カランカラーン
固法「やっほー皆」
初秋「あ、ラーメン大好き固法先輩だ」
佐天「こんにちわー。今日もいいおっぱいですね」
テレス「キャラが被るから帰れ」
美琴「えーっと……えー……あ、そうだ眼鏡が――
固法「眼鏡をかけてラーメンを食べると油が跳ねたり湯気で曇ったりしてすぐに痛んじゃうのよ」
佐天「じゃあ嫌いなんですか?」
固法「ううん。大好き」
初秋「ワンモア」
固法「ううん。大好き」
初秋「ううん無しで。ワンモアセッ」
固法「大好き」
初秋「私そっちの気ないんでお断ります」
固法「そうなんだ。で、何だって御坂さん?」
美琴「……いえ」
-
初秋「じゃあ固法先輩も来たしそろそろ始めましょうか」
佐天「そうだね。四人そろったし」
テレス「四人でやることっつったらあれだな」
固法「そうね」
美琴「うん……うん?」
初秋「ババ抜きしましょう。全力で」
佐天「私今日の為に昨日からご飯抜いてきたんですよ」
テレス「ほーう。張り切ってるじゃねえか」
固法「それじゃあカード配るわね」シャッシャッ
美琴「ねえ五人いるわよ?」
初秋「あれ? 固法先輩それトランプですか?」
固法「うふふ。良く気付いたわね。これはタロットカードよ」
佐天「へー。本格的だねー」
テレス「フランス式だな」
美琴「あれ? 固法先輩それ私のイスですよ? あれ?」
- 固法「じゃあ配るわね」
美琴「ねえ佐天さん?」
佐天「何ですか御坂さん」
美琴「なんで四人でやるの?」
佐天「え? 負け抜けで交代でしょ?」
美琴「あ、なるほど! …………ババ抜きなら五人でも出来るよね?」
佐天「はぁ!!?」
初秋「どうしました?」
佐天「御坂さんがババ抜きは五人でもできるよねって……」
テレス「あ? 何いってんだ超電磁砲?」
固法「あはは。どうやってやるの?」
美琴「え? あれ? ……でき……ま…………せんよね?」
初秋「はい」
美琴「あはは! そうだよね私何言ってんだろ! あはは!」
初秋「あはは」
- 固法「はい。配り終わったわよ」
初秋「よーし……」
テレス「ふんふん……」
佐天「おー」
美琴「……ねぇ佐天さん?」
佐天「はい。今度は何ですか? トイレは外に出て左ですよ?」
美琴「あ、そうなんだ。店内じゃないんだ」
佐天「店内ですよ?」
美琴「店内なの?」
佐天「外に出て、左。で店内」
美琴「わざわざ一旦外から入るの?」
佐天「外以外からどうやって店内に入るんですか?」
美琴「ん? んー。そうだね」
佐天「変ですよ御坂さん……大丈夫ですか? 体調悪い?」
美琴「うん……そうだね。ちょっと外で深呼吸してくる……」
美琴「……」トコトコ……クルッ
初秋「やったー! 逆位置の死神だー!」
佐天「わー初秋すごーい!」
アハハハハハ……
美琴「……」
カランカラーン
美琴「………………あれ?」
- 美琴「スー……ハー……」
美琴「スー……ハー……」
美琴「……」
美琴「よし」
カランカラーン
美琴「みんなーどうなった? まだ勝負中?」
佐天「はい? タロットですよ?」
初秋「どうやって勝負するんですか?」
固法「レベル5的にはタロット=勝負事なのね。不潔だわ」
テレス「あれか? 脳みそに電極ぶちこんだからか?」
美琴「……ん。うん。うん分かった」
初秋「何がですか?」
美琴「私イジメられてるよね?」
- 初秋「ぇ……」
佐天「御坂……さん?」
美琴「イジメられてるよね? 私」
テレス「……フゥー……」
固法「すいません。ラーメン一人前」
上条「はい毎度! ラーメン一丁!」
美琴「……」
初秋「御坂さん……」ガタッ
美琴「……何よ?」
