絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 > 1スレ目 > 04

~某日早朝 絹旗個室~


絹旗「スカートの長さは……よし、こんなもんですね」

滝壺「きぬはた、すごい可愛い」

絹旗「滝壺さんも超似合ってますよ」

滝壺「変じゃないかな? すごい久しぶりに着たけど」ヒラヒラ

絹旗「完璧です。溜息がでる可憐さです」

滝壺「ありがと。……なんか緊張するね。在籍っていっても、管理書類上の話だったし」

絹旗「これまでは研究所でやってもらえてたんですけどね。アイテムも活動休止ですし。
    "上"も戦争の後遺症で資金が超カツカツらしくて、そこまで面倒見きれないらしいです」

滝壺「私たちも"返品"されちゃったしね」

絹旗「一昔前なら"処分"だったんですけどね。超ありがたいことです」

 

 

 

~きぬはた荘1階 リビング~


滝壺「おはよう、みさわ」

絹旗「おはようございます、ミサワさん。私達にも珈琲をくれると超嬉しいです」

番外個体「あ、おはよ。ちょっと待ってね……って、どうしたの二人とも?」

結標「あら、やっぱり貴女達も制服なのね」

番外個体「あれ、淡希まで? 今日仮装パーティでもあるの?」

結標「身体検査よ。普段訳ワリで登校してない生徒も、この日ばかりは別なの」

絹旗「おや? 滝壺さんと結標さんの制服、もしかして同じですか?」

結標「そうみたいね……正直私も驚いたわ」

滝壺「むすじめも霧ヶ丘女学院だったんだね」

番外個体「そういう絹旗さんの制服も、あの二人と同じように見えるけど?」

絹旗「あの二人?……って、あああ!」
白井「おはようございますの」

婚后「おはようございますわ、朝から賑やかですわね」

絹旗「Σ」

白井「……絹旗さん? そのお召し物は常盤台の……」

絹旗「あ、えっと」

婚后「もしや、今日から常盤台に編入なのですか?」

絹旗「いえ、元々常盤台の生徒ですよ。研究協力(嘘)で殆ど登校してませんけど」

婚后「あら、正直意外ですわ」

白井「まあまあ、そういうことでしたら、みんなで一緒に行きますの」

絹旗(うぅぅ……やっぱりこうなった……みんなで登校なんて超緊張します)

 

 

~今日はみんなで朝食~


結標「真琴は身体検査ないの?」

番外個体「うーん、今はどこにも籍おいてないし、ないんじゃない?」

結標「帰国子女は一味違うわね」

番外個体「ただのニートだよ」

滝壺「むすじめ、霧ヶ丘はここから遠いから。そろそろ出ないと」

結標「え? あら、もうこんな時間……それじゃ行きましょうか」

滝壺「おー」

番外個体「いってらっしゃーい」ノシ

白井「少々早いですが、わたくし達も参りましょうか」

婚后「そうですわね。たまにはのんびり歩くのも悪くないですわ」

絹旗「あ、もう出ますか、そうですか(心の準備が……)」
白井「行ってまいりますの」

婚后「行ってまいりますわ」

絹旗「ミサワさん、超申し訳ありませんが食器の片付けと留守番をお願いします」

番外個体「はいよー」ノシ

海原「みなさん行ってしまいましたね」

番外個体「あ、海原さん。おはよう」

海原「いや、僕はミサワさんの次に起きたんですけどね。とても話に入れませんでした」

番外個体「海原さんもないんだ、身体検査」カチャカチャ

海原「ええ、ないですよ。あ、僕も手伝いましょうか」

番外個体「いいよいいよ。その代わり、あとで付き合ってよ。暇なんだよね?」

海原「お安い御用です」

 

 

~霧ヶ丘組~


結標「ねえ、滝壺さん」

滝壺「?」

結標「たしか貴女って、身体壊して能力使えないんじゃなかった?」

滝壺「うん。でも、完全に無能力って訳じゃないの。なんていうのかな、本気モードになれないだけ」

結標「あら? そうなの? よかった、ちょっと心配だったのよ」

滝壺「心配?」

結標「ほら、ウチの学校って能力開発に力いれてるでしょ?
    過去には、能力が使えなくなって退学になった生徒もいるぐらい」

滝壺「私も退学になるかも、って思った?」

結標「そういうことね」

滝壺「ありがとう、むすじめ。でも大丈夫だよ」ギュゥ

結標「ちょ、ちょっと抱きつかないで、場所考えなさいよ///」

 

 

~常盤台組~


白井「今回こそは評価を上げたいところですの」

婚后「平時より鍛錬を積むことにより……といっても、わたくしも伸びやんでますわ」ハァ

白井「レベル4になってからが長いですわね……絹旗さんもそうでなくて?」

絹旗「まあ、私は人生初検査でレベル4でしたので長いっちゃ超長いですね」

白井「まぁ……天才型でしたのね」

絹旗「……ええ、そんなところですね……」

婚后「(……なにやら不穏な空気ですわね)
    そういえば、絹旗さんの能力……"窒素装甲"でしたかしら? どんなことができますの?」

絹旗「超端的にいうと、窒素を操る能力です」

婚后「ぜひ拝見させていただきたいですわ♪」

絹旗「大した芸はないですよ、こんなことができるぐらいです」ヒョイ

婚后「え? ええ?!」

白井「車を軽々と……!?」

絹旗「あ、ここ路駐禁止区域ですね。ついでに片付けてやりましょうか」ポイッ

白井婚后「」

 

 

~その頃 きぬはた荘~


番外個体「やった、迅竜の天鱗ゲット」

海原「おめでとうございます。次は僕のリクエスト、古龍の大宝玉ですね」

番外個体「何倒せば出るんだっけ」

 

~霧ヶ丘女学院~


結標「じゃ、私は向こうだから」

滝壺「うん、また後でね」

結標「……(あの方向は特別教室? 特殊な機材とか必要なのかしら)」

結標「おっと……人の心配ばかりしてられないか」

結標(前よりはマシとはいえ……嫌なこと思い出しちゃうわね)

 

 

~霧ヶ丘女学院 第2グラウンド~


計測係「まずは最大重量、最大距離、平均転移時間の3点を計測します。
     体調に著しい変化が見られた場合はすぐに申告してください」

結標「はいはい。さっさと始めましょ」

計測係「では、最大重量計測から始めます」

結標(1000kg以上だと腰にくるのよね……)

 :
 :
 :

計測係「計測完了です。最大重量4520kg、最大距離802M、一度の転移に要する時間は平均0.9秒」

結標(ここまでは現状維持か……まあまあってところね)

計測係「次はご自身を連続で複数回転移して頂きます。昼休み後に再開です」

結標(ここからが正念場ね……)

 

 

~霧ヶ丘組 昼休み~


結標(あー、お腹空いた。この時間になれば食堂も空いてるわね……あれは、滝壺さん?)

