上条「時に白井さん」黒子「なんですの?」上条「この掛け声は本当に必要なんでせうか?」黒子「当たり前ですの! 相手に自分が何であるかを分からせないと駄目ですの!」上条「だったら別にですのまでつけなくても……」黒子「これが基本ですのよ?」初春(それは黒子さんだけの基本だと思います……)
御坂「やっほー遊びに……ってなんでアンタがここにいるのよ?」初春「あ、御坂さん」黒子「お姉様、何度も言いますがここは遊び場などではなく……」御坂「いや、だからなんでここにアイツが?」初春「さぁ……黒子さんが連れて来たんですよ」黒子「なんでも、普段お世話になってる風紀委員にお礼がしたいそうですのよ」上条「そんな上条さんは手伝うということしか出来ないからな。だから白井にいろいろ教えてもらってるわけだ」
御坂「ふぅーん」上条「あれ、以外に反応薄いな」御坂「どうせアンタの事だからこの二人に立ててると思ってたのよ」上条「立てる? 何を?」黒子「(鈍感と言われる理由が分かった気がしますの)」初春「(私もです)」
御坂「ま、それなら安心して預けられるわね」上条「上条さんは犬か猫なんでせうか?」黒子「どっちかって言うと猫じゃありませんこと? 発情した」上条「待て白井。発情した猫とはどういうことだ」初春(上条さん万年フラグ男ですもんね……)初春「あ、御坂さん。何か飲み物いりますか?」御坂「あ、じゃあもらおうかな」黒子「あーら、そのまんまの意味ですわよ上条さん?」上条「このっ、言わせておけばっ」
上条「お前だって御坂に対して万年発情期だろ!」黒子「発情期とは失礼ですわね。これは合意のもとで……」御坂「いつ誰が合意したのよ」黒子「ひどいですわお姉様! あの日わたくしにいろいろしてくださったじゃありませんか!」御坂「ねぇ、そんなに真っ黒になりたいの?」ビリビリ上条「うお!? こんなところで暴れんな!」ミサカノアタマニミギテヲオク御坂「ふにゃ!?」黒子「何をしていますの!」
上条「何って、御坂の電撃を抑えようとだな……」御坂「」上条「っておーい? 御坂さーん?」ユサユサ黒子(あ、気を失ってる……)黒子「と、とりあえずソファの上にでも乗せておきましょう? 疲れていらっしゃるようですし」上条「そうなのか? じゃあ白井。頼んだ」黒子「お任せくださいですの」
黒子「ほら、行きますわよ」御坂「」上条「……俺、なんか変なことしたのかな?」初春「御坂さーん、コーヒーです……ってあれ? お二人は?」上条「俺が電撃を防ごうと頭に手を置いたら御坂が急に黙ったから白井が連れてった」初春「よく分かんないですけど、大丈夫なんですか?(なんでこんなに鈍感なんだろ……)」上条「横になってればいいらしい。まぁあいつだからな。心配ないだろ」
上条「……でも、俺なんか変なことしてたのかなって、只今上条さんは自己嫌悪に陥っております……」初春(駄目だこの人)上条「どうした初春? 俺の顔になにかついてるか?」初春「い、いえ? 何でもないですよ?(顔が近いですよ……!)」上条「? なんでそんなにも顔を赤くしていらっしゃるんでせう?」初春「何でもないです! だからもう少し顔を遠ざけてもらえるとありがたいです!」上条「お、おお? すまんな(嫌われた……のか?)」初春(まさかここまで男の人の顔が近づくとは思ってなかった……)
黒子「ただいまーですの」上条「おお、白井。御坂はどうだ?」黒子「まだ気分が優れないらしいですの」初春「あらら、後で何か食べにいきますか?」上条「へぇー、女の子ってのは食べ物を食べると元気になるのか」黒子「例外もありますわよ。……そうですね。じゃあ初春はなるべくペースを上げて資料の整頓をしてくださいまし」初春「了解です」上条「白井は?」黒子「貴方は何のためにここにいらっしゃるですの?」上条「……了解。どんとこい」
黒子「風紀委員ですの!」上条「風紀委員ですの!」ウラゴエ黒子「……普通でいいですわよ」上条「なん……だと……?」黒子「ほら次。風紀委員ですの!」上条「風紀委員ですの!」黒子「もっと大きい声じゃないと聞こえませんの! 風紀委員ですの!」上条「風紀委員ですのぉ!」
黒子「殿方とあろうものが、中学生相手になにをビビってらっしゃるですの?」上条「お前の格闘は中学生が使うようなものじゃありません! ましてや空間転移後のドロップキックとか……」ビクビク黒子「はぁ……どうしてお姉様はこんなのにご執心なのでしょうか……」ボソッ上条「何か言ったか?」黒子「何でもないですの。それじゃあ実際に実地訓練でもしましょうか」上条「おう。いよいよか」黒子「それじゃあ、ちょっと初春に伝えますので貴方は準備でもしてくださいまし」上条「分かったー。つっても準備するものなんてない上条さんなのだった……」
