ステイル「最大主教ゥゥーーーッ!!!」 > 第二部 > 先生編 > 02

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ステ「…………よし、行き渡ったね。じゃあ最大主教、頼むよ」

イン「では、私達の再会を祝して!」




                ――カンパーイ!――




小萌「んっ、くっ、ぷはーっ! 昼間から飲むお酒は最高ですねー!」グビグビ

ステ(犯罪的な光景だ、しかし)

姫神「それにしても。このムニエル。美味しい」モグモグ

結標「無国籍料理店、ってヤツかしらね。そういえばいつだったかの
   『学園都市ウォーカー』に載ってた気がするわ、このお店」パクパク

イン「ふふ、でしょでしょ。私も鼻が高いかも!」ドガガガガガガガ

ステ「貴女が自慢するのか……まあ、気持ちはわかるが」パクリ



小萌「んー! こっちのサラダもドレッシングが抜群ですね!」

ステ「ああそうだ、小萌。土御門から何か届いてないかい?」

小萌「…………そういえば、ステイルちゃんは土御門ちゃんと同僚なんですよねー。
   本当に世間は狭いのです。それで、何かって何ですか?」

結標(実は私も元同僚なんだけどね)



イン「その、多分……私達の写真、なんだけど」ゴニョゴニョ

結標(なんか面白そうな話ね)ニヤニヤ

姫神(あまり。引っ掻きまわさない方が)デモニヤニヤ

小萌「……写真なんて、届いてないのですよー?」

イン「へ? そうなの?」

ステ(どういう事だ……土御門お得意のブラフか? だが何の意味があってそんな)






小萌「写真は届いてないけど、インデックスちゃんとステイルちゃんが
   抱き合ってる姿をタップリ収めたビデオが」

ステ「土御門ォォォォーーーーーーッッ!!!!!」






姫神「それは。それは」ニタニタ

結標「熱烈に愛の抱擁、ねぇ」ニタニタ

イン「なにを余計な修辞を付け加えてるのかな!? そもそも抱き合ってたわけじゃ」

小萌「私としてはちょっぴり複雑でしたが、
   二人がとーっても仲良しのようで安心しました」シクシク

ステ「くっそおおお!!!」



イン「だ、大丈夫? また血管切れてない?」

ステ「何とかね…………小萌」

小萌「なんですかぁー」ズーン

ステ「(何故落ち込む)そのビデオとやらに、コレを張ってくれないか」つ紙切れ

イン(あ)

小萌「なんなのですかコレ?」

ステ「貴女の健康を祝う魔術の護符さ。
   件のブツに張り付けてベランダにでも一晩放置しておいてくれ」

小萌「はあ……了解しました」

ステ(これでまず一件)

結標「ふーん、魔術ねえ。そう言えばあなた」

ステ「なにか?」



結標「この面子で面識が無いのって、私とあなただけじゃない?」

ステ「確かに…………最大主教の友人なのはわかったが。小萌の生徒なのか?」



結標「違うわよ、改めて自己紹介するわね。
   私の名前は結標淡希。霧ヶ丘大学って所で研究員、やってるわ」

姫神「でも。淡希先輩を学内で見かけたことなんて。一度も無い。不良研究員?」

結標「茶化すんじゃないわよ。そっちの秋沙とは小萌の所の居候仲間ね。
   更に高校、大学と一応は先輩後輩の仲よ。どっちにしろ余り時期は重ならないけど」

小萌「二人が同じ霧ヶ丘だったと聞いたときには先生もビックリしたのです」



ステ「…………成程。君が『座標移動』というわけか」

結標「……へえ、さすが腕利きの魔術師さん。敵の事情には精通してるって訳?」

ステ「そんなに構えないでくれ。『仮想敵』だよ、ただの」

結標「そのシミュレート結果を聞いてみたいわね、是非とも」

ステ「仮想と言わず、実際に試してもいいさ」ガタ

結標「いいわよ、表出る?」ガタッ

姫神「ちょっと。二人とも」



小萌「結標ちゃん、やめなさい!!」


イン「コラッ!! ステイル!!!」



ステ&結標「」ビクッ


姫神(ほっ)






結標「あはは、ごめんなさいね?」

ステ「殺伐とした空気が最近恋しくてね」

結標「あらやだ、あなたもそうだったの? ちょっと平和ボケするとこういう雰囲気がねー」フフ

ステ「やはり僕らのような人種は、時々シリアスタイムを取らないと息苦しいね」ハハ

姫神(なに。このほのぼのしているようで。血なまぐさい会話)



ワキアイアイ



イン&小萌((どうしてこうなった…………))



姫神(空気化回避のため。早めに行動に出るべき)

姫神「淡希先輩の自己紹介が済んだところで。近況報告とかしたら?」

ステ「ああ、そう言えばそうだね」

結標「すっかり話が弾んじゃったわ」

イン(ナイスなんだよ、あいさ!)