滝壺「」グテー

結標「お疲れ様、大丈夫?」ツンツン

滝壺「南南東から信号が来てる」

結標「?」

滝壺「あ、むすじめだ」

結標「……ちょっと貴女、本当に大丈夫? 朝より顔色悪いわよ?」

滝壺「あ、うん。ちょっと疲れただけだから、大丈夫」

結標「ヤバそうだったらすぐに言いなさい。病院ぐらいはひとっ飛びだからね」

滝壺「ありがと、私を心配してくれるむすじめを私は応援してる」ギュゥ

結標「だーかーらー///」
結標「さて、午後もあるからお昼にしないと」

滝壺「見学してていい? 私はもう終わったから」

結標「え? 早いのね、どうだったの?」

滝壺「現状維持」ブイ

結標「まあ、落ちるよりはマシよね」

滝壺「逆に、上がる見込みもないんだけどね」

結標「……それは……」

滝壺「大丈夫だよ、気にしてない。今は能力以外にも大切なものはたくさん持ってるから」

結標「……それもそうね」クス

滝壺「よし、お昼ごはんにしよう」

 

 

~常盤台中学~


絹旗(うっわ、見るからにお嬢様な人ばっかり……私とか超場違いじゃないですか)

白井「わたくしと婚后さんは校庭ですのね」

婚后「絹旗さんは……ちょっと系統が違うようですし、別メニューでしょうか」

絹旗「そうですね、私はあっちn


<ドパァァァァァン


絹旗「? なんですか、今の……ひゃ、冷たっ! 水!?」

白井「ああ、お姉様……今日も絶好調ですの……」ホワーン

婚后「あれは御坂さんですわね。常盤台の超電磁砲と呼ばれる方ですわ」

絹旗「なっ……(超電磁砲!? あれが!?)」


<ドパァァァァァン


白井「威力が高すぎるあまり、プールの水で緩衝させないと計測できませんの」

絹旗(これがレベル5……麦野やホストモドキもそうでしたが、次元が違いすぎです)
~常盤台中学 校庭~


 【物体】

白井「……」

             【物体】ヒュッ

白井「うーん、もうちょっと伸ばしたいですの……」


 【物体】

婚后「それっ」

                   ─=三【物体】シュポーーン

婚后「あらあら、飛距離ではわたくしの勝利のようですわね」

白井「12tトラックを弾丸代わりに飛ばす人に、飛距離で勝てる訳ございませんの」

<ソォーーーイ!
<ドガグワゴシャァァン


白井「?」

婚后「聞き慣れない音ですわね……なんでしょうか」

白井「こっちの方から聞こえましたの」

婚后「きっと、どなたかの能力測定……って」


絹旗「ちぇすとぉーーー!」ドガァン

絹旗「ちぇいさーーーー!!」バゴォン


白井「絹旗さん……?」

婚后「すごい……あんなに分厚いコンクリート板を素手で粉々に」

白井「考えてみれば、車を持ち上げるぐらいの力量で殴られれば一溜まりもありませんの」

婚后「殴られて無事な方がいるならば、ぜひお目にかかりたいですわね」



浜面「へっくし」

 

 

~常盤台組 昼休み~


絹旗(白井さんは、超電磁砲に会いに行ったようですね)

絹旗(婚后さんは子分みたいな方々と合流して……私も誘われましたが、流石に超きまずいです)

絹旗「……お、常盤台の食堂は超おいしいですね」

絹旗「……」ムグムグ

絹旗「さ、寂しくなんてないです」



~その頃 きぬはた荘~


番外個体「お昼どうする? 宅配ピザとかでいいよね(ガサガサ)どれにしよっかにゃー」

海原「僕はアンチョビが入ってなければ、なんでも良いですよ」

番外個体「えっ」

海原「いやー、アレは人間が食べるものじゃないですよね」

番外固体「そっか、じゃ私は人間じゃないんだね……海原さんなんてキライ」プイッ

海原「」ガビーン

 

 

~霧ヶ丘組~


計測員「総合評価、レベル4。これをもちまして検査は終了です。お疲れ様でした」

結標「はあっはあっ……疲れたぁ……」ペタン

結標(自己転移もやれるようにはなったけど、連続はまだ苦手だわ……)

滝壺「むすじめ、お疲れ様。タオル使う?」

結標「あ、ありがとう。洗って返すわね」

滝壺「すごいスピードで移動してたね、位置を掴むのがやっとだった」

結標「自分を連続で飛ばしてるから、実質高速移動でしょうね」

滝壺「これで終わり? 喉が渇いたし、どこか寄っていかない?」

結標「それもいいわね。とりあえず、着替えてくるから待っててくれない?」


 :
 :

結標「お待たせ」

滝壺「? ブラウスはどうしたの?」

結標「あ、あら? いつものクセで布巻いただけだった……」

滝壺「ブレザーの前閉めて」グイッ

結標「外ならともかく、校内でこの格好はマズイわよね」

滝壺「外でもまずいよ」

結標「うっ」

滝壺「待ってるから、ちゃんと着替えてきて」

結標「わ、分かったわよ。ちょっと待ってて」

 

 

~常盤台組~


絹旗「総合評価レベル4。ま、こんなもんですね」

絹旗「やることも超終わりましたし……帰りましょうか」

絹旗(ここは居心地が……やはり私はお嬢様というガラじゃありませんね)

絹旗(そういえば、あのお二人は朝別れて以来見かけませんね……まあ、お二人の都合もあるでしょうし)

絹旗「はあ、さてさて……」トテトテ

 :
 :
 :

絹旗「…………あれ?」

白井「あら、ようやくいらっしゃいましたのね」

婚后「どれだけ待たせるおつもりですの? このわたくしを常盤台のこ(ry」

絹旗「あれ? あの、どうして……?」

白井「? 何か不思議ですの?」

婚后「同じ家に帰るのですから、ご一緒するのは当然ではなくて?」

絹旗「私に合わせることはないのでは……その、お二人にも用事が」

白井「それは、昼休みに寂しい思いをさせてしまった」クスクス

婚后「埋め合わせ、ですわよ」クスクス

絹旗「さっ、寂しい思いなんて超してないです! 超誤解です!」ウガー

婚后「はいはい。それよりも、今日の夕食当番は絹旗さんではなくて?」

白井「早く帰りますの。もしかしたら買い物も必要かもしれませんし」

絹旗「むー……わ、分かりましたから、さっさと行きましょう」

 