初秋「どうして……どうして今まで何も言ってくれなかったんですか!!?」
-
初秋「相談してくれれば……私達……私達……!」
佐天「初秋……」
美琴「……うん?」
初秋「一体……一体誰が御坂さんを虐めたんですか!!?」
美琴「いや――
固法「こうしちゃいられないわね……フーフー……ズルルルルル!」
初秋「埋めましょう! そんな奴は埋めちゃいましょう!!」
佐天「そうだね初秋!!! 私の友達を傷つけるなんて許せないよ!!!」
美琴「……」
テレス「ふふ……!」
美琴「テレスティーナ……?」
テレス「私もヤキが回っちまったな……協力するぜ!」
初秋「御坂さん!」
佐天「御坂さん!!」
テレス「超電磁砲!!!」
美琴「……みんな……」
固法「あ、えー……御坂さん!!!!」
美琴「と、固法先輩……!」
佐天「御坂さん……貴女の目に、今何が映っていますか……?」
美琴「いや流石に誤魔化されないよ?」
- 初秋「はい?」
美琴「いや。そういうのいいから。あんたらだから」
佐天「えーっと……」
美琴「だから。あんたらだから。イジメてるの」
初秋「あー……ああ。つまり私達に埋まれと?」
美琴「いや別に埋まらなくていいよ」
佐天「え? じゃあ何が言いたいんですか?」
美琴「だから。イジメを止めようよ! それを!」
テレス「どれ?」
固法「え? ラーメン?」
美琴「いやラーメンはいいですよ」
初秋「え、ラーメンだけいいんですか?」
佐天「贔屓」
美琴「あ、いや。ゴメン」
-
佐天「あー……一つずついきましょう」
美琴「うん」
初秋「まず美琴さんは何時に起きたんですか?」
美琴「7時」
佐天「朝の?」
美琴「うん」
テレス「真面目だな」
美琴「ありがとう」
固法「で、ラーメンはいいのね?」
美琴「はい。それは良いです」
佐天「え、贔屓ですよねそれ?」
美琴「別に贔屓はしてないよ。ラーメンはいいんだよ関係ないから」
固法「仮に味噌ラーメンだとしたら?」
美琴「味噌でもいいですよ」
固法「味噌バターは?」
美琴「バター? んっと……」
初秋「そこははっきりさせないと」
美琴「うん……ん……ゴメン。一日頂戴」
初秋「うい」
- 翌日……
美琴「みんな居る?」
初秋「うい」
固法「テレスさん呼び出しで休むって」
美琴「呼び出し?」
固法「ほら。あの人魔法少女だから」
美琴「そっか……じゃあしょうがないですね」
佐天「で、えー……どっからだっけ?」
初秋「バターとマーガリンの違いでしたっけ?」
美琴「うん。その話について……いや違う。マーガリンじゃない」
固法「味噌バターよ」
初秋「ああそうでした。味噌バターの話でしたね」
美琴「うん。もうそれでいいや。でね? 一晩考えたの」
初秋「うい」
美琴「でね? 思ったんだけどさ?」
佐天「もったいぶらないでくださいよ」
美琴「味噌バターって北海道?」
初秋「はい?」
-
美琴「そこが気になっちゃってさ。考えがまとまらないの」
初秋「あー……たしかに北海道っぽいですね……」
佐天「逆に北海道じゃなかったらどこ?」
美琴「名古屋とか……」
初秋「ああ。味噌」
固法「でもバターの問題があるわね」
美琴「となると北海道ですか?」
佐天「どちらにしてもさ。関係ないよ」
美琴「どうして?」
佐天「ここ学園都市だもん」
美琴「あ、そっか」
固法「じゃあそこは置いておいて、どうなの御坂さん?」
美琴「え? 何がですか?」
固法「味噌バターはいいの?」
美琴「はあ……いいんじゃないですか? 個人の好みで」
固法「そう……一安心ね……」
-
初秋「あはは。安心したらお腹すきませんか?」
美琴「そうね。私も肩の荷が下りたし……」
