「麦野がビッチで何が悪い?」


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「補習~~~ッ?」
絹旗も交えた朝食の席で、麦野が心底呆れた声を上げた。

「…いつ?」
「えっと、今日の10時から…」
「サボれ」

発端は、朝食後にショッピングに行く気満々だった麦野に、上条が勇気を振り絞って「あのぅ… 上条さんは今日から補習なんですが…」と訴えたことだ。

「だいたい、上条クンの学校って、特にレベルが高いわけじゃないんでしょ? なんで補習なんて受ける必要があるのよ?」
「いや、単純に期末考査で赤点を取ったからなんですが…」

麦野が半目になり、しらー、とした雰囲気が流れる。

ほとんどの場合、能力のレベルと学力は正比例する。

こう見えても、麦野沈利は頭に超がつくほどの秀才だし、隣の絹旗も天才少女と言っても過言ではない。

しかし、だからこそ学力底辺の事情は、感覚的に理解できないのだ。

「…サボれ」

再び麦野が静かに、しかし、迫力を込めて言う。
思わず従ってしまいたくなりそうな上条だが、脳裏に浮かぶのは、担任である幼女教師の泣き顔だ。

「そ、それは…」
「麦野、それは超不可能かもしれません」

シリアルをパクついていた絹旗が、面倒そうに言った。

「…なんで?」
「ツンツン頭の学校を調べたときにわかったことですが、彼の担任がかなりの難物です。警備員(アンチスキル)や統括理事会とも深いつながりがありますし、『幻想殺し』のことも知っています。
 さらに、非常に面倒なことに熱血教師です。私生活を劇的に変化させると、痛い腹を探られる可能性があります」
「ちっ… マジ?」

麦野がジトーッと上条を睨む。
上条は、まさかのフォローに驚きつつ、あわてて頷いた。

「ま、マジですッ!! 小萌先生は超過保護で、理由も無く休んだ生徒には家庭訪問するんスよ!」

嘘ではない。家出少女をわざわざ見つけて、自宅で保護するほどの博愛精神溢れる教師なのだ。

「うぜー…」

麦野の眉根がどんどんと寄り上がる。
危険を察した絹旗が、麦野に見えないように高速ウィンクを上条に送る。

(超なんとかしてフォローしてくださいッ!)
(そ、そんな無茶な!)

だが、上条もレベル5の怒りなど買いたくない。
必死に頭を巡らせてなんとか言葉をひねり出す。

「ほ、補習は昼過ぎに終わりますから、そこから第23学区で落ち合いません? 13時には必ず…」

必死の思いでそう言うと、麦野はもう一度大きく舌打ちをして、頭をガシガシと掻いた。

「…それで良いわ。ただし、次に赤点とったら容赦しねぇぞ…!」

ドスが効いた声で通告され、上条は冷や汗だらだらで何度も頷いた。




「…であるからでしてー。む、上条ちゃん、ちゃんと聞いてますか? 先生の話をきちんと聞かないと、すけすけみるみるの追加ですよー?

まったく集中できない補習授業をなんとか切り抜け、そそくさと教室を出ようとした上条の背中に、とある生徒の一人が声を掛けた。

「かーみやーん、今朝の騒動はどういうことよ?」
「ああ、土御門か…」

本心は第23学区にダッシュしたいところではあるが、ここはきっちり対応しておかなければならない。

声を掛けた生徒、土御門元春は上条が住んでいたアパートの住民、元お隣さんなのだ。

「いやー、いきなりちっこい中学生がかみやんの部屋のドアぶち抜いて、次々と家具を運び出したときはびっくりしたぜい。まさしくエクストリーム引越し。つーか、なんで引越しなんかしたん?」

