ーー毎日、毎日柔道に打ち込んだ。ーー俺の青春の、全てを犠牲にして。ーーそれでも、こんな終わりだ。ーー頑張って頑張って、その結末がこれか?ーー俺の人生って、なんだったんだろう…?松下「……」日向「おい松下」松下「……」日向「おいってば!」松下「!あ、あぁすまない。少しぼうっとしていた」藤巻「珍しいな松下五段」大山「大丈夫……?柔道のし過ぎじゃない?」松下「そう、かもな…」ガヤガヤ一方通行「だから言ってンだろォが、これは間違いなく三下共の仕業だって」ゆり「う、で、でも!」一方通行「でもじゃねェ。いい加減認めたらどォだ。立華がンなことすっかよ」ハァゆり「そりゃまぁ…」
ゆり「それじゃいいわ!みんな、訊いて!」SSS「?」ゆり「今回の武器庫襲撃は、この前の侵入グループの犯行だと結論付けるわ」ゆり「これにより、あたしたちは武器の補充がままならない」ゆり「よって、これよりギルド降下作戦を開始する!」大山「おぉ…!」日向「ま、そうするしかねえよな」ユイ「ふぇ?あたしも行くんですか?」藤巻「そんじゃいっちょ行きますかぁ」ヨッコラセ高松「それと、今後の武器庫の件ですが」キランゆり「ええ、対策として今後は戦線メンバーを見張りに付けるわ。四時間交代でどうかしら?」一方通行「ンだァ?ギルド降下作戦ってのは」ゆり「武器の補充に、地下の工場に向かうのよ。あぁ、それと」一方通行「あン?」ゆり「一方通行君のSSS制服、できてるから取りに来るようにだって。ーーひさ子さんが」
被服室ーー一方通行「……ダセェ」ひさ子「なんだと!」一方通行「ンだよこれァ。マジダセェ、まだ学ランのほォがマシだ」ひさ子「…一応、この制服がSSSの証だから着て欲しいんだが」一方通行「…………ハァァ」一方通行「……」ジロッ一方通行「……ハァ」ひさ子「どんだけ嫌なんだよ…怒り通り越して呆れるわ」一方通行「なンつゥか…こンなの着たら俺のイメージが完全にぶっ壊れそォでよォ」ひさ子「生前は学ランだったのか?」一方通行「ンや。制服なンざ一度も着たことねェ」ひさ子「それは……」ひさ子(こいつも青春を過ごせずに死んだんだな…悲惨な人生だったのだろうか?)一方通行「…ほら、よこせ」バッひさ子「あっ」ひさ子「……なんだ、結局受け取るんだな。……に、似合わない」プルプル一方通行「だから言ってンだろ。ったく…」一方通行「ンじゃな。俺ァギルド降下作戦とやらに行く」ガラッ
体育館ーー
藤巻「よっと…」ガラガラ松下「ふん…」ガラガラ一方通行「体育館に入り口か、なンとも漫画みてェな話だなァおい」スタスタゆり「ほら、あとは一方通行君だけよ?」一方通行「へいへい…」ストンドシャ藤巻「うぉっ!能力使って飛び降りんじゃねえよ!砂ぼこりたったろ」メガミエネエ日向「…?誰かいるぞ?」野田「……」スタスタ大山「なんだ野田君かぁ」藤巻「アホが出た」野田「俺はまだそいつを認めていない!」藤巻「こんなとこで待ち構えてる意味がわかんねえよ」大山「野田君はシチュエーションを重要視するから」ユイ「つまりアホですね」一方通行「あァ?ンだァやる気かオイ」野田「フン、元よりそのつもり!」ゆり「ちょっと、こんなとこで戦わないでよ!それに野田君、一方通行君はもう仲間になってるのよ?馬鹿なことはやめなさい」野田「ぐぅっ…!」一方通行「だとよォ?オマエの大好きなゆりっぺさンがそゥ言ってンだぜェ?」ニタニタ日向「早くも野田の弱点に気付いた!」ユイ「しかもそこを突くなんて鬼畜ですね♪」椎名「あさはかなり」
