絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 > 6スレ目 > 01

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~2月10日夜 きぬはた荘 リビング~ 絹旗 「チョコレートを作りましょう」フンス 滝壺 「なんで?」 番外個体 「食べたければ買ってくればいいじゃん」 結標 「あれって一般家庭の設備で作れる物なの?」 絹旗 「えー……まさか、この3人からこんな超反応が返ってくるとは思いませんでした」 この3人 「「「?」」」 絹旗 「むしろ滝壺さんたちこそ超躍起になってそうなもんですが」 婚后 「チョコレートと言えば、もうすぐバレンタインですわね」 白井 「作りましょう、ということは……もしや、絹旗さんにもそういうお相手が?」 絹旗 「いませんよ。いや、これだけの人数がそれぞれ手作りすれば色んな種類を超楽しめそうじゃないですか」 白井 「ああ、そういうことでしたか」 婚后 「でも作るのも楽しそうですわね。例年だともらう側なので、なんだか新鮮ですわ」 番外個体 「もらう側って……やっぱ女子高ってそういう文化があるの?」 婚后 「ええ、まあ……自分が渡す数より、後輩から頂く数のほうが多いですわね」 白井 「お姉様クラスになりますと、わたくしが手伝いつつ毎食のデザートとおやつと夜食にしても、     今月いっぱいはもちますわね……」 滝壺 「常盤台でやり取りされるチョコレートってなんだか高級そう」 婚后 「そんな大層なものでも。ベルギー取り寄せだとか、そんなものばかりですわ」 結標 「この間、デパ地下でベルギーのチョコの値段みて目が飛び出たんだけど」 絹旗 「ベルギーというだけでそんな高いんですか? ワッフルは安いですよ?」 結標 「そうね。耳貸して……ゴニョゴニョ」 絹旗 「( д) ゚ ゚」 番外個体 「今回は作るっていうんだから、値段関係ないでしょ?」 結標 「さっきから作る作るって言ってるけど、普通の家で作れるものなの?」 婚后 「材料さえあれば、あとはご家庭にあるもので十分作れますわ」 滝壺 「そんなに難しくないよ」 浜面 「俺たち、なんか空気だな」 海原 「さすがにこの話題には割り込めませんよ」 ユリコ 「(・ω・)?」 白井 「どのみち、材料は買いに行かないといけませんの」 結標 「今からで間に合うの?」 絹旗 「最悪、コンビニの板チョコでも出来ますから超大丈夫ですよ」 番外個体 「次の土曜日でよくない? その日なら私も休みだし」 婚后 「そうですわね、わたくし達も都合がつけやすいですわ」 滝壺 「ついでに何か足りないものないかな」 白井 「必要であれば型なり、他の材料なり買い足せばよろしいですの」 絹旗 「それは何にするかにも左右されるんじゃないですか?」 結標 「何にするかって、チョコレートでしょ?」 番外個体 「だから、クッキーでもいいしケーキでもいいし。チョコ味ならなんでもいいでしょ」 結標 「ああ、そういうことね」 番外個体 「……あー、なんか海原さんが可哀想になってきた」 白井 「そこは心配ございませんの。わたくしたちからも義理で差し上げますので」 結標 「ちょっとどういう意味よ!」 絹旗 「超そのまんまの意味かと」 結標 「じゃ、じゃあみんなは何作るのか教えてよ」 婚后 「わたくしは固形で……形ぐらいは凝ってみたいですわね」 白井 「もちろん、わたくしの愛情と少々のエッセンスを使った特製チョコレートを」キラキラ 番外個体 「ダメでしょ、それ」 絹旗 「普通のチョコじゃ超つまらないですし、なにか捻ってみたいですね」 滝壺 「はまづらが食べたいのを作る」 結標 「へー、色々あるのね」 絹旗 「そういう結標さんはどうするつもりなんですか」 結標 「え? んーと、チョコの……ジュース?」 番外個体 「どんなんだよ」 滝壺 「飲むチョコレートだね」 浜面 「なあ、俺でも一個ぐらいは貰えんのかな」 海原 「浜面さんには滝壺さんがおられるではないですか。どの口がほざくんですか。爆発してください」 ユリコ 「( -ω-)」ウトウト 絹旗 「でも、みなさん渡す相手ってどんな人ですか?     あ、滝壺さんと結標さんとミサワさんはこれ付けててください」つ[×] 滝壺 「(・x・)」 番外個体 「(・x・)」 結標 「バツマスク? なんでそんなもん持ってるの……?」 白井 「あら、殿方に渡すだけがバレンタインではございませんの」 婚后 「お世話になってるお相手や、お慕いしてる相手に渡しても良いですわ」 絹旗 「むう、そういう手もありますか」 婚后 「そういう意味では、絹旗さんにも渡すべきお相手はおられるのでは?」 絹旗 「……」ウムー 白井 「作りながら考えても間に合いますの」 婚后 「あら? 作るのであれば、作ってる時は渡すお相手のことを想いませんと」 白井 「わたくしは頭の中は常にお姉様で溢れかえっておりますので、問題ございませんの」フンス 絹旗 「それはそれでどうなんでしょう」 婚后 「白井さんらしいと言えばらしいですわね」 白井 「今年こそお姉様に振り向いて頂くためには……」ブツブツ 絹旗 「じゃあ、明後日の土曜日に材料等を超買出しってことでよろしいですね」 婚后 「そうですわね、土日に準備をすれば月曜日はちょうど14日ですし」 白井 「他の方は問題ございませんの?」 滝壺 「(・x・)」 番外個体 「(・x・)」 結標 「(;-x-)」 絹旗 「あ、それもういいですよ」 滝壺 「うん、問題ないよ」 番外個体 「おk」 結標 「予定なら空いてるしね」 婚后 「決まりですわね」 浜面 「将棋でもやるか」 海原 「いいですね、お相手しましょう」カタン ユリコ 「(・ω・)」ウズウズ ~2月12日 第7学区 とあるスーパーマーケット~ 番外個体 「ねー、ココアパウダー買っていい?」 