佐天「…アイテム?」12


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今までのあらすじ

Sプロセッサ社におけるアイテムVS美琴の戦いは終わり、それぞれの生活空間に帰っていく。
休戦のひとときを皆それぞれ過ごす。

電話の女:佐天
浜面と麦野は付き合い始めました、アイテムはこの事を知りません。
滝壺は浜面が好き。
フレンダは生き別れた姉がいます。






フレンダの唯一の身内と言うだけではない。大好きな姉だ。
この腐った街で短い人生の旅路を終わらせるつもりは彼女は毛頭ない。
いかなる手段を使おうがフレンダは姉にあおうとする決意をひそかに強くする。


しかし、どうすれば姉に会えると言うのだ。
どだい、どこにいるのかもわからない。
しかし、フレンダはある人物を思いつく。

(…!あ、そっか…あいつに掛け合ってみれば…探してくれるかも…!)


(電話の女なら…教えてくれる…かも?なんだかんだでバンクにアクセスできる権限とかもってそうだし…)

電話の女、その正体は判然としない。しかしかなりの有力人物なのではないだろうか。
フレンダはあくまで希望的観測に過ぎないこの推論を都合がよすぎね、結局、と考え苦笑し頭の中から排除する。


ぼんやりとソファによっかかりながら姉の行方をフレンダは考える。
しかし、その思考は不意に覗き込んだ滝壺の無垢な表情で立ち消えになる。


「ど、どうしたの?滝壺」


「フレンダこそ。ぼーっとしてて何考えてたの?」


「あはは…いや…結局…どうでもいいくだらないことって訳よ」


「お姉ちゃんの事?」


「は?」


滝壺の質問にフレンダは動揺する。
彼女の風呂での独り言はどうやら滝壺の耳に届いていたようだ。


「…ま、そんなところかな」


「いるんだ、お姉ちゃん」


「…うん、まぁね…私以上にテンション高い人だったけど…一体何してるんだか」


フレンダは「ははは」と笑ってごまかして話を終わらせようとするが滝壺は真剣なまなざしでフレンダを見つめている。


「どこにいるかわからないの?」


「…うん」


「なんかごめん…失礼なこと聞いちゃったかな?」


「あ、良いよ!気にしてないから…!ははは…」


フレンダはソファで隣に座っている滝壺を見る。
ちょっとションボリしている様に見える。
そこまでおち込む必要はないのに、とフレンダは思ったが反面、親身に気にしてれてちょっと嬉しかった。


