上条「なんだこのカード」 > Season1 > 03

学園都市 第7学区

 

最後まで警備員と撃ち合っていたスキルアウトが、高位の能力者の攻撃によって弾け飛んだ

土御門(そろそろ鎮圧されたようだな。やられる可能性が無いとはいえ、守るべき学生まで前面に出て来るとは)

土御門(この武装故と言ったところだろうが、どこからこんな武器が入ってきた)

土御門(やはり、どこかの組織によるものだと考えるのが妥当だな。しかし…)

どこかで見た青髪の人が土御門の目が捉えた

土御門(なぜアイツが。いまだに外出禁止令は解かれていないハズだ。…つけるしかないな)

青髪が人気のない施設に入り込んだのを見てすかさず後に続く が、彼の意識はここで潰えてしまう。腹部に麻酔弾が刺さっている

青髪(流石は一諜報員だ 、気が付かなかった)

青髪(しかしながら扱いに苦慮するね、コイツは。かみやんの身辺を変化させるわけにもいかんし)

青髪(麻酔弾の効果もあるし、ここはとぼけ通すか。さて、)

青髪「おい、本部。今回の事について、どうして俺に事前通知が無かったんだ。監視対象が拉致任務を行うとは聞いていなかったぞ 」

OP「あなたの役割の変更の可能性があったからです。これからは上条当麻の監視の割合を減らし、最終目標の探知を優先でお願いします。具体的な行動は支援物資の届き次第です」

青髪「了解。これで少しは彼のプライバシーも向上するだろうな。通信終わるよ」

青髪(いつ何をおかずにナニをしたのかまで知っている必要は有ったのか?正直かみやんの趣味は健全すぎるんや)

青髪(まあいい。さて、支援物資ってのは何かね。期待させてもらおうか)

 

 

夜 上条の部屋

 

(そろそろ副作用を抑えるのも厳しくなってきました)

上条(そうか、じゃあ、頼む)

(相当な苦痛が走りますが、よろしいですね。今回はどこにしますか)

上条(出来るだけ気が付かれないように、全身の成長で)

(了解しました。では、始めます)

上条「~~~~~~~~っ」

全身に痛みが走る。しかし、隣や階下に声を聞かれるわけにもいかないので声も出せない。10分弱続いた

(終わりました。良く気を失いませんでしたね。)

上条(これって痛覚消したりしてできないのか?)

(ご存知の通り、副作用制御に全微小機械と演算の大半を使いますので。強引に痛覚を消そうとしたら、処理不足でどこかの細胞が異常な変異増殖して癌になりますよ。今回の結果として身長:3cm・体重:6kg・筋肉割合:3%増の急速成長となりました。いたくて当然ですね)

上条(体育館内っていう限られた範囲での使用でもコレですか。出来れば使いたくないな)

(今回はあまり大怪我をしなかったですからね。臓器の一つぐらい潰れたらそれに全てをあてがえるんですが、次から肝臓でも毎回潰しますか?または腕を一本増やしたりとかできますが)

上条(あまり物騒なことを言わないで下さい。あと臓器潰しは最終手段な!コレ約束です!)

(分かりました。善処しましょう。今日の騒乱で恐らく明日丸一日は復旧作業になるでしょうから、ゆっくり休んでください)

ベッドに入る

上条(何かを忘れているような気もしないことはないが、何でしょうね )

 

 

朝 上条の部屋

 

上条が寝ているベッドに少女が飛び乗る

禁書「とうま、ただいまなんだよ! 」

少女の体の下にある布団の簀巻きからぐぇ、という音がした

上条「うーん。何か忘れてたと思ったらこれですよ」

少女は簀巻きから身を引き、少年が身を起こし、時間を確認する。12時前だが体の倦怠感が酷い

禁書「私の事を忘れていたなんてひどいんだよ! 」
噛みつこうとして飛びかかってきた禁書の肩を両手で押さえベッドの上で向き合う形になる

上条「ごめんな、インデックス。今日は休みだし、外もどこも閉店中だから飯は冷蔵庫の中に有る分で何とかしてくれ。そし て上条さんはまだ寝たいんです。ベッドをお貸しください。なんなら、一緒に昼寝してもいいぞ」

急な誘いに少女の顔が赤くなる
禁書「え、一緒になんてとうま、ちょっと大胆かも。でも、と、とうまがそこまで言うんなら一緒にお昼寝してもいいんだよ。…とうま?」

少年は目の前でまた寝始めていた
禁書「とうま、今のは一番傷ついたかも。謝罪と賠償を請求するんだよ! 」

またしても噛みつこうとした少女。だが狙いが頭ではなく首元になっている
敵意を感じなかったのか、はたまた寝始めていたのか、上条はそのままベッドに押し倒された

禁書(私も、帰ってきたばっかりで疲れたし、スフィンクスも寝ちゃってるし、問い詰めたいことが有ったけど、どうでもいいや )

そして、狭いシングルベッドに二人と一匹が寄り添うようにありましたとさ

 

 

カエル病院

 