結標 「貴女、もう何作るか決めたの?」 番外個体 「だいたいね」 絹旗 「……」ウムー 婚后 「先ほどからずっとこんな調子ですわね」 滝壺 「きぬはた、何か迷ってるの?」 絹旗 「……いえ、決まりました。ちょっとスライスナッツを探してきます」ピュー 白井 (さすがに媚薬の類は置いてませんのね)ションボリ 結標 「あ、ねえ。これ買っていいかな」 滝壺 「ハートの型? しかもおっきい」 婚后 「この大きさは本命用ですわねー」クスクス 結標 「う、なっ……いいじゃない、別に……」 番外個体 「よし、淡希はこれも買うべきだな」 結標 「? なにこれ」 白井 「チョコペンですわね」 滝壺 「それを使って文字を書くんだよ」 結標 「な、何書けっていうのよ」 番外個体 「貴方の心にムーブポ 「それはいいから!!」 婚后 「心を込めたメッセージを書けばよろしいですわ」 白井 「量産用に、こちらの小さい型詰め合わせもあるとよろしいかと」 結標 「そ、そうね。ありがと」 絹旗 「超戻りましたっ」ドサドサドサ 滝壺 「ずいぶん持ってきたね」 番外個体 「スライスじゃないナッツもあるけど……胡桃? これも使うの?」 絹旗 「超念のためです。余ったら私が食べます」 結標 「絹旗さんって最近いっつも豆食べてるわよね。ポリポリポリポリと」 絹旗 「いいじゃないですか、別に。超静かなマイブームなんです」 婚后 (ああ、絹旗さんがリスっぽいと感じてたのはそのせいですわね) ~その頃のきぬはた荘~ 浜面 「……くそ、パスだ」 海原 「パスは3回までですよ? よろしいので?」 浜面 「已むを得ねぇ」 海原 「そうですか……では、僕はこちらで。どうぞ、浜面さん」パチン 浜面 「……パスだ畜生!」 海原 「ふふ、いよいよ後が無くなってきましたね」 浜面 「くそ、せめてスペードの10が出てくれば3枚は生き残れるってのによ……」 海原 「そう上手くいかないのが、7並べの面白いところです」 浜面 「考えてみたらスペードの10止めてるのお前しかいねえ! 卑怯だ!」 海原 「卑怯? 駆け引きがうまいと言って頂きたいですね」 ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」シュバババババ 海原 「あ」 浜面 (ナイスだユリコ!)b グッ ~同日 第7学区 とあるカフェ~ 絹旗 「いやー、超買いました」 白井 「あら? 結標さんが作ると仰ってた飲むチョコレートがございますの」 結標 「それじゃさっき買った型はなんなのよ……あ、すいません、これ1つ」 番外個体 「とか言っておいて飲むんだね」 滝壺 「一口味見させて」 婚后 「時期が時期だけに、色々と特別メニューも用意されておりますのね」 店員 「お待たせ致しました。こちらご注文のお品物になります」 結標 「へー、これが飲むチョコレート……どれどれ」チュー 白井 「お味はいかがですの?」 結標 「え? なにこれ……え?」 番外個体 「?」 結標 「飲むチョコレートって、チョコレートを溶かすだけじゃないの?」 絹旗 「詳しくは超知りませんが、溶かすだけでは出来ないと思います」 滝壺 「あ、おいしい」チュー 番外個体 (あ、そういや最終信号からチョコレートの作り方教えろくださいってメール来てたな)カチカチ 結標 「これにしなくてよかったわ……飲んでも作り方想像できないもの」 滝壺 「牛乳使ってるね」 白井 「牛乳と溶かしたチョコを混ぜてるのでしょうか」 婚后 「となると、牛乳も温めないといけなさそうですわね」 絹旗 「でもこれ、冷たいですよ」 番外個体 (あー、そうだ。一方通行にも手を出すな口出すなって言っておくか)カチカチ 結標 「全部出来てから冷やしたんじゃないの?」 絹旗 「その割にはなんか……ん~~」 婚后 「こういうのはお店独自の秘密だったりしますし、詮索は控えましょう」 白井 「聞いたところで、教えて頂けるか分かりませんし」 番外個体 (送信おk)ピッ 滝壺 「あくせられーた?」 番外個体 「えっ? う、うん、そんなところ」 ~2月13日朝 きぬはた荘~ 絹旗 「では、超はじめましょうか」 結標 「さ、男どもは出てった出てった」 浜面 「おい、なんだいきなり」 番外個体 「こっから先は一方通行ってこと」 海原 「はは、これは逆らえそうにないですね」 白井 「ゆっくりしてきてくださいまし。夜まで」 婚后 「申し訳ございませんが、本日は男子禁制でございますので」 滝壺 「はまづら、何かあったときのために私のカード渡しておくね」つ【GOLD】 浜面 「あ、はい。お預かりします」 海原 「では行きましょうか」 結標 「はい、上着。帰ってきた後にはお楽しみが待ってるからね」 番外個体 「海原さん、胃薬買っておいて」 結標 「なんでよ!!」 絹旗 「行きましたかね」 婚后 「気の毒ですが……仕方ありませんわね」 滝壺 「どうやって班分けしようか」 白井 「さすがに、6人がいっぺんに作業できるほどのスペースはキッチンにはございませんの」 番外個体 「3人が限度だね、あの広さじゃ」 結標 「別にそこまで考える問題でもないでしょ。適当でいいじゃない」 絹旗 「なんというか、こう、すでに超見えない線が引いてある気はするんですが」 滝壺 「?」 婚后 「それでは少々安直ではございませんか?」 番外個体 「じゃほら、ティッシュねじってクジ作ったから。