佐天「…アイテム?」31


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あらすじ

ステファニーとフレンダ、そして砂皿の三人は脅威を排除しつつ、学園都市と日本国の出入国ゲートに向かって行く。
一方、第三学区の立体駐車場に取り残されたアイテムのメンバーの元には抹殺命令を受けた一方通行が立ちはだかっていた。




――第三学区 出入国ゲート付近


「各自持場に就いたまま聞け」


数多の無線が第三学区で警備行動についている隊員達の耳に行き届く。
彼ら―猟犬部隊の隊員とMAR、残っているモンスーンに所属している二人の妹達―は数多の無線に耳を傾ける。


「つい先ほど入った連絡だぁ。モンスーンの二人がやられちまった様だ」


「ケド、驚くことはねぇ。これで三人の目的が明らかになった。第三学区の出入国ゲートに向かってる」


「今第三学区の出入国ゲートに待機してるのは…俺と猟犬部隊の隊員数名、MARの隊員数名とモンスーンの二人だ」


「今更警備範囲の再検討をしてる場合じゃねぇ。それは混乱を生むだけだ。なんで、各自その場を全力で死抜きで守れ。まぁ、死んでもらってもかまわねぇけど」


「とにかくだぁ、三人を学園都市から出すな。出したら今後、世界に対して数十年の技術先行で優位性を保ってきた学園都市の危機になりかねない」


「だぁかぁら、絶対にこの三人を出すな」


数多は命令に対する返答を待たずして無線を切る。
そして再び第三学区の出入国ゲートの付近に停まっている車輌群の警備を猟犬部隊の隊員に任せ、彼は大型トラックの無線車の中の椅子に腰を下ろす。



(早く来いよ、三人組…!)



数多がそう思った矢先だった。
外の出入国ゲートから大きな音が聞こえた。



(あぁ?何だ?事故か?)


数多が大型無線車のドアをガチャリと開ける。
薄暮で一瞬、数多の視界が歪む。


よく見てみると、運転の下手な車が前の車の後方からぶつかってしまっている様だった。


(ったく、トラックのドライバーなにぶつかってんだよ…この非常事態によぉ)


そう思った数多は付近にいた猟犬部隊の隊員二人に対応させるように命令する。
隊員達は頷くと後方からぶつかったトラックのドライバーに話しかける。



「すいません…ちょっと身分証を提示して頂いてよろしいでしょうか?」


「あ、あぁ」


後方からぶつかったトラックの運転手は事故を起こしたせいで非常に緊張していた。
運転席の窓から半身を出している男は助手席側にあるダッシュボードをあける素振りをしている。


(あの黒縁眼鏡…まさか、砂皿の野郎か…?)


引っ越し業者のトラック。途中で強奪したならば日用品や生活用品も詰んである可能性が高い。
その中にたまたま黒縁眼鏡が入っていたのだろう。


ヤバイ。ダッシュボードから出そうとしてるのは財布でも免許証でもない!!
数多は猟犬部隊の隊員達に声をかけようとするが遅かった。



ダッシュボードからずいっと出されたのは黒い硬質な塊。拳銃だった。
グロック26拳銃。コンパクトなデザインで洗練されたそれは砂皿の手に握られている。


「免許証はないんだ」


そう言うと砂皿はためらいもなく引き金を引いた。


ダン!ダン!


二発の銃弾が猟犬部隊の頭部にめりこみ、鮮やかな血飛沫を上げた直後に螺旋状にループした弾丸に絡まった脳髄が派手にはじけ飛ぶ。
まるで果物をたたき割ったような状態になった二人の猟犬部隊の隊員達の頭。


つい先ほどまで理路整然と行われていた出入国ゲートが一転して地獄の様な惨状を醸し出していた。
一般車両の人達は目の前でおきた惨劇に慌てふためき、当たりは阿鼻叫喚の様相を呈し始めていた。