上条「……なぁ、これだけか?」黒子「じゃあ次は格闘でも……」上条「勘弁してくださいお願いします!」
公園
黒子「じゃあ実際パトロールしますわよ」上条「おう。でも何で公園?」黒子「知らない道で下手に迷ったら笑い事ですわよ? ただでさえ貴方はその右手があって空間転移が使えないっていうのに……」上条「うっ、すまない。よく考えればそうだよな」黒子「ですの。じゃあ、遅れないようについてきてくださいまし」スタスタ上条「ああっ、すでに結構離れた位置まで移動していらっしゃる! 待ってくれー!」
御坂妹「おや、こんなところで会うとは奇遇ですね、とミサカは一緒にいる女の人を睨みつけながら言います」黒子「お、お姉様二号……!?」御坂妹「二号ではなく妹です、とミサカはまったく同じ反応をした人を思い浮かべながら答えます」上条「思い浮かべて、って……その同じ反応をした人がここにいるのですが……」黒子「知り合いですの?」上条「まぁ、知り合いっちゃあ知り合いだな」御坂妹「あなたは私たちの命の恩人です、とミサカはこいつなに言ってんだと思いながら言います」上条「恩人って……そんな大げさな」御坂妹「ところでこの方は誰なのですか? とミサカはあなたの発言を軽くスルーして質問します」
黒子「わたくしの名前は白井黒子って言いますの。どうぞよろしくお願いしますわ」御坂妹「ご丁寧にありがとうございます、とミサカは白なのか黒なのかはっきりしろよと思いつつ手を差し伸べます」上条「相変わらず語尾が変だな……」黒子「……しかし本当にお姉様そっくりですのね」御坂妹「ええ、私とお姉様は遺伝子レベルで同一ですから、とミサカは質問に答えます」黒子「と、ということは……」ハァハァ上条「し、白井さん? どうしてそんなにも息が上がってるんでせう?」御坂妹「こいつはやばい、とミサカは身の危険を感じたので一歩引きます」黒子「お、お姉様~~~~!!」上条「やめろ白井! こいつは妹だ!」黒子「離してください! わたくしにはお姉様を愛でるという重要な役割が……」上条「重要でもないだろ! あーもう! 御坂妹! 逃げろ!」御坂妹「言われなくてもスタコラサッサだぜ、とミサカは全力で逃げます。それでは」ダッ黒子「ああっ! おねぇさまぁぁぁぁぁ!!!」上条「いいから落ち着け! 暴れんな!」
上条「落ち着いたか?」黒子「はい……申し訳ないですの」上条「いや、反省してるならいい。ほら、ジュースだ」黒子「ありがとうございますの」ゴクゴク上条「まったく、お前も普通にしてれば可愛いのにな。勿体無い」黒子(なんでそういうセリフ恥ずかしげもなく言えますの……)黒子「私はお姉様に愛が伝われば十分ですの」上条「御坂の気持ちは無視なのかよ?」黒子「ちゃんと了解は得ておりますので」上条(御坂ってMなのか?)
黒子「さ、もう休憩は終りにしましょう」上条「上条さんはまだ疲れているんですが……」黒子「知りませんの」上条「俺の気持ちは無視なんですね!?」黒子「ほら、早く行きますの」グイグイ上条「手を引っ張るな、手を! 俺は幼稚園児か!」黒子「じゃあさっさとついてきてくださいまし」上条「はぁ……不幸だ……」
街中
黒子「じゃあこの辺りを見回りますの。迷子にならないでくださいまし?」上条「お前とうとう本格的に幼児として見てきやがったな……はぁ、分かったよ。せいぜい気をつけることにしますー」黒子「じゃ、行きますの」スタスタ上条「おう。……ちょ、なんでそんなに離れていらっしゃるんですかー!? 本当に迷子になるかもしれませんよー!?」黒子「じゃあ走ればいいですの」スタスタ上条「怒ってるの!? ねえその反応は怒ってるの!? くそ! 不幸だぁぁぁぁあ!!!」
黒子「あらあら、早速バテていらっしゃるんですの? 情けないですわね?」上条「ハァ……ハァ……結構な距離を走ったらそりゃバテるっての……なんで白井はそんなに澄まし顔でいられるんだ?」黒子「空間転移を応用すればいいだけですの」上条「」黒子「なんでそんなにも泣き顔ですの?」上条「チートじゃねーか……」グスン黒子「これが能力者の特権ですのよ」フフン上条「まあしかし……見たところ平和だな」黒子「事件が何度もあってたまるかですの」