これで決めよう」 結標 「長いのが3本、短いのが3本ね……もうこれでいいわよ」 白井 「決まりですの。ついでに、短いほうが前半の部ということにいたしましょう」 滝壺 「……みんな掴んだ? じゃ、いっぺんに引くよ」  ヒュパパパパパ 絹旗 「おお……こうきましたか」 婚后 「では、前半の部の方は早速着手してくださいな」 ~その頃 第7学区 某所~ 海原 「追い出されちゃいましたね」 浜面 「一体何が始まるってんだ?」 海原 (まあ、分かりますけども) 浜面 「しょうがねぇな。夕方まで適当に時間つぶすか」 海原 「そうですね、そうしましょうか」  :  :  : 海原 「おや?」 浜面 「あららら?」 一方通行 「出会うのがコイツらかよ……俺はどこまでツイてねェンだ」ハァ 海原 「一方通行さんも、追い出されたクチですか」 一方通行 「オマエらもか。なンなのかねェ……もう反抗期なのか、クソガキも……」 浜面 「大変なんだな、第一位も」ポンポン 一方通行 「……オマエら付き合え。メシぐらいは奢ってやる」 ~その頃 第7学区 とあるデパート~ ショチトル 「も、申し訳ない……こんなこと頼めそうなの、あなたたちしかいなくて」 麦野 「まー、なんだ、ほら。私も買っておこうかと思ったし、丁度よかったわよ」 19090 「しかし右を向いても左を向いてもチョコレート売り場ですね、とミサカは右往左往します」 麦野 「ウロチョロすんな。迷子になったら誰が探すと思ってんだ」ガシッ 19090 「ふが」 ショチトル 「しかし、日本には不思議な風習があるのだな……女から男にチョコレートか」 麦野 「まあ、ここ数年はそうでもないみたいだけどね。逆チョコとか友チョコとかあるみたいだし」 19090 「ではしずりんが渡せば麦チョコですかとミサカはっ」ブフィー 麦野 「自分の発言に自分で吹いてどうすんのよ」 ショチトル 「でも、たくさんあるな。どれにすればいいんだ?」 19090 「自分が食べたいと思ったものにすれば良いのでは、とミサカは的確なアドバイスを送ります」 ショチトル 「食べたいの……」 麦野 「あ、これ買っていこうかな」 19090 「これは……と、ミサカはしずりんのチョイスに目を見張ります」 ショチトル 「えっ……なぜだ? こんな小さいのが4つ入ってるだけでなんでこんな値段が?」 麦野 「そういうもんなの。安いのから高いのまで色々あるのよ、こういうのは」 19090 「こんな高級品を贈られる殿方は果報者ですね、とミサカはしずりんの白馬の王子様を」 麦野 「そんなんじゃないわよ。これは自分で食べる用。あのバカにはこっちで十分よ」ヒョイ 19090 「……ごぢば?」 ショチトル 「ブランド名か何かか」 麦野 「ええ、有名所よ。あ、そうそう。カエル先生の分も選んでおくか」 19090 「いえ、それには及ばないかと、とミサカは制止します」 ショチトル 「?」 19090 「先日、偶然聞いてしまったのですが」  *** 冥土帰し 「もうじきバレンタインか……やれやれ、大量の贈り物を捌くのも大変なんだけどね?」  *** 19090 「とボヤいてましたので」 麦野 「……結構ヤリ手なのね、あの爺さんも」 ~きぬはた荘 キッチン~ 滝壺 「番号」 白井 「1」 結標 「2」 滝壺 「全員揃ったから始めよう」 白井 「それではお湯を沸かしますの」バチン 結標 (へー、お湯なんて使うんだ) 滝壺 「二人とも、どんなの作るの?」 結標 「私は買ってきたこの型を使って、普通の……変に凝って失敗しても嫌だしね」 白井 「わたくしは、多めにチョコレートを溶かして」 滝壺 「溶かして?」 白井 「全身に塗って」 結標 「やめなさい、流石に引くから」 白井 「冗談はこれぐらいにして、この型を使って固めますの」 結標 「え? なにこれ? どうやって使うの?」 白井 「ここから溶かしたチョコを流しこんで固めれば、愉快なオブジェの完成ですの」 滝壺 「食べるのが勿体ないかもね」 結標 「滝壺さんはどうするの?」 滝壺 「私はクッキー」 白井 「それが浜面さんのリクエストで?」 滝壺 「うん」 白井 「リクエストといえば、結標さんは何か聞いておりませんのですか?」 結標 「んーと……なんでもいい、って。私が作ったものなら、なんであれ食べるからって」 白井 「気のせいかわたくし、目からガムシロップが出てきましたの」 結標 (しかもこれ嘘じゃなく、本当に食べちゃうから……ヘタなの作れないわよ) 滝壺 「♪」ドザザザ 白井 「滝壺さんなら粉塵爆発の心配はございませんの」 結標 「それいつまで引きずってるのよ」カチャカチャ 白井 「ささ、わたくしたちも着手いたしませんと」 結標 「まず、刻めばいいのよね」 白井 「溶かす前の準備ですわね」 滝壺 「大きさを揃えて刻んでね」ゴネゴネ 結標 「結構固いのね」ドカドカドカドカ 白井 「大きさを均等に、が意外と難しいですの」ドカドカドカドカ  :  :  : 白井 「できましたの……」 結標 「刻んでみると結構な量だけど、溶かすとどれぐらいになるのかしら」 滝壺 「」ビッタンビッタン 白井 「では、わたくしは冷却用のトレイを用意しますので、溶かしてくださいますか?」 結標 「う、うん。わかった」 滝壺 「」ボカボカ 白井 「大変ですのね、生地作りも」 滝壺 「大変」フー 白井 「冷蔵庫にスペースは……大丈夫ですの」 滝壺 「……なんかコゲ臭いね」フンフン 白井 「まさか……」 結標 「ね、ねー……これってマズイかな」 白井 「あー、やっぱりですの……」 滝壺 「むすじめ、チョコ溶かすときは直火じゃダメ」 結標 「そ、そうなの?」 