過去ログ
あらすじ(若干のネタバレがあります)
一方通行は学園都市最強のロリコンというレッテルを貼られていたが、
実は彼、自分より年上の女が好きという性格であった。
女子大生くらい~80以上までというレベル5級のストライクゾーンを持つ彼は
偶然居合わせた御坂美琴と上条当麻と話し合い、誤解を解くに至った。
誤解を解いたは良いが、出会いが欲していた彼は『アイテム』と出会い、麦野沈利に惚れてしまった。
ニート状態から脱却するため学園都市最強の素性を隠し、めでたく下っ端雑用『ラビット』として暗部入りを果たす。
ちゃっかり美女4人と同棲を始め、時にぶつかりながら順調に仲間との絆を深めていった…
そんな中、愛する麦野の誕生日に『ピンセット』を守るという仕事が舞い込み…
一方「本番って俺はやった事もねェのを麦野さンに出来ンのか…?」
滝壺「大丈夫、私も…本番やったこと無い。…らびっとは本番を知らないの?」
一方(本番…つまり抱っこ…姫始めした状態から何かをするンだ……確か打ち止めが前に見てたドラマのシーンで
結婚式のバージンロードを姫始めで歩いてたなァ…)
一方(…つまり、本番ってのは結婚…ないしそれに直結する『儀式』に近ェハズ……となるとアレしかねェ)
一方「つまり…本番ってのは……く、口と口をくっつける事だなァ!?」
絹旗(ラビットって純情ですからキスという言葉を女の子の前で言えないっぽいですね)
滝壺「ううん、それは貝合わせ」
一方(…?平安時代の遊びに儀式性が帯びたモンなのかァ…?)
絹旗(……滝壺のその知識は何処で仕入れてくるんでしょうかね)
一方「チッ…キリがねェ…その本番ってのはお前らと出来ねェのか?」
絹旗(がはっ…!これは危ない!下手したら超セクハラ物に…!)
滝壺「それは駄目なの」
一方「あァ?なンでだよ…減るもンじゃねェンだろ?」
絹旗(コレは滝壺から見たら性欲が有り余ってる典型的思春期の男子ですよね)
滝壺「らびっと…それは自分の一番大切な人にしかやっちゃいけない事なんだよ」
一方「!!」
滝壺「そういう事をしたいって気持ちが強いのは悪い事じゃないけれど…それを私が最初にやっていいの?」
絹旗(…お、思った以上に滝壺が教育者でした…)
一方「…そりゃァ出来ねェよな。悪ィな滝壺。お前も大切な人だが…麦野さンを裏切れねェ」
絹旗「やっと素直になりましたね」
一方「…!ち、違ェよ!誕生日だから主賓に花を持たせてやるって意味でだ!」
滝壺「らびっと。そういう事を言っちゃ駄目だよ?麦野と一つになるんだから素直にならなきゃ」
一方「ひ、一つゥ!?」
滝壺「うん。合体って言うくらいだから」
一方「オイ!俺はエイリアンじゃねェンだぞォ!!」
絹旗(…これ以上は超カオスになってしまいそうなのでそろそろ収拾つけますか)
絹旗「滝壺…ちょっと外へ…」
滝壺「…?」
~~~~5分後~~~~~
絹旗「…」
滝壺「…」
一方「で、本番って何なンだァ…?」
滝壺「…ごめん、らびっと忘れて」
一方「ハァ?」
絹旗「あー…ちょっと勘違いしたというか何と言うか…」
一方「そォか」
滝壺「らびっと」
一方「?」
滝壺「抱いて」
絹旗「ぶふぉっ!」
一方「あァ良いぜ…丁度姫始めの練習してェと思ってたンだ」
絹旗(…こっちの誤解も解かなければいけませんね)
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
麦野「…さてと、随分暇なものね」
麦野「フレンダは巡回してるし…」
麦野「…」
麦野(今頃ラビット達は仲良くやってるのかしら)
麦野(…嫉妬かぁ)
麦野「…確かにラビットって妙な強かさがあるしなぁ…」
