美琴「うーん…」番外個体「ん?お姉様、悩み事?ヒーローさんを押し倒す算段でもしてんの?」美琴「そ、そんなこと……まだやらないわよ!」番外個体「へえぇ…『まだ』、なんだね?」ニヤニヤ美琴「いや、むしろ押し倒され…ってそうじゃなくて!」番外個体「おお、ナイスノリツッコミ!……で、結局何だったの?」美琴「いや、アイツへの用なんだけど、どういう用事か忘れちゃって…」番外個体「お姉様…まさかその若さでボケが進行…」美琴「違うっつーの!」美琴「うぅん…ホントになんだったっけ…」番外個体「家事の手伝い?買い出しとか風呂掃除とか」美琴「いやー、そういうのじゃないのよ…多分」番外個体「うーん…思い切って、デートの誘いとか?」美琴「さすがにそれは――――あっ」番外個体「思い出した?」美琴「………一端覧祭のこと、忘れてた」
上条「……暇だ」上条「平和なのはいいんだが……つっても世界中が平和ってワケじゃねーだろうけど」上条「まあ…さすがに運動しねーと体がなまっちまうな」上条「ならばいざ!腹筋で土御門並のマッスル度を手に入れるために!」美琴「……アンタ、なに一人で盛り上がってんの?」上条「うおっほぉ!御坂か!驚いたぜ…」美琴「いや、何そのリアクション……まあいいわ」美琴「えーと、その、お願いがあるのよね」上条「お、おう」(頬を染めながら上目づかい…だと?)
美琴(―――アレ?一端覧祭って学園都市でするのよね)美琴(でも、今私たちが戻ることはできない……)美琴(……なんだ、いつもと同じじゃない)美琴(自分ひとりで舞い上がって、結局空回り……)上条「……おーい、御坂」
美琴「え、な、なに?」上条「何って、話を切り出すかと思ったらいきなり俯いて動かなくなったら気になるだろ」美琴「そ、そうよね、ああ、お願いとか言ってたけど実は何でもなかったから、気にしないで」上条「……そうか」美琴「それじゃ、そういうこ―――」上条「じゃ、俺の頼みごとを聞いてくれるか?」美琴「え、あ…うん」上条「あー、えぇっとなぁ…」美琴「何よ、言いにくそうね?結構重大な話?」上条「うーん、えっと……ほら、俺って記憶喪失だろ?」美琴「……そう、ね」上条「だからさ、学園都市である行事とかもイマイチよくわかってねーんだよな」上条「つーわけで、一端覧祭で一緒に回ってください美琴センセー!」美琴「―――へ?」
上条「あ、やっぱダメか?そっちもそっちで忙しいんだろうし…」美琴「いや、一緒に回るのはいいけど、学園都市は……」上条「あー、そっちの心配か……まあ大丈夫だろ」美琴「そんな楽観的な…」上条「今までだってなんとかなったんだ、このくらいどうにもならないハズはねーよ」上条「―――それにさ、なんとなく、大丈夫だっていう確信があるんだ」美琴「そんなの…」上条「どんなに苦しい道でも、これだけ仲間が居るんだ―――大丈夫に決まってる」美琴「……そう、確かに、そうね」上条「でもお前、レベル5だから色んな所から引っ張りだこで忙しいとかねーの?」美琴「うーん、派閥に入ってる人たちは合同で何かするらしいけど、私はフリーだし…アンタは?」上条「俺も仕事は少なそうだな、なんかフラグの独り占めはダメだとかであんまり目立つことはやらないみてーだ」美琴「……フラグ、ね」上条「にしても俺がいつフラグ立てて……って痛い痛い!脛蹴るな脛!」美琴「うるさい!電撃じゃないだけマシだと思え!」垣根「周りからしたらただのカップルに見えないこともないんだよな」フィアンマ「ここのカップルたちは悉く女の方が強いんだが大丈夫か?」垣根「大丈夫だ、問題ねえ」
「……うん、もう退院しても大丈夫だね?」「いやー、結局その口調だと本当に大丈夫なのか不安な訳よ」「これはもうクセになってるから、どうにもならないんだけどね?……うん、迎えが来たようだよ?」「……超、久しぶり、ですね」「そうねー……って泣いてる!?これはなかなか貴重なワンシーンな訳よ!」「ち、超泣いてなんかいません!」「うーん、結局私のことをそんなに想ってくれてたなんてああもう!2番目に愛してる訳よ!」「なんというか……ウザいので放っておいていいですか?あちらは超切羽詰まっているんですが」「ええっ!結構ヤバ気な訳!?結局私がいなきゃ―――」「いや、それは超無いです」「ひ、ひどい訳よ……」「……まあ、病み上がりなんですから超無理しないでくださいね」「いーや、張り切っちゃう訳よ!今日はいつもより爆発させるんだから!」「……病院内ではお静かにね?」