~きぬはた荘 リビング~


番外個体「」スピー

海原「REC●」
<ギィィィィィ バタン


白井「ただいまですの」

婚后「ただいま戻りましたわ」

絹旗「ただいま戻りました」

海原「おや、皆さんお帰りなさい。なにか飲み物でも用意しましょうか?」サッ

絹旗「冷たいのでお願いします、超クタクタです」グター

海原「では、何かお持ちしましょう」

婚后「これは申し訳ございません」

絹旗「ミサワさん、ソファーに寝っ転がって独占しないでください」ボスン

番外個体「ふぎゃっ……起きるから、背中に座らないでよ。あ、海原さーん、私コーヒー」ノシ

白井(寝起きの大きいお姉様! ああ、この乱れた髪、気だるい瞳……堪りませんの!)ハァハァ

番外個体「?」ポケー
海原「はい、どうぞ。麦茶でよろしいですか?」

白井「わざわざありがとうございますの」

絹旗「」ゴキュゴキュプハー

番外個体「背中のがどかないと飲めないんだけど」

海原「ミサワさんのはここに置いておきますね」コトッ

婚后「白井さん、先に買ってきたものを冷蔵庫にいれませんと」

白井「あっ、そうですわね。ちょっと失礼しますの」

絹旗「夕食作る前に着替えないと……だー、超めんどくせー」

番外個体「ちょっと、いつまで人の背中でくつろいでるのさ」

絹旗「超気に入りました。今日から私の指定席です」

番外個体「……(ま、そのうち飽きるでしょ)」

絹旗「わっ、ブラック苦っ! なんでカフェオレじゃないんですか!」

番外個体「ちょ、それ私の! なに勝手に飲んでるの!」

<ギィィィィィ バタン


結標「ただいま。……何してるのよ、貴女たち」

滝壺「仲良し姉妹みたいだね」

番外個体「こんな妹いらない……淡希ー、背中のこれ片付けてくれない?」

絹旗「さっきから失礼ですね。私に乗っかってもらえることに超感謝してください」

番外個体「あなたに乗っかられて感謝する人間なんているの?」

絹旗「何を言ってますか、世界中に超溢れてますよ」

結標「……絹旗さん、その座り方だとスカートの中が全見えよ?」

絹旗「」

滝壺「そうやって膝をたたんで椅子に座るの、きぬはたの癖だよね」

結標「癖って……まさか今日一日、外でもそうやってたの?」

絹旗「……あっ、ち……超着替えてきますっ!」ドタタタ バタン

番外個体「……私のコーヒー、半分以上なくなってるし」

 

~夕食後~


白井「あら、じゃあ結局みなさんレベル4のままですのね」

婚后「まあ、そう簡単にはレベル5にはなれないということですわね……」

番外個体「私も自分の強度気になるなー。いつもの病院で計測してもらおうかな」

結標「面白そうじゃない、やってみなさいよ」

番外個体「海原さんもどう? 今回検査受けてないよね」

海原「いや、僕は今回は遠慮しておきましょう」ニコニコ

絹旗「なぜですか? 超折角の機会ですのに」

海原「いやぁ、ははは」

滝壺「?」

番外個体「無理強いはしないけどさ、誰だって都合と事情はあるしね」

海原(……まさか見破られてる訳じゃないですよね?)ダラダラ

滝壺(そういえば、うなばらってAIM拡散力場がない……ま、いっか)
絹旗「滝壺さん! 超見てくださいこれ!」ピャー

滝壺「? 無料招待券?」

絹旗「ええ、第22学区にあるスパリゾート……(……読めません) なんとかの券です」

滝壺「これ、どうしたの?」

絹旗「今日、買い物に行ったときにクジ引きが超当たりました」

滝壺「すごい、私はクジなんて当たったことないのに」

絹旗「とにかく、折角ですので皆さんと超温泉に行きましょう」

 

 


~夕食後~


絹旗「というワケで超温泉に行きます」

婚后「"招待券1枚につき3名まで入場可"とありますが……」

番外個体「チケットは2枚だから、1人余るね」
海原「……なんですか、なんで皆さん僕を見るんですか?」

結標「……まあ、さすがに可哀想だから、あと1人の分は全員で分割しましょう。
    7人全員が格安で入れたと思えばいいし、その方が公平でしょ」

絹旗「よかったですね、バ海原」

海原「いや、なぜ僕がハブられる前提なんですか。あと"かいばら"ではなく"うなばら"です」

婚后「でも、第22学区というと少々遠いですわ。夕方以降に行くとしたら移動手段を確保できませんと」

結標「……ちょっと、なんでみんなして私を見るのよ」

番外個体「車があるんなら私が運転してもよかったんだけどねー」

結標「? 貴女、私と同い年のハズよね? なんで免許持ってるの?」

番外個体「持ってないよ。必要なのはカードじゃなくて技術だし」キリッ

結標「…………」

絹旗「でもまあ、ミサワさんの言葉にも一理ありますね。では車が用意できれば問題なしと」

白井(大アリですのぉぉ!!)

 

 

~翌日 学園都市某所~


番外個体「こんな人気のないところに連れてきて……何されるの……?」コツコツ...

絹旗「超誤解を招く言い方はやめてください。見てほしいものがあるだけです」トテトテ...