ギルド降下作戦中ーー藤巻「……」スタスタ野田「……」スタスタ高松「……」スタスタ日向「……」スタスタユイ「……♪」スタスタ大山「……」スタスタ松下「……」スタスタ椎名「……」スサッスサッTK「Oh……♭」ズンチャズンチャ一方通行「…だりィな。どンだけ歩くンだよ」サイコウビゆり「仕方ないわよ、地下深くなんだし」ソノトナリ一方通行「にしても、よくンな工場作れたなァ、オマエらが」スタスタゆり「まぁ、チャーさんは凄いからね」スタスタ一方通行「…ふゥん」スタスタゆり「……ね、ねぇ。せっかくだし何か話さない?」スタスタ一方通行「何かって?」スタスタゆり「えっと…そのぉ…」スタスタ
一方通行「なにオドオドしてンだよ」一方通行「ったく。ンじゃーー」☆分岐選択肢(BAD有り)☆①一方通行「ゆり、なンか話せ」②一方通行「なンでオマエはリーダーなンざやってンだ?」③一方通行「俺の話でもしてやろォか?」>>320
>>320
③
一方通行「俺の話でもしてやろォか?」ゆり「え……」一方通行(…………)一方通行「ッ……!」一方通行(バカか!俺は何を口走っていやがるンだ!)ゆり「本当に、話せるの……?」一方通行(チッ、ンだよその顔は)本当に、気がどうかしていた。一方通行(なンだってンだよ、テメェの過去をグダグダと話してどォする)一方通行(お涙頂戴でもして欲しいってかァ?くだらねェ。同情されてェのか?バカが!自分の罪を語って助けてもらおうとでも考えてンのかよ!)一方通行「チッ……」一方通行(妹達の夢にうなされて、それでこれか?カワイソウ、なァンて言われてェのか人殺し)ゆり「…どうしたの?」一方通行「……わりィ、なンでもねェ」一方通行(テメェは、一万以上の人間を殺してきたンだよ。なにひよってんだクズが!)ゆり「……そう」
ギルド最深部――日向(ゆりと話してから一方通行の奴、機嫌悪いな……)カベヨリカカル藤巻「おら日向、サボってんなよ」大山「どうしたの?珍しく神妙な顔して」日向「ん?あぁ、ちょっと気になってな」藤巻「気になるって?」日向「そりゃユイのパンツがエロいなぁ~とだな」ユイ「ちょっ!なに見てんですかお金取りますよひなっち先輩!」日向「え、何?お前のパンツ如きで金とんのガバァッ!」アタマケラレル藤巻「…くだらねー」ケッ大山「あははー藤巻君は女に興味ねえ俺カッコイイ(笑)だもんねー」ニコニコ藤巻「大山、お前後で三階からダイブな」大山「え…」ナニソレコワイユイ「もう最低ですこのセクハラ!リーダーに言いつけてやる!」ジダンバジダンバ日向「はっはーん!残念でしたァ!ゆりっぺのやつは俺にセクハラされ慣れてるからパンツ如きじゃ怒らねえよ!」ケーケッケユイ「マジですか!?いつの間に二人はそんな仲!?」マジデカ日向「まぁこれでも一番の古株なんでね」フッユイ「…あ♪」オモイツーイタユイ「にっしっしぃ~♪一方通行先輩ぃ~♪」ダッ日向「お、おい!今近づかないほうが……ま、いっかユイだし」高松「日向さん、いい加減武器を運ぶのを手伝ってくれませんか?」メガネキラーン日向「相変わらず無駄な筋肉露出してんな」高松「脱いだ方が力で出ますので」フン、フン、ジョウワンニトウキン、キラン日向「すげぇ量かかえてんじゃねえか。よっし、俺も運んでやるカパァッ!?」アタマゴツーン野田「フン、邪魔だ。俺はゆりっぺの為に武器を運んでいるのだ。サボってるやつが邪魔をするな」カッ
