上条「なんだこのカード」 > Season1 > 06


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翌日 朝 第一学区 治安部門中央

「昨晩の集会の報告が上がって無いが、どうした」

「それなんですが、集会に潜り込ませた風紀委員が誰一人報告していないのです」

「誰一人だと。待て、彼らはまず帰宅出来ているのか? 」

「わかりません。目下のところ捜索中ですが、報告は上がって無いですね」

「馬鹿な。無能力者無勢にやられたとでもいうのか」

「さらに報告を。本日朝8:30の時点で、無能力者の大半が、登校していません」

「何か企んでいるのは明白だな。登校している者は学校内で待機させろ」

「! 先ほど第15学区で襲撃が有った模様。能力者によるものです 」

「能力者が?なぜこのタイミングで襲撃などを」

「局の放送を乗っ取ったようです。放送をメインモニターに回します」

TV・ラジオ放送

「我々は、これまで不当な差別を受けてきた。これによって受けた精神的・肉体的苦痛は限界を迎え、スキルアウトの蜂起・デモという形でその不満は現出した」

「その不満に対し、都市運営を任された統括理事会は明確に拒否し、嘘の報告を発表し、そして我々から警察権すら奪った」

「そして、その暴力の根本的な原因の能力者は、運営側と結託し、我々を暴力によって抑えることで自らの好待遇を維持している」

「我々はこれ以上、この構造的暴力に対し、もう我慢ならない。都市運営並びに能力者に告ぐ、これまでの我々の差別に対する制裁の時が来た!」

「堂々とここに宣言しよう。我々無能力者は都市運営側と能力者に対し、正式に宣戦を布告する! 立て!同士達よ!我々の悲しみと怒りを遠慮なくぶちかませ!」

学校に登校していたわずかな無能力者たちによって各学校の放送室を通して、この放送は各学校内にも伝わった。
集会に参加した無能力者のいない学校を除いて

 

柵川中学

教師「何だ!今の放送は?先生はちょっと放送室へ行ってくるので、皆さんは席に着いてまっていなさい」

「宣戦布告ってなんなのさ?超ウケルんだけど」

「どうせ誰かの悪戯でしょ?性質が悪いよね、今の時期にこんなこと」

「案外本当かもよ?無能力者の人は来てないし」

「ただの集団サボりでしょ?学生版ストライキ?みたいな」

「ちょっと前に武装したスキルアウトが全滅したのに宣戦布告とか、馬鹿じゃないの?どうあがいても勝てないくせにw」

「表面的には付き合ってやってたけど、正直僻み隠してるの見え見えだったし、皆制裁受けて消えた方が楽なんじゃね?」

教師がいなくなり、登校していた生徒は思い思いの事を喋り出した

危機感を感じさせない空気のなか、一人、曇った表情で思考を巡らせている少女がいた

初春(固法先輩を始めとして、昨日潜入捜査した風紀委員が全員帰ってきていない。絶対に何かあったはずです)

初春(そんなタイミングで宣戦布告。これは冗談や悪戯では無い気がします)

初春(とりあえず、白井さんにメールを…)

「オイ!見ろよ!なんか無能力者どもが校門にゾロゾロいるぞw」

「なっさけねー。今度は武器もなしで、人しかいねえぞ!デモでもしに来たってか」

「あいつF組の伊藤じゃね?よくいじめられてたよなアイツ」

校門の前に整列した無能力者の集団が立っているのが見える。その数40人強

校門に向かって何名かの教師が向かう

近づいて声を張り上げた瞬間、その教師の頭を空中に残して、体が複数に分裂した

窓の外を見ていた生徒の声が完全に沈黙した

その表情は固まっている

そして堰を切ったかのように悲鳴が上がる

校舎の中に悲鳴が木霊した

校舎に向かって無能力者が走る

それを止めに来た教師を挽き肉にし、冷凍し、蒸発させた。

さらに人工発火能力者の巨大な火球が職員室に向かって放たれ、人工空力使いが空気を送りこむ

職員室は一瞬で酸素を消費し、急激な低圧と酸欠、そして高温により、中にあった全ての生命が息絶えた

校舎に遠距離から直接攻撃が入ったことにより、悲鳴はますます大きくなった

窓から外を見ていた生徒は飛来する攻撃や硝子で死傷

目の前で級友が傷つき絶命するところを多くの生徒が直視した

それがもたらすのは、狂乱・錯乱・混乱―

生徒を抑えていた理性が消え去り、教室は慟哭に満ちた

初春(いけない!皆をまとめて待避誘導しないと)

初春(でも、どこへ…)

校舎に居た風紀委員の多くは彼女と同じように考え、迷った

迷っている間に事態は悪化しさらなる悲劇を呼ぶ

恐怖によって気がふれてしまった天然の能力者が暴走を始めたのだ

一人が暴走すれば、恐怖も増えた分、さらに暴走が連鎖する。精神未熟な思春期の中学生ではなおさらだった

校舎内で複数の能力者が暴走したことにより、コンクリート製の校舎は軋み、歪み、溶け、瓦解を始めた

それに乗じて、人工能力者チームが支柱に向けて攻撃を集中させる

校舎は遂に崩壊を始めた

連鎖的に増す暴走者の数

暴風・爆発・濁流・念動力で飛び回る物物・悲鳴・怒声

すぐとなりにいる人とすらコミュニケーションが取れない

初春(これじゃ、私では抑えられない)