そして、そんな滝壺が姉の様に見えた。
かつての姉の温かいぬくもりを古い記憶の断片から思い出させてくれそうな気がした。



「ねぇ…滝壺、アイテム辞めたいって思ったことある?」


「…いきなりどうしたの?」


「いや…あはは…暗部で長いこと戦ってると、いつ死ぬとも知れないじゃない?」


フレンダは今回の施設防衛戦では使用したアキュラシー・インターナショナルAWSをちらと見る。
あの弾丸で何人の敵…いや、何人の人を殺しただろうか。


暗部にはいったころは殺害した人数を地中海戦線のドイツ軍の88よろしく、銃身にペイントしていたが、途中で馬鹿らしくなり辞めた。
その銃身はどこかに捨てた。


戦功を誇る事よりも一回の戦闘に生きて帰ってくることの方が偉大な事だと思ったから。
生き抜くために他者の人生を奪うという最低な行為をしている事はわかっている。

私が行くのは地獄って訳よ、と自分の心に彼女は語りかける。
それでもわがままで傲慢だと言われるかもしれないが、彼女は自分の命が何より惜しかった。



「自分が沢山の人の人生奪っといて言うのもなんだけどさ…結局私は命が惜しいって訳よ」


「姉に会いたいっていう願望がある。殺されていった人にも、もしかしたらそういった願望はあったかもね…」


フレンダは自嘲気味につぶやき、天井を見上げる。


「私は人の人生奪って、それで生かされている。それだけで飽き足らずに、自分の幸せを追求しようとしてる…」


「罰があたっちゃうんじゃないかって思う訳よ…快楽殺人者がここまでのうのうと暮らせるわけがない、いつか体真っ二つとかにされちゃうんじゃないの私?…はは」


フレンダは自分が姉に会いたいと思う願望をかなえようと思っている事がいつか神にばれて罰が当たるのではないか、と笑って言う。


フレンダは自分が殺人者であると認めている。
そしてそれが決して許される行為ではないとも自覚している。


彼女は現に人を殺す時に快楽を感じる性質(たち)だ。
そんな彼女が幸せを追求する事を神は…いや、人は許すのだろうか。


「それは私も一緒だよ…死ぬのは…恐いけど…でも、生きるためには…戦わなきゃ。アイテムの為に…」


「…自分の為にも…ちゃんと戦わなきゃだよ滝壺。体晶使ったのは今日で二度目だけど…あれはどう見ても滝壺の体に悪いって思う訳よ!」


フレンダは滝壺の発言に首をかしげる。
『アイテムの為に』という彼女の言葉にフレンダは「何でそこまで?」と尋ねる。


滝壺は「私の居場所…ここしかないから…」と穏やかだが語調は強くはっきりとフレンダに告げる。


「…そっか…私もアイテムしかないかなぁ…それとも、もしかしたら、どこにもないかも知れない…結局…迷子って訳よ…」


「お姉ちゃんがいるんじゃないの?」



「もう連絡先とかもわからないし…ははは…」


「さっきから…なんかごめん…フレンダ」

フレンダは「いいって訳よ」と滝壺の方を叩き、思う。
自分は本当にアイテムに根をおろしているのかと…。
フレンダは滝壺と違って、自分の居場所がアイテムにあるとは考えにくかった。
その懐疑の心は彼女の平凡さからくるものだろう。


銃器の扱いに長けてるとは言え、所詮能力者には太刀打ちできない、しかもこんな無能力者の代わりなんてごまんといる。
そう彼女は思っている。


本当はアイテムという組織を維持していくうえでも重要な盛り上げ役としての地位を確保しているフレンダだが、彼女はそんな事知る由もない。


「とにかく、アイテムでこのまま身を擦り減らして死ぬなんてまっぴら御免だって事よ…結局」


フレンダは「はぁ」とため息をつきながら自嘲気味に嗤う。
滝壺はじっとフレンダの事を見ている。


「滝壺も…いつか他に居場所が出来ると良いね」


「…うん、フレンダもね」


学園都市の暗部という常人からは可視化できない夕闇でもがく二人の少女。
それぞれの運命は一体どうなるのだろうか。


「そろそろ寝ようか」


「そうね、ちょっと疲れちゃったし…ふぁー…あ」


気付けば時刻は二時。常盤台の超電磁砲との激闘の疲れからかいつのまにか睡魔が体を支配し始めていた。
ソファでうつらうつらし始めたフレンダと滝壺はそれぞれベッドに入る。

寝室につくと滝壺が遠隔操作のリモコンで部屋の電気を消す。


「お休み、フレンダ」


「あ…ちょっと…滝壺」



「ん?何?フレンダ」


「…一緒に寝ていい?」
(お姉ちゃんのはなししたら…人肌が恋しくなっちゃったって訳よ…われながらガキね)


「…いいよ?」


もぞもぞとフレンダは自分のベッドから滝壺いるベッドに移動してくる。


「二人だとちょっと狭いね…けどあったかいね」


「ご、ごめん、滝壺いやだったら隣のベッドに戻るからさ…」


「別にいて良いよ」


「…じゃ…ごめん…」


謝りつつフレンダは滝壺のベッドにはいってくる。
滝壺はフレンダの方を向く。顔が一気に近くなるが暗くてあまり見えない。


「ねぇ…滝壺?」


「なに?フレンダ」


「あんたよくお母さんっぽいとか抱擁力あるとか言われない?」


「うーん…言われたことないなぁ」


「あ、そう…。ねぇ、滝壺…今日だけ…お姉ちゃんって呼んでいい?」


「…良いよ?…いろいろ思い出しちゃったのかな?フレンダ」


「うん…ちょっと…」


フレンダがまだ学園都市に来る前。
カナダにいる時の記憶とか、いろいろな事を滝壺との会話で思い出したフレンダは唐突に甘えたい衝動にかられた。
そしてその突飛な衝動にかられた発言を滝壺は否定することなく、快く受け入れてくれた。