一方通行「……あン?」ユイ「ちわっす先輩!」ビシッ一方通行「……」ユイ「……」一方通行「……ンだよ」ユイ「…もしかして機嫌悪いですか?」一方通行「……あァ」ユイ「ま、まさか……!あの日?」一方通行「……ほォ?」パキユイ「いやいや冗談ですって先輩は男ですよねええ全くもってそうです決してあたしのパンツ見ても無反応だなこいつ本当に男なのかなんて疑ってませ」ゴンッ日向「お?よーうユイ、一方通行はどうだったよ?」ユイ「テメェのせいで殴られただろうがッッ!」日向「あぎゃふッ!?」ドカッユイ「ぅう……先輩、痛かったですよぉ」日向「お、れのほうが痛いわ!」クワッユイ「全く、なんでここの先輩方は暴力的なやつばかりなんですかね!」日向「お前も十分そうだがな!」ユイ「それにしても…」日向「あ?」ユイ「一方通行先輩、なんだかさみしそうな顔してた…」日向「へぇ。ま、それでも慰められずに殴られて返ってきたんだから、女として終わってるよなぁ、あっはっは!」ユイ「……そこは笑うとこじゃないでしょう、相変わらず外道ですね先輩」ユイ「……ま、気に喰わないのはそこじゃなくて――なんでゆりっぺさんとは普通に話してるんですかねえあの白クマ赤目はよォ!」ドガッ
一方通行「おいゆり」ゆり「ん?」一方通行「オラ、持ってる武器寄こせ」グイッゆり「あ、ありがと」一方通行「後は上がるだけか?」ゆり「えぇまぁ」一方通行「ンじゃ行くか」スタスタゆり「ん……」スタスタ日向「見ろよ大山、あの二人のいちゃつき様を」スタスタ大山「うぅーん、でもゆりっぺを落とすのは難しいかな」スタスタ日向「そうかぁ?ありゃもう完全に一方通行にホの字だと思うが」スタスタ大山「たとえそうでも、だよ」スタスタユイ「どーゆーことです?」キャピッ高松「私の見解ですが、ゆりっぺさんは相当ガードが固いですからね」キラン大山「誰にでも平等に優しくする人っていうのは大抵そうなんだけどね」スタスタユイ「おぉ、なんだか大山先輩がマジっぽいです」スタスタ日向「ゆりはそれだけじゃ、ないってか」スタスタ大山「うん。きっとゆりっぺ自身、一方通行君のことが気になってる。でもね、ゆりっぺはきっと踏み出さない」スタスタ松下「……消えたくない、ということか」日向「うぉっ、いたのか松下五段」松下「俺は、消えることが悪いことなのか…少しわからなくなってきた」
一方通行「オマエ、消えたいのか…?」ピタ松下「え…」ゆり「一方通行君?」一方通行「オマエ今、岩沢と同じ目ェしてたぞ?」日向「それって…」松下「……」グッ一方通行「……俺は……チッ、上手く言葉が見つかンねェ」ガシガシ松下「……いや、わかってる。お前さんの言いたいことは、よくわかる」藤巻「松下五段……?」大山「松下君?」松下「俺は、お前らを置いて行きたくなかった……けれど、最近思うんだ…」ワナワナゆり「……」松下「少し、楽になりたいって……」野田「……」フン高松「それは…」ユイ「……」TK「……オレ、は…ユーにダンス教えるの気に入ってた」松下「あぁ……」TK「最高のフレンド……そのユーが消えたいなら、俺には止められない」松下「……あぁ」ゆり「……」