土御門の眼が、サングラスの奥でキラリと光る。

「いや、親が勝手に新しい部屋見つけてきてさぁ。ホントは前から決まってたらしいけど、連絡きたのが昨日なんだよ。騒動かけてわりぃな」

片目を瞑って軽く拝む動作をする。
もちろん、本当のことなど言えるはずも無い。

「ふーん…」

サングラスに隠れて表情は見えないが、口調は何でもなさそうに土御門が言う。

「じゃ、学校にはもう連絡いってるん?」
「…! いや、新学期に連絡するよ」

内心、冷や汗をかく。
担任教師が今の家に襲来するなど、考えただけでも恐ろしい。

「さよか。まぁ、筋トレはさぼんなよ。俺たちゃ、基礎体力が命なんだから…」

実は、この土御門元春が上条の格闘の師匠なのである。
ひょんなことからスキルアウトに襲われていた上条を助けて以来、土御門は親身になって上条に格闘術を教えているのだ。

「おう、しっかり鍛えとくよ。それじゃ、また今度な!」

上条が片手を軽く上げ教室を出る。

それを最後まで見届けた土御門は、おもむろに携帯端末を取り出すと、少し苛々した動作で画面を叩き始めた…




「そっか… 学校にはどう連絡をしたらいいんだ…?」

新たな問題にげんなりしつつも、上条は麦野との待ち合わせ場所に急いだ。

現在時刻は12時30分で、だいぶ余裕があるにはあるのだが、できるだけ『あの麦野』は待たせたくない。

「ちっくしょー、もっと学校に近い所を指定しときゃ良かったぜ…」

後悔しながらも足を速める上条に、またしても、そして今度は黄色い声が背中から掛かった。

「ちょっと! ソコのアンタ、アンタよッ!! 待ちなさいってば!」

その声に、上条がギクリと背筋を伸ばす。この状況では絶対に聞きたくない声だった。

「とうとう見つけたわ… まだアンタとの勝負はついてないわよッ!!」
「おめーかよ、ビリビリ中学生……」

上条に向かって、ずんずん、歩いてくるのは、名門・常盤台中学の制服に身を包んだ、茶髪の女子中学生だった。

「ビリビリじゃない! 私の名前は御坂美琴! いったい、いつになったら覚えるのよ!」
「いや、だって第一印象がそれだし…」
「クッ… ムカつく…ッ!」

この少女との不毛な関係は、少女が不良学生に絡まれているのを、よせばいいのに上条が助けようとしたことから始まった。

絡まれた少女を連れてとっとと逃げようとした上条だったが、その時に発した「こんなガキに盛るなよ」という台詞が、いたく御坂美琴のプライドを傷つけたらしい。

「ここで会ったが百年目ッ!! 今日こそ決着をつけてあげるわ! 遺産分配やっとけやゴラァ!!」

怒りのあまりか、茶髪の先端から、バチバチ、と火花が散る。

御坂美琴、人呼んで『常盤台の超電磁砲(レールガン)』。

麦野沈利と同じく、学園都市で7人しか居ない、能力者の頂点であるレベル5の一人だ。

「決着って… なに馬鹿なこと言ってんだよ、おめーは… 」

上条がげんなりした表情で言う。

初対面の対応は、確かにマズッた自覚はあるが、だからといって、ここまで難癖をつけられると流石に辟易する。

「そもそも、レベル0の上条さんがレベル5に敵うわけないでしょ? ハイハイ、俺の負け、俺の負け。納得したならどっか行ってくれ、お前にかまってる時間ねぇんだよ」
「ふ・ざ・け・ん・な・ぁ!!」

御坂美琴の身体から電撃が迸り、小規模な雷となって上条を襲う。

「……ッ!!」

常人ではよける事など出来ない攻撃だ。
しかし、ある程度予期していたこと、それと、毎日の研鑽の成果により、が、ほぼ無意識に反射防御が行われた。

「…ッと!! あぶねぇ…」

野球のキャッチボールのように、上条は左手で雷を受け流すようにキャッチする。
その瞬間、雷は霞のように宙に消え去った。

「…まだよ!」

防がれたとわかって、御坂美琴がさらにボルテージを高める。

放電の余波で街路灯の電球が短絡するが、そんなのはお構いなしだ。
さらに高出力の雷を上条に向かって放射する!

