上条「ふあぁ…なんか食ったら眠くなってきた…」美琴「……まだお風呂も入ってないんだし、ベッドで寝るのは早いわよ?」上条「あー、わかってる。リビング…じゃねえやロビーのソファでちょっと寝るわ」シルビア「宿屋として機能してないから、リビングでもいいけどね…後片付けはやっとくから、連れてってあげな」美琴「あ、ハイ。……ホラ、行くわよ」上条「おー、悪いな御坂……」打ち止め「リビングといえば、テレビがあったけどってミサカはミサカは思い出してみたり」シルビア「ああ…それならそこの馬鹿が拾ってきたいわくつきのものでね、何故か日本の番組が映るらしい」ギロッオッレルス「うっ!……スミマセン」打ち止め「そっか、じゃあカナミンみたいなのも映るかなーとミサカはミサカは期待しながらミサカダッシュ!」フィアンマ「テレビ、か…世界を知るには効率のいい手段かもしれんな。俺様も行こう」オッレルス「え、えーと…」シルビア「あんたも後片付け」オッレルス「…ハイ」
番外個体「…上位個体についていかなくていいの?」一方通行「心配はいらねェだろ、保護者も居ることだしなァ……それよりも、だ」番外個体「?」一方通行「オマエ、どォいうつもりだ?」番外個体「…何が?」一方通行「……とぼけンじゃねェよ、ここへ来る前の『アレ』だ」番外個体「ああ、アレ?一度しか言わないって言ったじゃん、結構恥ずかしかったんだけど?」一方通行「……どォしてあンな結論になった?」番外個体「無視?……まーいっか、教えてあげるよ」
番外個体「前にも言った通り、ミサカはあなたを殺すために作られた。そう、それだけのためにね」一方通行「………」番外個体「あなたへの殺意、憎悪…それだけが心を満たしてる。……そう、思ってたんだけどね」一方通行「…?」番外個体「今思えば、不安とか、寂しさとか…そういう感情があったんだと思う」一方通行「!」番外個体「だからあの時、あなたの手を取ったんだろうね。殺したい、っていう感情よりも、誰かと一緒に居たいって思ったから」一方通行「……そォ、か」番外個体「……だからあなたと、あなたにとって大事な存在の上位個体も守る。それが、今のミサカの生きる理由」一方通行「……だから、自分の命を捨ててでも守るってのか」番外個体「……うん、だって、ミサカの生きる理由だもん。そのためならもう、命なんて惜しくないよ」一方通行「………」一方通行「――――オマエ、ふざけてンのか」
番外個体「……え?」一方通行「……聞こえてねェのか。ふざけてンのか、つったンだ」番外個体「ちょ、ちょっと待ってよ、どういう―――」一方通行「生まれた理由だとか生きる理由だとか、そンなモンはどォでもいいンだよ」一方通行「確かになァ、生きていく中で目標みてェなモンはあるかもしれねェ」一方通行「だがな、それと生きること自体は関係ねェだろォが…… ……オマエはただ、生まれた理由に縛られて、死んだ時の言い訳を用意してるだけだ」番外個体「そ、んなこと…」一方通行「……オマエが命を捨てて俺やアイツを助けたところで、俺たちが感謝するとでも思ってンのか」番外個体「!」一方通行「くだらねェな。生きる覚悟もねェガキが、死ぬ覚悟なンざ決めてンじゃねェよ」番外個体「…じゃあ、どうすればいいのさ」方通行「簡単なことだろォが、どんなにみっともねェことになろうが『生きる』のを諦めなきゃイイ」番外個体「……いいの?それだといつか、あなたを殺しちゃうかもしれないよ?」一方通行「ハッ、オマエに殺されるほどヤワじゃねェンだよ」番外個体「……またあなたに、迷惑かけるかもしれないよ?」一方通行「それがどォした、面倒事はあっちのガキで慣れてンだよ」番外個体「でも……」一方通行「いつまでもウジウジしてンじゃねェよ、さっさと決めろ、オマエ自身でな」番外個体「……そんなの無理、って言ったら?」一方通行「…決まってンだろォが」一方通行「『生きる』って言うまで、俺が死なせねェだけだ」
かぽーン一方通行「……ふゥ」上条「あー、癒される…」オッレルス「お仕置きのあとに染みる…」フィアンマ「………」上条「…ん?どうかしたのか、フィアンマ」フィアンマ「ん…ああ、風呂について聞きたいことがあってな」上条「?」フィアンマ「ニホンのロテンブロという物は、どれにもフジヤマが付いているのか」上条「」一方通行「」オッレルス「」