野田「…好きにすればいいだろう、もともと消えたくないからゆりっぺの元に集まっただけのこと」藤巻「野田ぁ!」野田「フン……ただ、見届けてやる。それだけだ」大山「野田君…」椎名「……」松下「俺は……」一方通行「好きにしたらいいじゃねェか、野田の言う通りだ」ゆり「一方通行君…」野田「珍しく意見が合ったな」松下「……俺は…」一方通行「ただよォ……あァー、なンつーか……その、だなァ…」SSS「?」一方通行「松下ァ、肉うどん奢ってやっから消えんのはそれからでも、いいンじゃねェの……?」SSS「……」ポカーン松下「あぁ…そう、だな」一方通行「チッ、オラ!さっさと行くぞテメェら」バッ、スタスタゆり「え、えぇ……」ポカーンユイ「先輩ー♪私にも奢ってくださいよぉー♪」スタスタ一方通行「オーケイ、10辛ライスでどォだァ?」スタスタユイ「嫌です!死にます!まだ激辛麻婆豆腐のほうがいいです!」スタスタ
食堂ーー
野田「貴様!俺のカツを横取りしたな!」大山「だってよ、藤巻君」モグモグ藤巻「へ?」ズルズル野田「貴様かコラァ!その月見そばから、月を奪ってやる!」カチカチ藤巻「うおっ、何しやがる!」大山「モグモグ」ヒョイ、パクッ藤巻「明らかにこいつがモグモグしてんだろうが!」野田「言い訳とは見苦しい!」大山「カツうめー」モグモグ日向「お、椎名っち、その唐揚げ一つくれよ」ヒョイ椎名「フ、残像だ」スッ日向「なにぃ!?」ユイ「おーすげー、このやろ、私が取ってやる!」ヒョイ、ヒョイ椎名「フハハハハ、無駄だ無駄だ」ゆり「あなたたち落ち着いて食べなさいよ」一方通行「ンだよ」ゆり「ねー?」一方通行「ンー」TK「Oh,そこのカップル、イチャイチャし過ぎだぜー!」
野田「ズズズッ、貴様!ゆりっぺに手を出すな!」藤巻「あー!こいつマジで俺の月を奪いやがった!」大山「あ、椎名さん、カツと唐揚げトレードしない?」椎名「む、いいだろう」大山「ラッキー、うめー」モグモグ藤巻「なんか大山は得しまくりだなぁ!」野田「ゆりっぺに手だしさせんぞ一方通行!」ダダッ一方通行「モグモグ」反射野田「ぐぉっ!」反射され高松「野田さんが何バウンドもして20メートル先の人たちにぶつかりましたね」キランワイワイガヤガヤ直井「あいつら…あんなに騒いで!」ガタッ恭介「まぁ待て文人」ガシ直井「しかしっ」恭介「見てろって」奏「……」モグモグ奏「麻婆豆腐美味しい」
一方通行「ったく、ここは幼稚園ですかァ?小学生だってもっとお利口にできンぜ?」ゆり「なら貴方は園長先生?」日向「おぉう、組長先生ー」グラサンノナ一方通行「やめい」ゆり「でも似合いそー、ぶっきらぼうな顔して『走るンじゃねェよ、転ンだら足擦りむいちまうだろォが』とか言ったりして」一方通行「……」日向「わかるわかる!それで園児が転ぶとさ、『ったく、だァから走ンなって言ったろ?オラ、傷見せてみろ。あーはいはい痛いの痛いのトンでけー』ってさ」プククク一方通行「い、言わねェよ!ンだよそのキャラはよォ!テメェら…頭グリグリの刑な」日向「ま、マジでやるのかーーっていてええええ!能力使うなおまっ、マジいてえ!」ギャー一方通行「お客さーン、痛いとこありませンかーってなァ!」アヒャヒャ日向「」プシュー一方通行「さァてお次はテメェの番だぜェ?ゆりちゃンよォ?」ゆり「や、優しく…してね?」野田「Oh……」藤巻「野田が!野田が血の涙を流して倒れたー!病院ー!」奏「病院なんてないわ、誰も病まないもの」藤巻「うるせえよ!んなこと聞きたいんじゃねえから!」
ギャーギャーキサマラーシズカニシローギャーギャーセイトカイグミガイルードタバタドタバタ松下「あっはは……」松下「みんな、」SSS「……!」松下「ありがとな、そしてーーまたな」ニカッ笑って、松下は消えた。空のうつわを、残して。第2話「Guild」END
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