美琴「『ケーキバイキングのAcqua』ねぇ。ここに行きたいんだ」禁書「うん!」キラキラ美琴「てか、そのチラシどこでもらったの?やけにしわくちゃだけど…」禁書「溝で干からびてたんだよ」美琴「なんでそんなものわざわざ拾うのよ」禁書「そういう広告とか本とか、なんだか拾いたくならない?」美琴「ならないわよ。男子中学生かアンタは」
禁書「そんなことはどうでもいいから連れて行って欲しいんだよ!」美琴「……ねぇ、ここ、ケーキしかないわよ?」禁書「ケーキバイキングだもん。それくらい分かってるんだよ」美琴「アンタさっき『すこんぶー』が好きだって言ってたじゃない」禁書「『すこんぶー』じゃなくて『みやここんぶー』なんだよ!」美琴「中身は一緒なのよ」禁書「そうなんだ…」シュン美琴「何が残念だったのか分かりかねるわ」禁書「……連れて行ってくれないの?」美琴「都こんぶ買ってあげるからガマンしなさい」禁書「え~!ヤダヤダヤダヤダ!」バタバタ美琴「コラ!じだんだ踏まないの!」禁書「う~~~~!ううう~~~~~!」プクー
美琴(ホントはすぐにでも了承して『ありがとうなんだよみこと!だいすき!』とか言われたいんだけど……)禁書「う~~~~~!」美琴(かわいい~~~~!!この泣きそうな顔も捨てがたいのよね~)禁書「うぅぅぅぅ!」ウルウル美琴(ああ、ダメっ!泣いちゃう!アタシの良心がっ!良心が痛いっ!)チクチク美琴「し、しょーがないわね!」禁書「!」美琴「連れて行ってあげるわ」禁書「……ウソくさい…」ボソッ美琴「いや、そこでなんで疑うのよ」
禁書「だって、今日のみことなんだかイジワルなんだもん」グシッ美琴「ごめんごめん」禁書「で、ホントに連れて行ってくれるの?」美琴「うん」禁書「わぁぁ!」パアッ美琴「た・だ・し!条件が一つ」禁書「へ?……その………え、えっちなことは…しないでね?///」モジモジ美琴「………………し、しないわよバカ」禁書「む、バカって言うほうがバカなんだよバカぁ!」美琴「バカって言っちゃってるじゃないバカ」
禁書「で?条件ってなにバカ」美琴「簡単なことよバカ」禁書「早く言ってほしいかもバカ」美琴「あせらないあせらない」禁書「あ!今語尾に『バカ』って付けなかったんだよ!」ヘヘン美琴「アタシはバカじゃないからね」禁書「へ?どういう…」美琴「バカって言うほうがバカなんでしょ?」禁書「………………くっ、はめられたんだよ」美琴「かってにはまっといてよく言うわね」
禁書「そんなことより!」美琴「あ~はいはい、条件言うわね」禁書「どきどき」美琴「う~ん、じゃあねぇ……」禁書「………もしかして、考えてない?」美琴「そ、そんなワケないじゃありませんこと?」アセアセ禁書「やっぱり考えて無かったんだね!」美琴「か、考えてるわよ!条件!それはーー」「ーーアタシに可愛くおねだりすること!」禁書「…………へ?」
美琴「………」禁書「………」禁書「いや、何で………」美琴「た、ただの気まぐれよ。気まぐれ」禁書「………そういうのはキャバレーとかそういうところでやって欲しいかも」美琴「キャバレーとかどこで知ったのよ」禁書「とうまの本で」美琴「タイトルは?」禁書「『オクサマ24時 ~熟れた肉体が弾けて揺れる~』だよ」美琴「アイツの趣味がわからないわ」禁書「基本不定形だからね」
美琴「さ、とにかくやってもらおうかしら?」ニヤニヤ美琴(ここまで来て引き下がれるかっ!)禁書「え~………恥ずかしいんだよぅ」モジモジ美琴「連れて行ってあげないわよ~ん」ニヤニヤ美琴(きゃーーっ!モジモジするインデックスもかわいいーーっ!)禁書「わ、わかったよ!やればいいんでしょやれば!」美琴「よろしい」禁書「えー、あのー、みこと……?」
美琴「なぁに?」対面に座る少女は羞恥に頬を染め、うるうるとした瞳で美琴を見る。上目遣いで唇をキュッと噛み、ふるふると体をふるわせながら、禁書「つ、連れて行ってほしいなっ!」ウインクなんだか古臭い感じのする、彼女なりの『かわいさ』を見せた。
美琴「………」御坂美琴は言いたかった。美琴(なにそれ)禁書「………うぅ、『可愛らしく』なんて言われてもわからないんだよ…」美琴「………はぁ」禁書「?」美琴「いいわよ。連れて行ってあげるわ」禁書「え?今のでいいの!?」美琴「もともと遊びだったしね」禁書「うわーい!やったー!」バンザーイ美琴「ほら、早く着替えちゃいなさい」禁書「うん!」美琴「まったく……」禁書「みこと!」美琴「ん?なぁに?」
禁書「ありがとう! だーいすき!」ニコッ美琴「ーーーッ!」ドキッ人懐っこく、とても愛らしい笑み。それだけで、たったそれだけで私の血液は熱を持ち、高速で体を巡り始めた。ドクドクと高鳴る鼓動。おそらく頬も赤く染まっているだろう。美琴「ち、ちょっと風に当たってくるわ!」タタッ禁書「あ、うん」 ガチャッバタン!