白井 「わたくしがお湯を用意しておきましたのに」 滝壺 「こうやって、お湯の熱で溶かして」 結標 「あっ、それでお湯準備してたのね……」 滝壺 「大丈夫、ありがちな失敗だよ」 白井 「この炭チョコは……手遅れですの」 結標 「ゴ、ゴメンなさい……」 滝壺 「むすじめって、意外とぶきっちょだよね」 結標 「」グサリ ~きぬはた荘 リビング~ 絹旗 「わー、早くもすごいですね。超甘い香りが」 番外個体 「そういえばさ」 婚后 「どうかいたしましたか?」 番外個体 「私らは贈呈品を作ったとして、それを裸で渡すつもりなのかな」 絹旗 「服ぐらい着てくださいよ」 婚后 「贈り物は自分ですと? あらあら、大胆ですこと……」 番外個体 「そうじゃなくて! いや、それもアリかもしれないけど、そうじゃなくて」 絹旗 「じゃ、なんですか」 番外個体 「ラッピングとか考えてなかったなぁと思って」 婚后 「あ」 絹旗 「そう言われてみれば……」 番外個体 「まー、新聞紙とかでもいいか」 婚后 「ダメですわよ。インクで汚れますわ」 番外個体 「やっぱダメ?」 絹旗 「お皿に乗せて渡せばいいじゃないですか」 婚后 「まあ、同居人ならそれでも良いかもしれませんが……」 番外個体 「やっぱり外に持ち出すとなると、なんか必要かな」 婚后 「そうですわ。待つ身も暇ですし、わたくしたちで買いに行きましょう」 絹旗 「そうしましょうか、滝壺さんたちも使うかもしれませんし」 番外個体 「はー、しょうがないか」 婚后 「ちょっと、キッチンのメンバーにも聞いておきますわね」パタパタ 番外個体 「ラッピングねー、うーん」 絹旗 「ミサワさんは超裸で渡すんじゃないですか? あ、もちろん自分がですよ」 番外個体 「するかっつの!」 絹旗 「えー、超つまらないですー」ブーブー 番外個体 「だって、そんなことして……あんなこととかそんなことされたら、私……」 絹旗 「?」 番外個体 「」プシュー ~きぬはた荘 キッチン~ 結標 「今度は大丈夫よね……」トローリ 白井 「ダマもなさそうですし、これなら実用に耐えますの」 婚后 「進捗はいかがですか?」 滝壺 「あれ? どうしたの?」 婚后 「向こうで話題になったのですが、ラッピングどうされるおつもりなのかと思いまして」 滝壺 「」 白井 「」 結標 「」トローリ 滝壺 「全然考えてなかった」 白井 「6人いて、誰も気づかないとは……」 結標 「ど、どうしましょ……」 婚后 「では、待機組で買出しにいってきますわ」 滝壺 「ゴメンね、おねがい」 結標 「あ、あのさ。材料用のチョコも買い足してほしいんだけど」 婚后 「え!? あれだけあっても足りないのですか?」 結標 「えと、少しミスっちゃって」 婚后 「まあ……かしこまりました。適量買ってきますわね」 白井 「申し訳ございませんが、よろしくお願い致しますの」 <お二人とも、出掛けますわよ。 <はいはーい。 <ユリコー、頭から降りてください。 <オアーン 白井 「……少しミス、ですの? この炭チョコが」 結標 「私は過去に拘らないのよ」 滝壺 「前を見据えるのって大事だよね」ウンウン 白井 「なにか違うような……さ、型の準備ができましたので、流しこんでくださいまし」 結標 「うわー、なんか緊張するわ」トローリ 滝壺 「……こうやってみても、むすじめのハート大きいよね」 白井 「文字通り、気持ちの大きさを表現しておりますの」 結標 「やめてよ! 手元が狂うようなこと言わないで!」 ~その頃 第7学区 とあるファミレス~ 一方通行 「」ポケー 浜面 (おい、どうしちゃったんだよコイツ)ヒソヒソ 海原 (理由も聞かされずに追い出されれば、凹みもしますよ)ヒソヒソ 一方通行 「…………反抗期、かァ」 海原 「いや、何か特別な理由があったんだと思いますよ?」 浜面 「そ、そうだよな! 話せば分かる!」ウンウン 一方通行 「……アイツからさァ、クソガキが何かやっても詮索するなって釘刺されてンだわ」 浜面 「アイツって……ミサワの姐さんか?」 海原 (根回し済みでしたか、流石ですね) 一方通行 「俺がなンかしたっつゥのか……いや、したンだよな……」 浜面 「おい、いくらなんでも凹みすぎじゃねぇか?」 一方通行 「いや、俺も頭では分かってたンだよ。いずれこういう日が来るってなァ……」 海原 (重症ですね……) 浜面 (どうする、これ)ヒソヒソ 海原 (どうしたもんでしょうかね) 一方通行 「だが、ここまで早く来るとはなァ」 店員 「お待たせ致しました」 浜面 「お、きたきた! おい、一方通行。いつまでも凹んでないで食え!」 一方通行 「はァ……らしくねェって自覚はあるンだよ」モシャモシャ 浜面 「そういや、ちと思ったんだけどよ」 海原 「どうしました?」 浜面 「一方通行よ、お前を選んでくれた相手にアイツ呼ばわりはねぇだろ」 一方通行 「あァ? 二人の時は名前で呼ンでやってンぞ」 海原 「おやおや、仲のよろしいことで」 一方通行 「アイツが名前で呼べってうるせェからだ、ったく」 浜面 「なんだ、おっさん心配しちゃったぜ」 一方通行 「オマエ人のこと心配してる場合かよ。苗字で呼ンでるじゃねェか」 海原 「言われてみれば、浜面さんはずっとそうですね」 浜面 「ぐ……ま、まあ、それで定着してるっていうかな」 海原 「滝壺さんは何も言ってこないのですか」 浜面 「言ってこないな。向こうも"はーまづらぁ"呼ばわりだし」 一方通行 「オマエ、結婚して苗字変わっても苗字呼ばわりなンかよ?」 浜面 「そ、それはそん時に考える。そうだ、その辺海原はどうなんだよ」 海原 「僕ですか? 