姫神「それじゃあ。言いだしっぺの私から」

小萌「よっ、やれやれ!」

結標「あなたちょっと酔ってない?」

小萌「ワインの一本や二本で潰れる小萌先生ではないのです!」

イン(懐が)

ステ(痛い)

姫神(また。いつもの。パターン?)フフフ





ステ「おっとすまない、続きをお願いするよ秋沙」

姫神「!!」

イン&小萌(嫌な予感が……)

結標「?」


姫神「わ。私は。医者を目指して勉強中。
   それから淡希先輩と一緒で霧ヶ丘で研究協力もしてる」

イン「……それは、安全なんだよね?」

小萌「…………」

イン「あ、ご、ごめんなさいこもえ!
   その、学園都市を信じられない、ってわけじゃあ」




小萌「いえ、しょうがないことなのです」

結標「…………前統括理事長の退任後、これでもかと膿が出てきたからね」

ステ「その上、すべての闇が暴かれたという証拠も無い」

小萌「………………」





小萌「あのころ……」

姫神「小萌…………」

小萌「私は、自分の無知が恥ずかしくてしょうがありませんでした」



「学園都市の教育は生徒の未来の為であると盲信して」


「結標ちゃんも、姫神ちゃんも、御坂……美琴さんも、上条ちゃんも」


「私の知らないところで、酷い目に遭ってて」


「そんなことも知らずにのうのうと教鞭を執っていた私は」




「私は、教師を辞めるべきなのだとさえ思いました」




イン「そ、そんな……」

ステ「………………」





姫神「そんな顔しないで。インデックス。ステイル」

小萌「そうです。結局私は、今も先生のままなのです」

イン「…………なんで?」

小萌「ふふふ、決まっています」




小萌「先生は、先生だからです。生徒の為に生きるからこそ、先生なのです!」




ステ「……はは、成程」

姫神「いかにも。って感じでしょ?」

イン「うん、こもえらしいんだよ」ニコ


結標「ちなみに霧ヶ丘の研究が健全である事は、この私が保証するわよ」

姫神「万年サボりの淡希先輩に。なぜか請け負われる私って」フフフ

結標「おいこら」





結標「私はさっきしたから、次はそっちのお二人さんね」

姫神(私の話のわりには。私の台詞数が少なかった気がする)


ステ「僕らの近況か……正直、分けるほどでもないから一緒に話そうか」

結標「なに? あなた達夫婦なの?」

ステイン「「ぶっ!!」」


ステ「げっ、がはっ!」ムセタ

イン「おっ、お餅、ももちががが……」ツマッタ

姫神「だ。大丈夫。二人とも?」

小萌「ちょっと結標ちゃん! からかうにしてももっとマシな言い方があるはずです!」

結標「えー? だって近況報告をまとめるって、まるきり夫婦のそれじゃない?」

ステ「ちっ、違うに決まってるだろうが! ただ四六時中一緒に居るだけだ!!」




イン「」モチゴックン









イン「す、す、す、すている!! ちょっと落ち着いて!?」

ステ「……え? …………あああああああっっ!?
   僕はいったい何を口走ってるんだ!?」

イン「ち、違うんだよみんな! 私とすているはその、お偉いさんとボディーガードなの!

   つまり単なる一心同体、いわゆる一蓮托生ってわけなのです!」

ステ「貴女ももちつけ、いや落ち着け! 文脈が微妙に繋がってないぞ!?」



小萌「うう……そうなのですか。
   つまり二人は病める時も健やかなる時も
   共にある事を誓ってしまったのですね…………」シクシク

結標「風呂場とかベッドでも共にあるのかしらね」ククク

姫神「小萌先生。涙拭いて。何故か私も胸が痛いけど」つハンカチ

小萌「先生もいい加減、新しい恋をさがすべきなのかもしれません」ドウモ チーン




イン「もうダメかもコレーーーーっ!?」

ステ「不幸だあっ!!」

イン「え。ふ、不幸なの…………?」ウル

ステ「あ、いや、今のは弾みで」ワタワタ


三人(((ケッ)))