上条「えーと…それ、誰から聞いたんだ?」フィアンマ「テッラだ」上条「……ちなみに、日本のことで他にテッラから何か聞いてないか?」フィアンマ「ふむ、隠密行動に長けた魔術師であるニンジャとか、 聖人と互角に渡り合うことのできるサムライとかが闊歩している国だと」上条「……なあ、フィアンマ」フィアンマ「ん、どうした?」上条「お前、本気で世界について知るべきだと思う」
女湯打ち止め「やっほーい!ミサカはミサカは広いお風呂に大興奮!」美琴「ちょっと!走ったら滑るわよー!」番外個体「ホンット、ウチの上位個体は落ち着きが無いよね」シルビア「まあ、いいんじゃない?あのくらい小さい子なら普通だよ」番外個体「まあ、そうなんだけどね…」シルビア「……呆れてる割には、満更でもなさそうだけど」番外個体「……まあ、ね」
チャプン…美琴「はー、気持ちいい…」打ち止め「うーん、なんだか美人になりそうってミサカはミサカは感じてみたり」番外個体「んー、これって温泉みたいだけど、なんか効能とかあるの?」シルビア「そうだね…確か疲労回復、美肌効果、あとは運が良くなるとかあったっけ」番外個体「最後が胡散臭いね」打ち止め「むむぅ…」美琴「ん、どうしたの?」打ち止め「メロンと、リンゴ…ってミサカはミサカは自分のまな板を見下ろしてみる」美琴「……確かに、シルビアさんはともかくとして、番外個体も脱ぐと結構あるのよね」番外個体「……なに、胸の話?うらやましいの、お姉様?」美琴「うぐっ…」打ち止め「でもでも、DNAがいっしょなら将来あのくらいは確実ってことかもしれないとミサカはミサカは推測してみたり」美琴「そう…そうよね」番外個体「……えーと、お姉様?」美琴「……自分の将来、自分の手で確かめさせてもらうわよ」番外個体「ちょ…ひゃっ!?」打ち止め「隙あり!とミサカはミサカは番外個体をホールド!」美琴「でかした妹!さて、と…」番外個体「ちょ…ちょっと待って…」美琴「ごめんね…でも、やっぱり将来は心配だから」一方通行「……アイツら、天井が繋がってンの忘れてンのかァ?」上条「とりあえず、お前はソレをどうにかしろよ」一方通行「」カチッ上条「………便利な能力だよな」番外個体『……お姉様、やられっぱなしにはならないよ!』美琴『え、あ…んんっ…』上条「………」一方通行「……オイ」上条「……さすがにこの現実はぶち殺せねぇ」
ガラッ美琴「あ、そっちも上がってたのねー」上条「……おー」一方通行「……」番外個体「…なに?ミサカの顔になんかついてる?」ふにゅっ番外個体「―――へ?」一方通行「……確かにまァまァの大きさはあるな、それに柔らけェ」番外個体が、一方通行の手を払う。怒らせたか、と一方通行が考えるよりも早く、番外個体のみぞおちへの一撃が御坂美琴の上段蹴りが打ち止めの脛への踵による打撃が一方通行に叩きこまれた。「ごっ、がァァあああああああああああああああッ!?」能力を発動する暇もなかった。ただ、その一瞬で学園都市第一位はノーバウンドで壁に叩きつけられた。そんな中、レベル0の少年の心には、まるで本当の姉妹のように息が合っているという感想が生まれた。
一方通行「ふゥ、ひでェ目に遭った…」フィアンマ「しかし、あんな勢いでぶつかって体も壁も無傷とはな…」オッレルス「この宿はいわくつきらしいからなぁ、タダでもらったくらいだし」上条「………」フィアンマ「……ん、どうした?」上条「あ、いや、なんでもねーよ」一方通行「しっかしなンで、番外個体はイイとして、俺ァ他の二人にもぶっ飛ばされたンですかァ?」オッレルス「それはまぁ…」上条「DNAレベルで一緒だから、その…」一方通行「ああ、成程なァ…」フィアンマ「とりあえずは謝罪だな、俺様にニホン人の必殺技であるドゲザを見せてくれ」一方通行「オマエいろいろと間違ってンぞォ…まァ、機嫌は取らなきゃなンねェだろォなァ」上条(こういう目に会うのっていつもは俺のはずなんだけど…そういやここに来てから不幸体質空気じゃねーか?)