名前で呼んで欲しいとは言われましたね」 一方通行 「おーおー、変態同士で仲のよろしいこって」 海原 「でも呼んでませんよ? これまで通り、結標さんです」 浜面 「……なんで?」 海原 「なんか照れるじゃないですか」 一方通行 (アイツから"最近淡希が機嫌悪いのー"ってメールが来まくる俺の身にもなりやがれ……) 浜面 「頑張れ、結標の姐さん……」ホロリ 海原 「?」 店員 (クソックソックソッ……リア充がこんな店来てんじゃねぇ……!) 浜面 「しっかし、まだ昼過ぎか。これからどうするよ」 海原 「まさか夜までここで粘る訳にもいきませんしね」 一方通行 「なンか暇潰しの手段はねェのかよ」 浜面 「雀荘でもいくか?」 海原 「碁会所なんてどうです?」 一方通行 「あンのかよ、学園都市に」 海原 「雀荘はないでしょう。一種のギャンブルですよ?」 浜面 「おい、麻雀は本場中国では家族団欒の手段なんだぞ!?」 一方通行 「中国の麻雀と日本の麻雀は別モンだ。ルールからして違ェ」 海原 「仰るとおりです」 浜面 「ぐ……だ、大体な! 碁会所だって学園都市にゃねぇだろ!」 海原 「第19学区にありますよ」 浜面 「あんの!?」 一方通行 「あったとしてもンなところ行かねェよ」 海原 「つれないですね」 一方通行 「とりあえず出るか。さっきから店員の視線が妙に痛ェしな」 浜面 「痛い視線は反射できないのか?」 一方通行 「残念ながらな」 海原 「そうと決まれば行きましょう」 店員 (二度と来んなバーカ)  :  :  : 海原 「さてさて、どうしましょうかね」 浜面 「……おい、この店入ってみねぇ? 暇つぶしにはなるだろ」 一方通行 「あァ? こりゃ何の店だ?」 海原 「"ご新規さん大歓迎! 器量良しを揃えてます!"……これは興味深い」 一方通行 「くっだらねェ……珈琲が飲めるならなンでもいいわ」 浜面 「よし、入ろうぜ!」wktk 海原 「帰宅後に浮気を疑われませんかね」 浜面 「大丈夫だろ、あいつなら」 ~きぬはた荘 キッチン~  【冷蔵庫】<バタム 白井 「あとは固まるのを待つだけですの」 結標 「はぁ、やっとここまで来たのね……」ヘナヘナ 白井 「まだ飾り付けが残ってますのよ」 滝壺 「ねえねえ、固まるまでの間手伝って」 白井 「はい、何をすればよろしいですか?」 滝壺 「ここにのばした生地があるから、これで型抜きして」つ□◯△ 結標 「え、すごい。これ焼いたらチョコチップクッキーになるのよね」 滝壺 「うん」 白井 「滝壺さんは本当に器用でございますわね」ペコン 滝壺 「ゆっくりやってるから出来るだけだよ」 結標 「それでも、正直羨ましいわ……」ペコン 白井 「まあ、結標さんでもこれぐらいはできますのね」 結標 「さっきからバカにしすぎでしょ!」ムキー  【オーブン】<ガコン 滝壺 「あとは待つだけ」 結標 「にしても、随分な数ね」 滝壺 「みんなの分もあるから」 白井 「まあ、これは俄然楽しみになってきましたの」 結標 「出来るまでちょっと休憩しましょ」 滝壺 「お茶いれるね」 ~きぬはた荘 リビング~ 結標 「あの子たち、まだ帰ってないのね」 白井 「どこまで行ったのでしょうか」 ユリコ 「(・ω・ ) ) ) )」ポテポテ 滝壺 「ゆりこ? お腹空いたの?」 結標 「家中に充満する甘い匂いにつられちゃったかしら?」クスクス 白井 「そうそう、ネコにチョコレートは毒ですのよ?」 結標 「え? そうなの?」 滝壺 「うん、最悪死んじゃう」 結標 「うっかりあげないようにしないとね……」 ユリコ 「(・ω・)?」 <只今戻りましたー <ただーいまー <超戻りましたー ユリコ 「(・ω・*)三三三」ドタタタタ 婚后 「あら、みなさん?」 番外個体 「もう終わったの?」 白井 「今は待機時間ですの」 絹旗 「てことは、今は冷蔵庫の中ですか」 滝壺 「私のはオーブンの中」 結標 「にしても、随分買ってきたのね」 婚后 「ええ、箱から包み紙から、包装紙にリボンに……」ガサガサ 番外個体 「それも、どんなのでも対応できるように各種サイズを揃えてきたからね」 絹旗 「時期が時期だけに、ラッピング製品も豊富なので超片っ端から買ってきましたよ」 滝壺 「これだけあれば大丈夫そうだね」 結標 「あ、私この大きい箱ほしい」 番外個体 「おっきいもんねぇ、淡希のハートは」 結標 「何よ、その言い方」 白井 「そのまんまですの」 婚后 「出来はいかがですか?」 滝壺 「まだ分からないかな」 絹旗 「さっきオーブンって言ってましたよね? 焼きチョコですか?」 滝壺 「ううん、クッキー」 婚后 「まあ、チョコレートの?」 滝壺 「はまづらにね、なにか食べたいお菓子ある?って聞いたら"煎餅"って言われたから」 絹旗 「浜面……」 滝壺 「流石にお煎餅は作れないから、クッキーにした」 ~その頃 第7学区 とあるデパート~ 19090 「結局、先生には割れせんを買いました、とミサカは報告します」 麦野 「バレンタインに煎餅渡すのは初めてよ」 ショチトル (この紙袋すごい可愛い……お兄ちゃんに渡すのは中身だけじゃダメかな……) 麦野 「ところで、アンタ。自分の分は?」 19090 「はい、これにしようと思ってます、とミサカは見初めた相手に指を突きつけます」ビシイッ 麦野 「……これ、ゲコ太だっけ?」 ショチトル 「チョコレートのオブジェか。器用なものだな」 19090 「これは人に渡すのはなんか勿体無いので、みんなで食べましょう、とミサカは息巻いて提案します」フンスフンス 麦野 「いいの? 愛しのゲコ太が愉快なバラバラ死体になるわよ?」 19090 「へ? なっ、ななな、な、なぜですか!?」 