「お姉ちゃん、大好き」


「…私はどうすればいいのかなフレンダ」


「…うーん…ちょっとわからないわ…ははは、ちょっと頭がおかしくなった人が隣にいるくらいで見てやって下さい」


フレンダはそういうと滝壺のお腹のあたりにうずくまる様にして縮こまる。
滝壺はその彼女の動作を見て、優しく肩をとんとんと叩いてやる。


「お休み…フレンダ」


「うん、お休み、ありがとう、滝壺…」


「今はお姉ちゃんだよ?」


「あ、そうだった…ありがとね、お姉ちゃん」


「うん」


程無くして二人はすやすやと寝息を立てて眠りについた。


――八月二十日

Sプロセッサ社の脳神経応用分析所での戦いが終わり、翌日。


御坂美琴は昨日の戦いの場に再び来ていた。
アイテムとかいう少女の集団と激闘を重ねて、体はへとへとだったが、つぶし損ねたデータがある。
それを破壊しに来たのだが、S社はつぶれていた。


(これで…計画を主導している会社はつぶれた…これでもう妹達は死ななくて済むのかしら?)


美琴はほっと一息つく。
完全に戦いが終わって訳ではない。
しかし、計画がとん挫したことは事実だった。


(どうなったんだろう…?これでひとまず…安心なのかしら…?)


完全に計画がとん挫したと決まった訳ではない。
けれど、ここで計画を中断させる楔を打ち込むことには成功した、と自分に言い聞かせる。


美琴は不意に昨日の戦闘中の憧憬を思い出す。
最初に戦った無能力者の白人、リーダー格だった女、そしてじっと開眼してこちらを見つめていた謎の女。
どいつも強敵ぞろいだった。


今後、計画が再開した場合、施設をつぶす際に直接出向いた場合、また遭遇する可能性がないとは言い切れない。


(あの白人…人の命をもてあそぶことに快感すら感じている様に見えたわ…)


美琴は昨日の戦いを思い出す。


『私に殺されるために生まれてきたんだって…』


相手の運命を支配した気になれるとか、正気の人間の言うことではない。
美琴は改めて昨日戦火を交えた集団に恐怖の念を抱いた。


(もっとあーゆー能力や特技を有効利用すれば良いのに…)


(ま、どーでもいっか…あんなやつら…でもあいつら…私と同い年くらいで計画に加担しているなんて…)


(いかなる形であれ…絶対にあの計画に加わっている奴らは許さない…人のDNAマップを勝手に使って…!)


(あいつらに指令を送ってるやつや…上層部の奴らも絶対に…いつか…絶対に…)


美琴はふつふつと浮かび上がってくるどす黒い感情を何とか制して落ち着かせる。
彼女は目の前にあるS社の施設を憎々しげに見つめると常盤台の学生寮に帰ろうとした時だった。


いつもの壊れた自動販売機のあたりを歩く。
八月も後半になっているのに、セミは絶賛求愛中。
みんみんうるさい。
その自動販売機のあたりにつんつん頭の少年が立っている。


「どうしたの?珍しいじゃない、あんたがこんな所にいるなんて」


「おう…ビリビリか…ってあれ?なんでまたビリビリが?」


美琴はツンツン頭の少年のセリフを聞いて不審に思った。


(ど、どうゆことよ?まだあの計画が続行してるってこと?)


とその時、不意に美琴を呼びかける声がかかる。
お姉様、と呼ぶのは彼女の知り合いでは白井ともう一人いる。美琴のクローンだ。


「…お姉様?ですか…?」


「は…ちょっと…何であなたが…?」


美琴の前にもう一人の美琴が現れる。
いや、正確に言えばそのクローン。妹達だ。


「私の名前は10031号です」


「10031…?ですって…?」


(まだ…続いているの?あの悪魔の様な計画が…)


ツンツン頭の少年は困惑していた。
なぜなら目の前に全く同じ格好をした少女が二人いるから。
「え?え?」と動揺しているツンツン頭の少年をしり目に美琴は9982から10031まで妹達の番号が繰り上がっている事に気付き、落胆した。
それは確かにあの狂った計画が依然進行していることを指示(さししめ)している。


(…学園都市はどこまで私を苦しめれば気が済むのよ…!)



