上条「二人で一緒に逃げよう」 美琴「………うん」 > 第二部 > 4


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※編者注:この回は濃厚な性描写を含みます。

上条「ハァ……ハァ……」

息を切らし、上条は昼、美琴と別れを告げたはずのアパートの扉の前に立っていた。

上条「ハァ……ゼェ……ゴクッ」

息を呑み、恐る恐る手を伸ばし、上条はドアノブを掴む。


ガチャッ……


と言う小気味良い音と共に、重い扉はゆっくりと開かれていった。

上条「ハァ……ハァ……」

そしてそこに待っていたのは………



美琴「………あら? お帰りー」



上条「ハァ……ゼェ……」

いつもと変わらない、歳相応の笑顔を浮かべた美琴が中から現れた。

上条「ゼェ……ハァ……」

エプロンを着ているのは少し早い夕食の用意をしているからだろうか。実際、室内からも美味しそうな匂いが漂ってきた。

美琴「何か急に魔術師の人が尋ねてきてさ。今日のイギリス行きの飛行機はキャンセルされたって。しかもあんたも直に戻ってくるって言うじゃない。だからちょっと早いけど、やることなかったから夕ご飯の用意することにしたの」

おたまを肩に担ぐように美琴は言う。

美琴「………で、いつまでそこに突っ立ってんの? 中に入りなさいよ」

上条「……あ? ああ」

バタン……

指摘され我に返った上条は後ろ手に扉を閉める。

美琴「変なの」

それだけ残すと、美琴はキッチンへ戻っていき、再び料理を作り始めた。

トントントン、とキッチンの方から規則的な音が響く。

美琴「ふんふんふ~ん♪」

美琴が鼻歌を口ずさみながら包丁を使って野菜を切っているのだ。

上条「………………」

そんな美琴の後ろ姿を、リビングでテレビの前に座っていた上条は横目で窺う。

美琴「ふふふん♪ ふふふん♪ ふんふんふーん♪」

上条「(………もし、俺とあいつが一緒になったら……将来、こういう風景を毎日見れるようになるのかな……)」

ボーッとしながら、上条は頭の中にそのイメージを思い描く。

美琴「ん? 何?」

と、そこで振り返った美琴と目が合った。

上条「え? あ、いや、別に……」

気まずくなり上条は咄嗟に視線を逸らす。

美琴「今日は肉じゃがよー。わざわざあんたの好物作ってあげたんだから感謝してよね」

おたまを肩の上でトントンと叩きながら美琴は半ばふざけた感じで言う。

上条「………そうだな……」

上条は顔を背け、僅かに俯きながら口元に笑みを浮かべた。

美琴「………やっぱり今日のあんた変。張り合いないわね」

上条「………はは、そうか」

美琴「?」

今の美琴からしてみると、やはり上条の様子はおかしかった。そもそも急に渡英の予定が中止になったのも気になったし、実家に帰ったはずの上条が戻ってきたのも不自然だった。

美琴「………何か言いたいことあるの?」

上条「は!? いや、別に!!??」

美琴「………?」

明らかに上条の反応はおかしい。

美琴「ま、いいけど」

上条「………………」

だが、いつものことだと思ったのか美琴はそれ以上追求してこなかった。

 

 

夕食時。2人は小さなテーブルを囲んでご飯を食べていた。

上条「………………」

深く何かを考え込むように上条はひたすら無言で箸を動かす。

美琴「それは有り得ないでしょうー」

テレビ『……でもさ、こう考えると結構素敵やん?』

美琴はさっきからテレビに夢中になっている。お嬢さまな生活をしていた彼女にしてみれば随分と庶民的な姿だった。だいぶ『外』の生活にも慣れてきたのかもしれない。

上条「……………………」

対して上条は、相変わらず無表情で黙々とご飯を口にしている。

上条「(……まだだ。今は食事中……。まだ今日は時間がたっぷりある……。だけど……)」チラッ

箸でおかずを掴む傍ら、美琴を一瞥する上条。

上条「(……今日を逃したら……恐らくこのまま……何も言えずにズルズルと伸ばしちまう……)」

箸を握る手に力が篭る。

上条「(……それじゃあダメなんだ……っ! ……勝負は、今日しかないっ…!)」ググッ

1人、上条は並べられた食器を眺めながら自分の世界に入る。

上条「………………」

美琴「あ、可愛い~」

上条「!」

ふと上条は顔を上げる。見ると、美琴が表情を緩めながらテレビを見つめていた。自然と上条の視線もテレビに向けられた。

上条「………………」

テレビ『こちらの新婚さんのお家では、生後3ヶ月の赤ちゃんがスクスクと成長中。とても好奇心が強くイタズラ好きな男の子です』

テレビの中では声に特徴があるナレーションをバックに、幸せそうな若い夫婦とまだ生まれて間もない赤ちゃんが映っていた。

美琴「……赤ちゃん可愛いなー。旦那さんと奥さんもすごい幸せそう』

どうやら美琴はテレビに映っている一家を見て羨ましがっているようだった。そういうところに憧れるのはやっぱり女の子といったところか。

上条「……………………」

上条はテレビを見つめながら黙り込む。すると何故か、そこに映った若い夫婦が自分と美琴の姿に見え、まるで自分たちの子供を仲良くあやしているような風景が思い浮かんできた。

 

美琴「ねぇ」

上条「………………」ボーッ

美琴「ねぇってば」

上条「……………………」ボーッ

美琴「ちょっと聞いてるの?」

上条「へ? え? あ、何?」

我に返ると、美琴が不思議そうな顔でこちらを見ていた。

美琴「何ボーッとしてるの?」

上条「い、いや別に……」

内心慌てながら、上条は何事もなかったように振る舞い夕飯の続きを食べ始める。

美琴「私もう食べちゃったから先にお皿洗っとくね?」

上条「お、おう……」

美琴「?」

どこか様子がおかしい上条に首を傾げながらも、美琴は食器を持って流しに向かっていった。

上条「(ったく、何やってんだよ俺……)」

ご飯を口に含みながら、上条は胸中に考える。

上条「(……あいつとの赤ちゃんだなんて、何て妄想してんだ。………でも……)」チラッ

流し台の前に立つ美琴の背中を窺う上条。

上条「(……もしも………もしも……あいつとそんな家庭を築けるのなら………)」

脳裏に浮かぶ若い父親と母親。彼らに抱かれる小さな子供。その未来予想図は、今の彼にとってあまりにも幸せそうで、あまりにも楽しそうで、そして光り輝いていた。

美琴「じゃあこのお皿、持っていくわね」

上条「………………」

美琴「………?」

空になった食器を手に取る美琴。そんな彼女を、上条は無意識に見つめてしまう。

上条「(御坂……)」ジッ

美琴「………さっきからどうしたの?」ニコッ

それを柔らかい笑みで返す美琴。そんな彼女の笑顔は、上条の胸を切なくなるほど締め付けあげた。

上条「(…………俺は)」

美琴「何かやっぱり変よあんた~」

クスクスと笑いながら美琴は流し台へ戻っていく。

上条「(………変でも構わない。……だけど、お前のその眩し過ぎる笑顔……。そして天真爛漫でお転婆な性格……」)