「チッ!!」

舌打ちと共に上条は左半身になり、左手を肩まで軽く上げる。
さらに集中力を励起させ、襲い来る電撃を悉く左手で打ち落とす。

「おおぉぉ!!」

超高速で迫る電撃をパリィング。

それは既に常人の域を超えた技であった。




上条当麻は基本的に無力なレベル0である。

人口230万人のほとんどが学生である学園都市では、ややもすれば若者が暴走しやすい土壌であるとも言える。

事実、武装集団化した無能力者の集まりである『スキルアウト』や、心無い能力者によって行われる『無能力者狩り』など、学生に端を発する問題はいくらでも存在する。

上条も、『無能力者狩り』の被害にあった一人だ。

当時の上条は中学2年生。
友達の友達の、さらに友達が開いた集会に興味本位で参加し、そこで『無能力者狩り』に襲われた。

そのときは、前述の土御門元春の活躍で難を逃れた上条だったが、生まれて初めての生命の危機に、何かのスイッチが入ってしまった。

以来、上条は自身を鍛えることにした。

土御門からボクシングの基礎を教わり、毎日の少なくない時間を鍛錬に使った。

スキルアウトとも繋がりを持った。
構成員とはならなかったが、それでも組織間の小競り合いに巻き込まれることはそれなりにあり、いくつかの鉄火場も潜り抜けた。

彼の能力者に対する防御技法は、そういった日常によって培われ、洗練されていったのだ。




「ちくしょう……」

当たれば昏倒する電撃をすべて防がれ、御坂美琴は悔しさのあまり歯軋りをする。

大人げないことをしているのは分かっている。
だが、レベル5の矜持と、本人にも理解不能のもやもやとした感情が、彼女を実力行使に駆り立てる。
それは、もはやある種の脅迫観念だ。

「なんでアンタがレベル0なのよ…ッ!!」
「んなの俺が知るかよッ!! テメェの事情ばっか押し付けやがって…」

上条も上条で、相手のことを単なる『無能力者狩り』としか認識していない。

相手が女子中学生ではなかったら、問答無用で殴り倒しているところだ。

「終いにゃ、本気で怒るぞ…ッ!!」
「今までは本気じゃなかったってワケ!? 人を舐めるのも大概にしなさいよ!」

ディスコミここに極まりである。

「舐めてるのはテメェだろうが…!!」

上条の声に本気でドスが効きはじめる。
ビンタぐらいなら良いか… 右の拳を軽く開くと…

「かーみじょークン、彼女を待たせて、他の女となに乳繰りあってるのかにゃー?」

今、一番聞きたく無い声が上条の耳に届いた。




「……ィェ」

消え入りそうな声で意味不明の単語を呟くと、上条は油の切れたロボットの様に、ギギギ、と首を声のほうに向けた。

濃いブルーのヘソ出しタンクトップに薄いクリーム色のカーディガン、美脚が眩しいホットパンツに少々派手な薄紅色のサイハイソックス、日差しを意識しての鍔の広いキャップにレイバンのサングラス。

全身から美人オーラを放つ麦野沈利がそこに立っていた。

「聞こえてる、上条クン? あと、今何時かわかってる?」

それまで操作していたのか、携帯端末をポケットにしまいながら麦野が言う。

問われた上条は、慌てて腕時計の時刻を確認する。

…12時55分。待ち合わせ時刻ではないが、上条の背筋に冷や汗が流れる。

「デートの一時間前までに… とか無茶は言わないけどさぁ。朝はアタシが折れたんだから、出来る限り早く来るのが礼儀ってやつじゃない?」

口調は意外に優しげであるが、眼が完全に笑っていない。

「す、すいません! 変な中学生に絡まれちまって…」
「へ、変とは何よッ!!」

置いてけぼりを食らった御坂美琴が叫ぶが、麦野はそれにとりあわず、片手を、にゅ、と伸ばして上条の耳をつねりあげた。

「いたたたたたたッ!!」
「そんなの、アンタが構うからだろうがッ! 彼女待たせてる時は! たとえ世界の軍隊に追われていても振り切って来なさいッ!! 良いわねッ!!」