麦野 「じゃあ聞くけど、これこのまま3人でまる齧りするの?」 ショチトル 「それはどうかと思うが……」 19090 「?」 麦野 「あー、つまりね。みんなで食べようとするならハンマーとかで叩きわr「なんですとぉぉぉ!?」 19090 「しずりん見損ないました! ゲコ太を叩き割るなんて!」 麦野 (こいつこんなメンドくさかったっけ) ショチトル (気持ちは分からなくもないが……) 19090 「うー、仕方ありません。しずりんの魔の手から守るのもミサカの使命です」 麦野 「もう好きにして……」ハァ 19090 「せめて別れ際にキスだけでも、とミサカは」 麦野 「おいバカやめろ!」ガシッ ショチトル 「落ち着いて! それは売り物だ!」 19090 「放してください! せめて、せめて思い出だけでも! とミサカはぁぁぁ!」 麦野 「一旦でるぞ」ズルズル ショチトル 「そうした方が良さそうだ」 19090 「放してぇぇぇぇ」 麦野 「これ、傍からみたらこっちが犯罪者じゃねぇか……」 ショチトル 「視線が痛いのは気のせいではないだろうな……」 ~きぬはた荘 キッチン~ 結標 「どう?」 白井 「うん、ばっちり固まってますの」 滝壺 「はい、チョコペン」 結標 「何書けばいいのかしら……」 滝壺 「ねえ、文字の前にこのピンクので縁取りしたらどうかな」 白井 「そうですの。きっと、メッセージが際立ちますの」 結標 「んーと……こんな感じ?」ミョルミョルミョル 滝壺 「うん、綺麗」 結標 「で、文字か……文字ね……」 白井 「"I'm all yours"。これでいきますの」フンス 結標 「ちょっと、それは言い過ぎでしょ」 滝壺 「? そうかな?」 白井 「お付き合いするのなら、この身も心も相手に捧げる覚悟がございませんと」 結標 「貴女が言うと迫力あるセリフね……もう少しマイルドに……これでいくわ」カキカキ 滝壺 「……マイルドなの? これで?」 白井 「まあ、先程のに比べれば抑え気味ですが……」 結標 「いいじゃないのよ! もう!」 滝壺 「文字書いたなら、もう一度冷やさないと」 結標 「さっきほどは時間かからないわよね」  【冷蔵庫】<バタム 結標 「白井さんのはどうなの?」 白井 「今型を外そうとしてますの……」コンコン 滝壺 「慎重にやらないと壊れちゃいそうだね」 白井 「そうですわね、そっと剥がさないと……」  パカッ 白井 「おぅ……我ながら見事ですの」 滝壺 「すごい、ネコだ」 結標 「お座りしてるネコね……すごいじゃない」 白井 「一人一つですのよ」 結標 「え、これ全部ネコなの?」 白井 「中身は同じですの」 滝壺 「食べるのがもったいないね」 結標 「滝壺さんのはどうだった?」 滝壺 「できてるよ。味見してみて」 白井 「これは売り物レベルですの」サクサク 結標 「これ、美味しすぎて逆に手作りか疑われたりしない?」サクサク 滝壺 「大丈夫だと思う」フンス 結標 「なんかみんなすごすぎよ……私のがチープに見えてきたわ」 白井 「いーえー、大事なのはハートですの、ラヴですの」 滝壺 「そうだよ、ラヴだよ」 結標 「にしても、随分時間経っちゃったのね」 白井 「ですの、そろそろ場所を引き継ぎませんと」 滝壺 「あとラッピングだけだし、キッチンじゃなくてもできるよね」 結標 「……でも、リビングだとユリコが巡回してるのよね」 白井 「……うっかり食べられては、危険ですの」 滝壺 「じゃあ、ゆりこはリビングに閉じ込めておいて、食堂でやる?」 結標 「可哀想だけど、それしかないか。絹旗さんも作り始めたら面倒見れる人いなくなっちゃうし」 白井 「ユリコのためを思ってのこと、仕方ございませんの」 滝壺 「それじゃ、まず片付けよう」 結標 「たまにやると、結構楽しいのね」カチャカチャ 白井 「あら、結標さんは手作りはこれが初めてでございますか?」ゴトゴト 結標 「恥ずかしながらね」 滝壺 「たまにじゃなくても楽しいよ」 結標 「来年は、もっとすごいの作りたいわね……」 白井 「もう来年の話ですの? それまで海原さんと続いてまして?」クスクス 結標 「続いてるに決まってるじゃない」 ~きぬはた荘 リビング~ 滝壺 「終わった」テッテレー 絹旗 「お、超完成ですか」 婚后 「お疲れ様でした」 白井 「正確には、まだラッピングが残っておりますが」 結標 「それだけだったらキッチンじゃなくてもできるしね」 番外個体 「じゃあ、こっちが始めていいんだね?」 滝壺 「うん、大丈夫」 結標 「浜面さんたちが帰ってくる前に終わらせないとね」 絹旗 「最悪、今日は帰ってくるなって言うから超大丈夫です」 滝壺結標 「「それはちょっと困る」」 婚后 「あらあら、見せつけられてしまいましたわね」クスクス 番外個体 「はー、熱い熱い」 絹旗 「ミサワさんが言わないでくださいよ」 ~きぬはた荘 キッチン~ 絹旗 「さあ、超始めますよ!」フンス 番外個体 「絹旗さん、何つくるの? ナッツ買ってたけど」 絹旗 「ブラウニーというヤツに超挑戦してみます」 婚后 「ブラウニーですか……それも素敵ですわね」 絹旗 「ミサワさんは何にするんですか」 番外個体 「色々考えたけど、トリュフ。甘さは控えめにね。婚后さんは?」 婚后 「最初は固形状のものにしようと思ったのですが、折角ですしムースでも作ってみようかと」 絹旗 「おお、なんか超難しそうです」 婚后 「どうでしょう……レシピは頭に叩き込んできましたが、作るのは初めてですし」 番外個体 「やってみないとわからないもんだよ、こういうのは」 絹旗 「そうですね、時間に余裕がある訳でもありませんし、超ちゃっちゃと始めましょう」 婚后 「まず、テンパリングのためにお湯を用意しないといけませんわね」 絹旗 「何作るにしても、それは必要なんですね」 番外個体 「まあ、基本みたいなもんだしね。