黒子「お姉さま、ご機嫌はいかがですの」

御坂「黒子、来てくれたんだ。初春さんも佐天さんも」

佐天「これ、私たちから差し入れです 」

御坂「ありがとう。でも私今日にも退院できるわよ」

佐天「もちろんわかってますよー。皆で食べましょっ」

初春「心配したんですから。起きたら居なくて、調べてみたら学校に行っていないなんて」

白井「あれほど釘を刺したんですから、守ってほしかったですわ。でもお姉さまのお陰で救われた人が居たのも事実ですの」

御坂「ごめんね。学校へ行こうと思ったんだけど、ね」

白井「大方あの殿方でしょう?聞けば、お姉さまをここへ運んで下さったのもあの方とか」

御坂「え、なんで知ってるの?」

佐天「何言ってるんですか。幸せそうに抱っこされてたんでしょ?初春が見てたみたいですよ」

初春「昨日、学校に居ないって知ってカメラで探し回ったんですよ?そしたら探してる顔がお姫様だっこされてるんですから驚きましたよ」

御坂「ごめんね心配かけて。でもカメラで見てたってことは、その」

初春「…ええ、昨日の惨状は大体把握しています」

御坂「結局、どうなったの」

白井「完全な鎮圧は17:22。昨日だけで死亡した人は学生が合計2万人弱で、内訳はスキルアウト4,976人、能力者11,892、人非能力者が1,238人。亡くなった能力者のほとんどは戦闘向きの能力ではないか、あまりレベルの高くない人たちで、非能力者の方に至っては完全に巻き込まれた人々ですの」

初春「警備員の死者も出ていますし、今急ピッチで対応しているみたいですよ。そしてここだけの話、第二位がやられたかもしれません。公にはなって無いですが、能力者管理部のデータには行方不明になってました」

佐天「第2位がー?御坂さんより強い人がなんで?鉄砲なんて食らわないんじゃないの?」

初春「分かりません。最後の記録では第14学区となってました」

御坂(14学区…アイツが居たのも14学区だった。やっぱり、アイツは)

白井「それよりも問題なのは人の心ですわ。PTSDになった生徒も多く、ショックで能力が使えなくなった生徒や無能力者を危険視する能力者、そして昨日の扱いに雲泥の差があった無能力者の能力者への劣等感・不平等感の増幅など」

白井「学校に全員集めて警備員で守らせるには人数が足りないということから、狙われていない無能力者は自宅待機となったん ですけども。それで巻き込まれた人も多いのです」

初春「事実、学校ひとつ丸々虐殺の場になってしまったところも有りますし、学生同士が戦った記録も残ってますから、仕方 なかったと言えばそうなんですが。このまま対立が進めばまたあのようなことが起きても不思議ではないです。各種武器の出所も分かっていませんし」

佐天「鉄砲なんて初めて見たよ。あれの出所がわかって無いのはこわいね」

初春「証言が一致しているのは第19学区なんですが、いざ現地に行くと、完全にもぬけのからだったそうですよ。建物そのものが有ったか分からないぐらい不確かなんです 」

御坂「わかった。それで黒子、黒子も戦ったの?人を、殺したの? 」

黒子「私の能力は銃で乱戦になると効率が悪い、中学生であるとの判断理由で後方で負傷者の移送が主な仕事でした」

御坂「そう。良かった」

御坂(私は、殺した。電撃だから感触はないけど、断末魔や悲鳴を聞いた。他人の死を一方的に直接もたらしてしまった)
表情が固まる。誰も声がかけれないでいた

御坂(アイツに、当麻に会いたいよ。また安心させてもらいたい。当麻…)

 

 

学園都市 某所

 

土御門「今日集まってもらった理由はシンプルだ。仕事が来たぞ」
エツァリ「内容は?タイミング的にはスキルアウトの襲撃についてでしょうか」

土御門「それが、違うんだな」

結標「じゃあ何よ」

土御門「第2位については聞いているか」

一方「どうやら誰かにやられたみたいだなァ」

エツ「初耳ですね。詳しくお聞かせ願えますか」

一方「詳しくはしらねぇが、14学区で消えた。偽の情報に釣られたとよ」

結標「あれ、第2位は中々賢いみたいなイメージ持ってたけど違うのね」

土御門「スキルアウトといい、最近は学園都市の諜報部でも掴んでない動きがたくさん入りこんでるからな」

土御門「さて、話を戻すぞ。内容はその第二位をどうにかした組織の特定と破壊だ」

エツ「不確定の仕事内容とは、上も浮足立ってますね」

一方「めんどくせェな、オィ。とりあえず土御門と海原、特定頼んだぞ。大将は高みの見物とさせてもらうぜェ」

土御門「当てはある。後は潜るだけだ。第二位を倒したかもしれない連中だ。見つかったら一方通行、頼むぞ 」

一方「まずは特定してから言うんだなァ。じゃあ、帰る」

 

 

夕方 上条の部屋

 

モゾモゾと部屋の主が起き上がる
上条(長いこと寝たおかげか、体の倦怠感が無くなったな)

ベッドから出ようと右を見ると、暴食シスターが居た
上条(あれ、どうして一緒に寝てるんだ?ん、待てよ、記憶が有るぞ。俺が一緒に寝ようって言ったのか)

(敵意という名の、文字通り牙をむき出しにしていたので、私が対処しておきました。どうです。彼女も気持ちよさそうに寝ているでしょう)

上条(これはグッジョブと言わざるを得ないな。助かったよ)

(どうです、自然に夜も一緒に寝るようにしては。この流れだと行けますよ)

上条(年端もいかぬ女子と夜を共にするなど武士の上条さんにはできないでござる)

(では寝るときは私に体を任せるというのは。悪いようにはさせませんよ?)