言い放って、抓った手離すと、返す手で思いっきり上条の頬に平手打ちを食らわす。

「ぐはっ!!」

ぱしーーーん!! と非常に良い音がして、上条がキリキリと舞い崩れる。

目から火花が散り、朦朧とした意識の中で、なんとか「すみませんでした…!」とだけ声を絞り出した。

「な、な、な……」

予想外の展開に御坂美琴が絶句していると、麦野が、ジロリ、と睨みつけてきた。

「…ヒトの男に汚い唾つけないでくれる?」
「き、汚いですってッ!?」

一瞬沈下したボルテージが瞬間的にマックス入る。

だが、麦野はあくまで冷静に「ああ、そうだ」と答える。

「構ってもらいたいんなら、他に適当な男を見つけて頂戴。これは昨日から私のモノだから、今後、ちょっかい掛けたら承知しないから」

静かに、しかし、はっきりと宣言する。
「…うぅ、あー、麦野さん… 相手は中学生だし…」

頭を振って上条が立ち上がる。中々にタフだ。

「中学生でもオンナはオンナよ。アンタも、もうこんな小娘に構うんじゃないわよ」
「黙って聞いてりゃ勝手なことを!!」

怒りが再び頂点に達したのか、美琴の髪から火花が散る。
が、麦野は「はぁ…」とため息をつくと、腕時計をみて「そろそろ来るかしら…?」と呟いた。

その瞬間、

「風紀委員(ジャッジメント)ですのッ! って、あら、お姉さま…?」

何も無い中空から、これも常盤台の制服を着たツインテールの少女が出現した。

その腕には、有志によって構成される学園都市の治安部隊『風紀委員』の腕章が見える。

「く、黒子、何でここに…?」
「い、いえ… 一般人に能力を行使して暴れている能力者が居ると通報があったものですから…」

ツインテールの少女が、かなりバツの悪い顔で言う。

「あ、通報者は私ね。そこの中学生がアタシの彼にこれでもかってぐらい雷飛ばしてたわ。とっとと連行してちょうだい」

冷たくそう言って、自分は立ち上がった上条の腕に絡みつく。

「アタシら被害者だし、もう行っていいでしょ? 経緯が知りたきゃ、そこの短絡してない監視カメラのログを見て頂戴。…さ、上条クン、いこ」

そう言って、麦野はまだ動きの固い上条をひっぱって歩き出した。

その2人の背中に、御坂美琴は何か声を発しようとして、しかし、何を言えばいいのかわからず、片手を追うように前に突き出し、表情を歪ませ、ようやく「…待ってよ!」と声を絞りだした。