麦野「…」
麦野「(私が惚れた?)…ハハッまさかね」
麦野(なんかラビットって虐めて愉しいようなタイプとは違うのよねー)
麦野(…私はラビットに何を求めてるのかしらね)
麦野(能力が効かないのは…不思議と不愉快に思わないわね)
麦野(…何故か効かない事に納得してしまうっていうか…)
麦野「はぁ…殆ど病気ね。こんな日に侵入してきた馬鹿はぶち殺し確定ね」
麦野「……ふふっ、ラビットも心配性よね。私が危なくなるハズ無いっての」
麦野(…)
??「月が出てねぇな」
????「侵入するのは新月の方が良いって言うじゃない」
??「夜ですら明るい現代に何言ってんだよ」
????「まぁ光源が減るに越したことないんじゃない?」
??「まぁ俺が思ってるのは『月』が『ツキ』に転じて『ツキが無い』ってなる事だ」
????「…へぇ。あなたってそういうの気にするんだ。ロマンチストなのね」
??「そーでもねぇよ。月ってのは引力があるだろ?何かを引き付ける力が見えないってのは不安でな」
????「じゃあ今日はやめにして満月をねらう?」
??「いや、ツキが無ぇのは向こうだな。仕事は速い方が良いんだよ」
????(めんどくさい奴)
??「んじゃ、てめぇらは留守番だな」
????「本当にいいの?私が居なくて。相手はアイテム…原子崩しと能力追跡がいるのよ?」
??「ハッ…今回はてめぇが居ても足引っ張るだけだっつーの」
????「それじゃ、あなた一人でいいのね?」
??「いや、サポートとして2人ほど連れてくぜ」
????「じゃ、せいぜい『ツキ』に見放されないようにね」
??「ハッ、言ってくれるぜ」
フレンダ「…はー、いつ来るか解らない敵を待つってのも暇ねー」
フレンダ「あ、もしかしてこれって死亡フラグじゃない?」
フレンダ「…」
フレンダ「…まさか今回もレベル5級の侵入者とかじゃないわよね…」
フレンダ「拷問とかされたりしてー!ハハハ…」
フレンダ「…」
フレンダ「…一応コレは持っていこうっと」
フレンダ「それにしても暇ねー…」
フレンダ(…らびっと達は今頃コントやってるのかしらね)
フレンダ(とりあえず明日は絹旗と交代だからいいか)
フレンダ(あー明日が楽しみだなー…ってこれも死亡フラグか)
フレンダ(…麦野の誕生日どうすっかなー…)
フレンダ(…)
フレンダ(あれ?…私さっきから口に出す内容殆ど死亡フラグじゃね?)
フレンダ(…とりあえずモノローグ出さないようにしよう)
フレンダ(…)
一方「…よし、ここだ」パシ
絹旗「あー…また取られましたか」
滝壺「らびっとよく覚えてたね」
一方「神経衰弱なンて簡単だぜ?カード丸暗記で場所覚えるよりか絶対座標を作ってやって
カードの数字を座標数と組み合わせればなんて事ねェ」
滝壺(らびっと…すごい…)
絹旗(…)サッ
一方「そンじゃ…ここだァ!」パシパシッ
絹旗「…あれ?外しましたね。自信満々だったのに超ダサイですねー」ニヤニヤ
一方「…あァ?(どォいう事だァ?)」
絹旗「…じゃあここと、ここ」パシパシ
絹旗「おー取れました。…ラビット残念でしたね。さっきのは一つとなりでしたよ」
滝壺「らびっとのお陰で取れたね」
一方「テメェ…汚ェぞ」
絹旗「おやおや、言いがかりはよして欲しいですね。この世には優れた能力を持つ者とそれを利用する者とで成り立ってるんですよ」
一方(…相変わらず体も器も小せェな)
ジリリリリリリリリリリリリリリリリ........!!!!!!!!!!!!!!!
麦野「!」
フレンダ「キタ、キタ、キタァ~!」
絹旗「侵入者ですね」
一方「あァ?」
滝壺「…」
pipipipipi......