番外個体「なんだろうなー」

絹旗「こいつです。今なら自由に使えます」

番外個体「……これ、キャンピングカーじゃん。絹旗さんの?」

絹旗「正確には違いますね。でも、ほら、キーなら挿さってますよ」

番外個体「……ホントだよ。随分ほったらかしだったみたいだけど、動くのかな」

絹旗(アイテム休止以来、半年近くほったらかしにされてましたからね)

番外個体「ちょっとエンジンかけてみていい?」

絹旗「どうぞどうぞ、超やっちゃってください」


 カシュシュシュシュ ドルルルン


番外個体「お、ご機嫌なサウンド」

絹旗「普通の車よりちょっと超デカイですが、運転いけますかね?」

番外個体「これぐらいなら大丈夫でしょ。これで足は確保できたね」

 

 

~数日後 週末 夜~


 ブロロロロロ


婚后「この人数でもゆったりできますのね」

白井「……これでよかったのでしょうか」

絹旗「こまけぇこたぁいいんです」

結標「滝壺さんは前?」

海原「ご本人たっての希望で、助手席だそうですよ」

 :
 :
 :

番外個体「この大きさの車でもオートマなんだねー」

滝壺「学園都市にマニュアル車ってあるのかな。あ、ガム食べる?」

番外個体「あ、ありがと。第22学区だっけ? どこをどういけばいいの?」ムグムグ

滝壺「しばらくはまっすぐでいい」ムグムグ
結標「それにしても、存外丁寧な運転なのね。あの子のことだから飛ばすと思ったのに」

海原「そういえばあまり揺れませんね。ウチの運転手にも見習ってほしいものです」

婚后「あら、海原さんのお宅にも運転手さんがおられますのね」

結標(このバカ!)

海原(すいません、うっかり)

白井「?」

絹旗(グループの運転手は超ヘタクソ、と……)

 :
 :
 :

番外個体「ここが第22学区? 人がいる感じがしないけど……」

滝壺「第22学区は地底都市なの。ほら、あそこ。あそこのゲートに入って」

番外個体「はー、これはまた凝ったことを……」

滝壺「目的地は第3階層だからね」

 ゴトゴトッ


海原「……スピードが上がりましたね」

白井「外の景色を見る限り、第22学区に入ったようですの」

婚后「あの……なにかすごい勢いで旋回してる気がするのですが……」

絹旗「地下都市に入って、下り通路まわってるんだと思いますよ」

婚后(酔いそう……)

 :
 :


 :

番外個体「うっひゃー、たーのしいー☆」

滝壺「みさわ、スピードスピード」

番外個体「あ、ゴメン、つい飛ばしちゃった」

滝壺「もっと出して」ワクワク

番外個体「」

 

 

~第22学区 第3階層~


番外個体「……あのさ、私、道間違えてないよね?」

滝壺「あってるよ」

番外個体「ここ地下なんだよね? なんで星空が見えるの?」

滝壺「あれは外の景色をスクリーンに投影してるの」

 :
 :
 :

結標「もうすぐ着きそうね」

海原「意外と早いものですね」

絹旗「やっぱり車を用意して超正解でしたね」

婚后「」

白井「婚后さん、大丈夫ですの?」ユサユサ

婚后「ゆ、揺らさないでくださいまし……」

滝壺「あ、見えてきた。あの建物だよ」

番外個体「あの神羅カンパニーみたいなビルだね。おkおk」

滝壺「なんか、温泉以外にもいろいろあるみたい」

番外個体「その気になれば一晩ぐらい軽く過ごせるかもねー」

 :
 :
 :

結標「あら、洗顔フォーム忘れちゃったわ」ゴソゴソ

白井「あ、あの……よろしければ、わたくしのをお使いください」

結標「えっ、い、いいの? 私は貴女のこと……」

白井「あら、わたくしはいつまでも過去に囚われるほど小さい人間じゃございませんわよ」

結標「……そうね、小さいのは胸と身長だけで十分よね」

白井「んなっ!? わたくしはまだ発展途上なだけですの!」ムキー

結標「はいはい、10年後に期待してるわ」

白井「い、今はどうあっても適わないだけに余計悔しいですの……!」プルプル

絹旗(この二人の会話がここまで続くのは初めて見ました)
番外個体「むー、参った。駐車場が空いてないね」

滝壺「あ、みさわ、あっち。あそこ空いた」

番外個体「ホントだ! よし逃がさない」フミッ

滝壺「わ、アクセルベタ踏みなんてはまづらでもしないよ」

 :
 :
 :

絹旗「さっきから超トロトロと走ってますね」

海原「車を停める場所を探しているのでしょう」

結標「この分だと、中も結構混んでそうn(グンッ)きゃっ!?」

海原「おっと」

結標「ちょ、海原、アンタどこ触ってんのよ!」バキッ

白井「な、なんですの、この急加速は」

婚后「」

白井「婚后さん! お気をたしかに!」

 

 

 

 

~スパリゾート安泰泉 ロビー~

 


結標「ほら、座った座った」

婚后「う……申し訳ございません……」

番外個体「なんかゴメンね、飛ばしすぎちゃったかな」

婚后「いいえ、わたくしは元々乗り物に弱いので……ミサワさんが気負うことはありませんわ」

絹旗「時間はありますし、超ゆっくり休んでてください。入場の手続きはしておきますので」

滝壺「こんごう、飴買ってきたから食べて食べて」

婚后「あ、申し訳ございません、頂きますぅ……」モグ ボキボキバキ

海原「まあまあ、ご無理はなさらず。時間はまだまだありますよ」

白井「帰りは助手席にお乗りになった方がいいかもしれませんわね」
絹旗「戻りました。あ、バ海原はあとでお金出してくださいね」

海原「あ、はいはい……あれ? 分割じゃないんですか?」

絹旗「超細かいことを気にする男ですね。鬼が笑いますよ」

結標「それ、使い方が違うわよ」

絹旗「こまけぇこたぁいいんです。みなさん、これ付けておいてください」つ◯

番外個体「リストバンド?」

絹旗「ICチップ入りで、ここの施設を利用するときに必要だそうです。
    あと、ロッカーの鍵も兼ねてますので、超絶対に失くさないでください」

白井「この数字はロッカーの番号ですのね」

婚后「……あら? 滝壺さんは?」

滝壺「ただいま、パンフレットもらってきた」トテトテ
番外個体「どれどれ(ガサガサ)わっ、すっごい」

結標「ショッピングモールにゲーセン、ボーリング場……温泉だけじゃないのね」

絹旗「超折角ですし、全部いきましょう!」キラキラ

白井「楽しそうですが、全部かどうかは時間と相談ですの」

滝壺「温泉に行くなら最後にしたほうがいいね、汗もかくかもしれないし」

海原「どこかで夕食もとりたいですね」

婚后「食事直後の入浴は消化に悪いので、順番を考えませんと」

結標「あら、もう大丈夫なの?」

婚后「ええ、どうにか……ご心配おかけしました」

番外個体「婚后さんも復活したし、適度に歩いてみよっか」

 

~スパリゾート安泰泉 アウトレットモール~

 



絹旗「おお、すごい規模ですね」

結標「」ウズウズ

番外個体(あ、なんかヤな予感)

結標「真琴、行くわよっ」ガシッ

番外個体「えっ、ちょっ、待tt」

白井「(これは大きいお姉様の様々なお姿を見るチャンス!)わたくしも参りますの」トテテテ

絹旗「行ってしまいましたね」

滝壺「」ジー

婚后「滝壺さん? 何を見て……あれは、アンティークショップ?」

滝壺「なんか面白そう」

婚后「いいですわね、ちょっと覗いてみましょう」
海原「行ってしまいましたね」

絹旗「……」ジー

海原「僕らはどうします?(なんでしょう、この視線は)」

絹旗「滝壺さーん、私も超行きますー」トテテテ

海原(あれ? なにか怒らせるようなことしましたっけ?)