上条(…スイスでのことといい、お前に任せるのは一抹の不安がある。駄目だ)

(そこまで意地になっても、既に世間的には一緒に寝てるもんだと思われてますよ?)

上条(うぅ…どうあがいても俺はロリコン扱いの誹りを免れれないのか)

(そうですよ。どうせならやっちゃえ旦那!悪いもんじゃないですぜ)

(とまあ冗談はさておき、その子を守るという面でも、夜は少なくとも同じ部屋にいた方が良いですよ)

(私が居ても、認識できる範囲はあなたと同じですから。風呂では少々遠すぎます。彼らが本気を出せば、朝になったら居なかったなんてことも容易に考えられます)

上条(その辺については俺も考えてる。無難に部屋に布団を敷けばいいかなってな)

(駄目です。彼女に触れて居れば、魔術の類だって打ち消せるんですし、彼女だけつかまるということも避けれます)

上条(お前なんだかんだ言って単に女に触れたいだけじゃないのか?)

(元来、私たちは体なんて持ちませんから。人のぬくもりを覚えてしまった以上、出来ればそれを感じていたいと思うのは不自然ですかね)

(まぁ、彼女次第ですけど)

もうひとつの体がモソモソと動きだす
禁書「おはよう、とうま」

上条「おはよう、インデックス。といっても、もう夜になるところだぞ」
ベッドから出て、立ち上がる上条

少し笑みを浮かべて
禁書「とうまにおはようって言いたかっただけなんだよ」

禁書「…なんだかとうまが変わってる気がする。ちょっと見ない間におっきくなった?」

上条「"男子三日会わざれば刮目して見よ"って言うだろ。まぁ、久々だからおっきく見えるんだろ」

(実際に成長してるんですがね。流石インデックス、と言ったところでしょう。)

禁書「とうまはとうまだからどうだっていいよ。とりあえず、お腹すいた!」

上条「よっし、久々に上条さんの手作りご飯を堪能させてやるよ」

禁書「期待してるんだよ!でも、冷蔵庫空っぽだよ?」

上条「ここは学園都市だ!多分もう復旧してる店だってあるだろ。買いに行ってくるよ」

禁書「私も行く!卵とか落として割られたら大損害だからね」

上条「よし、じゃあ行くか」

銀行やサービス店は閉まっていたが、被害の少ないスーパーやコンビニの中には開いている店もあった
それでも銃痕がところどころにあり、昨日の事が夢幻でなかったことを思い知らされる

禁書「とうま、ここで何が有ったの?帰った時からところどころこんな感じだったんだけど」

上条「スキルアウトが武器を持って襲ったんだよ」

禁書「…私の知っているスキルアウトの情報と違うかも」

弾痕と空薬莢を見つめる

禁書「少なくともソ連の突撃小銃なんて東欧とか中東でしか見ないんだよ」

禁書「武器に厳しい日本にそんな旧兵器が組織的規模で入ってくるなんて、裏にはかなり大きな組織が居るのかも」

(流石すぎますねインデックス)
上条(伊達になんでも記憶能力が有るわけではないみたいだ。これで機械の扱い方まで覚えられると恐ろしいな)

禁書「でも、今はどうでもいいから、食材優先!とうま、今日は和牛がいいかも」

上条「勘弁してくれ。せめて半額の奴でお願いします」

買い物を済ませ、食事をとった

禁書「ごちそうさま、とうま」

上条「よっし、皿洗うから持ってきてくれるか」

トテトテと皿を重ねて持ってくる禁書
共に調理器具と皿を洗う

禁書「ねぇ、とうま」

上条「ん、どうした?」

禁書「スイスで何をしてたの?」

上条「え、上条さんはずっとこの部屋で生活していましたよ?」

禁書「ステイルとかおりが話してたのを聞いたから、隠しても無駄なんだよ。で、何をしてたのかな」

上条「…すまない、インデックス。それは言えない」

少し俯き、残念そうな顔になる
禁書「また、何かに巻き込まれてるんだね。いいよ、言わなくて。でも、急に居なくなったりしないでね」

上条「分かった。それは約束する」

禁書「やっぱり、まだ信用できないな」

皿を洗い終わり、台所で向き合っている
頬を染め、小さく言った
禁書「だからその、これから、夜も、一緒に寝てほしい、かな」

(どうやら、彼女も私と同じらしいですね)

 

早朝
上条の部屋(昨晩はお楽しみでしたね)

上条(だああ!紳士of紳士なワタクシめは何もしてないですからね!)

(流石に、ほんとに手を出そうとしたら全力で妨害するつもりでしたから。下半身直結脳じゃなくて良かったです)

上条(紳士ですから。もう一度言うけど紳士ですから!)