上条「あー、ぬくい…」美琴「こたつさいこー……」上条「やっぱ冬はこたつだよなぁ…まあ、まだ11月の初めなんだけど」(※時期は原作22巻直後)美琴「雪国だからねー」上条「そうだなー」美琴(あー、コイツと一緒にこたつとか幸せ…いつもならすぐに邪魔が―――邪魔?)黒子→学園都市フラグ建築済みの女性→ここに居ないここに居る女性→他の男にフラグ美琴「……なるほど」上条「ん、何がだよ?」美琴「んー、なんでもない」上条「そーか…ミカン食うか?」美琴「食べるー」
上条「むけたぞ、ホラ、あーん」美琴「ふ、ふぇ!?」上条「ん?食べないんなら俺が食っちまうぞ?」美琴「た、食べる!」上条「んじゃ…ほい」美琴「ん…おいし」上条「そんじゃ俺も…」美琴「ま、待って!」上条「?」美琴「わ、私もしてあげるわよ!」上条「…へ?」美琴「ホラ、あ、あーん…」上条「お、おう…」はむっ美琴「あ、アンタ!今指も舐め…!」上条「ん、なんだ?」美琴「……なんでもない」上条「そっか…なあ」美琴「なに?」上条「お前って、こうしてるとけっこう可愛いよな」美琴「な、何言って…!っていつもは可愛くないの!?」上条「いやー、いつもはビリビリされて見る余裕が無いから…」美琴「う…悪かったわね!」・・・上条「…で、いつの間にか俺に寄りかかって寝てるし」美琴「すぅ…すぅ…」上条「…同じシャンプー使ってるハズなのに、なんでこんないい香りがするんでしょうか」上条「…俺も眠くなってきたな」上条「御坂……さすがに、唇はダメだよな?」上条「それじゃあ―――」上条「…おやすみ」
打ち止め「ミサカはミサカの先手必勝!」ブンッ一方通行「ごはァ!?」ベシャ打ち止め「あれあれー?的にもなってないよーってミサカはミサカはあなたを挑発してみる!」一方通行「クソったれがァァァあああああああっ!!!」番外個体「……哀れだね、第一位」轟!一方通行「能力封じた状態で1対2の雪合戦させといて何を――ごっ、がァァァあああああああっ!?」ノーバウンドダイブ番外個体「あ、ごっめーん☆雪に鉄塊詰めて能力で撃っちゃった♪」一方通行「クソがァ…こンな…ところで…」ドサリ打ち止め「うーん、さすがに貧弱すぎるかも、ってミサカはミサカは結構心配してみたり」番外個体「凍死されたら困るし、運ぶ?」打ち止め「冗談にならないから困るよね、ってミサカはミサカは苦笑してみる」
海原『………一方通行さん、失望しましたよ』一方通行『……いきなりなンだってンですかァ?』土御門『ロリだけじゃなく、ヤンデレも制覇するとは……ハーレムルートに進み始めたんだにゃー』一方通行『いや、アイツらはそういうのじゃ―――』海原『御坂さんシリーズが気に入らない!?なら自分に譲ってくださいよぉぉぉおおおおおおおおっ!!!』結標『こっちはショタと全然出会えないってのにぃぃぃいいいいいいいいいっ!!』一方通行『もォやだこの組織』木原『今のご時世、仕事があるだけマシだぜ?一方通行よぉ』一方通行「木ィィィ原くゥゥゥゥゥン!?」番外個体「いきなり怒鳴らないでくれる?」一方通行「あ、すいませン」
一方通行(待て、この位置、そして後頭部の柔らかい感触!)一方通行(―――膝枕、だと?)一方通行(だがしかし、コイツがそンなことをして得られるメリットは皆無…!)番外個体「zzz…」一方通行(寝始めた、だと?よし、この隙に―――何?)一方通行(動かねェ…まさか、クソガキ!?)一方通行(チッ…何のつもりだ…俺が何か恨みを買うようなことでも―――してンな、タップリと)一方通行(あァ、そォだよな…いくらコイツらに優しくしたところで、俺の罪は消えねェんだ)一方通行(クソガキだって、俺に無理に優しくしてンのかもしれねェし、コイツも…オイ、なンかだんだん近づいて――)「」番外個体「ん…う…?」一方通行「………」番外個体「え、な、えぇぇ!?」ガバッ一方通行「……オイ」番外個体「の、ノーカンだから!」一方通行「あン?」番外個体「ミサカ全然気にしてないから!それじゃ!」シュバッ一方通行「がっ!?」ゴン!打ち止め「うーん、やっぱりお姉様の遺伝子だよねってミサカはミサカは微笑ましく思ってみたり」一方通行「」打ち止め「……でも、ミサカだってあなたのこと大好きなんだよ?だから―――」「」打ち止め「コレもノーカン、ってミサカはミサカはダッシュで逃走!」シルビア『ん…あ、そこ…いい…』垣根「……」ドキドキオッレルス『ああ…でも、ここもいいんじゃないか?』シルビア『あ…んっ…そこ…もっと…』フィアンマ「…ふ、やはりこの時ばかりは逆転するんだな」垣根「よくある話だ…いつも気の強い女は大抵M体質ってのは」フィアンマ「ほう、そうか…」垣根「そういうもんだ、んじゃ続きを―――」だが、そこで垣根の意識は刈り取られる。フィアンマについても同様だった。ただ、一瞬で二人は地に伏した。学園都市第二位や神の右席のトップにもわからない何らかの「力」によって。