打ち止め「まったく、あの人は本っ当に女性の扱いがなってないよね!ってミサカはミサカはお姉様に同意を求めてみる!」美琴「ホント、そういう男って嫌よね。そのくせ他の女の子に手を出してるし、いつもいつもスル―するし、 いなくなったと思えば大怪我してるし、まったくこっちがどれだけ心配してると思ってんのよあの馬鹿!」打ち止め「結局惚れ気かよ、ってミサカはミサカは呆れてみる」番外個体「……ちょっとは見なおしたと思ったんだけどな」ボソッシルビア「ん、どうかした?」番外個体「ん、なんでもないよ…強いて言えば」シルビア「言えば?」番外個体「第一位の手つきがいやらしくて、ミサカ色んな所が勃っちゃいそうだった☆」美琴「………」打ち止め「………」番外個体「……あれ?」美琴「よーし打ち止め、ちょっと行こうかー」打ち止め「うん!ふふふ、なんだかあの人をネットワークから切断しちゃいそうってミサカはミサカは暗黒微笑!」バタンシルビア「……あちゃー」番外個体「……あー、本気でゴメン、第一位」ガチャ美琴「……」打ち止め「……」一方通行「あァ、オマエらさっきは―――」ぶちん、と、何かが千切れるような音がした。同時に、一方通行が地面へと倒れこむ。上条が、オッレルスが、フィアンマが、それに反応する前に、御坂美琴が軽々と白髪の少年を持ちあげる。その体勢はまるで、―――陸上競技の槍投げのようだった。打ち止めが手近な窓を開く。そして、「これが私のっ…全力だぁぁぁあああああああっ!!」轟!!という音とともに白い物体が飛んでいく。後で話を聞くには、音速を超えていたとかいなかったとか。ともかく、女性心理は男としてある程度把握すべきだったのだろう。上条「あー、なんかすげぇ飛んだなー」フィアンマ「……とりあえず、回収しなくていいのか?」オッレルス「ああ、結界のようなものを張りめぐらせているから、結構近くに落ちてるハズだ」美琴「ふぅ、いい汗かいたわね」打ち止め「ホントホント、悪い男を懲らしめた後はすっきりするねってミサカはミサカはお姉様とハイタッチ!」上条(これからは怒らせないようにしよう…紳士的にでも接すればいいのか?)オッレルス(いつもシルビアにいじめられてるけど、俺って悪い男なんだろうか)フィアンマ(女の恨みは恐ろしい…メモメモ。ヴェントやサーシャ・クロイツェフのご機嫌取りは早めにすべきだな)一方通行「……不幸だァァァァああああああああああああっ!!」
その頃、窓のないビルにてアレイスター「………」エイワス「…ふふ、焦っているな」アレイスター「…エイワス」エイワス「幻想殺しと一方通行をはじめ、計画の要が見つからないのだろう?これはなかなか苦しい展開ではないかな?」アレイスター「エイワス」エイワス「…やれやれ、厄介事の予感がするな」アレイスター「あなたを、ここに繋がせてもらう」エイワス「私をこの場所に縛りつけて、まずは邪魔者の排除でも行うのかね?」アレイスター「こうなった以上、プランの継続は困難だ。今のうちにこちらの準備を整えておく」エイワス「そして彼らを待つ、か?短気な君が耐えきれるかどうか…」アレイスター「それが最善の策だ」エイワス「……いいだろう、まあ私がここに縛られていても、世界を見ることはできるからね」エイワス「―――さて、彼らはどのような道を選ぶのか、非常に興味深いね」
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