しかし…美琴の懸念は長くは続かなかった…。
消化試合と称される戦闘の中で数人の妹達が9982号との戦いのあとに一方通行に殺されたが。



その事実を知ったツンツン頭の少年が一方通行を打ち倒したのであった。
これにより、計画は完全に頓挫したようだった。



しかし、この事で美琴の一方通行や、その計画を行っていた人物達に対する憎しみの感情が消えたわけでは、全く、ない。



ともあれ、いつも通りの笑顔を彼女は再び出来るようになった。
目の下につくった大きなくまはもうない。


屈託の無い笑顔。しかし、思い出せばふつふつと浮かび上がってくる、あの操車場での惨劇。
まだ、彼女が抱えている闇が根本的に解決した訳ではない。


今後、彼女の周りにあの正気の沙汰とは思えない計画の関係者が現れた場合、彼女は絶対に、いかなる弁解をしようとそいつらを許すことはないだろう。


――中国 北京

日本の四国程の面積を持つ北京市。
天安門から程近いマンションで静かな戦いが行われた。


キン、キン…

カラカラ…


転がる薬きょう、硝煙。床に広がるどす黒い血。
男と女が死体の身元を調べている。


「あーあー学園都市と取引していた華僑の抹殺って任務だったけど…なんだかんだでちょろいもんでしたねぇー」


「相手は武器も碌なものを持ってなかったからな。貴様の大きいショットガンを見てたまげていたぞ」



男はそういいながら女の持っている物を指さす。
フランキスパス12。大型ショットガンで機関銃の連射能力は持ち合わせていないが、数百、あるいは数千の弾丸を四散させる破壊力を持ち合わせている。
女は金髪で白人。男は身長180センチ程で日本人。金髪の女も日本語を話している。


「パーっとぶっ放す方がいいじゃないですかぁ。手っ取り早く終わることだし」


女は軽い調子で言い放つと華僑の男たちが持っていた書類を適当にパラパラとめくっている。
どうやら学園都市の技術を利用してひと儲け考えたいたようだったが、学園都市の統括理事会から依頼を受けた二人がそれを阻止した。


学園都市内の内訌問題ならば警備員や風紀委員とかいう組織が事態に当たるそうなのだが、いかんせん公に警察機関がないと言っている学園都市側にとっては
外部に漏れた情報を裁く組織がない状態になる。


なので学園都市はフリーの傭兵や非公式機関の暗部に海外に出張ってもらうこともあるそうだが、今回はその典型例のうちの一つだ。


中国の公安や武警(ウーチン)に学園都市の技術漏えいを目論んだ者の殺害を依頼すれば学園都市の技術が少なからずそうした外部機関の目に触れる事になる。
なので面倒だがこうしてわざわざ中国まで来ているのだそうだ。


「にしても沢山の書類がありますね…っちゃんとデジカメで重要書類は撮っておかないと…」


「そうだな」


そういうと二人はカシャカシャとデジカメで書類の束を撮影していく。
あまりに多い書類の束なので全て押収するのは不可能だった。


男はせっせと写真を撮っている女をちらと見る。
金髪で長髪のブロンド女。ともすればモデルと勘違いされてもおかしくない美女。
彼女はその目立ちすぎる容姿ゆえに、この仕事には不向きだと、再三伝えた。しかし、女は男の警告なんてお構いなしだった。


(我ながら…親切心で言ってやった積りなんだがな…全く…)


心中で男は一人ごちると再び写真の撮影に没入しようとする。


四菱…川石島播磨…河崎…常陸…日本の誇る重工業企業と学園都市との技術協力の報告書などの極秘ファイルがここにある事がおかしかった。


(やはり…風紀委員と警備員では防諜もままならないか…)


男は学生と教員で構成されている学園都市の警察力や防諜力に限界を感じ、日本の技術も失われていくのか?と今後の日本を考える。
しかしその男の思考は同行している女が書類とにらめっこしているのに気づき、話しかけた。