柱への連続攻撃と暴走能力によって校舎が揺れる。

ついに初春の教室でも暴走者が出た

念動力者の暴走により、瓦礫と机と死体の嵐が発生した

発火能力者がこの暴走を抑えようと火球を放つ

しかし、かき消されてしまい、逆に標的として認知されてしまう

初春の目の前で、級友の発火能力者がベコベコに変形し圧死した

内臓や脳、目などが飛び出ている

それによって、風紀委員としての気負いと義務感で抑えていた本能的な恐怖に、彼女は打ち負けた

初春(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ怖い怖い怖い怖い怖い怖い死んじゃう死んじゃう死んじゃう死んじゃう)

その場にへたり込み、失禁。

そして崩壊した校舎の瓦礫に彼女も飲み込まれた

「統括本部、こちらチーム7-32。柵川中学校の完全倒壊を確認。これより残存能力者と暴走者の排除に移る」

『本部了解。終わり次第、苦戦している他チームの援護に回れ』

グループ アジト

一方「仕事内容の変更だァ?急だな」

海原「敵の具体的な内容は掴めてない中で、この状況ですから、考えられなくは無いですね」

土御門「上が流暢に構えてられなくなったんだろう。例の宣戦布告も恐らく仕組まれたものだろうしな」

土御門「内容は、結標、お前が案内役をやっているビルの護衛だ」

結標「そう…今まで思ってたけど、あんたたち二人相手で、常に裏をかかれているんでしょ?仕事の依頼とか私たちの動きとか、敵にばれてるんじゃない?それじゃ折角最高機密として隠してるあの場所についてまでばれちゃうんじゃないの?」

土御門「なりふり構っていられないと言っただろう。あの見た目と用途不明な時点で怪しすぎる。いずればれるさ。なら最初から防御を構えておいた方がいい。もしかしたらそれを逆手にとって、敵の一員を罠にかけようって考えかもしれないが」

一方「おィおィ。それじゃァ、敵を騙す為に俺たちが直々に守ンのかよ」

海原「もともとの任務との関わりもありますし、大がかりにやればやるほど、敵もより多く力を割くハズですから確かに効果的かもしれません」

土御門「恐らく青髪も来るだろうってことから、アイツを追ってる他の組織も護衛に回される予定だ。戦力は未知数。一方通行、奴が現れたら相手を頼む」

一方「了解だァ」

上条の部屋

ステイル(昨日も結局彼は帰ってこなかった)

ステイル(そしてあの宣戦布告、町中から聞こえる戦闘音。戦闘自体はまだ限定的だが、広がる可能性は捨てきれない)

ステイル(彼の情報によるとインデックスは狙われている)

ステイル(となると、この事態に合わせて襲われる可能性は極めて高いだろう)

ステイル「インデックス、危険だ。ここを移動しよう」

禁書「そうだね、わかった。反対はしないよ。…とうまは大丈夫かな?」

ステイル「この状況だから、なんとも、ね」

答えを聞いて、祈りの姿勢をとった

ステイル(問題を全部解決して普通に帰ってくることを、悔しいが僕も願ってるんだ。無事でいろよ)

 

 

学び舎の園 シェルター内

無能力者デモなど無関係だった金持ち令嬢や高位の能力者ばかりの人間が通うここでは、学校倒壊や襲撃の報告が来て真っ先に駆動鎧と対能力者装備を整えた防衛部隊が十分数配備された

ほとんどの生徒は落ち着き、教員に言われるがまま安全なシェルター内に避難した

移動の統率を終えて、ツインテールの少女は携帯端末に初春からの連絡が来ていることに気がついた

白井(!、初春の学校も襲撃されたようですわね。無事だと良いのですが)

被害状況を調べようと、端末を操作する

白井(初春に上部情報のアカウントとパスワードを前に教えてもらっておいてよかったですの)

白井(現時点で崩壊した学校リスト?!しかもこんなに。柵川中学の名前もありますわね)

白井(現時点で行方不明・死亡・行動不能な風紀委員のリスト、学び舎の園以外の風紀委員ばかり大量に名前があr、う、初春の名前も記載…)

白井(敵の規模が前回のモノとは段違いすぎます。いけない。こんな情報をお姉さまが見たら脊髄反射で飛び出すことは必至)

上級生の区画に空間転移する

白井「あの、御坂先輩はいらっしゃいますか?」

クラスの統括をしていた子が答える

女子「実はあの子、今日は学校に来てないのよ。あなた、寮は同室でしょ?知らなかったの?」

白井「初耳ですわ。今朝も一足早く学校に行くと言って、登校なされたハズです」

女子「そう。まぁ、超人様の事だから急に学校サボっても、驚かないし。ただ今日は良くないわね。あなた、連絡出来たら呼び戻しなさい」

白井「分かりました」

白井(昨日あれほど言っておいたのにやっぱりあのお人は)

白井(今更電話で帰るよう言っても従うはずが有りません。直接会わないと)

白井(このシェルターの出入り口は一つ。そしてそこは重装備の防衛部隊が守っている。わけを言っても出してくれるはずが無いですし、生徒で出れるのは私だけ)

白井(…やるしかありませんわね)

第7学区

白煙や爆発音がところどころで上がる。そんな光景を300m程度の高さから見下ろす少女が有った

佐天(うちの学校が壊れちゃってる)

佐天(まぁ、いいか。居たのは能力者と運営側の手先の教師だけだし)