「か、彼女って、本当…?」

泣きそうな声で上条に問う。

 しかし、上条がそれに答えるよりも早く、麦野がそれに反応した。

「ふふ…」

明らかな勝者の笑みを見せると、麦野は素早く上条と口唇を重ねた。

「ん…ッ」

唖然とする常盤台生2人を尻目に、くちゅくちゅ、と音がするぐらい情熱的にキスを交わす。

悪趣味だなーとは思いつつも、後が怖いので上条も無言で応える。

「ぷはっ…!」

ようやく口唇を離すと、麦野は完全に美琴から視線を外して、

「さようなら」

 と、言い放ち、今度こそ上条を引っ張って美琴の前から立ち去った。

「お、お姉さま…」

流石に色々と察した黒子が、遠慮がちに美琴に声を掛ける。

しかし、それが契機となってしまった。

「う… うぐ… うゎぁぁ… あああぁぁぁぁ…」

おそらく、その時初めて自覚したであろう恋心に、そして破れた恋心に、御坂美琴は声を震わせて慟哭した……




「ぎゃはははっ、あの顔!! 見たぁ、上条クン!? 『え、嘘でしょ?』ってな感じでさぁ!!」
「いや、流石に趣味悪いですって…」

上条が控え目に言うと、麦野はそれでも上機嫌に「いーんだよ!」とばっさり切り捨てた。

2人が居るのは雑居ビルにあるカラオケの一室だ。
あの後、すぐに麦野が「そこ、入るわよ」と言って、目に付いたカラオケボックスに上条を連れ込んだのだ。

「アイツあれだろ? 常盤台の超電磁砲だろ? はン、第三位があんな小娘だとは思わなかったわ。痛快だわー」

どうも、麦野は御坂美琴に対して、なにやら鬱積した感情があったようだ。
それが思わぬ形で解消されて、恐ろしくハイになっているらしい。

「あー、気分が良いわ。上条クン、アンタあの娘の恋心に気付いてなかったの?」
「いやぁ、全然… うぜぇ、としか思ってなかったし…」

その答えがドツボに入ったのか、麦野はソファの上で、「うぜぇだって!? カワイソーッ!!」と笑い転げた。

「ヒッ、ヒッ……! あぁ、一ヶ月分ぐらい笑ったわ… アンタサイコー! どんだけアタシを楽しませてくれるのよ…!」

そう言われても、自分がどんなファインプレイをしたか気付いていない上条は、ただ「はぁ…」と愛想笑いを浮かべた。

「ふぅ… ま、今日のペナルティはアレでチャラにしといたげるわ。ううん、むしろ大きなプラスポイントね… ね、ね。何かおねだりして良いよ?」

本当に上機嫌らしく、麦野が上条にしなだれかかって甘い吐息をかける。

今日の麦野はタンクトップだから、形の良い豊乳が、ぐにゃり、と上条の身体に押し付けられるのが、視覚的に大変よく分かる。

「え、おねだり…!?」
「なんでもいーぞー? ここ、カメラ無いみたいだし…」

麦野がチラリと周囲を確認して言う。

(これは、あれだよな… 誘われてるよな…)

ゴクリと上条が唾を飲み込んで麦野の服に手を掛けようとすると、突然麦野が、

「あ、でも本番は無しね。アタシ、今はピル持っていないし、服を汚したくないから」

という言葉に、力を失う。

だが、

「だ・か・ら、お口でシテあげる… 今日は特別、口の中に出して良いよ…」

妖しく、扇情的に上唇をぺロリと舌で舐めると、麦野は躊躇わず上条のズボンのチャックを引き下げた。

麦野の白く細い指が、社会の窓に進入したかと思うと、次の瞬間には上条のペニスが顔を覗かせた。

「わぉ、もうガチガチじゃん?」
「そりゃ、この状況で勃たない男はいないですよ」

上条が興奮と期待とが入り混じった声で言う。

「そりゃそっか… 上条クンは楽にしててね……」

そう言うと、麦野はペニスに顔を近づけて、大きく膨張した亀頭の先端を、チロ、と舌で舐めた。

「…ふふ」

軽く笑って、さらに、チロチロ、と亀頭を小刻みに舐める。

「うぉ…」

昨日の初フェラではいきなり咥えられた。

あれもあれで強烈な快感だったが、こうやってチロチロ舐められるのもまた違った快感だ。

「チロ、チロ、チロ… ん、カウパー出てきた…」

舐めると同時に竿をごしごし擦られると、鈴口から透明な液が絞りだされる。

麦野はそれを舌ですくい上げるように舐めると、上条がよく見えるように、わざと、コクリ、と喉を動かして飲み込んだ。

「麦野、さん…ッ!」
「ククッ、期待してな」

男だったら誰しも想像するであろう素晴らしい未来予測に、上条の興奮がさらに高まる。

「次はココ…」
竿をしごく手の動きをいったん緩めると、麦野はペニスの根元の2つある袋のうち1つを口に含んだ。

「……嘘ッ!?」
上条の頭が電撃が走ったように仰け反る。
オナニーでも使った事の無い、未知未感の性感帯だ。

そんな上条の反応に気を良くしたのか、麦野は口の中の大事な玉を、激しく、しかし慎重に舌の上で転がす。

「やべぇ… それ、本気でやばいッス……」

全く耐性の無い上条が、即座にギブアップすると、麦野はあっさりと玉を口から吐き出して、

「それじゃ隣ね♪」

もう片方の玉を咥えて転がした。

「――――ッ!!」

最早、上条は言葉も出ない。

しかし、ここで果てると麦野の身体に精液が掛かってしまう。
それだけは避けたい一心で射精を我慢する。

(麦野さんは「服を汚したくない」って言ってた… だから、もしかしたら…)