美琴「はぁぁぁぁ………」美琴「なによあれ。反則じゃない!」美琴「なんで『条件』が終わった後に一番可愛いのを持ってくんのよ!」美琴「ど、どきどきしちゃうじゃない…」美琴「ああもう!かわいいかわいいかわいいーっ!きゃーっ!」クネクネ「なぁ御坂ー」美琴「えへへへへ、もう!インデックスったらぁ!」クネクネクネクネ舞夏「ウチでクネクネしないで、外でやってくれないかー?」
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日曜日の朝の街はいつもとは違う新鮮さに溢れていた。--午前8:20平日なら悲愴な顔をした学生がカミカゼ登校を決め込んでいるこの時間。この時間に外に出るのは久しぶりだ。美琴「で?」禁書「ん?」美琴「なんで修道服なのよ」禁書「へ?」
禁書「ダメかな?」美琴「いや、ダメってワケじゃないけど…」禁書「けど?」美琴「それ、寒くないの?」禁書「………」美琴「ねぇ」禁書「この服はね、主である神様の加護を視覚化したもので美琴「寒いんでしょ?」禁書「…………ノーコメントなんだよ」美琴「寒いって言ってるようなもんじゃない」
禁書「これは!神様の加護を視覚化したもので!と~~~っても!ありがたいものなんだよ!」美琴「………本音は?」禁書「神様なんてクッソくらえなんだよ」美琴「シスターにあるまじき爆弾発言ね」禁書「だってただの布だもんこれ。ピンで止めてるとこのスキマから冷たい風が入ってくるんだもん」美琴「だったら着なきゃいいのに」禁書「ハッ、これだからシロウトは」ヤレヤレ美琴「なんで鼻で笑われたんだろう」
美琴「てかさ、そのカッコ、正装じゃ無いわよね?」禁書「」ピクッ美琴「アタシはそういうのあんまり詳しく無いんだけどさ、修道服の下って基本マッパじゃなかったっけ?」禁書「………み、見習いだから、禁欲うんぬんや忍耐うんぬんはしなくてもいいって決まりなんだよ」美琴「なにサラッとウソついてんのよ」禁書「じゃあなに!?凍死しろっていうの!?」美琴「そ、そんなこと言ってないわよ!」禁書「じゃあどんなこと!?」美琴「いや、服買ってあげようかなって」禁書「………ミコトダイスキー」美琴「………インデックス、アンタ聖職者向いてないわ」禁書「そうかもって思っちゃった自分が許せないんだよ……」
----------打ち止め「ねぇしってる?ってミサカはミサカはあなたに質問」一方通行「あン?豆知識かァ?」打ち止め「あなたでもまめしば知ってるんだねってミサカはミサカはちょっとびっくり」一方通行「くだらねェことはいいから早く話せ」打ち止め「第七学区にケーキバイキングができたんだよってミサカはミサカは行きたいって願望を隠しながら教えてみる!」一方通行「隠せてねェじゃねェか」打ち止め「ねーねー、連れてってーってミサカはミサカは上目遣いでおねだり」一方通行「……俺は甘いもン苦手なンだよ」打ち止め「いいじゃんいいじゃんってミサカはミサカはヨミカワの口調をまねてみるじゃん」一方通行「じゃンじゃンうるせェよ。パチンコのCMか」打ち止め「………連れてってくれないの?」一方通行「あきらめろ」打ち止め「う~~~!連れてって連れてって連れてってってミサカはミサカはじだんだ踏んで猛抗議!」ジタジタ!
一方通行「はン。それくらいでこの俺が……」ヒソヒソ…ナニアレ? カワイソーアノシロイノホゴシャカ?ワカイナー.チイサイミサカサンハァハァ‥打ち止め「連れてって連れてって連れてって連れてって連れてって!!」ジタジタ一方通行「だァーもう!わかったから静かにしやがれクソガキ!」打ち止め「ホント!?うわーいってミサカはミサカは感謝感激!」一方通行「大げさなンだよ。……ったく」打ち止め「あなた」一方通行「あン?」打ち止め「えいっ」ダキッ一方通行「うおっ」グラッ打ち止め「えへへ……」スリスリ一方通行「いきなり腕組むな。暑苦しい」打ち止め「そんなこと言いながらも突っぱねないんだねってミサカはミサカは引き続き頬ずり」スリスリ一方通行「………歩きにくいっつゥの」
一方通行「最初に服買って、その後昼メシ。店はその………なンて店だァ?」打ち止め「たしか『ケーキバイキングのAcqua』だよってミサカはミサカは記憶をたどってみる」一方通行「……………オイ」打ち止め「?」一方通行「今ちょっと反射してたみたいだからもう一回言ってくれェ」打ち止め「『ケーキバイキングのAcqua』」一方通行「あっくあ?」打ち止め「うん。あっくあ」一方通行「………行かねェ。ぜェったいに行かねェ。行きたくねェ!」打ち止め「えーっ!いきなりどうしてってミサカはミサカは突然のてのひら返しに怒り心頭!」ポカポカ一方通行「…………打ち止め」打ち止め「なに!ってミサカはミサカは若干いらいらしながら聞いてみる!」一方通行「ヘタしたら………第七学区が壊滅すンぞ」打ち止め「なにそのデンジャラスなケーキバイキングってミサカはミサカはただただびっくり」
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