麦野『みんな聞いてる?侵入者があったと報告を受けたわ。フレンダは迎撃姿勢をとって。
絹旗、滝壺、ラビットは待機。アラートレベルは2を適用。侵入者は確認されてるだけで2人』
絹旗「わかりました」
麦野『私はここでピンセットの見張りを動けないから。フレンダ。やばくなったら信号を出しなさいよ』
フレンダ『はいはーい』
麦野『信号が出たら手ハズ通り滝壺を私の所まで連れて来るのよ。以上』
一方「…」
絹旗「2人ですか…随分無謀な輩ですね」
一方「…(何か引っかかるな…)」
一方「いや、無謀じゃねェ…むしろ自信だ。それに確認されてるだけで二人。もしかしたら波状攻撃の斥候かもしンねェ」
絹旗「…そこまで深く考える必要ありますか?」
一方「…あのピンセット…ありゃァ素粒子を掴める物だよなァ」
絹旗「ええ。そうですけど…それが?」
一方「普段の任務で守るブツは大抵学園都市や組織の機密に触れるモンだ…だがコイツはその事について事前説明が無ェ」
絹旗「…まあでも別に依頼を守るって事はいつも通りじゃないですか」
一方(いや、違ェ…暗部組織にすら抵触出来ねェ程の機密があるって事だ…あの大きさの箱の中に何が入ってるか知らねェ
或いは本当に素粒子を掴めるってだけのモンなのかも知れねェが…)
一方(…恐らくアレは学園都市の機密どころじゃねェ…この学園都市の闇すら届かねェ部分……根底から揺るがす物)
一方(…だとしたら)ガタッ
絹旗「…?どうしました?」
一方「花摘みに行って来ンぜ」カツカツカツ
絹旗「って…今も使ってるんですかその言葉…」
滝壺(…らびっと?)
一方(恐らくレベル5クラスの奴…首謀者かどォかは知らねェがソイツが来る可能性は高い)
??「そんじゃ、お前らここで留守番な」
男1「…垣根さん、本当に一人で大丈夫ですか?」
男2「あの原子崩しが居るんですよ?」
垣根「ハッ!原子崩しなんざ敵にすらならねぇよ。問題は能力追跡の方だ」
男2「能力追跡…ですか」
垣根「あぁ…この任務はピンセットの強奪が第一だが能力追跡の情報収集、場合によっては殺害も考えてるな」
男1「ですが能力追跡ってデータ上なら俺達レベル0の方がいいんじゃないですか?」
垣根「あぁ。お前達が原子崩しに食われる覚悟があるならいいぜ?」
男1「…」
男2「ピンセットってかなり大型ですよ。持ち帰るのは…」
垣根「ま、俺の能力で何とかなんだろ。つー訳でお前達は車番兼通信役だな」
男2「…わかりました」
垣根「んじゃ行ってくるぜ……さて、派手にやるかぁ!!」
『侵入者確認。D区画中破。アラートレベル3に引き上げます。第4~第7シャッター展開します』
麦野「区画ブロックは?」
『K区画です。G区画にて火災発生!』
麦野「なるほどね…みんな聞いた?」
絹旗「了解です」
フレンダ「じゃ私は西側で待機でいいの?」
麦野「…そうなるわね」
一方(いや…コイツは陽動だァ…大~超能力者の侵入にしては小規模過ぎンぜ…)
麦野(恐らく…侵入者は侵入すらしていない)
一方(警備の目を掻い潜っての破壊活動をするなら姿を消せる能力者だが…それなら陽動をやる意味はねェ)
麦野(となると砲台…?私を力で制するつもりか…或いは)
一方(麦野さンが居る事を承知で乗り込ンでるハズ…なら)
麦野(アレは囮…注意をひきつけといてピンセットを奪取するつもりなんでしょうけど…そうはいかない)
一方(連中は…麦野さンが直接ピンセットの近衛をやってる事は知らねェはずだ)
麦野(つまり…ぶち殺し確定ね)
一方(…いや、当然麦野さンの対策を取ってるンだ…考えようによっちゃァ麦野さンが一番危ねェ)
一方(俺が一番先に考えたのはピンセットが狙われる理由が説明されなかった事…
防御陣や篭城ってのは基本的にどンな敵にも備える為にあるが…敵の情報が有るに越した事はねェ)
一方(…敵の情報が有るか無ェかで篭城がどれ程辛ェか…この場合ピンセットの情報の如何によって