淡い期待を糧に、念仏を唱える勢いで下半身の快感に抗う。

それは1つの拷問だった。

「……ぢゅぅぅぅぅぅ!!」

麦野が玉袋に口をつけて、音を立てて激しく吸い上げる。

狂ってしまいそうな快感に、上条は奥歯が鳴るほど歯を食いしばって耐えた。

「あは… 耐えてる上条クン、かっわいー。そうか、そうか… そんなにおねーさんの口の中に出したいか…」

ペニスを弄る手はそのままに、悪戯っぽい笑みを浮かべて上条を仰ぎ見る。
その上目遣いに心から屈服した上条は、

「出したいですッ!! 麦野さんの口の中に出したいですッ!!」

 と、プライドをかなぐり捨てて頼み込んだ。

「…そう、素直ね。素直な男の子は大好きよ。これからも素直で居てね…」

自然な笑みでそう言うと、麦野は手早く長髪をゴムで後ろに束ね、両手で上条のペニスを捧げ持った。

「いいわ、たくさん口に出して… 飲んであげる…」

そう言って、大きく口を開けて上条のペニスを飲み込む。

深く、深く……

顎が外れんばかりに大きく口を開いて、咽頭がえずくほどに喉の奥まで…
とうとう、鼻先が上条の陰毛に触れる場所まで麦野はペニスを咥えこんだ。

「すげぇ…」

快感よりも感動で上条が呟く。

おそらく、今、麦野は呼吸もままならず、生理的な嘔吐感を強引に押さえつけているのだろう。

その証拠に、麦野の眉根が苦しそうに震える。
本当はペニスを吐き出して咳き込みたいに違いない。

「ぉぐ… ごっ… ぐぅ…」

それなのに、麦野は上条の腰に両手を回すと、抱きしめるようにさらに顔を押し付けた…!

上条のペニスの先端が、柔らかくて狭いナニカに押し付けられ、亀頭を擦りながらそこを突破した。
それは、凄まじい快楽だった。

「もう無理だッ 射精します!!」

 既に我慢の限界を超えていた上条が、その刺激にとうとう屈服する。

 ドクッ! ドクッ! ドクッ!!

 耐えに耐えてられてきた精液の勢いは凄まじく、咽頭の壁に抵抗無くぶち当たったそれは、当たり前の様に鼻腔側に跳ね返って、麦野の双鼻口から精液が吹き出る。

「おごぉ… ごぐ… ぐ…」

気道に入らないかと心配になるくらい、麦野が必死に精液を嚥下する。
慌てて上条が腰を引こうとするが、腰に回された麦野の手がそれを許さない。

「麦野さん…ッ 離して!!」

振りほどこうにも、腰に上手く力が入らない。

結局、射精が完全におさまるのを確認して、麦野がゆっくりとペニスを吐き出し始める。
いつの間にか額には大汗をかいており、それが麦野の苦しみを表していた。

「ありえねぇ… 凄すぎる…」

もはや上条の口からは感嘆の単語しか出ない。

麦野の唇が雁口まで後退する。

(ああ、ようやく終わる… いや、終わっちまう… 終わりだ…)

と、上条が思った瞬間、

ぢゅるるるるるるッ!!

麦野が最後の力を振り絞って、尿道に残った精液を吸い上げた…!