佐天(初春は少し可哀相だけど、運が良ければ助かってるでしょ


近くで見てみると、倒壊した校舎と運動場の上で暴走者と人工能力者が戦っていた

暴走者は9人。人工能力者の数は30人弱で、また一人弾き飛ばされた。瓦礫に直撃し、動かなくなる

佐天(追い込まれてても能力者は能力者、私たちの邪魔ばかり)

佐天(暴走なんて、ほっとけばいつかダウンするけど、それまでに味方の被害が増え続ける。部屋で待機している非戦闘員にも被害が出るかも知れない)

佐天(今ここで、殺すしかない)

暴走している能力者の一人めがけて突進する
空気弾を放つも、防がれる 暴走者は発火能力者だったのか自分の周りに高温の火球のような何かを大量に浮かべ、無差別に放ち、またそれによって攻撃を防いでいる

もともと暴走して意識は混乱していたが、自分の能力によって酸素濃度が低下し、本能だけで暴れていて、攻撃に理知性がないので、行動予測が出来ず、人工能力者たちは攻めあぐねていた

佐天(圧縮空気で攻撃が通じないなら、こう)

校舎の瓦礫の側へ飛び、圧縮した空気を使って大きな瓦礫を持ち上げ、瓦礫そのものを圧縮し、圧縮した瓦礫の周りの空気も圧縮し、軽く音速を超えた速度で打ち出す

当然、防御の為に崩れた火球が反応する
周りの空気の層が瓦礫を守り、圧縮された高密度の瓦礫が暴走者に直撃した

上半身のみ抉り取られ、バラバラになる。残された脚部が脊椎反射でバランスを保つも、倒れてしまった

突如現れた少女によって手こずっていた一人が一撃の元に倒されたのを見て、人工能力者勢は唖然とする

佐天「何をちんたらやってんですか!能力のレベルはアタシと同じはずだよ!暴走者なんて頭逝ってるんだから連携して攻めろよ! 」

叫びながら、同じ方法で、暴走していた電撃使いと念動力者を黙らせた

暴走者戦力が3分の2に減少、パワーバランスが一転した
攻めあぐねていた人工能力者チームは防戦を解き、攻勢に打って出る

暴走者が一人ずつ、確実に潰れていくようになったのを確認した佐天は、その場を飛び去った


佐天(なんであの研究員が反乱について知ってたのかは分からないけど)

佐天(いいわ。手の平の上で踊ってやろうじゃない)

佐天(今の私の目標は第一学区)

佐天(あの糞タヌキ共、待ってなさいよ)

 

 

第一学区

 

 

宣戦布告後、5チームが突入してきたが、対能力者兵装と駆動鎧で完全武装した防衛部隊によって退けられ、今では街は完全に防衛部隊が占拠している

そこに、カメラを壊しながら潜入している少女が有った

御坂(宣戦布告を聞いて、爆発や壊れちゃった学校や悲鳴をいっぱい見聞いたけど)

御坂(慣れたのかな、すごく落ち着いてるのが自分でもわかる。冷たい人間になっちゃった?)

視界に崩壊したチームの死体が入っている

御坂(完全にただのオブジェクト。むしろここにも駆動鎧の警邏活動が有るんじゃないかって考えてしまう)

案の定、駆動鎧の放つ電波が、御坂のそばに警邏活動が近づいているのを知らせる

御坂(今は、これで良いんだろうけど。)

目当ての施設に近づくにつれ、警邏部隊の数が増え、目をしのぐのが難しくなる

御坂(どうしよう、これ以上は無理かも)

ビルの合間に居た御坂に上から轟音と共に突風が吹いた HsAFH-11攻撃ヘリが到着したようだ
HsM1128MGS装甲車両もちらほら見える

御坂(ここを拠点に攻勢にでも出る気かしらね。これ以上兵員が増えると、ここもじきに見つかる)

御坂(ここまで来ておいて、帰るのはもったいないけど、仕方ないわ)

その時、ひときわ大きい轟音と突風が吹いた。衝撃で近くのビルの窓ガラスが割れる
低高度で、音速で何かが飛んできたようだ

そして爆発音が響く

無線を傍受すると、装甲車と攻撃ヘリに攻撃が加えられているとの通信が行き交っている

空力使いが一人で攻撃をしているという

御坂(あの数の対能力者装備の中に行くなんて何を考えてるの?でもこれはチャンスよ)

近くの警邏部隊も装甲車部隊も浮足立っていた

その間を抜けて、都市の情報制御・操作・保存のクラウドサーバーのある第一学区のメインタワービルに足を進める


第一学区へ高速で飛来してすぐに目についたものは、ホバリングしていた攻撃ヘリだった。
地面を見ると他にも攻撃ヘリや装甲車が見える

近づき、圧縮空気弾をローター部分めがけて放つ。姿勢維持が出来ず、墜落、爆発した

同じようにして地上のヘリや装甲車に向けて圧縮した空気弾を弾き出す。
しかし、空中からでは損傷を与えられない

佐天(ダメだ。唯でさえ射程は大体100mしかないんだから、近づかないと)

地上すれすれを高速で飛行し、接近する

無論、低空に来たことにより、駆動鎧部隊の集中砲火を受ける。対能力者用装備による攻撃も有った
キャパシティダウンにAIMジャマ―、攻勢脳波射出装置(Brain Sconer)等々