敵の情報が粗方察しがつく…だがそれが無かった)
一方「説明は無ェ…だが『説明が無ェ』事そのものが今回のヤバさを説明に他ならねェ…そォだよなァ?」
男1「…てめぇは研究員じゃねぇな?アイテムってのは確か女だらけだっつってたが」
一方「…ただの雑用だぜ…テメェこそ研究員じゃねェよな?」
男1「けっ…おおよ。俺もてめぇと同じ雑用さ」チャキッ
一方「…雑用っつーのは随分物騒な物持ち歩くンだなァ?オイ」
男1「まぁな。それにお守をするにはあやす道具が無いとだろ?」
一方「クカカッ!違ェ無ェな!…そンで『アレ』もてめェのオモチャか何かか?」
男1「質問に答えてもらうぞ…どうしてあの火災陣が陽動だってわかったんだ?」
一方「さァてね。俺ァちっと花を摘みに行ってる途中だったンだぜ。コソコソしてるテメェ等と違って自由に歩けンだよ」
男1「(花を摘む…?)ほー。それでわざわざ来客用トイレから離れた発電機前に来たのか」
一方(今ので解った事は、コイツが陽動の下手人…。『アレ』という不明確な指示語に火災陣と答えた事でコイツだと解る
更に発電機が見えない場所で発電機があるって言った事はかなり下準備をしてあンな…。
それに俺の『テメェ等』という言葉に対して反応しねェ…つゥ事は侵入者は複数居ンな…)
一方(道具を使う辺り能力は0か低レベル…或いは火力の無い補助タイプってトコか)
男1「たいした奴だぜ…雑用でもここまで頭がまわるとはなぁ」
一方「褒めて頂いてありがとよォ!…下っ端がやる事ァ下準備、陽動、その後やる事は逃走経路の確保だよなァ?」
男1「…てめぇ…何者だ?…何故発電機を使って持ち出す事を知っている」
一方(ククク…テメェが教えてくれンだよ。俺はただ『下っ端がやる事』としか言ってねェ。
事実、侵入で下っ端のやる事はその3つである事が多い…しかも俺は『逃げる』と言ったが、コイツは『持ち出す方法』だと
見事に勘違いした…結果コイツは俺に情報をやる事になった…俺が知ってると思ったからだ)
一方(それに発電機…確かここの非常用電力は専用バッテリーと専用風力発電機で賄ってる…だから)
一方「…風力発電の…風だろ?」
男1「チッ…そこまで知られてるなら仕方ねぇな。ここで死ね」
一方「おいおい…せいぜい答え合わせぐらいさせてくれねェか?…気球か何かを飛ばして風に乗せンだろ?」カチッ
男1「フフフ…惜しいな。てめぇみたいな小物にはそういう小さい発想しか出来ないんだよ。不正解だ」
一方「なるほどなァ…ンで、罰ゲームは?」
男1「鉛弾だ。死ね」パァン!
一方「あっそ」キィン
男1「!?うおあああっ!!!な、何だ!!?銃が暴発したぁ!??」
一方「あー…(反射した弾が偶然銃口に入ったのかァ)運が悪かったなァ?生憎、俺も物騒な物持ってンだわ」チャキッ
男1「ひぃっ!!」
一方「で?風力発電をどォするつもりだ」
男1「し、知らねぇ!!…俺は言われた通りにやれって言われただけだ!!」
一方「……ほぉ。愉しい拷問パーティになりそォだけどよ、こっちは急いでンだ。早めに吐けよォ?」
男1「……!!」
絹旗「…ラビット超遅いですね…まさか大の方でしょうか」
滝壺「…もしかして…種の方かも」
絹旗「種?」
滝壺「ううん、なんでもない。それにらびっとは足が不自由だから…」
絹旗「…まあ最悪迷ってるかもしれませんね。今頃風車のてっぺんにいたりして」
一方「おーいい眺めだなァおい!上空70mの眺めはどォですかァ!?」
男1「あああああああああああああ!!!!!!!!!」
一方「きィィいいいこえねえええええェェよおおおおォォォ!!!!ああああァァァ!?」
男1「もう…も……もう、し」
一方「オォ!もう一杯かァ!!春になりたて時期に風車の風に当たりながらの行水は最高だもンなァ!!」
男1「や、や”ゃめろぉおおお!!!!!」
一方「逆さに吊るされて水かけられる気分はどォよ!?濡れた皮膚に風が吹くと体感温度下がりまくって凍傷になっちまうかもなァ!?
