『んん・・・あっ、ああんっ、いいよぉ・・・』
「んーっ! んんーっ! んーっ!」
常盤台学生寮の一室に、艶めいた喘ぎと唸るような喘ぎが響いていた。
艶めいた喘ぎは、携帯電話に映し出された動画からのもの。
普段は季節季節の花束が表示される待受画面には、今は赤毛の少女の恥態が映し出されている。喘ぎは、スピーカーから、電気的に再生されたものだ。
対して、唸るような喘ぎは、それを見る人物からのもの。
外ならぬ動画の少女のベッドに転がされ、細い両手首と両脚を掃除用の箒に括りつけられたーーM字開脚で固定されたーー全裸の少女の唇からだった。
唇、という表現は、やや正確ではないかもしれない。
なぜなら少女の口にはボールギャグが噛まされ、喘ぎはその穴から漏れているのだから。
「ほら、どうですか白井さん。憧れのお姉様のベッドで、憧れのお姉様の香りに包まれて見る、憧れのお姉様のオナニーシーン。やっぱり興奮しちゃいます?」
全裸の少女ーー白井に、クスクスと笑い混じりの声が投げ掛けられた。
声の元は、白井のすぐ隣。
両手の使えない白井に携帯電話を見せている、白井と同年代の少女である。
「んんーっ! んんんーっ!」
しかし白井はその少女ーー飾利の方に目を向けない。
興奮に満ちた瞳で、携帯電話の画面を凝視している。戒められた彼女の両手は必死の勢いで空を掻き、固定された手首からは、無理に動かしているせいか血が滲んでいたーートプトプと粘液を漏らす己の股間に、触れようとして。
「あー、やっぱりちょっと薬が多すぎましたか。失敗しました」
飾利はため息をひとつ。
感度をあげるために媚薬を使ったのだが、量を間違えたらしい。
もう少し抵抗されることを期待していたのだが、これでは拍子抜けである。
(まぁ、これはこれで活かすことにしましょう)
このまましっかりと焦らせば、白井の心と身体に渇望を刻むことができるだろう。
その上でおねだりをさせ、自分の手で快楽を与えてやる。
これを何回も繰り返せば、白井は初春飾利という存在を意識する度に快楽を思い出すようになるはずだ。
(心を崩すには、まず身体を屈服させないといけませんからね)
今日は休日前夜。美琴は上条の家に泊まりにいっている。
明日の朝まで、時間はたっぷりとあった。
「じゃあ、はじめますか」
くすっ、と笑いながら、指先を白井の喉元に這わせる飾利。
白井が未成熟な身体が大きく震え、情欲にまみれた嬌声があがった。