例の端末を上条が使う
上条(どうやら今日から学校再開のようだ。昨日も寝てる間ずっと復旧工事の音がしてたからな)

上条(インデックスが起きる前に朝飯作っときますかね)

幸せそうな寝顔の少女の髪をひと撫でし、立ち上がる
朝の静けさの中で、部屋の中に油の音が響く

(本国から情報が入っています。"我々の動きを探る為に動いているものがいる、極力接触は避けるように"と)

上条(あいあい。言われなくても接触なんてしたくないっての)

(注意しろってことでしょう。それと、昨日寝てる間に禁書の体内に発信器を付けておきました)

上条(ん、サンキュ。変なところを触って無いよな)

禁書「とうま、おはよう。早いんだね」

上条「おはようさん、。今日から学校始まるから、留守番頼むな」

禁書「分かった。 」

上条「あと、カードに図書館の出入貸出機能付けといたから、ホレ」

上条「暇つぶしに行ってきたらいいぞ」

禁書「ありがとうなんだよ!今日早速行ってみる」

上条「んじゃあ、行ってきます」

 

 

登校中

 

上条(おー、もう街は大体直ってきてるな)

土御門「おはようなんだにゃー」

上条「おやようさん」

土御門「かみやんがこんな適切な時間に登校できてるなんて珍しい日も有るもんだにゃー」

上条「上条さんはもともと真面目なんですよ。今までのがむしろ偶然さね」

土御門「その真面目な上条さんが勝手に都市を脱走してこうして帰ってきているなんてにゃー」

上条「嫌だな、土御門さん。この私がそんなことをするはずないじゃないですか」

土御門「インデックスが知っているってことは俺も知ってるってことだぞ」

上条「隣の部屋の会話を盗み聞くとは良い趣味じゃねえな」

土御門「どうせ俺にも理由は言わないだろうから聞きはしないが、あまり動きはするな。どうやら胡散臭いのが入ってきてる みたいだからな」

上条「御忠告ありがとさん。まぁ、特に何か有るってわけじゃないから大丈夫だ」

(そういえば、追加の任務も来ないですし、最終目標に向かって行動している事になっていますが、どうします?)

上条(いつまでも良い飼い犬で居るつもりなんてないさ。一昨日の騒乱の裏に、本当に奴らが絡んで居るなら許せるもんじゃ ないからな)

(期を見計らうわけですね。それまでは犬でいるしかないですが)

学校

 

子萌「みなさんに、無事会えて幸せです」

先生の少し目が潤んでいる 中には包帯を巻いているものもいるが、生徒はそろっている。
一つの席を除いて

土御門「せんせー、青ピがいないんだにゃー 」

小萌「青髪君は怪我でお休みだそうです。ただ、命には支障ないそうです」

小萌「他に、まだ報告していない怪我を負っている人がいたら先生に言ってくださいね」

子萌「あと、本来、昨日予定していた授業は補講などは特に設けませんが、その分授業が早く進みますからみなさん頑張って くださいね。以上でHRを終わります」

土御門(記憶が曖昧だが、間違い無く俺はあの日青ピを追っていた。その時あいつに目立つ傷など無かった)

土御門(何か理由をつけて会っておかないとな)

小萌「言い忘れてましたが、昨日予定していた再テストは今日行います。受けなきゃいけない人はいつものメンバーですよー」

上条「完全に忘れてた。なんてこった」

土御門「かみやん、お前は一人じゃない。俺も一緒にたたかうニャー。で、テスト終わったら青ピのお見舞いに行こうぜい」

上条「OK。学校休むレベルの怪我って相当だろうしな 」

土御門「本来ならそのポジションはかみやんの指定位置なんだけどにゃー」

上条「悔しい、言い返せない。でもそんな汚名は返上したいです」

吹寄「青髪のところに行くなら、保険の書類を持って行ってくれる?私は今日病院で検診受けなきゃならないから無理なの」
左腕がギプスと包帯に包まれている。他の人の非難を手伝っていたら流れ弾が当ったらしい

上条「任せろ。それより怪我は大丈夫か?見ていてかなり痛々しいんですが」

吹寄「昨日は麻酔が効かなくなると痛かったけど、今は大丈夫。このクラスでは私の怪我は酷い方だけど、他のクラスでは亡 くなった人もいるんだし、運が良かったと思うことにしてるわ」

土御門「怪我なら治るからな。正直、死人が出たクラスはかなりどんよりしてるぜぃ…」

上条「あんなことに巻き込まれて生きてるだけでホントに良かったよ。でも男とは違って女の子は体に傷が残ったら可哀相だ。吹寄はきれいな肌してるしな」

吹寄「ふ、フン、怪我をしてない時に言って欲しいわね、そんなセリフ」
顔を少し染めて去って行った

土御門「流石かみやんだぜい。じゃあテスト後ににゃー」

上条(正直、罪悪感が酷い)

(やったのはあなたではありません。気にしないでとは言いませんが、今は何より裏を取ることです。本当に本国が関与して るのか )

上条(そうだな。具体的な指令が出てない内に調べ回るとしよう)

 

 

放課後

 

上条「やっと終わったか」

(あなた、想像以上に残念な頭でしたんですね)

上条(言わないでくれ。今までの自分の残念さ加減に若干悲しみを抱いてるんだ )

小萌「珍しく上条ちゃんの出来が良いようですねー。テストは以上です。気をつけて帰ってくださいねー」

上条(わざといろいろ間違えたんだが。どんだけなんですか。いや、多分記憶喪失前の俺もわざと間違えていたに違いない。でもそうなると、こうなる前の俺だけただの馬鹿なのか?)