「おーおー、派手な登場だねぇ、砂皿ちゃん☆」


数多は好敵手現れたり、と言わんばかりにつぶやく。


「オイオイ、お前一人かよ。囮か?可哀想に」


「あいにく俺は脱出するつもりはないんでな。彼女達は平穏を求めた、俺には…平穏は要らない」


「かっこつけんなってクソ野郎が」


砂皿は「ふん」と鼻で笑うと運転席の窓を閉める。
そこで後方にいる車両にお構いなくバックギヤを入れる。

ギャギャギャ!!!とトラックが悲鳴を上げると無謀にも何人かの猟犬部隊の隊員が止めようとやってくるがそれらは砂皿の射撃の的にしかならなかった。



「ったくぅ、てめぇらバカかよ。いつ俺が、止めろなんていったぁ?」


数多はそう言うと無線トラックからスティンガーミサイルを取り出すとカチャリと構える。


「俺がぶっ壊してやるぜぇ?」
(女二人がどこにいったかわからねぇが…取り敢えずあの車ぶっ壊すか)


元々は対空ミサイルとして開発されたスティンガーを対戦車仕様にカスタムしたモデル。
まだ周囲には逃げている人が居るにもかかわらず数多は引き金を躊躇無く引いた。


バシュン!


と発射音が周囲にとどろく。数多はロケット砲ほどではないにしろ強烈な後方墳者煙に耐える。


ドォン!


トラックの至近で炸裂したロケットは派手に弾ける。
燃えさかる車輌群の中からずいっと砂皿が出てきた。


「またお前か」


「そりゃこっちのセリフ」


今日一日だけで二度目の邂逅。
お互いの戦い方は熟知している。


「おまえらぁ。こいつは俺の得物だからなぁ。手を出すな!!」



数多はそう言うと先ほど戦った様に、ポケットから炭素繊維で編み上げられた手袋を嵌める。


「そんなに肉弾戦が好きか…」


「いやぁ?別に何でも良いんだぜ?寧ろ俺はお前にチャンスを与えてるんだぜ?銃器を使ったら、付近にいる猟犬部隊や他の支援部隊がお前をソッコウでただの肉の塊にしちまう」


「……」


こないなら、こっちから行くぜ!?数多はドン!っと一気に重心を前のめりにして砂皿に飛びかかってくる。
砂皿はそれを避けることをしないで一気に前に進んでいく。


猟犬部隊の隊員達が「木原隊長!!」と吠える。
数多はそれに答えるかのようににやっと笑うとぐっと腕を組む。


「平穏は要らないって?砂皿ぁ!!嘘つくんじゃねぇよ!お前や俺みたいのは戦いの中に平穏を見いだしてんじゃねぇか!!」


「ほう。それが、平穏か……面白い考えだ」


グググ…!
二人の指がどんどん真っ青になっていく。
握力はほぼ同じ。砂皿が来ている半袖からのび出ている太い血管が露わになっていく。


砂皿の右足からブォン!と蹴りが繰り出される。
片足で器用にバランスを取っている砂皿から繰り出されるキックはそのまま数多の首を刈り取ろうとしている。


数多は砂皿の蹴りに合わせてそちらに首を振る。
蹴りのエネルギーが完全になる前に数多が先手を封じたのだ。
鈍い音とは対照的に、数多の首に当たった蹴りはさして効果がなかった。



「チッ」


砂皿は軽く舌打ちをする。
まさか蹴足が命中する前に先に自分から合わせてくるとは予想外だった。
蹴りで片足になった砂皿の不安定な体勢を数多は見逃さなかった。



グアッ!と飛び立った数多は砂皿と組み合った状態のまま一気に空に上がる。
一メートルほど飛び、その場でとっさに体育座りのようにくるまった体勢に移行する。
この時に警戒して手をほどいた砂皿は防御の姿勢を取る。


(来る…!)


ぐっと腹部に力を入れる砂皿。どこに来る?顔か?首か?腹か?
一瞬の思考の逡巡の内にボッ!っと数多の両脚がまるでカタパルトの様な勢いで砂皿の顔に迫ってくる!