美琴「ふんふんふーん♪」

上条「(……以前は何も感じなかったけど……今は、お前の全てが……お前という存在が……決して離したくないほど愛しいんだ……!)」

上条は美琴を見つめ心の中、密かに決心する。




上条「(御坂……俺の想い、お前に伝えるよ……)」

そして、運命の時がやってくる――。

美琴「はーサッパリした♪」

夜も11時過ぎ。風呂から上がった美琴は既にパジャマ姿となり、ドライヤーで髪を乾かしているところだった。

上条「………………」

そんな美琴を横目に、上条は口を閉ざしたまま机の前に座っていた。

美琴「ドライヤー終了っと」

髪を乾かし終え、ドライヤーを置いた美琴は水道水をコップに注ぎ一気に飲み干すと、上条のところまで近付いてきた。

美琴「次、あんた入りなさいよ」

言って美琴は上条の背中とベッドの狭い隙間を通り、そのまま上条の横に腰を降ろす。

上条「………………」

美琴「さてと、何か面白い番組でもやってるかな~?」

就寝前に少しだけテレビを見ようと美琴がリモコンに手を伸ばした瞬間だった。



スッ… 



ピトッ……



美琴「……………え?」

その瞬間、美琴の動きを止めるように、上条の手が彼女の手に優しく重ねられた。

美琴「……えっ、ちょっ、あ、な、わっ……」

突然の上条の行動に驚いた美琴はうろたえるばかりで、まともな反応も出来ず視線を四方にキョロキョロと向けている。

美琴「……あ、あ、あの……な、何のつもりなの?//////」

上条「……………………」

顔を真っ赤にさせつつ美琴は訊ねる。対して、上条は目を瞑ったまま何も喋らなかった。

美琴「?」

一瞬、訝しげな顔を見せる美琴。

上条「………………」

美琴「………………」

しかし、上条のその尋常ではない雰囲気を察知すると彼女は悟った。

美琴「………あんた……」

これから何か、とてつもないことがこの場に起こる。とてつもない言葉が彼の口から飛び出そうとしている。その準備のために彼は今、これほどまでに深く黙り込んでいるのだ、と。

美琴「………………」

空気を読み、美琴も上条に倣って黙り込む。

美琴「(温かい……)」

重ねられた手から、上条の温もりが伝わってきた。

上条「……………………」

美琴「……………………」

何秒経ったのか、それとも何分経ったのか。随分と長く、上条は黙ったままだった。もしかしたらそれほど彼は今から勇気が必要なことをしようとしているのかもしれない。

美琴「……………//////」モジモジ

耐えられなくなった美琴が視線を泳がせ始めた。
と、その時だった。




上条「………“美琴”………」

美琴「ひゃい!!!!」

大きく肩を跳ね、間抜けな声で返事してしまう美琴。
そこで彼女は気付く。

美琴「……って、あれ? 今美琴って……」

上条「………………」

顔を僅かにこちらに向け、美琴を横目で見つめる上条。

美琴「………………」

その顔を見て美琴は改めて悟った。本当に上条は、とても大事な、それも人生に大きく関わるようなことを言おうとしているのだ、と。
これまでにも下の名前で何度か呼ばれることはあったが、今のは明らかにいつもとは違うニュアンスだった。まるで、とても大切な人に対して掛けるような、そんな感じが………。

美琴「…………」ゴクリ

上条「………美琴」

もう1度、確かめるように上条は呟く。

美琴「…………何?」

それを受けるように美琴も静かに訊ね返した。

上条「………1つ、聞かせてほしい」

美琴「…………うん」

美琴を正面に捉え、真っ直ぐに彼女に視線を据える上条。

上条「学園都市で逃げてた時……地下鉄を歩いたろ?」

美琴「…………うん」

上条「…………あの時、お前、俺にこう言ったの覚えてるか?」

美琴「…………何?」



   ――「私は……当麻のことが好きだよ………」――



美琴「…………!!!!」

上条「……………………」

美琴は驚いたような顔を見せる。本人でさえ忘れかけていたことを突然、まさかその台詞を向けて言った相手の口から出てくるとは思っていなかったからだ。

上条「…………俺に、言ったよな?」

美琴「………あ……あう……そ、それは……//////」

上条「………………」

その真意を問うように、ジッと上条は美琴を見つめる。

美琴「…………そ…その……//////」

上条「はぐらかさないでくれ。俺の進退に関わることなんだ」

美琴「!」

真剣な顔をして、真剣な口調で、上条は言った。まるで、かつて学園都市で彼が美琴の前に現れ『御坂妹を助ける』と宣言した時のように。

美琴「………………」

それだけで美琴は理解した。彼は今それほど重要な質問をしているのだ、と。ならば自然、美琴も真摯な対応をしなければならない。

美琴「………そうよ」

上条「………………」

落ち着いた口調で美琴は答えた。

美琴「…………最初は……あんたに出会った頃は……私の電撃も効かない……ただのムカつく奴だって思ってた……」

そのまま美琴は続きを話し始める。

上条「………………」

美琴「何度勝負しても負けちゃうし、どうしてレベル5の超能力者の私があんたに勝てないんだ、っていつも納得出来ずにいた……」

上条「………………」

美琴「………だけど、気付いたの……。あんたは……周りみたいに無意味に『学園都市第3位』だ『最高の電撃使い(エレクトロマスター)』だって私を持てはやさない………私を『レベル5の超能力者』じゃない1人の『御坂美琴』って見てくれる唯一の人間なんだって……」