四方から銃弾が飛んでくるが、防御に特化した彼女の半径10m圏で弾丸や爆風、破片は何か固い壁に当ったかのようにして垂直に落ちる

その壁は分厚く、音も電波もはたき落とす
AIMジャマ―も、彼女の今使っている能力が、もともと二つの能力のバランスで成り立っている為に、かく乱がかく乱にならない

佐天「アハハハハハハh。なに?所詮この程度?こんな力じゃもともと守ることなんてできなかったのよォォォ オォォォォォ! 」

ヘリや装甲車が手に触れることが出来る距離に入り、一台のヘリに触れる
ヘリがボーリング大ぐらいのサイズに圧縮され、それを攻撃してくる駆動鎧に向けて投げる

圧縮されたヘリであったものが、鎧部隊の前で解放され炸裂する。
炸裂した破片が刺さり、その場にいた鎧部隊は壊滅的な打撃となった

装甲車やヘリを片っ端から投げつけ、炸裂させる

佐天(こんな奴らを殺すのが目的じゃない。理事会のところへ)

粗方、周りの設備と部隊を始末して、彼女も第一学区のメインタワービルへ向かった

 

 

第7学区

上条(まるでピンポイント爆撃された後みたいな状況だな)

(今のところ学校だけですんでいますが、都市側が攻勢をかけた場合、戦禍は確実に拡がるでしょう)

上条(そうだろうな。恐らく、これが奴等の言ってた第2段階と見て間違いはないだろう)

(同意見です。前段階が対立を煽る事とすると、スキルアウト蜂起もデモ混乱も仕組まれたものと見て間違いはないですね)

上条(ここまで分かっても、狙いが分からない。最終目標だけならここまでやる必要性が無いからな。地味に諜報工作活動をしていても達成できるはずだ)

(肯定です。ここまで来ると流石に対外的にも箝口令を敷くこともできません。日本という国家をあげての問題となり、恐ら く、この差別的な施策も明らかになると、国際的にも叩かれます )

上条(…CIAという組織が動いているということは、これがアメリカの国家利益に繋がるはずだ)

(国家規模の諜報組織ですからね。学園都市憎しだけではこんなことにはならならいでしょう )

上条(その場合、このままでは学園都市を滅ぼしかねないような事態を、アメリカが陰で起こしたとばれない様にしなきゃいけ ないしな。そう考えると…まさか)

(気づきましたか?むしろ、私にはそうとしか考えられません)

上条(となるとそれに必要な証拠になるものも既に揃ってるだろうな。口実も完璧。世論の支持も国内コングロの支持も問題無いだろう)

(この反乱に必要な第二位を引き渡した時点で、私達も完全に片棒を掴まされてしまいましたし。気づくのが遅かったですね)

上条(クソ!こんな下らねえ戦いをこれ以上させてたまるかよ!)

(落ち着きましょう。止めに入りたいのは私もです、が、あなたには人質が有る。魔術師に守られていますが、奴らが興味を持っている時点で、ある程度魔術師対策も有るでしょう。彼女が危険です)

上条(ステイルはインデックスをずっと陰から守ってきたんだ。アイツの腕なら任せられる。第一、どうせここでの事が終わったら俺関係なしに、手を出してくるだろうさ)

(…了解しました。ならば、CIAがこの対立・内乱を導いたという証拠を集めなければなりません。今の奴らの拠点を見つけ るべきですね。 )

上条(そう簡単には足を見せないだろうから、学園都市内部で繋がってる人間からたどるしかないな)

(ポジション的には相当上部でしょう。あの場面で警察権を取り上げたらどうなるか、ユーゴスラヴィア内戦という歴史的サ ンプルが有りながら、強行したわけですから。理事会の中に居てもおかしくはありません)

上条(なら、第一学区だな。恐らく、護衛兵の装備も数も多いだろうから、忍び忍びで行くしかない)

(急ぎましょう。都市側の体勢が整う前を狙うんです)

 

第七学区

 

青髪(人の前に立つのは苦手なんやけどなぁ)

チーム長「屈強なる我が同士諸君、我々には他のチームにはない特別な任務が与えられた。これから特別参謀どのより、詳細 を頂く!心して聞け!」

青髪「君たちに与えられた目標は、この建物の襲撃だ。諸君らの中にも、見たことのある者もいるだろう。今現在、他の地区には無い、高度な防衛体制が整えられている。それも都市の正式な部隊によるものではない」

青髪「間違いなく、ここには何らかの機密があるはずだ。機密を調べるために、私が潜入する。その為の囮になってもらいたい」

青髪「厳しい反撃が予想される為、まともに闘うと全滅する恐れもある。 」

青髪「相手にはLV5も有るという情報もある。」

青髪「故に、今作戦は設定時間が有る。10分間、攻撃したら退いてほしい。私も君たちと共に強襲に参加し、君たちが引き上 げたタイミングで潜む」

青髪「無論、罠である可能性もある。時間が限られている理由の一つでもある。だが、重要度が計り知れないという意味でこの作戦の意味は大きいだろう。」

青髪「不安要素を排除するためにも、諸君らの働きに期待している。以上」

チーム長「同士に敬礼!それでは、10分後に作戦を開始する!準備を怠るな!」

青髪(本当にLV5が出てきたら10分間以内に全滅も有りうる。)

青髪(本音を言えば、もし絶望的な状況になっても、時間設定をしておくことで、心理作用により戦力が瓦解するのを防ぐ為の時間設定なんやけど)

青髪(こういう考えも、この組織入ってから自然に身についてしまった。)

青髪(騙して、街を壊して、人を殺して、結局僕はなんでこんな仕事しとるんやろな)

 

学び舎の園

白井(シェルターから出たものの、そこいら中護衛部隊がいては動きにくいですわね。店の中もカメラは回っているでしょうし)