とっさに両手を顔の付近に構える。
腕の辺りに数多の蹴りが炸裂し、砂皿の手は冗談ではなく、ビリビリとしびれる感覚を覚えた。



(なんていう力だ…!)


砂皿は踏ん張るが、それでも数多の剛力から繰り出される蹴り足によろめいた。



(コイツ…つい数時間前に俺が気絶させた奴と同じ人間とは思えん……!!)


しかし、ここで諦めるわけにはいかない。
出入国ゲートはもう目の前だ。


「オイオイ、砂皿クン~?俺はさっき気絶させられて起きたとき、ドタマぁかち割れそうなくらい腹立ったんだわ…!ホラ、さっさと来いよぉ?」

砂皿は言われなくとも!と強く答える。
そして再び数多の間合いに飛び込んでいく。



(フレンダ、ステファニー、あいつらはちゃんと俺の言った通りに行動しているか?)


出入国ゲートの前で降ろした二人は今頃は周囲の猟犬部隊の掃討を行ってるはずだ。
砂皿は脳裏に二人の姉妹の姿を思い浮かべ、戦いの世界に没入していく。



――第三学区 立体駐車場


「どォも、どォも、アイテム抹殺命令を受けてやってまいりましたァ…」


「てっ、てめぇは…!」


「あン?誰だ?テメェ…?ってか誰に口聞いてンだ?麦野さンンンン?」


一方通行はへらへらと笑いながらゆっくりアイテムの方に歩み寄ってきた。
その姿を見て学園都市第四位を誇る麦野ですら、なにも出来なかった。


「…オイ、どうすればいいんだよ…!?」
(何で第一位がこんな所に来るんだ?)


浜面は立ち尽くしたまま誰に話しかけるわけでもなくつぶやく。



「第一位?何故あなたがここに?」


「いいぜェ?冥土の土産に教えてやるよ」


一方通行は立ち尽くしている絹旗達にアイテムから脱走者を生み出した事実を教えた。
脱走者。それは言わずともわかった。


「フレンダが、脱走したって事ですか……そうですか」


絹旗は一方通行の口から聞かされた事をうんうん、と頷き理解する。



(なるほど、フレンダが超大脱走したって事ですか…で、脱走者を出したアイテムに制裁を加えるために第一位がここに来た…)


「超浜面と麦野と滝壺さんを連れて早く避難して下さい」


「ひっ、避難ってどこに行けばいいんだ?っていうか、絹旗!おまえは!?」


「私のことはどうでもいいので、とにかくどこでもいーから早く逃げて下さいッ!」


浜面の声は絹旗の怒声に掻き消される。「お、おう!」と上擦った声をあげて浜面は車に乗り込む。
絹旗は「滝壺さん!」と呼び掛ける。その呼び声に滝壺は振り向く。


「体晶、貸してください!」


「え?……きぬはた。どーゆー事?」


滝壺は絹旗の発言を聞き返す。絹旗はたしかに言った。「体晶」と。


「私の能力は目の前にいるあの男の思考回路や演算体系を埋め込まれたもの、体晶を使えば、もしかしたら……可能性を見いだせるかもしれません」


可能性。
はたしてそれが絹旗の一方通行にたいする勝利を収める事が出来る可能性か。
或いは滝壺達が脱出出来るまでの可能性か。

それはわからない。
とにかく、絹旗は一方通行に視線を合わせたまま、滝壺に体晶を出すように促す。


「できないよ。きぬはた。あれには適性があるかどうかで決まるから、今、絹旗に体晶を渡す事はできない。むしろ適正があっても渡すことは出来ないよ!」


「そんな悠長な事を超言ってる場合ですかッ!?滝壺さんっ!」



絹旗はそういうと、「滝壺さん、すいませんっ!」と一礼すると滝壺のお腹を殴る。
怯んだ滝壺のポケットを彼女がまさぐっていく。するとポケットの中にシャープペンの芯入れほどの大きさのケースを見つけた。
絹旗はそれをぐっと握る。


