうで、上条が笑みを浮かべていることが。

 そしていま、なぜ上条が電話を変わってもらえるように仕向けたのかも、美琴にはわかってしまっていた。

『・・・じゃあ、美琴?』

 上条の声が僅かに低くなる。

「ああ・・・はい」

 ぞくり、とその声が背筋を駆け上り、美琴はぶるっ、と身を震わせた。

 寒いのではない。

 暑いのではない。

 ただ、与えられるであろう、快楽の予感を想像して。

『ドアを向いて、スカートをめくりあげるんだ』





『白井が帰ってきたら、下着の代わりにローターをつけた美琴の姿が、見えるようにな』
「は、はい……」

 自然と敬語で返事をしながら、美琴はゆらりと立ち上がった。その拍子に、粘質の液体が、つつっ、と太ももの内側をつたっていく。

 美琴の右手指が、スカートの前側をつまんだ。

 ―――どくん、どくん、と心臓がうるさい。

 そしてゆっくりと、裏地を見せるように、持ち上げていく。

 ―――吐きだす息が熱い。

 右手の位置が、胸元にまで上がる。

 ―――ジー…、とスカートに遮られていた微かな音が、室内に響き始める。

 そして、ついにスカートの最下ラインが、股間よりも上に至った。もしもいまドアが開けば、見えてしまうだろう。

 ―――振動する楕円形をくわえ込み、艶かしく濡れそぼった、その秘密の場所が。

「はぁ…はぁ…」

 左手で白井の携帯電話を耳にあてたまま、右手でスカートをつまんだまま、美琴はドアを見つめ続ける。


 もしいま、ドアが開いたら
 

 黒子がこんな私を見たら


 こんな、いやらしいところを見られたら……


 耳に聞こえるのは、自分の鼓動と、荒い息。そして、

『………』

 電話越しの、かみ殺したような小さな笑いの雰囲気。

 彼がやめろと言うまで、これは続くのだ。そして、彼には白井が戻ってくるタイミングなどわかりはしない。

「あぁぁ……」

 想像が現実になる恐怖と、しかしそれに拮抗する興奮が美琴の身体を駆け巡り、その腰が円を描くように揺れ始めた。

 とぷっ、と新たに溢れ出した蜜がローターの糸に絡みつき、そして重力に引かれ、床に落ちる。

 寮室の絨毯にポタリとひとつ、淫らな染みができた。

 

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