上条「………………」

静かに見守るように、上条は彼女の話を聞き続ける。

美琴「………挙句にはあんたは……『妹達』の件で自分の命を犠牲にしてでも実験を止めようとしていた私の前に………颯爽と……正義のヒーローみたいに現れて………」

上条「………………」

美琴「………私がどうしても勝てなかった……あの『一方通行(アクセラレータ)』に………宣言した通り勝ってみせた………」

上条「………………」

美琴「………信じれなかった。私と妹達を助けるためだけに……何の見返りもないはずなのに………あんたは……私の電撃を何度受けても立ち上がって……。……一方通行の猛攻に対しても、何度死にそうになっても……立ち向かっていって………」

上条「………………」

美琴「………気付いたら私………いつの間にか……あんたのこと……好きになっちゃってた………」

上条「………………」

僅かに俯きながら美琴は呟く。そんな彼女を上条は優しい目で見つめている。

美琴「………何度も……アプローチしたんだよ? ……例えば……一緒に携帯のペア契約に誘ったり……とか」

上条「………………」

美琴「………でも何故かあんたの周りにはいつも……女の子ばかりいて……内心嫉妬してた……。それで、あんたの前じゃ素直になれない自分に………『どうして私は他の女の子みたいに素直に可愛くなれないの』……っていっつもイライラしてた……」

自嘲するように美琴は口元に小さな笑みを作る。

美琴「………でも……それでも嬉しかった……あんたの顔を見るだけで……あんたと話せるだけで……。恋人の振りをした時も……大覇星祭で一緒にフォークダンス踊った時も……携帯のペア契約した時も……本当に嬉しかった………」

上条「……………………」

美琴「……そしていつも……あんたの側にいる時……思ってた……。……『この人と一緒になりたい』……『もしこの人と一緒になれたら幸せだろうな』……って………」

上条「!!!」

と、そこで上条は目を丸くした。

美琴「………でも……あんたは……グスッ……鈍感で……グスン……いつも……ヒグッ……私に……そっけない……グズッ……態度をとって……グスッ」

上条「……………っ」

美琴「……グスッ……私の気持ちに……グスン……微塵も……気付いてくれなくて……」

泣いていた。美琴が、両目に溢れた涙を必死に拭いながら、泣いていた。

上条「…………御坂」

美琴「……グスッ……ヒグッ……」

それほど、彼女にとって切実なことだったのだ。自分を対等に見てくれる、自分と妹達の命を救ってくれた、その顔を見るだけで癒された、そんな存在であった上条に対し、密かにずっと心の中に抱き続けた淡く、純粋で、ひたむきな、彼女の恋心。

美琴「……クスン……グスン……」

その想いが今、ようやく機を得たことで一気に溢れ出したのか、いくつもの涙の雫となって彼女の双眸から零れ落ちていった。

美琴「………グスッ……ヒグッ………」

上条「………………」

美琴「!」



そっ……



と、唐突に、まるでその悲しみを分かち合うように上条は彼女の小さな身体を優しく抱き締めてあげた。

上条「…………御坂……」

美琴「………グスッ……ヒグッ……」

その温もりを受け入れるように、美琴もまた、自然と上条の大きな身体を抱き締め返した。

上条「……ごめんな……御坂………俺……鈍感で……」

美琴「…………グスッ……」

上条「こんな近くに……こんな可愛くて……俺のこと……一途に想ってくれる……女の子がいたのに……その気持ちに気付いてやれなくて……」

美琴を落ち着かせるように、彼女が今まで味わってきたあらゆる切なさを、悲痛を、辛さを全て掻き消していくように上条は彼女の耳元で優しく呟く。

美琴「…………グスッ」

美琴の柔らかなシャンパンゴールドの髪が上条の頬に触れ、彼女の甘い香りが鼻腔をくすぐる。

上条「でも……俺も……ようやく分かったんだ……今回……一緒に……お前と学園都市から逃げたことで……」

上条の美琴を抱き締める力が強くなり、それに答えるようにまた美琴の上条を抱き締め返す力も強くなった。

上条「……俺の中で……お前と言う存在が……いつの間にか……大きくなってた……」

美琴「…………うん…グスッ」

上条「……初めは……ただの……俺にからんでくる……生意気で……子供みたいな……1人のお転婆な……女子中学生でしかなかったのに……」

美琴「…………うん…クスン」

上条「……だけど今じゃ違う……。もう……俺にとってお前は……一生離したくないほどの……1人の大切な……女性なんだ………」

美琴「………………うん……グスッ…ヒグッ」

上条「……………御坂」
上条「…………いや」

と、そこで上条は1度美琴から身体を離し、彼女の顔をすぐ正面に捉えられる距離で視線を据えた。




上条「………………“美琴”」


美琴「………………なぁに、“当麻”?」




涙でクシャクシャになった顔を何とか落ち着かせ、美琴も上条を見つめ返す。

 

上条「……………好きだ」

美琴「………………うん」

上条「お前のことが………世界中の誰よりも……」

美琴「……………うん! グスッ……」

元気な声で、嬉しさが混ざった声で返事をする美琴。

上条「………………」

美琴「…………私も……当麻のことが……大好き……」

上条「……………………」

美琴「……………………」

2人は、最愛の人の顔を愛しそうに深く、深く見つめ合う。

上条「………美琴………」

美琴「………当麻………」

やがて2人はゆっくりと目を閉じ、互いの顔を近付け………







上条美琴「「――――――――――――」」







………永遠の誓いをその唇に深く刻み込んだ。

繋がれた手、繋がれた唇、繋がれた心。
長く辛かった恋が今、成就を迎えたことを実感した少女の瞳からは、愛しくも切ない大量の涙が零れ落ちていた――。

 

 

 

 

 

 

遂に結ばれた上条と美琴の心――。





上条美琴「「――――――――――――」」





上条「美琴……」

美琴「当麻……」

2人は名残惜しそうに互いの唇を離しては、その度にまたすぐ唇を触れ合わせる。

上条美琴「「――――――」」

甘い空気の下、2度、3度と同じ行為を繰り返す彼らの顔は幸せそのものだった。
と、しかし、その空気の流れが突然変わることになる。

上条「………………」

美琴「んんっ……!?」

僅かに眉をひそめる美琴。

美琴「んむっ……!」

上条「………………」

ほんの少し苦しそうに顔を歪める美琴に対し、上条は依然変わらぬままだ。寧ろ、何故か顔を離そうとする美琴をそうはさせまいと彼女の後頭部を左手で押さえつけているようにも見える。