結果、知っている店のトイレを伝って外へ進む

白井(ふぅ。しかしお姉さまがどこへ向かってしまわれたか考えないと)

白井(あの時、初春にお姉さまが尋ねたのは武器の侵入経路について)

白井(それだけの情報では第一学区と第11学区の二か所が考えられますわ)

白井(第一学区のメインタワーなら多くの情報にアクセスできますね…)

白井(恐らく、今の第一学区は特殊装備の警備員をはじめとした部隊で厳戒体制でしょうから、一般学生が見つかったら射殺されてもおかしくないでしょう)

白井(見つからずにずっと飛び続ければ5分もかからないですが、負担がかかりすぎますわね。飛んだ先で休息が必要になるはず)

白井(第一学区のタワーそばで安全地帯となりそうなのは)

端末を通して公開されているタワーの情報を確認する

白井(変電・荷電ユニット部、ここなら常に人がいるわけでもないでしょう)

白井(お姉さま、どうか私がいくまで見つからないでいてくださいまし)

 

 

第七学区 車内

 

フレンダ「! 上条当麻を見つけたわよ」

浜面「マジで!?今まで全然手掛かりなかっただろ?」

フレンダ「マジよ大マジ。ここのカメラにHitしたわ。服装はいつもと違うけど標的!捕捉かんりょーよ」

滝壺「今まで完全に避けてたのに、急に映るのは、変。むぎの」

麦野「何か狙ってるって考えもできるけど、みすみす逃すわけにはいかないわ」

麦野「滝壺と浜面は車内無線指示。フレンダは狙撃、絹旗と私は直接戦うわよ」

絹旗「私たちが囮になれば良いんですね」

麦野「逆よ。フレンダが囮。どうせ狙撃ポイントなんて見抜かれているだろうからね」

麦野「私たちの攻撃にリズムをつけるの。タイミング良くフレンダが撃つのを繰り返す」

麦野「彼がリズムを意識し出したそのタイミングで私が前にでるから、絹旗が私めがけて投擲攻撃をする」

麦野「当然、私は避ける。すると彼に当る。もちろんチャンスは一度きりだけど、どうかしら、この作戦?」

フレンダ「まるっきり乙女頭脳では無いようね。安心したわ」

絹旗「流石麦野です。異論はありません」


麦野「唯一欠点があるのは、この馬鹿と滝壺を車内で二人っきりにするってことかしら」

浜面「仕事中に手を出すわけねーだろ。きちんとモニター見て誘導してやんよ」

フレンダ「気をつけてね、滝壺。結局、男は万年発情期なわけよ。浜面は男というより♂だけど」

滝壺「大丈夫、私ははまづらを信用してる。…はまづら、初めては、優しくしてね」

浜面「し、しねーから!滝壺さんも悪乗りしないで下さい」

麦野「ビビっちゃって、チキンね」

フレンダ「チキン野郎」

絹旗「チキンですね」

滝壺「にわとりさん?」

浜面「うおおおお。俺は出していいのか?手を?…ああ糞、どうでもいいや。着いたぞ、行って来いフレンダ」

フレ「ハイハーイ、お先にいってきまーす」

 

 

 

(上手く釣れましたかね)

上条(じゃないと困る。片っ端から交通手段が壊されてて、車すらない今は第一学区まで高速で移動する手段が無いからな)

(例え釣られても、敵は策を用いるでしょう。警戒はするに越したことは無いですよ)

上条(わかってるさ。…どうやら上手くいったようだ)

(来ましたね)

女性と少女がビルの影から現れた

絹旗「お久しぶりですね」

上条「君がビルから掘り出してくれたんだろ?助かったよ。礼を言う」

麦野「そういう割に、あなた、義足でも義手でもない様ね」

上条「最近の医療技術はすごいんですよ。一晩で手足が生えてくる!」

麦野「私たちを前に冗談を言うとは余裕が有るじゃない。気に食わないわ、ね!」

麦野が光線を放ち、絹旗が飛びかかる

絹旗(能力を使っての攻撃は効きませんが、能力で勢いをつけて体重を乗せれば最低限、相手を崩す程度の攻撃の威力は出ます)

上条「上条さんにはこんな攻撃は効きませんよ?」

麦野のビームは体表でとまり、絹旗の攻撃を片手ではたき、足で蹴り飛ばす

絹旗は軽く悲鳴を上げながら飛ばされ、それを麦野が抱きとめた

自立し、また飛びかかる

絹旗「さっきのキックは痛かったですが、手を抜きましたね!相変わらずでムカつきます!」

腰へ右足・左足、右ロー回し蹴りを繋がりよく繰り出すが、上げた膝と構えた腕に防がれ、弾かれ、バックステップでかわされる

そのバックステップのタイミングを狙っていたかのようにして、麦野が着地点へピンポイントに光線をあて、地面を砕く

上条がバランスを崩した所へ、ライフルの弾丸が弾き出される

分かってはいたがかわしきれず、左手の中指が吹き飛んだ

上条「やるね。今のは中々良い繋げ方だと思いますよ」

麦野「フン。余裕の割には痛そうじゃない。けど、どうせすぐ生えてくるんでしょ」

すでに中指の出血は止まっていた。痛みも彼は感じてない

絹旗が遠慮無に距離を縮め、飛び膝を繰り出し、かわされたのを読んでいたかのように着地しすぐさま防御態勢を整える

案の定上条の蹴りが来る。先ほどより威力が増していた。それだけ焦っているのだろう。けりを全身を使って防ぐ

次の足で蹴る際の上条の重心が変わるタイミングで、上条の足元のアスファルトを崩す麦野

今度は読まれていたようで、上条が瞬時に左方向へサイドステップを入れると、それまで立っていたところに弾が通り過ぎる

上条(攻撃のリズムは分かった。要は、あの小さい子から離れなければ良いわけだ)