男1「うぅ…う……」
一方「あァ?気絶すンじゃねェぞォ!!発電機のシャフトに放り込まれてェかァ!!?」バキッ
男1「がっ……ゴホッ…ほ、本当に…もう知らねぇんだよぉ……」
一方(…あァ、そォいえば情報を聞き出すンだったな。忘れてたぜ)
フレンダ「…おかしい。爆発の規模と発火タイミングに規則性がある…これは」
フレンダ「麦野ー!聞こえる?」
麦野『どうしたのよ』
フレンダ「これは陽動よ!爆発の発生が機械的すぎるわ」
麦野『ああ、知ってるけど?』
フレンダ「し、知ってるって…!」
麦野『それで?』
フレンダ「い、いや…じゃあ侵入者は別方向から来るんじゃないの!?」
麦野『いや…恐らく侵入すらしてないわね。外よ』
フレンダ「行かなくていいの?」
麦野『外にうろついてるねずみは必ず中に入ってくるわ。逃げ足の速いねずみを追うより、目当てのチーズの手前で叩き潰す』
フレンダ「…わかった。絹旗達は?」
麦野『…今はまだ滝壺をこちらには入れられない。私はもう策を張ってんの』
フレンダ「あー…最初入った時のアレね」
麦野『滝壺、絹旗、ラビット、聞こえる?』
絹旗『はいはいー』
麦野『3人とも移動して。渡したカードキーなら4レベルのドアまで開くからY区画を通ってT-38に待機』
絹旗『わかりました。ラビットが今外に出てるので戻って来次第行きます』
垣根「…なるほどね…入ってきたところを料理か…確かに袋のねずみになるかもな…」
垣根「甘ぇよ原子崩し。だからテメェは第四位なんだ。袋のねずみはてめぇらだ」
垣根「…さーてと。こちらは粗方すんだな。陽動に出てる奴には退避令出しとくか」
垣根「もう一人の方は…そろそろ発電機は制圧したよなぁ?」
垣根「垣根だ。そっちはあがっていいぞ」
男2『わかりました。車で待機してます』
垣根「おい、そっちの発電機は?」
??『えェ。順調です』
垣根「…おい、システムグリーンじゃねぇか。何やってんだ?」
??『あァ、すンませン。慣れてないもンで』
垣根「……てめぇ…誰だ」
??『カカカッ!そォだなァ…白兎とでも答えとくかァ』
垣根「…なるほど。テメェは俺をワンダーランドにでも連れてってくれでもすんのか」
??『あァ。テメェの死刑判決聞きに来るかァ?アリスちゃンよォ!』
垣根「悪ぃが俺にはティーパーティに行って卵男爵を持ち帰る予定なんだ。てめぇとのチェスに付き合う暇はねぇよ」
??『あァ、じゃあこっちの卵男爵は割れちまいそォだ』
カシュン
??『おー人間っつーのは血液の塊みたいでよォ!落とすと水風船割ったみてェだぜ?』ブツッ ツーツーツー
垣根「…誰だか知らねぇが…ウサギ野郎…てめぇのチェス勝負受けてやるぜ」
垣根「チッ…どぉすっかなー発電機」
垣根(それにしても使えねぇ奴だ。仕事を未遂でやられるなんてよ…)
垣根(…)
垣根(……しかし…あのウサギ野郎は誰だ?…声からして男、アイテムじゃねぇ…それに高いところから男1を落としたっつってたな)
垣根(…男1は発電機を見回りに行ってた…恐らく見つかって戦闘があったのは発電機周辺)
垣根(陽動は発電機に目を向かせないためでもあるが…ただ単に研究員かガードマンが居たって事か?)
垣根(いや…第三の組織とのニアミスっつーのも考えられる。恐らく能力者)
垣根(ここで高いところと言えば屋上……今から行って捕まえても良かったがそれはこの計画に狂いが生じるな)
垣根(…だがここの屋上は30m程度…奴は水風船のように割れたと言った。嘘じゃなきゃ落とした地点の高さと重力加速度を考えるともっと上…つまり)
垣根(奴は風力発電の風車上…70m近く上空に居た……それは風力発電の近くを調べて死体があるかどうかを調べればいい。
だが確認に向かわせたところで別の奴が網を張っていて捕まえられるだろうな…それにあの時聞こえた音は間違いなく人間が弾ける音)
垣根(…この行動で奴が俺にして来た事…まず能力者である事の示し。それも空間移動系か、それに優れた能力である可能性…場合によっては別の能力者が数人いる可能性もある)
垣根(そして躊躇無く人を殺せる…同じ暗部だろうな。拷問もしただろうからこの作戦の要が風力発電機にある事を掴んだはず)
垣根(…風力発電機を俺が直々に制圧しに行くか?……)
垣根(いや……作戦自体は風力発電無しでもいける…が、プランを動かして皆殺しにしてからでもいいだろうな)
垣根(ククク……俺の未元物質に常識は通用しねぇ…奴らが俺のしようとしてることは解らねぇハズだ。奴らが考えているのは精々常識の範囲内…)
垣根「その縄じゃ…俺を縛れねぇよ……さて、そんじゃ、そろそろやるか」
最終更新:2011年03月08日 18:15