海原「まあ、集合場所代わりにここに座ってましょうか」

海原「ふう……今の僕ら、一方通行さん風に言うと"平和ボケ"なんでしょうけど」

海原「悪くないものですよ、こういうのも」

海原「男一人、時折居心地の悪さは感じますけどね(苦笑)」
結標「あ、ねえねえ、これ試着してみなさいよ」

番外個体「ちょっと、また私を着せ替え人形にするの!?」

結標「いいじゃない、何を着ても似合うんだからさ、何を着ても」

番外個体「この前の買い物でゴスロリ着せられた時、帰ったら死のうと思ったんだけど」

結標「えー、可愛かったわよ?」

白井「結標さん、お言葉ではありますが……」

番外個体(助かった?)

白井「大きいお姉様にはこちらの方がお似合いかと」スチャ

番外個体「!?」

結標「あら、いいじゃない。これから暑くなるんだし、これぐらいは許容範囲よね」

番外個体「これ服なの? 水着じゃないの?」

白井「? 水着はもっと露出が激しいものですの」

番外個体(この子にとって、水着ってのは絆創膏かなにかなのか……?)
結標「サイズはどう?」

番外個体『サイズとかいう前に布が少ない』

白井(なんだかんだ言いながら試着なさいますのね……)

結標「わがままさんねー、じゃ今度こっち試着してみなさい」

番外個体「プリントTシャツ? これはマシd……淡希、これ書いてる言葉の意味分かってる?」

結標「ロシア語なんて分かる訳ないじゃない」

白井「どういう意味ですの?」

番外個体「……言わなきゃダメ? さすがの私でもコレは……」

結標「えー、気になるー、教えてよー」グイグイ

白井「もったいぶらずに教えてくださいな」グイグイ

番外個体「あなたたちねぇ……」プルプル
婚后「あら、この子いいお顔立ちですわね」ナデナデ

滝壺「かわいいね、オッドアイなんだ」

絹旗「西洋人形ですか……夜中に泣いたり髪が伸びたりしそうで超怖いです」

婚后「それは偏見ですわ。泣いたり髪が伸びたりするのは、魂が宿り心が通じ合った証拠ですのよ」

滝壺「こんごう、こっちの子見て、双子なのかな」

婚后「あら、同じオッドアイなのに配色が逆? 双子さんのようですわね」ホワーン

絹旗「……うっは、なんですか、なんでこんな値段するんですか」

婚后「これなら安いほうですわ。有名作家の作となると新車一台買えるぐらいしますのよ」

絹旗「新車って……」

滝壺「きぬはた、この双子、私達の部屋に一つずつ置こうか」

絹旗「イヤですぅ! 超怖いですぅ!」
婚后「この可愛さが分からないなんて……」

絹旗「超精巧で生きてるみたいで、逆に怖いんですよ……お、おお? あれはもしや」フラフラ

滝壺「きぬはた?」

絹旗「(*゚∀゚*)」

婚后「アートポスターですか? 古い映画のものを揃えていますのね」

滝壺「あ、この映画みたことある」

絹旗「滝壺さん、超お目が高いですね。この映画は―(5分経過)―で、監督の表現したいこと―(10分経過)
    それでもって、こっちのポスター―(15分経過)―主役の演技がですね―」

滝壺(きぬはたの病気が始まっちゃった)

婚后「き、絹旗さん、そろそろ皆さんと合流しませんと」

絹旗「むう、まだ超喋り足りないのですが……仕方ないですね」

 :
 :
 :

海原(超暇ですね)

 

 

~スパリゾート安泰泉 レストラン街~

 

番外個体「うう……また遊ばれた……身体を弄ばれた……」ブツブツ

婚后「ミサワさんから黒いオーラが出てるのですが……」

結標「気にしないでいいわよ、その内元に戻るから」

滝壺「ご飯何にしようか」

絹旗「たまには焼肉とかどうですか。最近家にいると菜食中心ですし」

白井「カロリーが気になりますが、たまにはいいかもしれませんの」

海原「では、そこのお店などどうでしょう。食べ放題だそうですよ?」

絹旗「超決定です。いきましょう」

 

 

~とある焼肉店~

 



結標「」バシッ

番外個体「ふぎゃっ。な、なんで急に頭はたくのさ!」

結標「このバカ! タレから網に乗せるなんて何考えてるの!」

番外個体「?」

結標「ああ、もう、ほら貴女はニンジンだけ食べてなさい」ヒュンヒュン

番外個体「ちょ、やめて! 私の皿に座標移動しないで! ごめんなさいごめんなさい!」

絹旗(まさか焼肉奉行だったとは)

滝壺(ここは逆らっちゃ駄目)

海原(結標さんの本領発揮ですね)

白井(大きいお姉様……運転までなさったのに、報われませんの……)

婚后(これが焼肉パーティ……弱肉強食の世界ですのね)
番外個体「わー、私のお皿にニンジンがいっぱい」

白井(だいぶ克服してるようですわね……レイプ目じゃありませんの……チッ)

海原(僕としたことがカメラを忘れてくるとは)

滝壺「むすじめ、ここらへんのは食べても平気?」

結標「……うん、よさそうね」

滝壺「きぬはた、ほら、食べて食べて」ヒョイヒョイ

絹旗「あ、滝壺さん、お気持ちは超ありがたいのですが……私、臓物は」

滝壺「きぬはた」

絹旗「」ゾクッ

番外個体「絹旗さん、お互い頑張ろっか」ポリポリ

絹旗「うぅぅ……超どうしてこうなった」モギュモギュ

婚后(あら、内臓というのも美味なのでございますね、斬新ですわ)モギュモギュ

 

 

~スパリゾート安泰泉 ゲームセンター~

 


滝壺「あ、ガンシューティングだ」

結標「これ、みたことないわね。新作かしら」

番外個体「ね、やってみていい?」ウズウズ

絹旗「あ、私も。超やりたいです」ウズウズ

海原「どうぞどうぞ、ぜひ腕を披露してください」

番外個体「足ひっぱらないでよ?」チャリン

絹旗「それはこっちのセリフです」チャリン

白井(大きいお姉様、銃を構える姿が様になってますの///)

滝壺「きぬはた、頑張って」
<Mission start!!