土御門「じゃあ、青ピの所へ行こうぜ」

上条「はいはい」

移動中

土御門「なんだか嫌な感じしかしないな」

上条「ああ。確実に騒乱前より治安が悪化してる」

常に周りでは一触即発の雰囲気があった
目に見えて能力者による無能力者の迫害が増えていた。両者の怯えがそうさせているのである
なかには能力による攻撃を行って風紀委員や警備員が出てくるまでになっていることもあった
一方的な加害行為が跋扈している

土御門「もともと、不平等だったのが一気に表面化している。これは、不味いぜよ」

上条「このままじゃ、またあんなことが起きてもおかしくないな」

土御門「大声じゃ言えないがスキルアウト側の武器の出所がまだ分かっていない。武器提供がこんな対立を煽ることで都市の 内部崩壊を狙っている組織によるものだとしたら」

上条「もう一度、か。これじゃ、前回の規模よりも大きくなるかもしれんな。前のでも鎮圧までに酷い被害が出た。警備員だ けでは守り切れなかったっても聞いてる」

土御門「体制も整ってない今しばらくが、一番危険ぜよ」

上条「嫌な街になっちまったなあ。おっと、確かこの辺のパン屋だったはずだけど」

店主「いらっしゃい。残念ですが今日は店は休みです」

上条「いえ、青髪君のお見舞いに来たんですが、会えますかね 」

店主「おお、あの子の友達かい。せっかく来てくれたんだけど、今日から病院で入院してるんだ。怪我が思いのほか酷くて ね。面会はまだ出来ると思うから部屋の病院と部屋の番号を教えるよ」
カキカキ っメモ

上条「ありがとうございます」

店主「いや、礼を言うのはこっちだよ。休みだけど焼いてしまったパンが有る。君たちの分とあの子の分にしよう、頼んでい いかな」

土御門「任せてください。じゃあ病院に行ってきます」ペコリ

 

病院(カエルのではない)

 

上条「まさか入院しなきゃならない程とは上条さん驚きましたよ。大丈夫か」

青髪「いやー。まさかこんなグルグル巻きになるとは思ってへんかったわ」

土御門「入院は今日からなんだろ?昨日はなぜ病院に行かなかったんだにゃー? 」

青髪「吹き飛んできた壁が胸に当ったんやけど、一日様子見とったら、あかんくてな」

上条「うへぇ、想像しただけで痛いです。コレ、店主さんから差し入れと保険の書類だ。食おうぜ」

青髪「おおきに、かみやん。ってかおっちゃん、今日は休みや言うとったのに、職人やなあ」

土御門(一昨日の段階では、こんな怪我はなかった。本当に怪我してるのか?この病院は都市外とのつながりが深いが、まさかな)
クラスの様子など無難な会話をしばし交わす

上条「うん。傷は痛そうだが元気そうだな。安心した。上条さんは食材安く買うために帰りますよ」

青髪「小萌センセにワイのラブメッセージ伝えとってなー」

上条「治してから自分で言うんだな。じゃあな」

土御門「バイナラだなにゃー」

病院を出てしばらく歩いた時
土御門「おっと、部屋に忘れ物したぜい。かみやんは先に帰っててくれるかにゃ」

上条「タイムセールだから待つのは無理だ、先に帰らせてもらいますねー」

土御門「ほいじゃ、ばいばいさよならまた明日~ 」

 

 

青髪の部屋に戻る

青髪「あっれ?忘れもん? 」

土御門「ああ。忘れものさ。いや、忘れさせられそうになったと言うべきか」

間の抜けた青髪の顔から少し険しさが滲む

土御門「さて、あの時あの場で何をしていたんだ?」

青髪「さて何のことかようわからんなぁ」

土御門「とぼけるなよ。どうせ俺の立場も分かっているんだろ」

土御門「前々から何か入ってきているのは察知してるんだ」

土御門「大多数のダミーが用意されているが、深部まで到達するハッキング・経歴を書き換えた可能性のある人物の侵入・大量の武器密入の経路整備」

土御門「そして第二位の消失」

土御門「言っておくがここは学園都市内で、すでにここは包囲させてもらった。さあ、答えてもらおうか」

青髪「良く調べてあるじゃないか。流石はグループの一員だ。脅しの仕方まで教科書通り」

青髪「それでも、少々優位性を確信しすぎな面が有りすぎる」

土御門「どういうことだ」

青髪「どこの人間か、それらの事件に関わっているか、まるで答える気なんてない。ただ言えるのは、こっちは学園都市の情報は把握しているんだ。特に機密性の高い内容は、な」