佐天「じゃあ何か食べに行きましょうか」
固法「そうね。行きましょう」
ワイワイ
上条「ありあとっしたー」
-
美琴「あーあ。こういうとき黒子が居たら便利なのになー」
初秋「テレポートで目的の場所までぱぱーっと行けますもんね」
佐天「白井さんのせいでよけいな出費だね」
固法「まあ無いものねだりしてもしょうがないわよ」
美琴「まあ私はレベル5だからお金持ってるしバス代くらいどってことないんだけどね」
初秋「うぜえ。でもまぁ私達も別にバス代くらいなら……」
佐天「うぜえ。そうだね。でもちょっと損した気分かも」
固法「うぜえ。じゃあここは白井さんに払ってもらいましょう」
初秋「そうですね。いいですよね白井さん?」
黒子「しょうがありませんわね……はい、どうぞ」
佐天「すみません白井さん。何かこれじゃカツアゲみたいですね」
固法「あはは。風紀委員がカツアゲなんてシャレにならないわね」
美琴「じゃあ行きましょうか」
佐天「はい。白井さん早く出所できるといいですね」
初秋「今頃元気でしょうか……」
- 美琴「どこまで行きます?」
固法「そうねぇ……新婚旅行は伊勢がいいわねぇ」
佐天「へぇ~。意外と古風なんですね」
固法「あら。以外ってどういう意味かしら」
佐天「固法先輩みたいに一見地味なタイプほど実は……みたいな」
初秋「え~なんですかそれ~」
固法「人は見かけじゃ分からないものよ佐天さん!」
美琴「そうよ。初秋さんだって全裸だけどいい人じゃない」
佐天「まあそうですねぇ……でも初秋はそろそろ服着たほうがいいよ?」
初秋「断る」
- 上条「バス発射しま~す」
プシュー……ブロロロロロロ
美琴「新婚旅行かぁ……私はハワイがいいですね」
初秋「芸能人か!」 バシッ
美琴「痛い」
佐天「ブルーハワイですか? レッドハワイですか?」
美琴「え?」
佐天「え?」
初秋「芸能人か!」 バシッ
美琴「痛い」
固法「佐天さん。レッドハワイって何?」
佐天「え? 無いんですかレッドハワイ? ブルーはあるのに?」
美琴「ブルーハワイはカキ氷よ」
初秋「芸能人か」 バシッ
美琴「痛い」
-
佐天「え~! ブルーハワイって地名じゃないんですか~!」
美琴「そんな勘違いしてるの佐天さんだけよ」
固法「うふふ。恥ずかしいわね佐天さん」
佐天「うぅ~……」
初秋「所詮レベル0」
美琴「我々四天王の面汚しか……」
固法「でもそもそもブルーハワイって何かしら」
美琴「ブルーハワイ味でしょ?」
固法「え?」
美琴「え?」
初秋「芸能人か」 バシッ
美琴「痛い」
- 佐天「レッドハイビスカス!」
美琴「何が?」
佐天「いや……何か思いついて……」
初秋「レッドハワイで思い切り滑ったのに懲りませんね」
佐天「うん。私後悔はしても反省はしないの」
固法「やだかっこいい……///」
美琴「それで佐天さん。そのレッド何ちゃらはどういうものなの?」
佐天「いえ。響きが良かったので」
美琴「意味は無いのね」
初秋「じゃあ私達で意味を考えましょうか」
美琴「ハイビスカスってことは沖縄ね」
初秋「芸能人か」 バシッ
美琴「痛い」
-
固法「見てみんな。そうこうしてる間にバスがコロニーの外壁に出たわ」
初秋「わー。今日も宇宙は綺麗ですねー」
佐天「こういうのを見ると人類は革新できるって信じられるよね」
美琴「……!? みんな! アレ!!!」
……キラン
初秋「あれは……?」
佐天「ひ、人だ! 人が飛んでるよ!!」
固法「宇宙空間に人ですって!?」
……ゴゴゴオオオオォォォォ
美琴「ち、近づいてくるわ!!!」
- 美琴「……」
美琴「!?」
……ゴゴゴオオオオオオォォォォ!!!