番外個体「」ドカドカドカドカドカドカ

絹旗「」ドカドカドカドカドカ

婚后「すごい……百発百中ですのね」

海原(このお二人の構え方……実弾を撃ったことがあるようですね)


<Stage clear!!


番外個体「やるじゃん」

絹旗「そちらこそ」

白井「……この分ですと、オールクリアまでかかりそうですの」

結標「ちょっとその辺を見てきましょうか」
 :
 :
 :

婚后「まあ、あのヘビの縫いぐるみ、なんと愛らしい……///」

結標「UFOキャッチャー? よかったらとってあげましょうか?」

婚后「まあ、よろしいんですの?」

結標「お安い御用よ(ヒュン)はい」つ乙

婚后「」

滝壺「むすじめ、それは犯罪」

婚后「結標さん、今回はお気持ちだけ……中に戻してくださいな」

婚后「むー……わ、わかったわよ。じゃ、せめてとりやすい位置に……」

滝壺「ダメだよ、むすじめ」

番外個体「なーにやってんのさ」

絹旗「UFOキャッチャーは超つぎこんでナンボですよ」

結標「あら、終わったの?」

絹旗「はい、エンディングまで到達しました」

海原「まったく、見事な腕前です。いいものを見させて頂きました」

白井「大きいお姉様の勇姿を堪能できましたの」ホワーン

番外個体(なにこの子こわい)

滝壺「ねえ、きぬはた、あれやってみたい」

絹旗「あれ? プリクラですか?」

結標「この人数だと厳しいでしょ」

海原「僕を抜きにしても6人……キツイですね」

滝壺「じゃダメだね。今回は諦めよう。全員じゃないと意味ないし」

海原「滝壺さん……」ジーン

結標「いい感じに疲れたし、そろそろお風呂いきましょうか」

滝壺「そうだね、帰りの時間を考えると丁度いい頃かも」

白井「それじゃまいりますの」

婚后「広いお風呂なんて久しぶりですわね」

海原「お、どうやらこっちのようですよ」

番外個体「ちょっと待った。なんで海原さん来てるの?」

海原「? この期に及んでハブられるんですか? 流石に傷つきますよ」

絹旗「いや、こっち女湯なんですが……」

海原「……あ、失礼。僕は向こうですね、ははは」

結標「……海原、貴方まさか」

海原「違いますよ! 流れで付いてきてしまっただけです!」

女性陣「……」ジトー

海原「あっ、じゃあ、僕は向こうに。また後ほど、ごゆっくり!」ピューッ

結標「……気を取りなおして、入りましょうか」

 

 

~女子脱衣所~

 



婚后「ええと、このリストバンドの数字がロッカーの番号でしたわね」

番外個体「……なんで私だけこんなかけ離れた数字なの」

絹旗「超偶然ですよ」

番外個体「まあ、そうなんだろうけど……じゃ、私向こうだから」ノシ

白井「また後ほどに」

滝壺「私たちも早く準備しよう」

結標「そうね、なんだかんだ言って楽しみだったしね」

結標「ゴメンなさい、髪まとめないといけないから先行ってて」シュルシュル

白井「あ、わたくしもですの」

婚后「申し訳ありません、わたくしも」

滝壺「いいよ、待ってる」

絹旗「長いといろいろ大変ですね」

滝壺「それにしても、むすじめとしらいは髪解くと別人だね」

白井「こういう時でもないと下ろしませんものね」

絹旗「そういえばミサワさんは日によって下ろしたりまとめたりしてますね」

結標「単に気分でしょ、あの子の場合は」



番外個体「っくしゅん」

 

 

~男性チーム~

 


海原「おや、思ったよりも空いているんですね」

海原「ええと、確か日本のお風呂は……最初にかけ湯というものをするんでしたね」

海原「うん? かけ湯とありますね、これを使えばいいのでしょうか」


 ザバァ


海原「あづぁーーーー!?」

海原「熱い熱い……油断できませんね、こんなところにトラップとは……」

海原「おや? "熱いので水でうめてご利用ください"?」

海原「ははは、これはやられてしまいました」

 

~女性チーム~

 


番外個体「入り口から一番遠いロッカーってどういうことよ……」ペタペタ

番外個体「さすがにもうみんな中にいるだろうなぁ」


 ガラッ


結標「あら、やっときたのね」

滝壺「遅かったね」

番外個体「なんだ、意外と空いてるんだね」

滝壺「時間もだいぶ遅くなってきたしね」

白井「!(大きいお姉様……なんとスレンダーな///)」

絹旗「ミサワさんもちゃっちゃと洗っちゃってください」ワシワシ

白井(これはよりお近づきになるチャンス!)

白井「大きいお姉様ー、お背中お流しいたしますの♪」

番外個体「し、白井さん? いや、そこまでしてくれなくても……」

白井「いーえー、大きいお姉様には運転もしていただいておりますし、労らないと罰が当たりますの」

番外個体「そう? じゃあ、お願いしようかな」

白井「お任せくださいな♪」

 :
 :
 :

番外個体「前から気になってるんだけど、なんで私、大きいお姉様って呼ばれてるの?」

白井「は、それは……ごく個人的な事情ですの」

番外個体「(あっ、ツライ事聞いちゃったかな)まあ、いいけどさ」

番外個体「ところで何使って洗ってるの? タオルじゃないよね?」

白井「タオルで泡立てて、素手で洗ってますのよ。この方が肌が傷付きませんの」

番外個体「は、はぁ!? 素手!?」

白井「それにしても、キメの細かい肌ですの……ロシア美人というヤツでしょうか」

番外個体(そりゃ生まれてから一年も経ってないから、経年劣化してないだけだよ)