「…な、…んで?きぬはた」


「気の迷いですよ、今日初めて本格的に戦った学園都市第二位には歯が立ちませんでした。それは能力を理解してないからです。でも、目の前にいる男は違う」


絹旗はそういうと、滝壺に浜面がピッキングした車に乗り込むように指示する。
観念した滝壺はよろめいた足で車に向かっていった。


「き、ぬはた。死なないでね…」


「なぁに言ってるんですか?滝壺さん!気の迷い位で死ぬ訳にはいきませんよ?明日も映画見に行く予定が控えてるんです!ほらっ、行った!」


滝壺は頷くと浜面が運転する車に乗り込む。
彼らの車が絹旗の横を通り過ぎる。


真っ赤に光った車のテールランプを見つめ、
絹旗は安堵の息を漏らす。


「ふぅ、これで一先ず安心です」


「安心ー?お前の身の安全が確保されてませンけどォ?」


小ばかにしたような口調で絹旗に話しかける一方通行。悪意で顔をゆがめた彼は「じゃ、そろそろいくぜ?」と絹旗に向けて言い放つと一気に距離を詰めていく。
絹旗はその姿を見て、シャープペンのようなケースから白い粉をトントンと手の甲に落とす。


(これを舐めれば良いんですよね?)



絹旗は手の甲に落ちた体晶の粉を恐る恐る舐める。瞬間、絹旗の頭に激痛が走る。


(カッ……は!な、ななな、なんて、なんてい、痛みですか?)


「ははァ、なるほどねェ。一時的に能力を誘発させようってかァ?」


「わ、私とあ、なたの能力はよく似ています…!体晶を使えば一時的にあな、あー、あなたと同じ、いや、防護性にと、特化……!」


あまりの激痛に絹旗は頭を両手で抱える。
一方通行は攻撃をする事なく、苦痛に悶えている絹旗をヘラヘラ笑いながら見つめている。
彼は笑いつつも目の前にいる絹旗を冷静に分析していた。


(…コイツは、恐らく俺の演算体系を思考に組み込ンでいる。なら、一時的にしろ反射しあう。反射攻撃をすればそれが帰ってくる)


一方通行は暗闇の五月計画と呼ばれた学園都市の計画を思い出す。
学園都市に体よく捨てられた子供の内の何人かに一方通行の演算体型を移植したというおぞましい計画。


(元々、コイツの適正は窒素。木原くンのバンクにはそう書いてあった。体晶で一時的に俺と同等になろうってか?)



同等。それは一方通行の最も嫌うモノ。



(待て。俺より強い奴はいねェ。そォゆゥ陳腐な、俺と並ぼうって考えるのもばからしくなる位、俺は誰よりも強くなきゃいけねェ……!)


目の前の苦しんでる少女をさっさと消さねば。
彼女は自分と同じ立ち位置に立とうとしているのではないか。



(今日の第二位との喧嘩、それに、あン時の、俺を殴った三下の野郎もそォだ…皆、俺に戦いを挑ンで来やがった……)


第二位は潰した。ケド、三下は?
絶対能力進化計画を頓挫させたあの無能力者の男。


認めたくはないが一方通行は完敗した。今回目の前に立っている絹旗とか言う女は?


(気に食わねェなァ…、この女…)


一方通行の本能が告げていた。
さっさと破壊しろ、と。



(前に戦いを挑んできた三下相手には油断して敗北した。……今回は油断ならねェ…)


一方通行は前々回、即ち彼が敗北したときの戦いを思い返し、気を引き締める。
自分がもう二度と敗北しないために。しかし、その思考が一方通行の足かせになってしまうのだが。


絹旗は片耳から血を出しており、顔は青ざめている。
しかし、先程迄苦しんでいたような雰囲気は彼女からは感じられず、むしろ、すっくと立ち上がる。


一方通行から見て、顔色と耳からの出血以外は取り立てて異常を感じられなかった。
ただ、彼の気に障ったのが彼女の口調だった。


「いきますよ?第一位?覚悟は出来てますかァ?」



「クカカカ…どォぞどォぞ…てめェの手がこの俺に触れることが出来たら、それだけで褒めてやンよ?」
(コイツ…口調が変わった…?)