美琴「あ、あれは――!!?」
垣根「はーはっはっはー!!!!!!」
美琴「垣根帝督!!!」
垣根「俺の未元物質に不可能はねぇ!」
美琴「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
初秋「ち、近づいて……! こっちに!!!」
垣根「ははははっははははははは!!!!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
佐天「こっちを……!」
固法「通り越して……!!!」
べチャッ
美琴「潰れた」
初秋「きたねぇ花火だ」
上条「間もなく到着しまーす」
固法「あ。もう駅だって」
美琴「ちょっと酔っちゃった」
初秋「芸能人か」 バシッ
美琴「痛い」
-
美琴「ごめんねみんなー。ちょっとトイレいってくるねー」
初秋「大きいほうですか? 大きいほうですか?」
美琴「いや……バスに酔ったからちょっとうがいでもしてこようかと……」
初秋「ていうことは大きいほうでですよね?」
美琴「しないよ」
初秋「……」
佐天「……」
固法「……」
美琴「え? 全員?」
初秋「大きいほうですか?」
佐天「大きいほうもですか?」
固法「大きいほうかもしれない?」
美琴「しないよ?」
初秋「…………解散」
佐天「ちぇっ……」
固法「何よもう……」
美琴「……行っていい?」
- ここで時間は遡る……
美琴たちがバターについて話していた頃のことである。
~とある公園
シュボッ!
すー……はぁぁー……
テレス「ふぅ……」
テレス「私何やってんだろう……?」
テレス「確か私はレベル6を作るために……」
テレス「いやまぁ。それは失敗したからいいけどさ……」
テレス「それにしたって、なぁ?」
テレス「何が悲しくて今更魔法少女とかやってんのよ?」
テレス「なあ?」
絆理「はぁ……そう、ですね?」
-
テレス「でよ? お前んとこの……えー……リリカルぅー……あー、何だ?」
絆理「リリカルストロベリー木山です」
テレス「ああそうだ。その木山だがよ?」
絆理「はい」
テレス「あいつは何て言ってんだよ?」
絆理「何をですか?」
テレス「今後のこととか」
絆理「……」
テレス「いや。いつまでも魔法少女とか言ってられないしさ」
絆理「――そのことなんですけど」
-
絆理「なんか……先生もそろそろ引退かなー……って」
テレス「はぁ!!?」
絆理「!!」ビクッ
テレス「何だよ!? あいつ私一人残して辞める気なの?」
絆理「そもそもテレスさんが私を攫ったりしなかったら魔法少女になる必要ないって……」
テレス「……」
絆理「そういうわけですので、もう帰っていいですか?」 スクッ
テレス「いやそれは困る」
絆理「まだ何か? レベル6は諦めたんでしょう?」
テレス「いや……いや…………そうか……」
絆理「……」 ストン
-
テレス「最近さ。近所のガキどもとよく一緒にいるのよ」
絆理「近所のですか」
テレス「うん。そんでさ。何かこう……子どもっていいなぁ……って」
絆理(嫌な予感がする……)
テレス「お前うちに養子にこない?」
絆理(嫌な予感あたった……)
木山「そこまでだ!!!」
絆理「先生!」
テレス「木山ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 ボヒュンッ!
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!! ガキンガキン! ガィン!!
絆理「……」
妖精美琴「絆理ちゃん! 助けに来たわ!」
絆理「あ。どうも」
妖精美琴「木山がてれすたんを引き付けている隙に! 早く!!」
絆理「うん………………」
ウオオオオオオオ……
絆理(ああはなるまい……)
つづく
最終更新:2010年10月26日 00:43