白井「ですが、髪の毛先は痛んでおりますわ、きちんとケアしませんと」クンカクンカ

番外個体「あんまり気にしたことないなー」

白井「これからは気になさってくださいな、一手間かけるだけでも違いますのよ?」クンカクンカ

番外個体「……ねえ、どうしたの? そんなに私の髪はいい匂いなのかなー?」

白井「(気付かれてた!?)あ、そ、その、はい……」

番外個体「ふふっ、白井さんってちょっと変わってるよね」

白井「よ、よく言われますの」
白井(それにしても、後姿はお姉様と瓜二つですのね)

白井「ちょっと失礼致しますの」

番外個体「ひゃっ!? 白井さん!?」

白井「? どうかされましたの?」

番外個体「い、いや、前は自分でやるからいいよ!」

白井「遠慮なさらにずに。乗りかかった船、毒を食らわば皿までですの♪」

番外個体「意味わかんn やっ、どこさわって……!」

白井(お胸はお姉様よりもありますのね……)モニュモニュ

白井「大きいお姉様、あまり動いたら転んでしまいますの」

番外個体「だったらやめ……ひゃう……ちょ、くすぐった……ぁ……!」プルプル

白井(ああ、今なら死も恐れませんの……///)ハァハァ

番外個体「(? 手がちょっとずつ下に……)っ! そ、そこはダメェ!!」ガシッ

白井「はっ」ピタッ

 

 

~男性チーム~


海原「あっ、すいません。ちょっと失礼しますよ」ザブザブ

海原「おっと、少々熱めですね」

海原「……はい? 僕ですか? いえ、今日は連れと来たんですが、全員女性でしてね」

海原「……うらやましい、ですか? ははは、そんなの幻想ですよ」

海原「現実には居場所がないわ吊るし上げられるわで大変ですよ」

海原「……え? でも楽しそうな顔してる? 僕がですか?」

海原「ふふ、それは否定できないかもしれません」

海原「? どうしたんです? なぜ皆さん、怖い顔をなさってるんですか?」
~女性チーム~


番外個体「……やりすぎ」

白井「も、申し訳ございません、ついつい……」シュン

番外個体「……ねえ……もう流していいよね?」

白井「あっ、そ、そうですわね。では、シャワーを……」

白井(お姉様よりも忍耐強いお方ですの……良いことを知りました)シャワワワ

番外個体「はあ……まあ、ありがとね。ほら、次白井さんの番」

白井「はい?」

番外個体「されっぱなしもヤだからね。さあ、座った座った」

白井「で、では、お願いしますの」

白井(まさか! まさか大きいお姉様に流していただけるなんて!)

番外個体「かゆいところはないですかー」ゴシゴシ

白井「もっと優しく……できれば素手で」

番外個体「調子に乗らない」

 :
 :

番外個体「じゃ、あと流すからねー」

白井「あの、大きいお姉様……前がまだですの」

番外個体「」

白井「前がまだですの」



<いい加減にしろ(ビリッ)
<きゃぅっ


絹旗「さて、いい雰囲気の二人は超ほっといて、先にお湯に入っちゃいましょうか」ドボーン

滝壺「なかよしだね、あの二人」チャプ

婚后(前からうすうす思ってましたが……もしや白井さんは女性に……?)
結標(……滝壺さんて、普段の服装じゃ分からないけど立派なものをお持ちなのね)ジー

滝壺「? むすじめ? どうしたの?」

結標「あっ、ごめんなさい、なんでもないの」

絹旗「」ジー

結標「絹旗さん?」

絹旗「あの……いったい何をしたら、そんなに胸育つんですか?」

滝壺「さあ?」

婚后「気が付いたらなってましたわね」

結標「婚后さんってまだ中3でしょ? 中3でそれは反則よね」ツンツン

婚后「やっ、急に触らないでくださいな」
絹旗「……超くやしいです」

婚后「ま、まあ、これは個人差ですわよ。それほど気に病むこともありませんわ」

滝壺「妊娠すると大きくなるらしいよ」

絹旗「滝壺さん、それは色々とすっ飛ばしすぎです!」

結標「牛乳飲んだり適度な刺激を与えたりするといいかもね」

絹旗「適度な刺激……マッサージとかですか」

結標「誰かにさわってもらえばいいんじゃない?」クスクス

絹旗「誰か……誰かといいますと……」


<大きいお姉様ー、もっとお優しく……
<変な声出さないでよ! 誤解されるからぁ!


絹旗「……私もあそこに混ざれば」

結標「アレはやめときなさい」
絹旗「」ムニムニ

滝壺「結局自分でやるんだね」

結標「絹旗さんはまだ望みがあるわよ、年齢的に考えて」

絹旗「そ、そうですかね……」

婚后「大丈夫ですわよ、同い年の白井さんよりはあるのですから」

白井「そ、そうですよね!」



番外個体「んじゃいい加減ながすよー」シャワワワ

白井「びゃーー!?」

番外個体「えっ……? あ! ゴメン! 水だった!」

白井「」gkbr~男性チーム~


海原「ふう……いいお湯ですね」

海原「……おや? ミストサウナがあるのですか」

海原「どれ、ちょっと入ってみましょうか」


 ガチャ


海原「すいません、おじゃましm」

怖い兄ちゃんA「」ジロリ

怖い兄ちゃんB「」ギロリ

怖い兄ちゃんC「」チラリ

怖い兄ちゃんD「」セロリ

海原「すいません、おじゃましました」


 バタン

 

 

~女性チーム~


番外個体「寝るなー、しっかりしろー」

結標「……なんで貴女、一糸纏わぬ白井さんをお姫様抱っこしてるのよ」

番外個体「ミスって水ぶっかけちゃった」

絹旗「ああ、だから超震えてるんですね」ムニムニ

白井「」gkbr

滝壺「待って、いきなりお湯にいれたら心臓マヒ起こすかも」

番外個体「若いんだから平気でしょ」

結標「その発言、オバサンっぽいわよ」

番外個体「オバっ……」ガビーン


 ドボン


滝壺「あ、しらい落とした」

婚后「白井さん、しっかりして下さいまし」ザバァ

白井「……っは、わたくしはいったい……」

 :
 :
 :