「あ……ッ!! ああああぁぁぁぁぁ!!」

不意打ちに特大の快感を叩き込まれて、上条が無意識に大音声で叫ぶ。

まるで『おこり』のように上条の身体が、ビクッ、ビクッ、と痙攣する。

「ぢゅぅぅ… んぅ… ごく… ぷはっ、すううううううううぅぅぅううぅぅ……  はぁぁぁぁあああああああああ……」

最後の一滴まできっちり飲み干して、麦野が深く深く深呼吸を行う。

「…………はぁぁぁぁぁ、しんだぁーーーー……!!」

そのまま、ぐたっ、と上条の身体に倒れこむと、緩慢な動作で紙ナプキンを手に取り、びぃぃぃ…! と鼻腔内の精液を吹き出した。

「うげぇ、血ぃ出てる… はぁ、錯乱したわー、やっぱこの技は封印だわー、リスクでかすぎ…」

ひとしきりえずき、咳をし、呼吸を整えた麦野は、ぐったりとしてピクリとも動かない上条を見た。

「おーい、上条クン、生きてるー?」

返事が無い。不審に思って顔を覗きこむと、

…上条はこれ以上ないくらいのだらしない笑顔で失神していた。

「ぶっ!!」

あまりの表情に思わず麦野が吹き出す。

「この子は、なんでこうもアタシのツボに入ることばっかりするのかしらねー。…本気になりそう」

一瞬だけ、暗く冷たい表情を覗かせる。

「……なわけねぇよ、アタシがお前に本気になるか、ボケ…」

誰に言うわけでもなく呟くと、麦野は頼んでおいた烏龍茶をストローに含ませ、上条の鼻の穴に遠慮なく流し込んだ。

「…………ぅがッ!! ゴホッ!! ゴホッ!!」

強制的に覚醒させられ、上条が激しく噎せながら目を醒ます。

「がはッ… うぇ?」
「こーら、寝てんじゃないわよ」

目を白黒させた上条が、慌てて焦点を合わせると、麦野がやんちゃな弟を見るような目で苦笑していた。

「あ、す、すみません!! あんな良い目にあったってのに、俺は……」

本気で情けなく思っているのか、口をへの字に歪めて頭を下げる。
麦野は軽く肩を竦めると、上条の額に軽いデコピンを打った。

「痛ッ!!」
「ばーか、アタシのテクが凄かっただけだろーが。なぁにぃ? 昨日からエッチ続きで、自信持っちゃった感じ?」
「いや、そんなことは…!」
「そういうの、やめてね。自分の役割はきっちり把握しておきなさい。アタシと長く付き合うコツよ…」

少し、ほんの少し感傷めいた言い方をする。
上条は何かを言いたくて、しかし、言う方法がわからずに、ただ、

「はい…」

とだけ答えた。





風紀委員活動第一七七支部。

主に能力者によって構成された、学園の治安を守る学生間組織。

その拠点のひとつに御坂美琴は居た。

「…記録、照会終わったわ。申し訳ないけど、確かに御坂さんは能力を行使しているわ」

言葉を発するのは、眼鏡と巨乳が特徴的な女子生徒だ。
場の雰囲気から、この場所の責任者のようである。

「どんな事情があったか知らないけど、一般生徒、しかもレベル0に能力を行使するのは重大な校則違反よ。御坂さんともあろう人が、知らないわけはないでしょう?」

内容は厳しいが、口調は優しい。
それもそのはずで、御坂美琴は、知り合いらしきツインテールの風紀委員に連れられてこの部屋に入ってから、今の今まで号泣していたのだ。
泣きやんだ、というより涙も涸れた状態の今は、精神的にひどく不安定に見える。