美琴「んんっ……ん!」

美琴が抵抗するのも無理は無い。何しろ上条は自分の舌を彼女のそれと絡めさせようと口内に侵入させてきたのだから。

上条「……………………」

が、止まる所をしらない上条は更に行動をエスカレートさせる。

美琴「!!!!!!!!!」

上条がパジャマの上から美琴の胸に触れてきたのだ。


美琴「ちょっ、ちょっと待ってよ!」



が、さすがにこの唐突の行動には耐えられなかったのか、美琴は無理に顔を離し抗議の声を上げてきた。

上条「………………」

美琴「………な、何であんなことしたの?」

僅かに涙目になって美琴は上条を見る。

上条「………ごめん……でも………お前が“欲しくて”……」

美琴「…………っ」

顔を少し紅潮させ、困ったような表情を浮かべて美琴は視線をあらぬ方向に向ける。

美琴「………………」

間違いない。上条は今、美琴の体を求めている。が、そうは言っても今さっき人生で初めてキスをした美琴にしてみれば、そこから先は全てが未知の世界だった。

上条「………嫌……かな?」

美琴「……………っ」

弱った子犬のような目を向けてくる上条。だが、美琴にも言い分がある。

美琴「で、でも……私たちまだ……高校生と……中学生だし……は、早いよ……//////」

それに保健の授業で一応はそういった教育も受けていたが、あまり本気で聞いていなかったためか、美琴はそこで習った知識はほとんど朧げだったのだ。

上条「お互いが好き合ってるんだから……年齢は関係ねーだろ」

しかし上条は美琴の言葉を真っ正面から切り捨てるように返してくる。

美琴「うう……でも……でもっ……////」

今、美琴の心中を渦巻く感情はただ1つ。

美琴「(……怖い………)」

初めての経験を前にして、言い知れぬ恐怖が湧いてくるのだった。本心では、嬉しいはずなのに、だ。

上条「……いつかは……そういう仲になるんだ」

美琴「ううう……」

上条「どうしても、って言うんなら無理にはしないけど………」

美琴「…………」

逡巡するように美琴は顔を俯かせる。

美琴「(………怖い……。……でも……当麻は……私のことが好きで求めてきてくれてる………)」チラッ

上条「………………」

美琴「ね、ねぇ……」

上条「ん?」

そこで美琴は恐る恐る訊ねてみた。

美琴「………その……当麻は……私と………その……エ…エッチが……したいんだよ……ね?」

上条「………っ」ゴクリ

美琴の口から出た『エッチ』という言葉に反応してしまう上条。が、すぐに彼は正気を取り戻す。

上条「………い、いやその……べ、別に無理にってわけじゃないんだ……。お、お前が嫌ならしないけど……だけど……」

美琴「じゃあ……1つだけ聞いて……いい?」

上条「お、おう……何だ?」

美琴「当麻は……私の……体が目的……なの? ……それとも本当に……私が好きだから……私とエッチがしたい……の?」

上条「!」

美琴のその言葉にはどこか、不安が篭っていた。もしかしたらいまだ、上条と結ばれたことが信じられないのかもしれない。であるのに、上条の目的が『美琴の体』でしかないのなら、ここで彼の頼みを受け入れても結局は全てが無意味だった。

美琴「……………………」

上条「……………………」

美琴の言葉に、上条は一瞬黙り込む。
が、すぐに彼は自分の答えを彼女に返してきた。




上条「お前が好きだからだ」




美琴「!」

上条「好きでもない相手には、こんな関係は求めない」

きっぱりと、美琴の顔を見据え、上条は言った。嘘偽りなど1つも無いと言うように。

美琴「……………………」

上条の返事を聞き、かすかにうろたえるように美琴は顔を横に向ける。

上条「………美琴?」

美琴「…………った」

上条「え?」




美琴「…………分かった」




恥ずかしそうに、小さな声で、彼女は答えていた。

 

上条「…………」ゴクリ

 

ベッドの上に、並んで腰掛ける2人。

上条「……………………」

美琴「……………………」

心臓がバクバクとなり、2人ともその音が相手に聞こえていないかと不安になるほどだった。

上条「…………じゃあその……宜しくお願いします……」

美琴「…………こちらこそ……お、お願いします……」

ぎこちない様子で会話をする2人。
そんな空気を誤魔化すように上条は美琴の両肩を思いっきり掴んだ。

上条「………」ガシッ

美琴「!」ビクッ

上条「!!」ビクッ
上条「………あ、ごめん。驚かせて」

美琴「…………いいの。でも………」

上条「?」

そこで美琴は、顔をほんのりと赤く色づかせながら上目遣いで上条を見上げてきて呟いた。




美琴「………優しく……してね……?」




上条「……っ!」

それだけで上条は限界だった。今すぐにでも、彼女が欲しいと思った。

上条「…………」ムチュ…

美琴「あ………む」クチュ…

これ以上は我慢出来ないと言うように、上条は美琴に口付ける。美琴もまた、彼の性急な行為を怯えながらも受け入れた。

上条「……………」チュ…

美琴「ん……ふ」クチュ…

間髪入れず、上条は美琴の口内に自らの舌を侵入させる。

美琴「んん………あふ」ムチュ…

美琴の小さな口が上条を迎え入れ、2つ分の舌が彼女の口内で絡み合う。

美琴「あむ……ふ」クチュムチュ…

美琴の全身を、今までに味わったことのない電撃のような痺れが走る。それは、電撃使いである彼女自身ですら知らなかった感覚で、その言い知れぬ快感に彼女は堪らず甘い声を無意識のうちに零してしまっていた。

上条「…………」ムチュ…ンチュ

美琴「ああむ……んっ」ルチュムチュ

2人以外、誰もいない室内を舌と舌が作り出す水音が響き渡る。
と、そこで上条はお互いのムードを更に盛り上げるため次の行動に移った。

美琴「んんぁっ……ふっ……ん」ムチュ…

上条「………………」クチュ…

美琴と舌を絡めつつ、彼女の胸をパジャマの上から触り始めたのだ。

上条「(……柔らかい……)」

自らの左手の中で形を変える胸の感触を覚え、上条は内心感動を覚える。

美琴「ん………」

そのまま上条は美琴を仰向けになるように、ベッドにゆっくりと押し倒した。

美琴「…………プハッ」

ようやくそこで、上条は美琴の唇から自分の唇を離した。2人は名残惜しそうに互いの舌を離す。

美琴「とう……ま……」

粘性の糸が上条と美琴の口と口の間で橋を作る。トロンとした目で見上げてくる美琴を見て上条はもう、理性の限界に近付きつつあった。

上条「美琴………もう……脱がしても……いいかな?」

美琴「………笑ったり……しない……?」

不安な表情を浮かべ美琴は上条に訊ねてくる。

上条「何で? 笑うもんかよ」

美琴「だって………私……胸に……自信ないから………」

視線を外し、少し悲しそうな表情で美琴は言った。それほど彼女にしてみれば切実なことだったのかもしれない。
しかし上条はそんな彼女の不安を掻き消すように言葉を返してあげた。