白井「死ぬかと思いましたの」チャプ

番外個体「そしたら私の能力で人間AEDしてあげる☆」

白井「ちょっと冷水シャワー浴びてきますの」

結標「やめなさいよ、バカ」

絹旗「」ムニムニ

滝壺「」フニャー

婚后「滝壺さん、のぼせそうですわ。そろそろあがりましょう」

滝壺「うん」

結標「私たちもあがりましょうか。ほら絹旗さん、いつまでやってるの」

絹旗「……これで少しは」

結標「そんなすぐ変わる訳ないでしょ。こういうのは継続が大事なの」

番外個体「あれ? もう出るんだ?」

結標「ええ。貴女たちは後から来たんだし、もう少しイチャついてていいわよ」

番外個体「私はノーマルだよ!」

白井「まぁまぁ、照れてるお姿も魅力的ですの///」

番外個体「ちょっと、抱きつかないでよ!」

結標「それじゃ、ごゆっくり」ノシ


<こら、はーなーれーろー!
<いーやーでーすーのー

絹旗「」ゴキュゴキュ

結標(さっそく牛乳飲んでるのね……)

婚后「絹旗さん、喉が渇いてるのはわかりますが、タオルぐらいまかないとダメですわよ」バサッ

絹旗「おお、これは超失礼しました」

滝壺「あ゛~~い゛~~」 ~【扇風機】ゴォー

結標「滝壺さん、そこ陣取ってたら他の人が使えないわよ」

絹旗「プハー、もう一杯」

結標「やめなさい、お腹壊すわよ」

<ちょっといつまでそうしてるのさ!歩きづらいんだけど!
<もう少し、もう少しだけですのー


婚后「あら? まだやってましたの」

番外個体「婚后さん、これ引き取ってもらえないかな」

婚后(御坂さんから離れてしまった反動でしょうか)

番外個体「はーなーれーてー、私のロッカー向こうだから!」

白井「うぅん、仕方ありませんの。今日はお姉様成分を補給できましたし……」

番外個体「まーったく、もう……それじゃ、また後でね」

白井「ああ、行ってしまわれましたの……」

結標「あまり疲れさせちゃダメよ。運転できるのはあの子だけなんだから」ペタペタ
婚后「それにしても、リフレッシュできましたわね」

白井「また来たいものですの(そして大きいお姉様と……グフフ)」

結標「そうね、2~3ヶ月に1回は来てもいいかもね」ペタペタ

絹旗「? 結標さん、さっきから何ペタペタしてるんですか?」

結標「乳液だけど……貴女たちは使わないの?」

絹旗「超使ったことないです」

滝壺「ないね」

白井「冬場で乾燥する日なら使いますが……」

婚后「普段使いはしませんわね」

結標(えっ、何この疎外感)

絹旗「」ゴォーッ

白井「ドライヤー終わったら貸してくださいな」

絹旗「超少々お待ちください」ゴォーッ

結標「婚后さんの髪、この長さでこのツヤなんて羨ましいわね。コツとかあるの?」

婚后「特にありませんわね。敢えて申し上げるなら……」ゴォーッ

結標「」メモメモ

婚后「実家のお母様が贈ってくださる特製シャンプーがいいのかもしれませんわ」

結標「……特製?」

婚后「ええ、詳しくは存じませんが、蜂蜜やらプロテインやらを私用に配合したものだとか……」

結標(セレブにゃ勝てねーや)
~スパリゾート安泰泉 休憩コーナー~


海原「お、みなさんいらっしゃいましたよ」

番外個体「あ、きたきた、遅いよー」

結標「いや、貴女やけに早いじゃない」

番外個体「? 身体ふいて服着るだけでしょ? どこに時間かかるのさ」

白井「……大きいお姉様、髪乾かしてませんの?」

番外個体「ほっときゃ乾くじゃない」

絹旗「結標さんみたいに、乳液とか化粧水とかパックとかもしていないんですか?」

結標「そこまでしてないわよ!」

番外個体「乳液? 化粧水?」

結標(そんな無頓着でも、このレベルを保てるなんて……ムッカつくー)

番外個体「?」
 :
 :
 :

白井「大きいお姉様はまたコーヒーですのね」チュー

番外個体「白井さんだって、コーヒー牛乳飲んでるじゃない」

白井「ブラックコーヒーとコーヒー牛乳を同列に比べないでくださいな」

絹旗「」ゴキュゴキュプハー

滝壺「きぬはた、また牛乳?」

婚后「お腹によろしくないですわよ?」

結標「絹旗さん……牛乳ってね、意外とカロリー高いの」

絹旗「」
海原「みなさん、アイスをどうぞ。僕の奢りです」

絹旗「わ、私は超遠慮しておきます」

結標「あら、食べないの?」

婚后「いただきますわね、海原さん」

滝壺「(ガサガサ)ほら、きぬはたが大好きなビターキャラメル味があるよ」

絹旗「ぅ……」

番外個体「あー、冷たくてあまーい☆ あれー、絹旗さんは食べないのー?」

白井「お風呂上りのアイスは格別ですのよ♪」

結標「残念ねー、じゃあ、これは私がもr」

絹旗「ダメですぅ! 超ビターキャラメルは私のです!」

海原(みなさん、道連れを作ろうと頑張ってますね)
~帰宅路~


 ブロロロロ...


絹旗「」スピー

滝壺「」スピー

白井「」スピー

結標「」スピー

海原(超居づらい)

 :
 ;
 :

婚后「」スピー

番外個体「ははは、孤独だ」

絹旗「」スピー

滝壺「」スピー

白井「」スピー

結標「」スピー

海原(暇だし、顔に落書きでもしましょうか)

 キュッキュ

海原(絹旗さんの額に"内"。我ながらシュールですね)

 :
 :
 :

番外個体「うん? うそ、渋滞?……地上に出るのに詰まってるのか……最悪」

婚后「」スピー~2時間後~


婚后「あら、着きましたの……? ミサワさん、お疲れ様でした」

番外個体「チカレタ」

 :
 :
 :

結標「んー、すっかり寝ちゃったわね」

白井「ブッ……絹旗さん……」プルプル

絹旗「?」

滝壺「おでこ、どうしたの?」つ【鏡】

絹旗「……なんですかこりゃぁぁぁ!」

海原「」コソーリ

絹旗「うーーーなばらぁぁぁぁ!!!」

海原「あっ……ハハハ、バレました?」

番外個体「ふー……外の空気が気持ちいいね」

婚后「夜風が心地いいですわ」



<まずは落ち着きましょ、ね?
<超ちっそパーーーーンチ!!


 バリーーン



番外個体「……今、音速で飛んでいったのって海原さんだよね」

婚后「……きっと、気のせいですわ。人間が音速で飛ぶなんて有り得ませんもの」

番外個体「……そ、そうだよね。疲れてるのかな、早く寝よっか」

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最終更新:2011年03月08日 23:11
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