また飛び込んでくる絹旗。最初に繰り出した右ストレートを避けつつ、上条は左手で手首をキャッチする

その左手に向かって左フックを入れようとした絹旗の動きを見た瞬間、足払いをかまし、倒れた絹旗の腹部を踏みつぶさない程度に踏み、動きが身動きが取れないようにした

もちろんライフル弾が飛んでくるが、味方がいる足元は狙えない為、必然的に上半身めがけて飛ぶので、腰だけで避ける

弾丸が当らなかったのを確認して、絹旗は腰から液体窒素入りの缶を放り投げるとそれを麦野が正確に撃ちぬいた

液体窒素がはじける

上条はとっさに腕で顔を守り、足を離して、狙撃できない死角の部分へ下がった。
ライフル弾がむなしく宙を切る

二人は目配せで互いに合図を送った

絹旗が立ち上がりさらに飛びかかろうとする

ぎりぎりの間合いで、粉が圧縮されて詰まっている缶を放り、麦野がそれを撃ち抜き上条の視界が白で覆われる

絹旗が一気に後ろへ跳躍しこれまでの戦闘で壊れた瓦礫を構える

そして麦野はそれに交差するように上条の目前まで急加速し、蹴りをかます

あらかた粉が吹き飛んだが、目の前に今まで支援攻撃に徹していた麦野が目の前にいて、上条は一瞬、たじろいた

その隙を見計らって、麦野の陰から絹旗が瓦礫を投げつける

麦野(捕った!)

勝利を確信し、手はず通り体勢を低くして上条に瓦礫がヒットするのを待つ

だが、いつまでたってもその時は来なかった

上条「ごめんな」

彼の声が聞こえた瞬間、麦野の意識は落ちる
彼女の首筋には、上条の手があった

残った絹旗も、何が起きたか分からないでいた

投げ飛ばしたはずの瓦礫が投げる直前、落ちたのである

そして目の前で崩れ落ちる麦野

上条が目の前まで迫る。とっさに距離をとろうとするが、能力が発動しない

混乱した彼女へ腹部への強烈な一撃を与え、意識を借りとる

遠くからスコープを通して見ていたフレンダにも状況が掴めなかった

彼女はとにかく狙っては撃った

だが、彼には当たらない

フレンダのリロードを見計らって、上条は腰から拳銃を取りだし、かなり斜角をつけて発射する

放たれた弾丸は弧を描き、フレンダのライフルへと突き刺さる

弾がライフルに当たったのは偶然だろうが、フレンダを狙って拳銃で射撃し、さらに近辺に直撃したことで彼女の戦意は遠の き、車のある位置へと駆けた

上条(もういいだろう。副作用の規模は中指だけですみそうか?)

(いいえ、軽くオーバーしてますよ。まぁ、少々どこかの筋肉を増やせば解決する程度ですが)

上条(足で頼む。必要休息時間はどのくらいに?)

(30分もあれば、足は強化された状態で充分に使用できます。左手の中指は一日は痺れたままと思われますが)

上条(よし。じゃあ先に交渉と行きますか)

麦野の腰についていた無線を拾い上げ、コールした

上条「上条当麻だ。交渉しよう。二人を迎えに来てほしい」

 

 

第7学区 窓の無いビル周辺

 

大道路から離れ、そのビルを覆うようにして他の普通のビルが立ち並ぶその区画は騒然となっていた

装甲車が5,6台と武装した特殊部隊が防衛の為に到る所に配置されている

青髪(1中隊クラスの兵力か。さあて、どうやって攻めたもんかなぁ)

青髪(明らかに守りの薄いところが有るが、罠だな。対能力者兵器が有るかもしれない)

青髪(薄いところは避けてるべきか、いや、どうせ10分だ)

青髪(薄いところに集中させるのは危険だが戦力をバランスさせて他から増援を来ない様に出来たら)

青髪(罠のレベルによるがこの烏合の衆でもかき乱せるか?)

青髪(このチームは量産型の中でも別格の慣性制御が他の所に比べて多い。これを利用すれば)

青髪「よし、チームを5つに分ける。配置はこうだ」


窓の無いビル周辺で爆発が起きる

これを合図に、5方向から防衛部隊は攻撃を受けた

4つの小部隊と1つの大部隊で構成され、小部隊は4人(慣性制御・発火能力・空力使い・念動力者)で慣性制御を中心に据えたもの、大部隊は残り全部(30人)で出来ていて指揮は青髪がとっている