「どうした?何をしている?」


「これ…私の妹なんです…」


「妹?」


女は男に中国語で“項目”と書かれているファイルを男に見せ、その中の白人を指さす。
そこには女四人の顔写真が映っており、事項に行けば“学校”“集団”…といくつかの組織のリストが続いている事に男は気付く。
しかし、男は取りあえずは同僚の女がポツリとつぶやいた発言が気になっていた。


「オイ、貴様今まで妹がいると、俺に言った事があるか?」


女は「いや…」と言葉を濁す。

何やら言えない過去でもあるのだろうか?男はいつも能天気でハイテンションの女の真剣な表情を初めて見た気がした。


「妹か…まぁ、貴様に親族がいても俺にとってはどうでもいいことだがな…」男はそう言うとパラパラとページをめくる。


このファイルが学園都市の治安維持組織のリストである事は明白だった。
しかもそれらの組織は未成年とおもしき人物で大半が構成されている。


「あはは…そうですよね」


女はそういうともの惜し気にそのファイルの白人をじっと見つめている。



「もう…会ってなくて久しいのか?」


女は無言でコクンと頷く。
男は思った。この女に妹が居る事、それはどうでもいい。
…ただ、なぜ、その妹がこのファイルに乗っているのだ?


「私の妹は私を探しに学園都市にやってきたんです…私がちょうど学園都市の仕事に飽き飽きしてフリーの傭兵に転向する時に…」


「入れ替わりという訳か」


「はい…」


男は当たり障りのない言葉を選び、会話に応じていく。
金髪のこの女は以前学園都市で英語と歴史の講義を担当していたと以前、女本人から聞かされていた男は「ほう」と相槌を打つ。


「砂皿さん…妹に会いたい…一度コンタクトをとって見てもいいですかね?」


「貴様の好きにすればいいだろうが」



金髪の女に砂皿と呼ばれた男はだるそうに答える。
以前からこの女は仕事以外でも俺に意見を求める事が多かったな、とぼんやりと男は思いだしていた。


「…でも…ここのリストに載っているってことは…私の妹は…フレンダは…危険な世界に身を置いているんじゃ…?」


女は「ならおいそれと会えないかも…」と勝手に悲観している。
感情の起伏に富んだやつだ、と砂皿は内心吐き捨てると女に話かけた。


「このファイルに記録されている限りだと…何かしらの部隊に所属していたと判断するのが妥当だろうな…」


「ですよね…私の妹…自分で言うのもなんですが…私の事大好きで…それでついてきちゃったのかな…?」


「そして妹は入れ替わり立ち替わりで学園都市に来た。そしてステファニー、貴様が出て行った事を知らずに今でも下働きをしている…」


金髪の女、もといステファニーは学園都市の裕福な生活に飽き、世界の戦場を回ることを決意した。
妹はそんな事、つゆ知らずと言った感じで学園都市にわざわざ来て、姉を探しつつ、学園都市の闇にからめ捕られている…。
本来ならば実の妹が見つかって喜ぶところなのだが、学園都市の治安維持に従事している事が彼女を落胆させる大きな要因だった。


ともすれば命を落とすことになるやもしれない学園都市。
その危険さは以前その地で教鞭を握り、警備員として勤務した実績もあるステファニー自身が一番知悉している事だった。


学園都市には色んな能力者がいる。
治安維持に従事していればいつ命を落とすかわからない…。


「…砂皿さん…私、もう一回学園都市に行こうと思います」


「ほう。そうか」


砂皿は鷹揚に答えると再び重要書類の撮影を始める。
ステファニーは“項目”と書かれているファイルをぐいっとロスコの小さいショルダーバッグに詰め込んでいく。


「砂皿さん…協力してもらえますか…?」


砂皿はカメラを持ったままステファニーの方を向く。


と、その時

パァン!と砂皿のグロックG17が火を吹いた。
ステファニーの後ろに華僑の残党がいて、ステファニーに発砲しようとしていたのだ。


「お前が一人でいった所で命がいくつあっても足りないだろう…いくか……学園都市」


「は、はいっ!ありがとうございます!!」


二人の傭兵は学園都市に向かう。


(第一部 完)
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