上条「ですよねー」黒子「まあでも……そう、例えば路地裏とかだったら多少騒ぎになるくらいの事件は出てきますの」上条「人目につかないところだしな」黒子「だから、今日もこの街のどこかで女の人が悲鳴でも――」キャーーーー!上条「……早速だな」黒子「……早速ですの」黒子(声の大きさからそう遠くではないですわね。直接現場に行くとしましょう)黒子「上条さん、行きますわよ」上条「おお。……って早速路地裏ですか?」黒子「こっちのが近いんですの」
上条「おーい! 返事をしてくださーい!」黒子「風紀委員ですのー!」上条「いねぇ。つか、こっちのほうなのか?」黒子「わたくしの脳内地図に狂いはないんですの。声が聞こえた方向もこっちのほうですし」上条「そうか。早く現場に行って周りの人を避難させないと」黒子「そうですわね。……ちょっと初春に電話をしますので、少し待っててくださいまし?」上条「おお、いいぞ」
prrrrrrrr黒子「あ、初春ですの?」初春『白井さん! 大変です事件です!』黒子「ええ、こちらからも悲鳴が聞こえました。今現場に向かっているところです」初春『そうですか! だったらはやく行ってください! スキルアウトです!」黒子「はぁ……ホントに懲りない人達ですわね。分かりました。さっさと懲らしめてきますわ」初春『はい! 無事帰ってきてくださいね!』黒子「言われなくても、そうしますわ」pi
黒子「上条さん、早めに行ったほうがいいみたいです。スキルアウトですわ」上条「マジか! じゃあはやく行こうぜ! 白井、案内頼んだ!」黒子「はいですの」タッタッタッ……上条「あ! あいつらじゃねーか?」黒子「そうみたいですわね。ちょっとお話させてもらいましょうか」男1「ハァ……ハァ……ここまでくりゃいいだろ!」男2「そうだな。とりあえずここまでくりゃ……」黒子「風紀委員ですの! とりあえず、その手に持っている金品はどこから手に入れたか聞かせてもらいますわ」
男1「くそっ! やるぞ!」男2男3男4男5「おお!」黒子(はぁ、聞く耳を持ってないんですの)男1「くらえ!」黒子「発火能力……でも遅いですわね」テレポ男1「んな! 空間転移能力者かよ!」黒子「速さが足りない、ですの」ボディブロー男1「ぐへっ」
上条(恐ろしいな……)男4「おらぁ!」上条「っと! あぶねぇ何しやがる!」男3「へっ! かわすとはいい身のこなしだな」男4「しかし俺の拳からいつまで逃げれるかなっ!?」上条「うおっ! ちょ、落ち着けよ!」上条(明らかに鍛えてる相手じゃねーか! 幻想殺し効かないんじゃね、これ?)上条「くそっ、一か八か!」ゴカッ男4「ぐっ……! なんでこいつのパンチが効くんだ!? ありえねぇ!」上条(あれ、効いた? なんか肉体強化の能力者だったか? でもこれなら――!)
上条「おらっ!」ゴッ男4「ぐふっ! く、くそっなんで――」上条「無駄口叩いてる暇はないじゃねぇか?」ドカッ男4「おぁ!? う、あ……」ガクガク上条(これで一人か)
黒子「ふぅ、あ、上条さん終わりましたの?」上条「これ……お前がやったのか?」黒子「……他に誰がやるっていうんですの?」上条「お前な……いくら力があるからって、ここまでする必要はないだろ」黒子「ここまでしないと、また再発しますわよ」上条「それもそうだが、だからってこんなになるまでやるかよ? 風紀委員はこんなことする組織だったのかよ?」黒子「……どうせ、上条さんには関係ないことですわ」
上条「俺だって、一日だけとはいえ風紀委員なんだ。意見する権利ぐらいあったって」黒子「なら、その方達を起こして差し上げたらどうですの? 話でもなんでも聞くといいですわ」スタスタ上条「おい、黒子!」上条「……ったく、なんて奴なんだ。おっと、とりあえず報告しとかなきゃな」prrrrrrrrr初春『はい、もしもし?』上条「初春か。こっちは片付いた。二人ほど逃げ出しちまったがな。それでも三人確保できた」初春『え?』上条「ん? どうした?」初春『えっと、報告では五人ではなく、一人だと……』上条「え……!? おい! それは本当か!」初春『白井さんが電話をかける前に、一般の人から通報を受けた時に、そうだと……』上条「そいつはどこにいるか分かるか?」初春『えぇっと……多分そう遠くに離れていないかもです。でもなるべく早く見つけてください。その人達は他の風紀委員に回収させます」上条「分かった。じゃあな」pi上条「おーい白井! 戻ってきてくれー!」
上条「……で? お前はどうするんだ? こいつと仲良く殴られるか?」男3「くそっ……覚えとけよ!」ダッ上条「任務完了。さて、白井の方は……」男1「」ピクピク男2「」ピクピク上条「」ボーゼン
つづく
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