上条「バカか。そんなもん関係ねーよ」

美琴「…………嬉しい」ニコッ

上条「じゃ、脱がすぞ………」

美琴「うん………」

言って上条は、美琴のパジャマのボタンを下から1つずつ、ゆっくりと開け始めた。

美琴「……………………」

恥ずかしがるように顔を背け、握った手を口元に添えながら、美琴は大人しく上条がボタンを全て開けるのを待つ。いささか、上条の手が震えている気がしたが今はもう、そんなことに意識を割いてる余裕はなかった。

上条「……………………」

やがて、ボタンを全て開き終わると、上条は観音扉を開けるように美琴のパジャマをめくった。

美琴「…………っ」

一瞬、恐怖に目を伏せる美琴。

上条「……………」ゴクリ

そんな美琴の耳に、上条が生唾を呑む音が聞こえてきた。
怯えるように彼女は上条に視線を戻す。

美琴「………とうま……?」

上条「………す、すごいよ美琴……とても綺麗だ………」

白く映える美琴の細い上半身と、そこに見える2つの小ぶりな胸。それらを目の前にして、上条は感動にも似た言葉を搾り出す。

美琴「………あまり……ジロジロ見ないで……恥ずかしい……から//////」

余程コンプレックスを感じていたらしい。そう言う美琴は今にも上条の眼前に自分の心臓が飛び出していくのではないかと思えるほど、胸がドキドキと脈打っていた。

美琴「………ねぇ……あっ!」

不意に、美琴は驚きの声を上げた。顎を少し引くと、目の前に上条のツンツンした頭が見えた。

上条「……………」チュパチュプ…

美琴「!!!!」

上条「……………」チュパチュプ…

美琴「(………私のおっぱいを……吸ってる……?)」

上条は、まるで赤ん坊のように美琴の胸を一心不乱にしゃぶっていた。

美琴「と、とうま……ん……あ……ん……」

上条「………………」ムチュチュパ…

美琴「あ……ふ……ん……うん……(……声が……勝手に……出て……)」

胸を吸われる度、美琴は顔を左に、右に向けながら悩ましげな声を上げる。美琴自身、そのことに違和感を覚え何とか声を抑えようとするのだが、眼前で自分の身体を必死に求めてくる上条を見ると不思議とそれは叶わなかった。

上条「みこ……クチュ……と……レロ」

右手で美琴の左胸を揉みしだきながら、上条は彼女の右胸をひたすらむしゃぼり尽くす。

美琴「うう……ん……とう……ま……(……頭が……頭が……とろけそう……)」

未知の快感に思わず美琴は目を閉じ、シーツをギュッと掴んだ。

上条「………………」

美琴「!」

そこで上条はようやく美琴の胸から口を離し、上体を起こした。

 

美琴「…………」ドキドキドキ

上条「………下……」

美琴「え?」

上条「下も……脱がして………いいか?」

美琴「!!」

本能が理性に勝ちつつあるのか、上条は更に要求をエスカレートさせてきた。

美琴「………………」

まだ、これ以上の行為が必要なのだろうか。美琴は上条の顔をジッと見つめる。

上条「……脱がすぞ」

美琴「あ……」

沈黙を肯定と受け取ったのか、それとも返答を聞いている余裕すらなかったのか、気付くと上条は美琴のパジャマのズボンに手をかけていた。

美琴「う……」

上条「……ハァ……ハァ……」スルッ…

美琴の下着姿が露になる。同時、彼女の白くてスラッとした足が上条の目に飛び込んできた。

上条「……………」ゴクリ

美琴「…………」ドキドキドキ

初めて間近で目にする『女』の身体を前に、上条はもう我慢が出来なかった。

上条「………………」

美琴「…………」ドキドキドキ

ゆっくりと、しかしどこか焦るように上条は美琴の下着を脱がせていった。

上条「ハァ……ハァ……」

美琴「………っ」

遂に現れる美琴の秘部。薄っすらと生え始めた、彼女の頭髪と同じ色をしたシャンパンゴールドの毛が、その身体がどれほど未熟であるかを物語っていた。……そして、その下に見える細く縦に長い鍵穴。

上条「……………………」

美琴「うう……(見られてる……見られてる……私のあそこを……)//////」

目を奪われるように上条はその部分を凝視する。
と、そこで美琴は思い出す。かつて黒子が言っていたことを。



 

 

――黒子『最近の殿方……特に中学生や高校生は、女性の体を目の前にすると人が変わるようになります。それも、獣のように。お姉さまも常々そのことを頭に入れて怪しい殿方にはお気を付けて下さいまし』――

美琴「(黒子は……このことを言ってたんだ……。でも……いつまで見てるの……? そんなに男の子って……女の子の裸が好きなの……?)」

もはや美琴の顔は真っ赤と言っても過言ではないほど紅潮していた。

上条「………」スッ…

美琴「ひぃあっ!?」

下半身に違和感を覚えた瞬間、美琴は自分でも信じられないような声を上げてしまっていた。咄嗟に彼女は自分の口を両手で覆い、顔を下に向けた。

美琴「ふっ……うあ……////」クチュ…

上条「………美琴」

触っていた。上条が。その右手の指先を、縦に伸びた線に沿うように美琴の秘部を嫌らしい手つきで触っていた。

美琴「ちょっ……な、何……ううんぁ!?」クチュ…

上条「………美琴……」

まるで何かに憑りつかれたように、上条は美琴の秘部を撫でる速度を上げていく。

美琴「……あっ……と……とう…ま……ん……ふぁっ……//////」クチュ…ヌチュ…

人生で経験したことの無い感覚が下半身から襲い掛かる。やがてそれは快感という名になって美琴の全身を犯していく。

美琴「ああ……ん……はぁ……ん……はっ……あっ……//////」クチュ…クチュ…ヌチュ…

もはや自分の口から自然と出てくる変な声に気を取られている余裕はなかった。好きだった男に自分の下半身を、必死に触れられているという事実。それだけで彼女は初めて味わう快楽に身を浸らせていった。