「……白井さん、どんな状況だったの?」
「は、はい… わたくしがその場に急行したときには、既に事態は収束に向かっておりまして…」

白井と呼ばれたツインテールの少女が、あの時の事を遠慮がちに語る。
聞いた眼鏡の風紀委員は、「失恋かー…」としみじみと呟いた。

「まぁ… 私も経験あるけどねぇ。好きな相手の恋心を自覚できずに暴走しちゃうこと…」
「固法先輩がですか…?」

驚いたように白井が言う。
いかにもお堅いイメージがある彼女には、似つかわしくないように思えた。

「そりゃ、この歳になれば、恋愛の1つや2つはしてるわよ。失恋もね…」

少し遠い目をして語ると、固法は改めて美琴に話しかける。

「御坂さん、風紀委員としても貴女の行動は看過できないし、知人としても貴女を放っておけないわ」

話しかけられ、ひどく緩慢な動作で美琴が顔を上げる。
その表情は、まるで幽鬼のようだ。

「ああ、お姉さま… おいたわしや…」
「白井は少し黙ってて。もし、もしもよ…? その男の子のことが諦めきれないのなら…」

いったん、言葉を置く。

「私は立場的にチャンスをあげられるかもしれない。それをどうするのかは、御坂さん次第よ」

美琴の表情に困惑の色が浮かぶ。
どうして彼女はそんなことを言うのだろう?

「まぁ、ぶっちゃけると、一方の当事者である女性の行動が、かーなーり、癪に触るからね。あんな自意識過剰な見せ付け女に負けちゃ駄目よ、御坂さん」

風紀委員・固法美偉。

痛恨のおせっかいが、今始まる。




「あーあーあー、はいはい、聞いてるってばよー」

整髪剤だのマグカップだの、細々とした買い物をすませ(勿論、支払いはすべて麦野である)、目に付いたファミレスで遅めの昼食を摂っていると、突然、麦野の携帯が鳴り出した。
面倒そうに電話に出た麦野は、明らかにテンションがダウンした状態で机に突っ伏し応答している。

「あのさー、今日はお月さまの日だから出動なしにしてくんねーかなー?」
『こいつときたらッ!! 昨日、さんざん子犬クンに跨ってアンアン喘いでたじゃないの!! そんな嘘、通るかボケェェェ!!』
「うざー… 昨日は逃亡犯を見事捕まえたじゃん。ボーナス休暇ぐらいあっても良いでしょ。そうよ、それが良いわ」
『逃亡犯ノシたのは子犬クンじゃんw アンタはただ盛って腰振ってただけじゃんw かみじょークーン、すっごーい、てな感じィ??』
「……あー、適当に10°ずつ角度を変えて『原子崩し』を撃ったら、いつかアンタに当たるかしら…? 何発目ぐらいで当たると思う?」
『っざけんな!! 一発撃った時点で、暗部総動員でテメェミンチだコノヤロウ!!』

どんどんと険悪な雰囲気になる会話に、しらず上条の背筋に冷や汗が流れる。

『ウダウダ言ってないで、さっさと仕事に取り掛かれッ!! 5分後にフレンダが合流するから、あとはヨロシクッ!!』

ブツッ、と電話が切られる。
麦野はのろのろと身体を起こすと、無言で上条の頭をはたいた。

「あいたッ! えぇ!?」
「ごめん、叩いた」

頭にハテナマークを浮かべる上条に対して、麦野がぶっきらぼうに言う。

(こ、これは麦野さん式の甘えかたなんでせうか…?)

 一応、それで正解である。

「上条クン、昨日の今日でなんだけど、お仕事入ったわ。準備できてる?」

冷静に上条に言う。

「準備つっても… 俺の準備は麦野さんに勝ってもらったメリケン・シールぐらいですよ」

上条がポケットから、昨日使ったフィルム・シートと同じものを取り出す。

「なら、良し。今から『アイテム』の一人と合流するから、話はそれからよ」

そう言うと、麦野は携帯とは別の個人端末を取り出して、猛烈な勢いで画面を叩き始めた。

(いよいよか…)

今夜が暗部としての上条のデビューとなる。

軽い興奮と、どうしても感じる後ろめたさ、そして、麦野に良い所を見せたいという虚栄心…
いろんな思いがない交ぜになって、上条は軽く拳を握りしめた…




ちなみに―――
とあるアパートのとある無人の部屋のベランダに引っかかった、とある銀髪シスターは、
とあるド派手な2人組に回収され、
とある物語は始まる事なく終了した……
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