よし、気合入れていこう」 ~第7学区 とあるカフェ~  ニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャー 海原 「おやおや、浜面さん大人気ですね」 浜面 「いや、あの……こんな数がまとわりついてくると、正直重いんだが」 一方通行 「ぬこカフェねェ……野郎3人で入るよォな店じゃねェだろ」ハァ 浜面 「そんなこと言って、内心まんざらでもないだろ?」 海原 「先程から膝の上でくつろがせてますしね。白い者同士、相思相愛じゃないですか」 一方通行 「うるせェ。おいモップ、オマエもいつまで居座ってやがる」シッシッ ペルシャ 「イヤー」ガシッ 浜面 「離れたくないってよ」 海原 「余程居心地がよいのでしょうね」 一方通行 「……オマエ、頭のネジ外れてンだろ」ナデナデ ペルシャ 「ブナー」   フシャァァァ フギャァァァァ 浜面 「あ、おい! 俺のことで争うのはやめろ!」 海原 「しかし、帰宅してからユリコさんに怒られませんかね」 浜面 「大丈夫だろ、あいつはおっとり型だし」 一方通行 「? オイ、ちょっと待て。オマエら、決まった相手がいるンじゃねェの?」 海原 「ええ、僕には結標さんという方が」 浜面 「滝壺こそ至高だ。反対意見あるヤツは表にでろ。講義してやる」 一方通行 「ユリコって誰だよ」 海原 「家族ですよ」 浜面 「そうか、お前には話したことなかったな」 一方通行 「……どンなヤツだよ」 海原 「色白で、元気が良くて、人見知りはまったくしないで」 浜面 「ちょいとイタズラ好きで、食いしん坊なんだよな。そこがまた可愛くてなぁ」 海原 「それと、物怖じしませんね。興味があれば一直線ですよ」 一方通行 「……」← ユリコ想像中 一方通行 「オマエら、節操ねェのな」ハァ 海原浜面 「「?」」 ペルシャ 「ブナー」 ~きぬはた荘 キッチン~ 絹旗 「彼氏(かのうじ)という生き物は実在するんでしょうか」 婚后 「……突然何の話ですか?」 絹旗 「というワケで、ミサワさんの超彼氏はどんな人か教えてください」 番外個体 「は、えっ?」 婚后 「あら、わたくしも興味がございますわ」 絹旗 「超浜面とか海原さんのことはそこそこ知ってますけど、ミサワさんの下僕については知らないことが多いので」 番外個体 「下僕って……それは浜面さんの専売特許だよ」 婚后 (浜面さんも、少しだけ不憫ですわ……) 絹旗 「で、どんな人なんですか、ほらほら」 番外個体 「あー……愛想悪くて、虚弱体質で、言葉汚くて、ひねくれてて、厭世家で、ピーマン嫌いで、白くて」 婚后 「少しは褒めて差し上げてくださいな」 番外個体 「…………不器用で優しい」 絹旗 「あーあー、最後の一言で超台無しです」 番外個体 「なんでよぉ!!」 婚后 「落として落として、最後に上げるのは常套手段ですわよ」 番外個体 「ぐぬぬ……もうこの話はお終い!」ザラザラザラ 絹旗 「お、いよいよチョコを溶かすんですね。テンパランスでしたっけ?」 婚后 「テンパリングですわね」 番外個体 「これが見た目より難しいんだ」マゼマゼ 婚后 「ダマにならないように気をつけませんと」 絹旗 「お、早くも溶け始めてきましたよ!」 番外個体 「おいそこ。なに食パンの耳持ってスタンバってんだ」 絹旗 「超味見ってヤツです」 婚后 「ダメですわよ、足りなくなったらどうするのですか」 絹旗 「浜面の分をチロルにします」 番外個体 「ダメだっての! ほら、ブラウニーなんでしょ、生地でも作ってきな」シッシッ 絹旗 「超ケーチーでーすー」 婚后 「ほらほら、わたくしたちも自分の準備をいたしませんと」 絹旗 「はーい」 絹旗 「えーと、バターは……」ゴソゴソ 婚后 「……絹旗さん、そのポーズは……少々扇情的では……ちゃんと膝を折ってしゃがんだ方が」 絹旗 「ふふん、超大丈夫です。角度は計算されつくしているので決して中身は見えません」 番外個体 「見える見えないの問題じゃないっての」 婚后 「はあ……あら? 卵の数が危ないですわ……」 絹旗 「古くなってもアレですし、使い切っちゃいましょう」 婚后 「お言葉に甘えますわね」 番外個体 「はい、こんなもんでしょ」ゴトン 絹旗 「おお、超チョコレートです」 婚后 「下準備その1は完了ですわね」 番外個体 「」ザラザラザラ 絹旗 「あれ? まだ溶かすんですか?」 番外個体 「これは自分で使う用のちょっと違うチョコ」マゼマゼ 婚后 「何が違うのですか?」 番外個体 「んー、ビターってやつ?」 絹旗 「甘さ超控えめですか」 番外個体 「超控えめだね、これは」 婚后 「出来上がりが楽しみですわね」コンパカッ コンパカッ 絹旗 「? 白身しか使わないんですか?」 婚后 「ええ。まずメレンゲから作りますので」 絹旗 「黄身、超ちょっと勿体無いですね」 婚后 「そういうことならどうぞ」 絹旗 「はい?」 婚后 「飲んでくださいな」ニコニコ 絹旗 「いやいやいやいや! 飲めませんよ!」 婚后 「身体にいいですわよ?」 絹旗 「それでもですね」 番外個体 「きぬはたのー、ちょっといいとこ」 絹旗 「見せませんから!」ウガー ~きぬはた荘 食堂スペース~ 結標 「んー……」ガサガサ 滝壺 「さっきから何やってるの?」 結標 「なかなか納得のいく形に仕上がらなくてね……」 白井 「あまり手を加え過ぎると、かえってグシャグシャになりますの」 滝壺 「ささっとやったったほうがいいよ」 結標 「分かってるんだけどね」ガサガサ 滝壺 「やり直したほうがよさそうだね」 結標 「あーん、もー、次!」