美琴「あああ………はっ……む……ん……や……あああ」クチュ…クチュ…

自分の秘部に滑り気が増していくのが分かる。淫靡な水音がそこから響いているのが分かる。

上条「美琴………」

美琴「と……とう……ま……ん……ふっ……あっ//////」クチュ…

普段とは違う顔を見せる美琴の様子を楽しむように、上条の行為は更に激しさを増す。

美琴「ああああ……/////」クチュプチュ…

上条「…………」

左手でひたすら美琴の胸を揉み、口で彼女の胸やお腹、首を愛撫する上条。その一方で自身の右手はずっと秘部を弄んでいた。

美琴「ひゃぁ……ぁ……んぁ……/////」ヌチュクチュ…

その感覚に耐えられないように美琴は上条の背中をギュッと掴む。
そしてやがて……

美琴「ううああああっ!!!! はっ……あああっ!!!!!!」

彼女は絶頂に達した。

上条「……………………」

上条は、美琴の愛液で濡れた自分の指先と、そして荒く息を吐き悩ましげな目でこちらを見上げる彼女の顔を見る。

上条「(………イッた……。美琴が………あの美琴が………)」

男勝りでいつもヤンチャな言動をしていた美琴が、上条の手によって絶頂を迎えた。その事実に上条は驚き、そして実感する。間違いなく今、彼の目の前にあるのは1人の「少女」から1人の「オンナ」になりつつある美琴の姿だった。

美琴「ひぁ……はぁ……へぁ……はぁ……」

これまでの人生で1度も味わったことがない未知の快感を知った美琴。その感覚は信じられないほど気持ち良く、彼女はその余韻に身を浸らせるだけで精一杯だった。

美琴「……ひぁ?」

そこで美琴は気付く。上条が自分の服を脱ぎ始めてるのを。

美琴「はぁ……はぁ……ん……はぁ……はぁ(ま、まさか……)」

上条「ごめん美琴……俺……もう我慢出来ない」

そう言って服を全て脱いだ上条。
そして、彼の股間から、大きく、上を向きそそり立った、彼の分身とも言えるモノがその姿を露にした。

美琴「…………っ」

初めて見る「オトコ」の象徴に、思わず美琴は息を呑む。深く生い茂った黒い毛にそこから伸びる1つの棒。僅かにヒクヒクと動くそれの表面には血管のようなものが浮かんでいて、その形はあまりにも、あまりにもグロテスクに見えた。

美琴「(……ほ、本当に……あんなに大きくなるんだ……)////」

顔を逸らしつつも、視線だけはそちらに向け美琴は胸中に思う。どちらにしろ女の子の体しか知らない彼女にしてみれば衝撃的な光景だった。
と、そこで彼女は疑問を浮かべる。

美琴「(……でも………本当に……)」

あんな大きなものが入るのか。

美琴「……………………」

彼女は不安に思い、そのシーンを持てるだけの想像力を使って頭に描いてみる。自らの体内に侵入してくる目の前の肉棒。その行為自体、彼女には考えられないものであったし、どんな感覚なのかは見当もつかなかったが、いずれにしてもサイズからして不可能な気がしてならなかった。

上条「……じゃあ……いくぞ」

震える手で上条は美琴の両足を掴み、開けようとする。

美琴「ま、ままま待って!!」

上条「え?」

しかし、慌てたように美琴は上条の行動を制止してきた。

美琴「む、無理よそんなの!! そんな大きいの絶対に入りっこない!!!」

上条「な、何言ってんだ? 入らなかったら誰も子供なんて作れないだろ」

美琴「こ、子供って……////」カーッ

上条「………お前が嫌なら……ここで止めるけど……」

少し残念そうに上条は言う。が、彼にしてみても美琴の意思は尊重したかったのだ。無理矢理行為に及ぶのは愛がないと思ったからである。

美琴「そ、そんなことない! だ、だけど……」

上条「?」

美琴「怖くて………」

視線を逸らし、美琴は呟く。

上条「………………」

美琴「ほ、本当に当麻は……したい?」

上条「正直なことを言うと、今すぐしたい」
上条「……お前が欲しいんだ。お前の……美琴の……全てを知りたいんだよ……」

美琴「………………」

それを聞き、美琴は困惑するような表情でしばし考え込む。

美琴「じゃあ……」

上条「ん?」

美琴「その………」

恥ずかしそうに顔を横に向け、上条に何度も視線をチラチラと送る美琴。やがて彼女は上条の顔を見据え小さく呟いた。

美琴「なるべく……痛くしないでね?」

上条「!」

美琴「………………」ジッ

上条「…………分かった」

真剣な顔で、上条は答えていた。

上条「……じゃあ……足を開いてくれるか?」

美琴「え? あ……うん……」

頼まれ、美琴はゆっくりと足を左右に広げていく。

上条「………………」

美琴「…………っ」

足を開き終え、美琴の秘部が再び露になる。先程の愛撫のお陰か、その周辺はある程度潤っていて上条を受け入れる態勢は整っていた。

 

美琴「(恥ずかしい……)」

彼女がそう思うのも当然だった。何しろ彼女はほんの少し前までは学園都市の第3位の超能力者として周りから敬われ、慕われ、恐れられていた存在なのだ。それが今は、1人の男の前でおおっぴらに足を広げ、その秘部をまじまじと見せつけている。明らかに今、『超電磁砲(レールガン)』と呼ばれていた頃の凛々しい面影は彼女から消えていた。

美琴「……………」ドキドキ

代わりに今、そこにいるのは好きな男と一緒になれることを目前にして喜び、オンナの本能を曝け出している1人の少女。
だけど美琴は嬉しかった。ここまで来れたことが。上条と身体を重ねられることが。