小萌「では。最後は私の番なのですよ」ケロリ

ステ(さっきの大騒ぎはなんだったんだ……)ゲッソリ

イン「こもえはいつまで経ってもこもえですわよね」

ステ「確かにそんな気がするな…………」

結標「そして実際にその通りよね」

姫神「十年前から。変わってない」


小萌「うわーん! みんながいじめます!」





イン「ううん。違うんだよ、こもえ」

小萌「ぐす…………え?」


ステ「貴女は十年前、僕たちをあたたかく見守ってくれた頃の小萌そのままだ」

小萌「え? え?」


姫神「小萌が居なかったら。私。路頭に迷ってた」

小萌「ひ、姫神ちゃんまで……」


結標「つまり。私達全員、変わらないでいてくれる小萌に感謝してる、ってこと」

小萌「………………」



イン「こもえ」

ステ「小萌」

小萌「は、はい!」








イン「とうまたち、皆の『先生』でいてくれてありがとう」

小萌「お礼を言われるような事じゃありません! 先生として当然の……」



ステ「そして、僕らを『生徒』と呼んでくれてありがとう。とても、嬉しかった」

小萌「あ、あ…………うぅ」



姫神「二人とも。あまり感動させると。また泣いちゃう」

結標「ま、その場合私達も共犯だけどね」



小萌「ん…………あ…………ひっく、えっぐ」





ステ「あーあ。結局泣かせてしまった」

イン「こもえ、いつもお疲れ様」



小萌「私、こそ! みんなに会えて嬉しいです! みんなの先生にしてくれて!」









「あり、がとうございますっ! うわあああああんん!!!!」









午後二時 『虚数学区』裏



姫神「小萌先生は。泣きやんだかな」

ステ「結局三十分ぐらい泣いてたな……ちょっとやり過ぎたか」

姫神「そんなことない。最高のうれし泣き」

ステ「なら、いいんだが」



ステ「それでなんだい、二人で話とは? ……あまりその、アレすると、最大主教が」

姫神「ふふ。大丈夫。すぐ終わる話だから。心配しないで」

ステ「っ、エッヘン!」

姫神「ふふふふふ」

ステ「さっさと始めてくれ!」





姫神「……小萌先生は。私の知る限り最高の先生」

ステ「奇遇だね。僕もそう思う」

姫神「だけど。私の記憶にもう一人。忘れられない『先生』がいるの」

ステ「………………それは、まさか」

姫神「ん」コクリ







姫神「教えて。ステイル。あの人は。どうなったの?」








ステ「……なぜ、そんな事をいまさら?」

姫神「メールで聞けるような事じゃなかったから。いつか。会えたら聞こう。
   そう思ってるうちに。十年が過ぎてた」

ステ「…………」

姫神「私は。あの人の『協力者』だったから。なのにあの人は。どこかに消えて」




「…………私だけが。こうして平穏に暮らしてる」



「その事を思うと。どうしようもなく心が痛いの」



「ねえ。教えて? あの人は――」











「アウレオルス=イザードはどうなったの?」


















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午後三時 学園都市 とある場所


ステ「小萌も喜んでくれたようで良かったね」スタスタ

イン「むー」ヒョコヒョコ

ステ「……まだ怒ってるのかい」シュボ

イン「だって。百歩譲って二人で話してたのは良いとして、内容も秘密なんて」

ステ「じゃないとテーブルから離れた意味が無いだろう」プカー

イン「…………そういう話じゃないんだね?」

ステ「………………」



『魔術を失い、記憶を失い、崩れ去った自らの「目的」さえ失った。
 その後の消息に関しては僕も一切関知していない…………その生死さえも』

『………………そう』

『仮に君がヤツを見たところで、風貌はすっかり変わり果てている。
 唯一ヤツの「顔」を知る僕でさえ、いま会って判別できるかと聞かれれば…………』

『あんなに一途に。あの子を想ってた。あの人が』

『………………それこそ、いまさらだ。詮無き事だよ』



ステ「……ああ。違うとも」





ステ「そんなことより、秋沙と言えば!」

イン(誤魔化したんだよ)

ステ「君は彼女と、ロンドンでも電話をしていたんだろう?」

イン「もちろんなのです。友達だもん」

ステ「…………ならばなぜ、秋沙の口調は君にうつってないんだ?
   小萌のそれはあっという間にコピー完了だと言うのに」



イン「……あ、あれ? ホントだ」

ステ「…………考えるだけ無駄か。そもそもメカニズムからして謎なんだから」ハァ



イン「なんでなのですわー?」

ステ「…………………………はあぁぁぁ」ヤレヤレ



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IN

みんなの先生 ←New!


NOT IN

吸血殺し ←Why?


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姫神「なんでって? それは。私が聞きたい。ふふふ」





姫神「…………不幸…………はぁ」





続くのですよー




665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/06/17(金) 22:03:47.28 ID:/Vp1EQir0
乙ー

重箱の隅をつつくようで申し訳ないが、ステイルと結標って名前はともかく面識はあるよね?
ステイルアレイスターのとこ行ったことあるし

667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage saga]:2011/06/17(金) 22:28:32.61 ID:QOK/rjyn0
乙ー

>>665
禁書8巻158Pに書いてある事やね。

まぁ、今のところ作中一回しかステイルはアレイスターに会ってないので、
結標にも一回しか会ってないから覚えてなくても問題は無いんじゃないか?
2巻時に会話という会話をしたとも思えないから印象薄いだろうし。
10年で二人共、それなりに風貌も変わってるだろうしね。

671 :>>1 ◆weh0ormOQI [saga]:2011/06/18(土) 14:36:16.48 ID:7wMadqJ00


どうも、重箱の隅つっつきが快感になった>>1ですもっとやってください
前回はちょっとミス多かったなぁ……


>>665
>>667の方の解釈で正解……ではなく素で>>1が忘れてましたメンゴナサイ


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最終更新:2011年06月18日 22:04
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