シルビア「…どうかしたの?」オッレルス「……いや、ちょっと不届き者がね」シルビア「ふぅん…じゃ、次は腰の辺りお願い」オッレルス「……こう、マッサージとかどっちかというとお前の役目じゃないのかな」シルビア「……うるさい、誰のせいだと思ってる馬鹿野郎」オッレルス「……ハイ、昨夜はハッスルしすぎて申し訳ございませんでした」シルビア「ハァ…まあいいけど」オッレルス(まぁ、お前が魅力的なのが悪い気もするんだが)シルビア「……何?」オッレルス「な、なんでもありませんとも!」
垣根「フ…お前らよく聞け!今日は重大発表がある!」一方通行「どォせオマエの脳内にあるメルヘン成分が暴走するだけだろォが…」垣根「はは、一方通行…今日は残念ながらメルヘン度はねーぞ?」番外個体「なら、なんだっての?さっさと見せてよ」垣根「くっくっく…見ろ!この生まれ変わったフィアンマの姿を!」
バッ
フィアンマ「………」垣根「どうだお前ら!カッコイーだろ!」上条「フィアンマ、お前それ…」フィアンマ「……?」上条「お前も腕が生えてきたのか!?」フィアンマ「いや、どうしてそうなった」上条「え、でも俺は生えてきたし」一方通行「さすが…ヒーローだぜェ…」美琴「自己再生とかカッコいい…」垣根「いや、そういうのないから。義手だから」 番外個体「……それにしても見たこと無いデザインだね。完全なオリジナルなの?」垣根「ま、そうだな。大方は俺の設計だ…動力だけは違うが」美琴「動力?」垣根「あー、まあ、かいつまんで言うと、魔術で動くって感じだ」一方通行「ほォ…成程なァ」垣根「あと、動かすことにしか魔術使ってねーから幻想殺しでバラバラになったりもしないぜ!」上条「おー、ホントだ」打ち止め「でもでも、別にヒーローさんと敵対してないし意味無いよねってミサカはミサカは言ってみる!」垣根「あっ…」フィアンマ「…まあそう気を落とすな。うっかり上条当麻が触れる可能性もあったのだから」垣根「そ、そうだな!別に無駄じゃねえよな!」オッレルス「ところで、それが完成したということは……」フィアンマ「ああ、こちらの準備は整った、というわけだ」垣根「いよいよ、ってわけか」一方通行「……まァ、これだけ待たせたンだ。あっちも相応の準備はしてンだろォよ」上条「そうだな、俺たちがここに居る間は特に事件も無かったし」美琴「ま、それでもやることは変わらないでしょーが」番外個体「そーそー、何にしろ上層部の連中をぶっ潰すのは変わらないんでしょ?」打ち止め「それに、どんなに苦しくても負けるつもりは無いんだから、ってミサカはミサカは意気込みを語ってみる!」垣根「いいぜ、お前ら…盛り上がってきたじゃねえか」垣根「―――行くぞお前ら、学園都市に」
オッレルス「……いいのか?君も行きたいんだろう?」フィアンマ「まぁな…だが、知っているだろう」フィアンマ「魔術師と超能力者は共闘できないんだよ」オッレルス「…それはただの事実だ、君の意思はどうなんだ?」フィアンマ「ふ、決まっているさ。……そしてお前も、そうなんだろう?」オッレルス「……まあな」フィアンマ「俺様は俺様にしかできないことをする…それでいい」オッレルス「それもそうだ…さて、俺もここを発つか」フィアンマ「おや、また三角木馬を喰らうぞ?」オッレルス「なに…事前に言っておけば大丈夫さ。まあ、彼女もついてくるだろうが」――――学園都市「……さて、行くぞ」「りょーかいっ!……でもやっぱり今回の依頼は正直おかしいですよー」「まだそんなことを…」「いえいえ、狙撃手二人がかりでやる仕事がなんとただのお迎えですよ!?そりゃー砂皿さんとセットなのはいいんですけどー」「まあ適材適所とは言い難いが…他に丁度いい人間が居ないのだろう」「うーん…まあいいですよ!この仕事が無事に終わったら砂皿さんとデートですし!」「……聞いていないが」「それでどうします!?やっぱ遊園地とか映画館とかが王道ですかね!?」「……普通に休むという選択肢は?」「ノンノンノン!でも、休みたいなら温泉旅館ですかね!混浴オッケーの所探しときます!」「いまどき、そんなものは無い気がするんだがな…」
かくして、平穏は終わりを告げる。そして、彼らは新たに物語を紡ぎ始める。それは、心のままに突き進む少年が、どんな闇だろうと屈しない少女が、罪を背負い、それでも前に進み続ける少年が、罪を許し、最後の希望であり続ける少女が、悪意から生まれ、善意によって生きる少女が、一度死んでから、再び舞い戻った少年が、明日を掴むための物語。
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