青髪「君が、上条当麻と離れてどういう行動をとったか、すでに把握済みだ。ホラ」

部屋の扉が開き、土御門の部下が使っていた通信機を持った人間が立っている。
通信機には少々、血が付いていた

青髪に背を向けてそれを見た土御門は、ほんの少し、笑みを浮かべた
土御門「…やられたか、仕方ない。覚悟を決めよう。だが」
振り向いて口を開く

土御門「最後に一つ、教えてほしい」

土御門「なぜ、上条当麻に近づいた?」

青髪「…言えることは、ひとつ。彼は、俺の監視対象だ。それじゃあ、記憶を弄らさせてもらおう」

土御門ににじり寄る
二人の幅はおよそ1m。ここで土御門が背後の男に手でサインを送ると同時に青髪に飛びかかる
青髪はとっさの事に判断が遅れ、土御門に抑え込まれる

扉付近に立っている助けてくれない仲間であろう人間の方向を見て、青髪は状況を把握した
青髪「二重の策とは、やってくれたな。諜報力を逆手に取られたか」

土御門「上に報告した方法と現場では違う方法をとるのも、基本だろ? 」

青髪「エッァリの事をこの場で考えなかった俺の負けさ。だが、まだだ」
確保のため近づく海原の手が伸びる前に、抑え込まれていた関節を自ら外して土御門を蹴り飛ばし、飛び起きる

青髪「そう簡単につかまるわけにはいかんのや。じゃあ、サイナラ~」

関節を入れ治し、窓から飛び出す。
あらかじめ脱出経路が確保されていたのであろう。二人が窓から顔を出した時にはすでに 視界から消えていた

海原「逃げられましたね。予め術の類でもかければよかったでしょうか? 」

土御門「時間が無かったし、魔術なんてすぐに察知されるハズだ。今の判断で間違いは無い」

土御門「収穫もあった。関与を否定しなかったことと、上条当麻が監察対象だということ。そして俺を殺さず記憶を弄ろうとしたこと」

土御門「監視対象であることで、上条当麻はあっち側の人間って可能性がある。一般的に監視しているという意味では無い、もう一つの意味。」

土御門「通常、組織だった諜報工作活動を行う時は、メインで動く人間と、その人間が背信行為をとらないか監視している人間で構成される」

土御門「そして両方の意味で監視側の人間は、される側に身元をばれてはいけない」

土御門「だから、俺を殺さずに記憶を弄るって言ったわけだ。俺がこのタイミングで死んだら、どうしても青髪に目が行くからな」

土御門「そして残念だが、上条当麻は恐らくあっち側だろうな。そうであれば、都市から脱走して帰ってきた理由が裏付けら れる」

海原「上条当麻が敵の可能性がある…。ハハハ、あの時私が聞いた言葉は嘘だったわけだ…ハハハハ」
怒りのためか変装が削げる

土御門「落ち着けエッアリ。まだ決まったわけじゃない。今はアイツが上条当麻の名前を出した意味を考えるんだ」

土御門「俺の考えでは、上条当麻はブラフ、俺たちの目を誤魔化す為のな。次の動きのメインから外れるはずだ。一応監視はつけるが」

海原「裏切は許せませんが、ここは抑えます。次の動きはなんでしょうね 」

土御門「それはわからないが、とりあえずは全力で青髪を探すしかない」


買い物中

上条「今日は魚が安い!これは買いですぞ!」

上条(パンの箱に盗聴器しかけといて正解だったな)

(とりあえず周りの目が痛いですから大声で感想を口に出さないでください)
(そうですね。中々機転が利くじゃないですか)

上条(よし、さっきの話をまとめよう。まず第一に俺の身元が学園都市側にバレた可能性がある)

上条(そして第二に青ピが監視役だった。そして第三に本国は俺以外の人間に何かをさせるつもりだ)

(都市にバレタかもしれないというのは、危険が増しましたね。裏が取れない限り、表立っては何かしては来ないでしょう が、気をつける必要はあるでしょう)

上条(青ピについては、うほ!半額シール来たー!当分は現れないだろうから問題は無いな)

(店員さん間違えて揚げたてのにシール張りましたよ。そっち持っていきましょう。問題なのは本国の動きが掴めないことですね)

上条(やつらがスキルアウトを追いたて、そしてこの街の雰囲気を生んだとしたら、狙ってやったなら、もう一度騒乱を起こそうとしているとしか考えられないな)

(今度は何のカモフラージュを兼ねているんでしょうね)

上条(分からない。青髪に聞く事が出来ればいいんだが)

(目的は同じです。土御門たちを利用させてもらいましょう)

上条(ああ)

レジ店員「あ、この半額シールは間違いみたいですね。どうされます? 」

上条「え、か、買います」
(結局こういうオチでしたか)

 

 

上条宅 夕方

 