一方通行は喋りながら、何かうぜェ、そう思った。
しかし、その先の思考が突如として中断される。絹旗の攻撃を受けたから。


絹旗は地を這うようにして一方通行に飛び掛かると、目の前で飛び上がる。
窒素を繊細に操った彼女は一気に重力ベクトルを下方に調整する。


そして、ギロチンの勢いで華奢な脚を一方通行の大腿骨の辺りに振り下ろす――!。


「あぶねェなァ、いきなり」


「――――――チッ」


絹旗は小さく舌打ちすると、一方通行の会話に反応する事はなく、再び攻撃を続行する。


「一つ試してみますね?」


絹旗はそういうと一方通行の間合いに移動する。
そしてそのまま一方通行を殴ろうとした。


「おいおい!真っ向からですかァ?効きませんよォ?」



「まァ、みてて下さいよ」
(思いつきですけどうまくいきますかねェ?)


絹旗のかほそい腕から繰り出されるパンチ。
彼女の形成している窒素の膜に一方通行の反射が影響しているぎりぎりの範囲。
すなわち一方通行の体に接触するかいなか。その瞬間に絹旗が自分の繰り出した拳を引いた。



ドゴン!


絹旗が拳を引いた直後、鈍い音が一方通行から聞こえた。


「いってェなァ…」
(一体どォゆー理論だ?何で反射をデフォで設定している俺の事を殴れるンだ?)


「き、効いたようですね…!?窒素ぱンちってトコですかね?」


一方通行に触れる直前に引くパンチ。
彼の反射に反応するかいなかで引けば反射が逆方向に作用するという理論。
理論と言うよりも寧ろ、子供じみた考えだったが、絹旗はそれを即座に行動に移した。


常識的な戦法では一方通行には勝てない。
そう考えた彼女の窮余の打開策が直前に拳を引く、という超々繊細な動作だったが、それは


「絹旗、とか言ったか?クカカ…褒めてやるよ。よく触れられたなァ…この俺に」
(まさか…窒素と俺の反射の膜が触れる空間を見切って、拳を引いている?)


「どうしたンですか?まさか、体晶使って超強くなったこの私に勝てない、とか思ったりしてませンか?」


「だー。うっせェ。今、どうてめェを料理してるか考えてるンだよ。後、その口調辞めろ、殺意が湧く」
(元々窒素の使い手ならそれくらい容易い。体晶を使って一時的にその感覚が鋭敏になってもおかしくねェ)


一方通行は推論に過ぎないが、絹旗が自分に触れることが出来た理論を推測する。
それは恐ろしく幼稚な理論だったが、触れるにはそれしか方法がない。


どうすれば絹旗から攻撃を受けずに済むか。一方通行は考えた。



(攻撃か?やっぱり。ってか、それしかねェよなァ?)


にやぁと笑うと一方通行は一気に絹旗の間合いに飛び込む。
それは絹旗が身構えるよりも早く彼女の間合いに侵入してきた。


「は、早い…!」


「残念でしたァ」


一方通行はまんまと絹旗の間合いに潜入するとそのままとんと指を触れようとする。
しかし、絹旗は窒素薄い膜に触れた瞬間にさっと防御態勢を取るのでうまく攻撃が出来ない。


「ったく、さっさと殺させろよ?楽だぜェ?」


「あいにくですが、超お断りします!」


べっと絹旗は舌を出す。
顔色は相変わらず悪い。それでもなお交戦を続ける。


絹旗は正直今にもぶっ倒れそうな位だったが、彼女は思った。
第一位とも渡り合えるんだ、と。そしてあわよくば、本当にあわよくば、勝てるんではないか、と。


絹旗は手の甲に更に体晶の白い粉をかける。
そしてそれをぺろりと舐める。再び絹旗の頭に激痛が走る。


「いき…、ギ、…あ、ます、よ!」


「来い、薬中女ァ」
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