圧倒的に多い人数を相手にしていた小部隊は慣性制御の作る障壁内で攻撃を繰り出す

外からのいかなる飛び道具も、その障壁にぶつかると慣性が0になり、初速の加速の慣性で飛ぶ武器は効果が無い

無論、対策をしていないほど特殊部隊も愚かでは無い

念動力者によって動かせないであろうぎりぎりのラインの重さの装備をし、駆動鎧の高度な俊敏性を生かして接近戦を決めに近づく

障壁圏内に入ってしまえば、他の能力者の邪魔にならないよう、慣性は0で無い。

10mの範囲内に入ってさえしまえば、銃器による殺傷は可能なのだ

これに対し、空力使いが障壁外の空気を操作し、空間的には慣性が0となっている障壁全体と中身そのものを滑るようにして高速度で移動させる

駆動鎧を動かせないと分かると、念動力者は打ち込まれた弾丸や壊れた瓦礫を障壁外で振り回し、駆動鎧が近づけない様にする

攻撃の要は発火能力者がまき散らす高温の炎と爆発による熱波だが、特殊部隊にとってありきたりな物であり、対処できないレベルでもなかった

初期のパワーバランスはほぼ互角、戦況は硬直したようにみえた

一方、青髪率いる大部隊側である

青髪の読み通り、そこは罠だった

無論、大部隊も同じように慣性制御の障壁を利用しているが30人全員の防御をするには幅が足りず

当然、あふれる。あふれる者に、早く動ける空力使いや移動能力者を置き、斥候的な役割を含めて先行させた

突出した空力使いがビル5mまで近づいた。瞬間、体が複数に割れる

同じように突出していた複数名の行動が一瞬止まる。そこへ機銃を装備した複数の多脚ロボットが瓦礫の脇から現れ掃射した

ものの5秒で6名の人工能力者の亡骸がビルそばに転がる

青髪(何かあるとは思っていたが、目にみえへんとはやられた)

青髪「全員、障壁内から出るな。防御ではなくカウンターに能力を集中させろ」

障壁内からの攻撃で現れたロボットは破壊されたが、士気が下がったようで、動きが鈍る

青髪(これだから素人集団は扱いが難しい。しかし、あの謎の攻撃が分からない限り、どうしようもない。このままだとあと時間の8分で壊走、それまでに全滅もあるな)

攻撃の手段が特定できないのでそのまま障壁内にとどまり前線を少しずつ押し上げていく

少し開けた場所まで押し進んだ

突如として、障壁を操っていた能力者が空間転移させられ、地面に埋め込まれる

さらに障壁が消えたところに伏せていた部隊からの機銃の掃射が入り、自分を守ることが能力的に向いていない約半数が死に、

かなり隣どおし近かった為、他人の能力に巻き込まれてもう半数近く死に、

何とか難を逃れ、物陰に逃げた人工能力者も首だけが空間転移するなどの方法で次々やられていった

大部隊は10分どころか5分も持たずに崩壊してしまった

 

 

結標「ざっとこんなものね」

土御門「よし、結標はそのまま見えた敵を消す作業を続けてくれ。メンバーの兵器は罠の区画にしか設置されていないから、一方通行、膠着している周りの戦線の排除を頼む。思っていたより味方の駆動鎧の減りが早い。出来るだけ速くな」

一方「青髪はどうすんだァ?すでにモニターにはいないぞ」

土御門「構わない。先に周りを綺麗にしてくれ」

一方「あいよォ 」

土御門「それから海原、少々危険だが一方通行に化けて、ここで隠れておいてくれ」

指で示した場所は、大部隊がいた正面だったところだ

海原「分かりました」

小部隊と特殊部隊の戦いが互角だったのは始まってすぐだけだったようで、

4小部隊にあてがわれた200人の駆動鎧は少しずつであるが減らされ続け、小部隊の攻勢は比較的に強まるばかりだった

50人中15人前後がやられた時点でパワーバランスの拮抗は大きく壊れた

「よし、このまま押し続けてあと5分を耐え抜く」

「防御特化状態なんだ、余裕さ。あと100人でも出てこいってんだ」

「調子に乗らない方がいい。LV5が出てきたらこの状況だってどうなるかわからん」

「そうだな、っ!」

水平方向にのびる火の円柱が駆動鎧を捉えた

戦況の悪化と具体的な反撃の手段の無い駆動鎧はジリ貧であることに焦りを感じ、なおさら攻撃がワンパターンになる

「攻撃が全く通じない障壁、それを囲うかのように飛び回る瓦礫、障壁そのものが縦横無尽に飛び回り、高温の火炎をまき散らす。こんなの相手にどうしろってんだ!」

「こっちに来た!退避しろ!」

「ウギャアアア!… 」

「またやられた!現状じゃあどうしようもない!至急援護来られたし!」

周囲が炎の海となり、まさに地獄絵図となったその時、強い風が吹き、炎が弱まった

一方「ずいぶんと酷ェやられようじゃねェか?まったく、とっちが烏合の衆なンだろうなァ!」

一人の駆動鎧に向けて放たれた炎の渦の前に高速で移動し、炎をはじき返す

自分に迫った死から助けられ、駆動鎧兵は呆然としている

一方「ここは任せといて、テメェらは他の部隊にの援護に行けェ!」

一方通行の怒声を聞いて部隊は我先にとこの場から離れ、残されたのは人工能力者の小部隊と一方通行だけとなった

「能力者か!なぁに、この防御態勢は完璧だ。このまま焼き殺せぇ!」

「応よ!」

球体となっている障壁は更に速度を上げ距離を取り、一方通行めがけて瓦礫を飛ばし、周りを炎で囲う

一方通行(確かに、無能力な駆動鎧共には荷が重ェ。そこら辺に居るレベル5でも厳しいハズだ)

飛んできた瓦礫を反射し、打ち出された時よりも圧倒的な速さではじき返す

亜音速で瓦礫が障壁に直撃する。が、力を失ったかのようにして、一瞬静止し、落下する

一方(慣性制御…コイツはほとんど俺の劣化能力だが、この四人の組み合わせだと第七位を除いて第三位以下じゃ歯が立たな いだろうなァ)