禁書「とうまお帰りなんだよ」

上条「すまん、インデックス。少々遅くなった」

禁書「私も今図書館からの帰ったところだし、気にしてないよ」

上条「早速、飯にするな」

食事中
禁書「ほうひへぱ、ほうま」

上条「口の中のものを飲みこんでから話しなさい」

禁書「そう言えば、とうま」

上条「ああ、なんだ?」

禁書「今日、駅の近くで人だかりが出来てたんだけどね」

禁書「その時、こんなビラをもらったんだよ」

"立ち上がれ!無能力者よ! この学園都市において我々は多数派のハズだ。だが奨学金は能力者の方が多い上、無能力者は良い学校へ進級することもで きない 能力者に不当な暴力を押しつけられても、都市の治安機構は能力者の肩を持ち、我々は泣き寝入りするしかい 日本は民主主義国家では無かったのか!我々は特権階級を許さない 先日の騒乱によって、多くの死傷者が出た だがこれは、もとはと言えば能力者優先のこのシステムによって起きたといえる 諸君らも知っているだろう。能力者は学校に集められ警備員に保護されたが、我々は自宅待機だった このせいで巻き込まれた無能力者が死傷者のほとんどだ これは都市運営側の本音を表している 役に立たない無能な者は死んでも構わない これが彼らの本音だ。このような体制が許されていいのか!弱者には死のみが相応しいというのか 次の土曜日に我々はデモを企画している 間違ってほしくないが、平和的なデモである。場所は統括理事会の施設が有る第一学区中央通り 難しい言葉が分からない小さな仲間達は集まってくれるだけでいい 皆でプラカードを掲げ、無能力者の待遇改善に向けて立ち上がろうではないか 決行日は次の土曜日!朝10時からだ!より多くの不満を持つ同士が集まってくれることを希望する!

禁書「皆結構聞き入ってたよ。途中で警備員が来て集会は中止させられてたけど」

上条「気合入った学生運動だな」

禁書「これは穏健的な動きだけど、下手に統治者が動いたら一気に大暴動の原因になるのは、歴史的に保証されてるんだよ」

上条「集会は明後日か」

禁書「当麻も参加するの?」

上条「どうだろうな。でも、書いてある内容に共感できるのは事実だ」

上条「インデックス、この日は絶対部屋でじっとしててくれ」

禁書「行ってみたかったけど、とうまがそう言うなら。人が多くて迷っちゃうかもしれないしね。とうまはどうするの」

(これが大規模なデモなら裏方で動きやすいでしょう。同様にCIAも動くはずです)

上条「多分、補講があるな」

禁書「とうまだけいつも通りなんだね。ごちそうさま。先にお風呂入ってもいいかな」

上条「はいよ。いってらっしゃい」

 

次の日 中学校

初春「え、佐天さんデモ参加するんですか? 」

佐天「別に本気にして参加するつもりじゃないよ。ちょっとしたお祭りみたいな感じで行ってみるだけ」

初春「平和的なデモなら社会見学って意味もあるかもしれないですけど」

佐天「危なかったらすぐに帰るよー。難しい話も分かんないしね」

初春「一応、風紀委員も警備員も警備監視に立ち合いますし。私はバックアップですけど」

佐天「そっか、なら安心だっ」

初春(なにも起こらなければいいんですけどね)

放課後(さて、探索を始めましょうか)

上条(あいよ。今日は土御門も青髪もいないからすぐに単独行動が出来るな)

(単独行動は良いのですが、問題が有ります。今下手に動いてるのを見つかってしまうと、都市側に狙われますから)

上条(たはは、青髪も面倒なことをしてくれたよ)

(はい。昨日の夜時点で要注意人物に指定されていました。すでにいろいろなチェックがなされていましたし、かなりマークされることになります)

上条(そうなると、この能力とナノマシンだけでは少々不安だな)

(簡単な銃火器でも欲しいところですね)

(うちの武器弾薬庫が学園都市内にもあるので、それを拝借しましょう)

上条(どこか分かるのか?)

(前の騒乱の時にも武器が大量に入ってきていましたが、大量ならばより普通の経路じゃないと輸送できません)

上条(つまり、普通の経路で武器も入ってくるわけだな)

(そう。そして木を隠すなら森といいます)

上条(11学区のコンテナ倉庫群だな。確かにあそこならいろいろ隠せそうだ)

(ちょうど本国から支援物資が入ってくるようですから当りもつけやすいでしょう)

 

第11学区 コンテナ倉庫

作業着に着替えた人間がコンテナの到着を待っている
青髪(流石に、能力者や魔術師の組織相手に生身の人間じゃ限界がある)

青髪(支援物資次第でこの後の行動方針が変わるが、さて)

ブロロロロr
青髪「ハイ、オーライ、オーライ、オーライ、オッケー!」

運転手「ありがとよ。ホレ。鍵だ」

青髪「一応、中身を確認しますねー」

運転手「あいよ。」
ガチンガチン バタム
運転手がトレーラーの後部ドアを開けた瞬間、青髪が取り押さえる

運転手「おっと、兄ちゃん、何すんだ」

青髪「"肝に銘せよ 我々の大義とモットーは"」

運転手「"「我等の信頼は神の中に有る」" 」

青髪「すまない、少々手こずってて」

運転手「気にするな。良くあることだ。これを渡しておこう。手渡しで渡せということだったからな」
っペンケース

青髪「何だこれは。万年筆か」

運転手「さぁな。俺は知らされてない。何かの功労賞でも取ったんだろ」

青髪「ペンよりはビールの方が良いんだがなぁ」

運転手「ハハハ、全くだ。まぁ、せっかくもらったんだ大事にしろよ。箱の方もな。んじゃあ、怪しまれない内に戻る」
ブロロロr

青髪(箱まで?フン、二重底か。アイツ知らないとかぬかしやがって)

青髪(メモ、とパネル?ほう、経口投与ね)
パネルから出てきたフィルムを舌に乗せる

カツーン
その時、倉庫内に音が響く
青髪(ゆっくりしすぎたか。消えよう)

上条(さて、この倉庫だよな)