上条「じゃあ、行くぞ……」

広げられた美琴の両足を掴み上条は己の分身を彼女の鍵穴にピトッとくっつける。

美琴「んっ……!」

その生温かい感触に怯え、一瞬目を閉じる美琴。
やがて上条の分身はゆっくりと、ゆっくりと、美琴の身体に吸い込まれていった。

美琴「あっ……うっ……」

上条「ハァ……ハァ……ハァ……」ズッ…

未発見の洞窟を恐る恐る進むように、上条の分身は美琴の中にギチギチと挿入されていく。

美琴「あああっ……ふっ……かっ……(入って……きてる……っ……当麻が……私の……中に)」

顔を苦痛に歪ませ、オトコという存在を自らの体内に受け入れる感触を美琴は覚える。

美琴「くっ……ん……うあっ……」

ニュルニュルと、あるいはズズズズズと、未知の物体が体内を進む感覚。それはまるでエイリアンに犯されているような感じだった。

美琴「………あああ……」

今、美琴の身体は人生のその時を刻みつつあった。

 

美琴「(……お父さん……お母さん……)」

と、そんな彼女の脳裏に、突如、父親と母親の姿が過ぎった。幼い自分が両親と楽しく会話をしている風景。何故それが今、頭にフラッシュバックするのかは分からなかったが、どこか父親と母親から自分の心が離れていく気がしたのは思い過ごしではなかった。

上条「……きつっ……」

美琴「!」

上条の声を聞き、美琴の脳裏に浮かんでいた幼い頃の自分と両親の姿があっという間に霧散する。

美琴「……あっ……くっ……」

そう、彼女の心が両親から離れていくと感じるのも無理はなかった。今、彼女はまさに『男』というものを知りつつある真っ最中で、じき、上条という少年と肉体的に結ばれるのだから。

美琴「いたい……」

上条「!」

と、そこで美琴が突然呟いた。

美琴「痛い……当麻……くっ」

上条「だ、大丈夫か!?」

目に涙を溜めながら美琴は必死に主張する。上条が美琴との結合部分に目を向けてみると、そこから初めての証である赤い液体が流れ出てくるのが見えた。

上条「や、やめてもいいんだぞ!?」

美琴「…………くっ……あ」

上条「美琴!?」

心配した上条が美琴に声を掛ける。
しかし………

美琴「だいじょう……ぶ……」

彼女は上条の提案を断った。

美琴「大丈夫だから………続けて?」

上条「だけど……」

美琴「おね……がい……」

上条「…………っ」

痛い。しかし続けてほしい。美琴は苦痛よりも上条と一つになることを選んだ。

 

上条「………分かった」

彼女の意思を知り、それを無駄にしないためにも上条は自らの分身を深く深く美琴に挿入していく。

美琴「くっ……あぁっ……うん……ふ」ズズッ…

上条「………………」

身体を進ませる度、美琴の悲痛な声が響き耐えられなかったが、上条は一刻でも早く彼女を楽にしてやろうと思い、敢えて動きを止めなかった。

上条「は……入った……」

美琴「……かっ……んん……」

奥にまで到達した感触を覚えると、上条は覆い被さるように美琴を抱き締めた。2人の身体がビクビクと震える。

上条「分かるか……美琴? 今、俺たち……一つになってる……」

美琴「…………う……うん……分かるよ」

苦痛に目を閉じていた美琴だったが、息を整えると上条の背中に手を回しゆっくりと答えた。

美琴「……私の……中に……当麻が……いる……。私の……中で……当麻が……息づいてる……」

上条「ああ」

美琴「……私たち……一つになってる……」

上条「ああ!」

2人は互いの顔を見つめ、笑顔を浮かべ合う。

上条「……このまま……最後まで……やって……いいかな?」

美琴「……うん……いいよ……」
美琴「………来て………」

上条と繋がったことを本当に喜ぶように美琴はお願いをする。

上条「……じゃあ……動くぞ?」

美琴「……うん……」

言って美琴は上条の首に両腕を回す。それに応えるかのように上条はゆっくりと腰を動かし始めた。

上条「……………」ズッ…

美琴「う……くっ……」ヌチュ…

1度引き抜き、また挿入する。

上条「……………」ズズッ…

美琴「あっ……くっ……ん……」ヌチャ…

1度引き抜き、また挿入する。

上条「……………」ズッ…

美琴「はっ……あっ……」ヌチュ…

1度引き抜き、また挿入する。

上条「ハァ……ハァ……」ズッ…ズッ…

美琴「うっ……ん……ああ」ヌチュ…ヌチャ…

美琴の様子を確かめながら、上条は徐々に、徐々に、腰を振る速度を上げていく。

上条「ハァ……ハァ……ハァ……」ズッズッズッズッズ…

美琴「ああ……ん……」ヌチャニチャヌチュクチュヌチャ…

何度か同じことを繰り返しているうちに、美琴の全身を、痛みとは全く違う新たな感覚が襲ってきた。

美琴「ううん……はぁん……ふっ……んむ」ズッズッズッズッズ…

上条「ハァ……ハァ……ハァ……」ヌチャニチャヌチュクチュヌチャ…

それと同時、美琴の声が苦痛の混ざったものから、未知の快楽に酔いしれるものへと変わっていく。

上条「ハァ……ハァ……ハァ……」ズッズッズッズッズ…

美琴「ああっ! はぁぁっ! ふ……ん! はっ! ああ…ん!!」ヌチャニチャヌチュクチュヌチャ…

ギシギシと軋むベッド。室内に響く粘性のある水と水がクチュクチュとぶつかる音。
波に翻弄され、美琴は更にその快感に浸るべく、上条の身体を求めるように自らも腰を動かし始めた。

上条「ハァッ……ハァッ……ハァ!……」ズッズッズッズッズズッズッ…

美琴「や……ん! ああっ…! ん……! はああっ!! んっ!!」クチュクチュヌチュヌチュクチュクチュ…

眉間に皺を寄せ、汗に濡れた髪を額に張り付け、目を閉じ、かつての『超電磁砲(レールガン)』の面影を全く感じさせないほど、美琴は悩ましげで切なげで妖艶な喘ぎ声を喉の奥から搾り出す。

上条「美琴!! 美琴!! 美琴!!!」ズッズッズッズッズズッズッ…

美琴「当麻!! あああっん!! 当麻っ!! はぁぁぁ…ん!!!」クチュクチュヌチュヌチュクチュクチュ…

間違いなく美琴は今、1人の「少女」から1人の「オンナ」へと変貌しつつあった。

上条「美琴!!! 美琴!!! 美琴!!!」ズッズッズッズッズズッズッ!!