地表を這う炎から出来る上昇気流を利用して上空に飛びあがる

一方(駆動鎧共の戦い方は正解だったな。接近して障壁の中に入らないと俺でも攻撃手段が無ェ)

接近しようと速度を出す

「来たぞ!距離取れ!」

一方通行を超える速度を出して逃げ回る。無論攻撃をしながらではあるが、それは彼に弾かれる

一方(早い。だがこの程度で速度限界。所詮は空力使いだ、超音速を超えられねェ)

徐々に距離を詰められる

「もっと速度は出ないのか!」

「限界だ!お前こそちゃんと迎撃しろよ!」

「無茶言うな!こっちも弾かれんだよ!」

「落ち着け!あと4分逃げるだけでいいんだ」

「直角に曲がれ!あの勢いでは曲がりきれん!」

無論、ベクトルを簡単に操作する彼の空中戦で急旋回や急上昇など問題にならない

さながら、第二次世界大戦中、弾薬の無くなった日本軍戦闘機を猛追する米軍戦闘機のような、絶望的な悲壮感を紡ぎだしていた

一方(これでチェック、メイトだァ!)

ついに障壁に一方通行が突き刺さる。一度は速度が0になるが、もう一度加速してしまえば速度は蘇る

そのまま手前に居た発火能力者に音速を超えた拳を見舞し、破裂させた

無論、音速は人間ではまともに知覚できない速度であり、発火能力者がやられたと他が気がつくころには既に他3名もこの世から消えていた

一方通行(後、3つ)

青髪(ありゃま、全滅するのも時間の問題やな)

瓦礫の下で彼は隠れて状況を見ていた。他の人間が見たら、間違い無く押し潰れているであろうという構図で

青髪(座標移動にベクトル操作じゃ、急造の能力者には相手が出来るわけが無いからな~)

青髪(しかし、あの謎の人体切断は厄介や)

カメラには分からない様に石を投げつけてみる

一度目は音も立てずに粉じんとなり、二度目は弾かれ、3度目は綺麗に弧を描いて落ちた

青髪(一度目はただの石、二度目と三度目は僕の能力を加えたもの。大体は予想がついたで)

青髪(あれは目には見えないサイズの何か、で、しかも動いとる。大方、遠隔操作かなんかやろ)

青髪(でもあの石を弾くことしかできなかった時点で欠点は見えた。僕には問題にならへん)

2度目の超音速による轟音が消えた。2小部隊がやられたことを意味している

青髪(全滅も近い。捜索が始まる前に動かないとな)

設置されているであろうカメラの位置を予想して映らない様にビルの前まで進む

ふと白髪の少年の影が視界に入り、消えた

青髪(一方通行は今戦ってるハズ。ということはあれはエツァリの変装しか考えられない。好都合だ、入口まで尾行させてもらうかな)

一方通行(偽)が消えたところへ移動する

その場所はビルの角

曲がった瞬間、青髪は、気配を感じ、能力を使用した

青髪「やっぱり罠やったか。出てきぃや、あわきちゃん」

言われて出てくるほど彼女も場馴れしていないわけではない

なぜか自分の能力が効かない上に、見えないはずの位置に居るはずなのに自分がいることに気づいている

その上、未知数な能力者に対してむやみにかかる必要はない

海原を安全な場所に移動させたように自分を移動させようとした

だが、自分すら移動させることは出来ない

結標(なんで?演算にもおかしいところは無いわ。ジャマ―なんかが有るわけでも、混乱しているわけでもないのに)

結標が隠れていたところへ青髪が現れる

結標「え、…」

一瞬呆けた後、自分の脚力で逃げようとする。ライオンの前の子鹿のように。だが、動けない。手足が鉛のようで上がらないのだ

青髪「ごめんなぁ。空間転移系の欠点突くにはちょっち相性がええんよ」

青髪「で、質問が有る。これに答えたら逃がしてあげるから、答えてな。YESかNOでいい」

青髪「アレイスターに会うんは、空間転移能力者が立ちあうか、送ってるもんなん? 」

敵に自らの守護対象の情報を教えるわけにはいかない、そういう考えが彼女の頭をよぎる

しばらく無言が続く。青髪が結標の体に手を伸ばした

終わりだと思ったのか、体が強張った

結標の首筋から機械を取り出す

青髪「これなら問題ない。会ったから壊れてる。ここが見えるカメラもすでに潰した。さぁ、質問に答えてくれ」

青髪が伝えたい意図が伝わった。「ここで敵と何を話したか、会ったかなんて、身内には分かりはしない」である

彼女もまた人間。その甘言に流されてしまう

首を縦に振った

青髪「そっか。予想通りや。ありがとな」

そう言って彼女の額を小突く

急に息苦しくなり、意識が数秒、途切れる

軽い酸欠から目覚めると、彼は目の前に居なかった

一方通行が残りの部隊を始末して現れる

一方「標的はどこに行ったァ?」

結標「恐らく、ここから逃げたわ」

一方「ほォ?座標移動様がどうして逃がすようなことになるんだァ?」

結標「なぜだか分らないけど、能力が使えなかった。空間転移系の欠点がどうとかいってたわ」

一方「はン。お前らの欠点なんて多すぎてどれを突いたのか分かんねェな。まァ、とりあえず、防衛成功だ」

結標(…本当は、完全な失敗なのかもしれないわね)
彼女は、うつむいたままだった

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