中は暗い。ポケットからライトを出そうとして、落とした
カツーン
金属製の屋内に音が響く

(ちょっと、隠密行動中ですよ?音を立てないでください)

上条(スミマセン。でも幸運なことに誰もいないみたいだ)

(どうでしょう、今ので逃げたかもしれませんよ)

上条(うう。これ以上責めないでください。変な方向に目覚めちゃいます)

(あなたの性癖はどうでもいいですが…このトレーラーですね)

上条(うへぇ、開いてるな。マジで逃げられたか)

(でも、中は触って無いように見えますね)

上条(得物はあるかなーっと)

(アメリカ製の武器ばかりですね。どれも整備が行き届いてます。ロシアや東欧の銃・規格の物は有りません)

上条(こんなに武器を侵入させることができるんだ。ほぼ黒だろうな)

(そうですね。システムウェポンの突撃小銃や突撃カービン銃も有ります、が、こんな長い物、隠し続けるのは手間です)
上条(そうだな。拳銃でいこう。この辺が拳銃だが、どうする?)

(今調べます。大きいのは反動が大きくあなた向けじゃないですね。ガシガシ拡大能力使って筋肉量増やすなら良いですが)

上条(あの痛みをしょっちゅう味わうのは御免ですよ。コレなんてどうだ?小さいし、セミ・フルの切り替えも付いてぞ)

(G18Cというらしいです。フルオートの反動が少々大きいですが、拳銃で弾幕を張れるのは良いですね )

上条(弾と弾倉はあるか?)

(弾倉入りの弾丸がここに。9x19の奴です10程持っていきましょう)

銃に弾倉を込め、適当に狙いを定める
上条(案外重いもんだな。この銃の使い方と手入れの知識を頼む)

(了解。ですが、残念ながら知識は有っても経験が無いと効率よく使えません)

上条(昔からずっと諜報員なら拳銃の経験ぐらいあるハズだ。過信はしないけどな)

(では、ささっと帰りましょう。もうライト落とすなんてヘマしないでくださいね )

扉を閉めて帰路に着く

上条(同じ過ちを何度も繰り返すほど、上条さんはアホではありません)

(では、何度もエロ本をインデックスに見つかってしまうのは何故なんでしょうね?)

上条(男はすぐ手の届くところにエロをおいてしまうという悲しい習性があるのですよ)

(では、昨日も一緒に寝たインデックスも手近なエロというわけですね。この鬼畜)

上条(いや、俺は、その、そう!父親みたいなもんだ!)

(そうですねーオトウサンナラシカタナイデスネー)

上条(もうやめて、ね。弄らないで下さい)

 

 

夜 アイテムアジト

麦野「今日集まったのは他でもないわ。仕事よ」

フレ「第二位が消えたってのに仕事。結局、暇になるって期待はもともとしちゃいけなかったワケね」

絹旗「タイミング的には超めんどくさそうなんですけど」

麦野「オラ聞け。内容は『上条当麻の監視及び排除』よ」

浜面「ちょっと待て、アイツが何をしたってんだ。内容も意味分からん。何だよ監視と排除って。どっちだ」

絹旗「相変わらずの超鳥頭、いや、超ウサギ頭ですね。ウサギ趣味なのは同族愛ですか? 」

滝壺「ウサギさんの恰好はしたことあるけど、私はウサギじゃない。ごめんね、はまづら」

浜面「いや、俺が好きなのは人間ですから、ヒューマンですから。って話が脱線したぞ」

絹旗「はぁ、いいですか。こういうのは、基準が有って特定の行動を行うと殺す場合と、わざと泳がせて敵の目標が分かり次 第消す場合に分かれます」

フレ「結局、上が敵の目的を掴んでない時にでる依頼ってことよ」

麦野「あんたたち良く分かってんじゃない。今回は後者ね。逐一報告して、上がGOサイン出したら消す」

浜面「何をしたらこんな不安定な立場になるんだ」

麦野「知ったことじゃないわ。結局殺すんなら最初から消せばいいのに、手間のかかる仕事よ」

麦野「あと、こいつの仲間として挙げられている、この青髪の男も似たような立場よ。コイツはメンバー・ブロックに同じような任務が出てて、かつグループにも追われてる」

フレ「あれ、こいつ無能力ってなってるけど。3つの組織に同時に睨まれる無能力者なんて終わってる」

滝壺「むぎの、多分この人には私の能力は通じない。監視は難しいかもしれない」

麦野「幻想殺し、ね。わかってるわよ。そういう時は足で稼ぐの。そういうときに便利な体力馬鹿がウチにはいるじゃない」

浜面「え、俺?絹旗だっているじゃねーか」

絹旗「自分の代わりに年下の女の子を走りまわさせるなんて、甲斐性なしにも程が有りますよ」

女性陣の集中視線に晒される
浜面「分かったよ。やります!やらせて下さいお願いします!」

麦野「はい決定。じゃあ明日は浜面がひたすらおっかけて、私たちは車の中でモニター見ながら待機ね。はいこれGPS内臓の無線機」

フレ「頑張ってねー」

絹旗「標的を見失ったら超殺します」

滝壺「大丈夫、私ははまづらが見失っても失望したりしない」

浜面「それは端から期待してないって意味じゃないですよね?」

 

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最終更新:2011年03月08日 19:22
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