上条が腰を振る速度が最高に達する。

美琴「当麻!!! 当麻!!! 当麻!!!」クチュクチュヌチュヌチュクチュクチュ!!

それを受け入れるように、美琴は自分の両足で上条の腰をホールドする。今、2人には腰を動かすこと以外、互いの名前を呼ぶこと以外、意識を向けるものは何もなかった。

上条「美琴!!! 美琴!!! 美琴!!!」ズッズッズッズッズズッズッ!!

美琴「当麻!!! 当麻!!! 当麻!!!」クチュクチュヌチュヌチュクチュクチュ!!

ただ、お互いが生み出す快楽に身を浸からせ、本能のまま、獣のように愛し合っていた。

上条「美琴!! もう……俺……イきそうだっ……!」ズッズッズッズッズズッズッ!!

美琴「私も……っ! 変になりそう!」クチュクチュヌチュヌチュクチュクチュ!!

上条「………そろそろ……出るっ!!」ズッズッズッズッズズッズッズッズッ!!!

美琴「来てっ!! んっ! 一緒に! はぁっ!! イこう!!」クチュクチュヌチュヌチュクチュクチュクチュクチュ!!!

限界を目前に感じ、2人は更にヒートアップする。

上条「くっ!! うあっ!! ああっ!! 美琴っ!!!」ズッズッズッズッズズッズッズッズッ!!!

美琴「はああっ!! うぅん!! ああああっ!! ん……む!!」クチュクチュヌチュヌチュクチュクチュクチュクチュ!!!

そして、遂にその瞬間は訪れた。

上条「うああ……っ!!」

上条の分身から吐き出される、彼のDNAがつまった欲望の塊。

美琴「あっ……ああああっ!!! はっ…あああっんんん!!!!」

美琴は自らの体内で熱い奔流を受け止める。

 

上条「はっ……あっ……」

奥の奥の限界まで押し付け、全てが出し終えるまで、上条は美琴の身体を抱き締め続けた。

美琴「はっ……かっ……ああっ……ん」

美琴は自分のお腹の中で粘性の液体が広がっていく感触を覚え、身体をビクビクと痙攣させる。

上条「ハァ……ハァ……ハァ……」

美琴「んっ……はぁっ……はっ……」

いまだ全身を痺れさせるように残る快感の余韻に美琴は浸る。

美琴「……ハァ……ハァ……」

上条「!」

と、突然、美琴の双眸から涙が溢れ出してきた。

上条「…………」

それを拭き取るように、上条は彼女の顔にキスをする。

美琴「………………」

上条「………………」

次いで上条はその唇に自らの唇を合わせると、美琴もそれを受け入れた。





上条美琴「「――――――――」」





2人はいつまでも手を握り合い、互いの身体を抱き締めていた。
この日、上条と美琴の心と体は一つに結ばれることになった――。

 

 

 

 

 

上条「………………」

 

深夜。
暗くなった部屋の中、上条はベッドの上で天井を見上げていた。

上条「………………」チラッ

美琴「……スー……スー…」

横には、上条の腕枕に頭を乗せ、甘えるように寄り添う裸の美琴が、静かに寝息を立てて眠っていた。
そんな彼女の寝顔を見て上条は笑みを見せる。

上条「……美琴……お前は……俺が絶対に守ってやるから……安心しろ」

言って上条は布団を掛け直す。

上条「だから風邪引くなよ」

激しい運動で水分を帯びた美琴のシャンパンゴールドの髪を、優しく撫でる上条。

美琴「………ん……」

上条「!」

美琴「………当麻……?」

と、突然、美琴が目を開けてきた。

上条「あ、悪い。起こしちまったか?」

美琴「……うーん……もう朝?」

上条「まだだよ。もう少し寝てな」

美琴「ウソ。そう言って変なことするつもりなんでしょ?」クスッ

小悪魔のような笑顔を見せて、美琴が上条の胸の上に顔を乗せてくる。

上条「勘弁して下さいよ美琴さん。また上条さんの息子が元気になってくるでしょ?」

美琴「ふふ、当麻のエッチー」

上条「それとも、もう一運動やっちゃっていいんでしょうか?」

美琴「あ!」

上条「って、スルー?」

不意に、声を上げ美琴が上条の身体越しに窓の外を見始めた。

上条「何だよ?」

顔をそちらに向ける上条。すると、すぐ側の窓に掛かったカーテンの隙間から、白い粉のようなものが外を舞うのが見えた。



美琴「雪だ!」



言って美琴はカーテンを開ける。

美琴「ほら!」

上条「本当だ……」

いつの間にか雪が降っていたのだ。

美琴「綺麗……」

チラチラと舞う無数の白い雪が、月の光に照らされ暗闇の中映える。

上条「学園都市で逃げてる時に見たのとは違って随分穏やかだな」

美琴「ふふ、本当ね」

静かに、シンシンと降り続ける粉雪。それはまるで、上条と美琴を祝福しているかのようだった。

上条「……………………」

美琴「……………………」

互いの身を寄せ合い、上条と美琴は幸せそうにその光景に魅入る。

 

 

が、その幻想的な光景を揃って見ていたのは何も彼らだけでなかった。




降り始めた雪を見、はしゃぐように窓の外を指差す白い修道服を着た外国人の少女。

彼女の隣に並び煙草の煙を吐きながらその景色を眺める赤い髪の神父姿の少年。



仕事場のオフィスで、ふと外に雪が降っているのに気付いて声を上げるツインテールの少女。

そんな彼女をデスクに座りながら笑みを浮かべて見守る優しそうな少年。



街中の欲望が集まる、とある店の私室で窓の外の景色をうっとりと見つめる若い女性。

その女性に肩を回し、どこか退屈そうに、しかし満更でもないような顔で同じく外の景色を眺めるスキンヘッドの男。



生まれて間もないからか、興奮して外に降る雪を見て叫ぶ頭からアホ毛を生やした幼い少女。

そして、無関心を装い背中を見せつつも、少女の言葉に同意を唱える華奢で白髪の少年――。





夜空から降りてきた雪は、多くの男女の幸せとその未来、その愛を祝うように暗闇の中、チラチラと舞う。

上条「……………………」

美琴「……………………」

上条当麻と御坂美琴。彼らにこれから訪れる幸せはどのようなものなのか、それはまだ誰にも分からない。
しかし、これだけは確かだった。この日、心と体が一つに結ばれた2人の愛は永遠に続くということだけは――。

 

 

                                                            つづく

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