瞬間氷結「白井さんを見ませんでしたか!?」そう叫んで黄泉川に近付いてきたのは、ジャッジメント本部長の瞬間氷結だった。黄泉川「さあ、知らんな」瞬間氷結「さっきまですぐそこに僕と一緒にいたのに急にいなくなったんです!」黄泉川「そうか」必死の形相の瞬間氷結とは裏腹に、黄泉川はもはや気力も無くしているのかそっけない顔で身の回りの片付けをしている。瞬間氷結「彼女、ここ数日間精神状態が不安定で今日もずっとボーッとしていたんです。だからとても心配で……」黄泉川「そんなこと言われても困る。私はアンチスキルじゃん。ジャッジメントの問題は本部長のお前の管轄だろ」瞬間氷結「………………」黄泉川「ま、奴は1番御坂美琴と因縁深い人間だったからな。逮捕も失敗して捜査も打ち切りになったとしたら、自暴自棄になってもおかしくないだろうな……」瞬間氷結「自暴自棄って……」黄泉川「あいつなら責任を執るとか言ってそれぐらいのことしかねないじゃん。特に、今回のようなケースではな……」瞬間氷結「!!!!!!」その言葉を聞いた途端、瞬間氷結は慌てたように装甲車を出て行った。黄泉川「……………ふん」手を休め、黄泉川は顔を上げる。黄泉川「ま、私もこの数日間走りっぱなしだったからな。たまには、本職の方で一息入れるとするじゃん」退屈そうにそれだけ呟くと、黄泉川は片付けの作業を再開した。
最終下校時刻も近付き、アンチスキルの部隊以外は人気が無くなった公園。そこにある薄汚いトイレの裏に彼女――白井黒子はいた。黒子「………………」右手に拳銃を持って。黒子「これで……お終いにしますの……」談笑していた警備員から、瞬間移動で密かに奪ってきた拳銃を見つめる黒子。黒子「私は……もう……生きていく資格が無いですの……」ボソボソと彼女は生気の無くした目で1人呟く。黒子「あの御坂美琴に1番近くにいた身であるにも関わらず、彼奴を取り逃がし、2度も相見えたと言うのに仕留めることはおろか捕縛することも出来ず、あまつさえ情けを受けてしまった……」呟きながら黒子は自分の右足に視線を向ける。そこには、病院で治療を受けた際に巻いてもらった包帯が見えた。黒子「……以前は御坂美琴という私にとって絶対的な存在が側にいましたが、それも過去の話。佐天さんも初春もきっと捜査に失敗した私に失望するでしょう。ならば……もう私に失うものはありません………」言って黒子は顔を上げる。春には桜を咲かせるだろう大きな木が1本、正面に見えた。黒子「遺書は私の部屋の机の引き出しに入っていますわ……」カチャッ!黒子「さようなら、みなさん……。そして、学園都市………」黒子は目を閉じ、右手で持った拳銃の銃口を自分の胸元に添える。ドォン!!!!そして1発の銃声が轟いた――。
瞬間氷結「お願い? 何だい? 言ってごらんよ」黒子「こ……今度……黒子と……2人で……お茶でも……ご一緒……しません?//////」瞬間氷結「……お茶? まあそうだな……うん。僕は忙しい日が多いけど、今度の非番の日なら大丈夫かな?」黒子「ほ、本当ですの!?」パァァと黒子の顔が明るくなる。瞬間氷結「ああ、もちろん」黒子「ありがとうございますの!」瞬間氷結「じゃ、そろそろ戻ろう。黄泉川先生も心配してるだろうからね」黒子「はい!!」かつて美琴と一緒にいた時のような元気を取り戻す黒子。瞬間氷結「急に元気になったね………」黒子「お兄様のお陰ですのよ………」瞬間氷結「はは…どういう意味だいそりゃ………」先を歩く瞬間氷結の後を、黒子が子供のようにはしゃぎながらチョコチョコとついていく。こうして、御坂美琴を追う彼らの長い日々はようやく終わりを迎えた――。
美琴「とう……ま……」美琴の腕が上条の腕に絡みつく。上条「!!!!!!」美琴「………ん」ギュッ耳元で囁かれる甘い寝息と接近する彼女の身体。上条「(やめろ……)」美琴「………とうま……」漂ってくる甘い匂い。上条「(やめろっ!)」美琴「………う……ん」背中に感じるその柔らかい感触。上条「(やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!)」美琴「好き……だよ……」上条「(俺はっ! 俺はっ!! ……チクショウ!!)」美琴「ん……とうま……」上条「(チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!)」ガバッ!!!!
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