グシャグシャポイ 白井 「転移能力に関してはミリ単位で調整できますのに……」 結標 「それとこれとは別よ」ガサガサ 滝壺 「ちょっと休憩しよ。焦ってるとなにもうまくいかないよ」 白井 「そうですわね、一休止挟みましょう」 結標 「うー……」 白井 「ところで、この大きいのは海原さん用だとして、この小さい量産型ハートはどうなさるおつもりで?」 結標 「考えてないのよね。義理ばらまく相手もそんないないし」 滝壺 「読者プレゼント」 結標 「なんの読者よ」 白井 「まあ、男女問わず身近な相手に渡せばよろしいかと。本命のついでという大義名分もございますし」 滝壺 「1個食べてみていい?」 結標 「ええ、どうぞ」 滝壺 「あ、普通にチョコレート」ポキポキ 白井 「甘さは若干控えめにしてますのね」ポキポキ 滝壺 「私好きだな、ビターっぽいほうが」ポキポキ 白井 「この一口サイズも、何気に気がきいてますの」ポキポキ 結標 「それぐらいにしてよ。なくなっちゃうでしょ」 滝壺 「あ、ギザギザハート発見」 結標 「……これ、浜面くんにあげようかしら」 滝壺 「……なんかやだ」ムー  :  :  : 結標 「できた……」ヘナヘナ 白井 「包装紙にリボン、無難な仕上がりですの」 滝壺 「このちょっとだけ不恰好な感じが、手作り感出てていいよね」 結標 「もう許してよ……」 滝壺 「はい、一日早いけど二人に」 結標 「? なにこの包み」 白井 「この触り心地はクッキーですわね」 滝壺 「うん」 結標 「なんだか悪いわね」 白井 「ではわたくしからも」 滝壺 「さっきのネコ? もったいなくて食べれないかも」 白井 「カビる前に頂いてあげてくださいまし」 結標 「私からは……いいわね、さっき食べてたし」 滝壺白井 「「えー」」 結標 「余ったらあげるから」 ~きぬはた荘 キッチン~ 婚后 「♪」ガッシュガッシュガッシュ 絹旗 「メレンゲって、顔を超突っ込みたくなりますよね」 番外個体 「あー、なんか分かる。顔に塗りたくなるよね」 婚后 「や、やめてくださいな」 番外個体 「いや、しないけどさ」 絹旗 「たしかムースでしたっけ? ここからどうやってムースになるんですか?」 婚后 「こちらに、チョコレートと生クリームを混ぜたものがございますので」 絹旗 「顔に塗ると」 婚后 「塗りません!」 番外個体 「混ぜるんでしょ? それ」 婚后 「そうですわね。泡を残す感じで、そっと優しく」マゼマゼ 絹旗 「お、なんか超それっぽくなってきました」 婚后 「ここまでくれば、あとは容器に移して冷やすだけですわ」 番外個体 「絹旗さんはどこまで進んでるの? なんか暇そうだけど」 絹旗 「今焼いてますよ」  【オーブン】<ヴォォォォォォン 番外個体 「いつも思うんだけど、大丈夫なのかウチのオーブンは」 絹旗 「まあ、あれでちゃんと動いてますし」 婚后 「ミサワさんは、進捗はいかがですか?」 番外個体 「んー、そろそろいいかな」コトッ 絹旗 「なんですか、この出来損ない」 番外個体 「誰が出来損ないだコラァ!」 婚后 「トリュフですよね? ここから丸めるんですわよ」 絹旗 「あ、そうなんですか? やってみていいですか」 番外個体 「待った。この氷水で手を冷やしながらの方がいいかも」 絹旗 「(チャプ)うっ……超冷たいです」 番外個体 「で、こんな感じに一口サイズで」コロコロコロ 絹旗 「まさに泥団子ですね、見た目的にも」コロコロコロ 番外個体 「失礼だなキミは」  【冷蔵庫】<バタム 婚后 「こちらは固まるの待つだけですわ」 番外個体 「ムースってどれぐらいで固まるの?」コロコロ 婚后 「さあ?」 絹旗 「さあ、って……」 婚后 「どのみち渡すのは明日ですし。明日まで冷蔵庫に入れておきますわよ」 絹旗 「なんか楽ですね、ムースって」コロコロ 婚后 「あら、ここに到るまでは中々に大変ですのよ? メレンゲも作りましたし」 番外個体 「ただ混ぜるのもしんどいしねー」コロコロ  【オーブン】<イエーイ♪ 絹旗 「お、焼けた。超焼けました」トテトテ 番外個体 (やっぱおかしいよ、あのオーブン……) 絹旗 「超いい感じです!」 番外個体 「あー、胡桃ってこれに使ってたのか」 婚后 「これで完成ですか?」 絹旗 「冷ましてから、上にチョコ塗ってスライスアーモンド乗せて超完成です」 婚后 「あと一息ですわね」 番外個体 「よーし、こっちも仕上げ」ポフポフポフポフ 絹旗 「ココアパウダーですか?」 番外個体 「うん」 婚后 「こちらの群れにはかけないのですか?」 番外個体 「そっちにはこれかけるから」つ【グラニュー糖】 絹旗 「なんか違うんですか?」 番外個体 「黒いのはビター、白いのは甘めだね」 婚后 「チョコレートを2種類溶かしていたのはこのためでしたのね」 番外個体 「そういうこと」フフン 絹旗 「では、この絹旗サマが味見を」パク 番外個体 「あ、ダメ!」      _, ._ 絹旗 「( ゚д゚)!?」 番外個体 「あーぁ、知ーらなぁい……」 婚后 「?」 絹旗 「うっ、が、は……うあああ……」ブルブル 婚后 「き、絹旗さん!? 気をしっかり!」 絹旗 「苦いですぅ! 超苦いですぅ!!」ウガー 番外個体 「だからダメって……彼、甘いの苦手だから。原材料にこれ使ったんだよ」つ【カカオ99%】 婚后 「一欠けらよろしいですか?(パク)……こ、これはききますわね」 絹旗 「うぇ……口の中が超おかしくなりました」 番外個体 「わざわざ色分けたのに」 絹旗 「だってここまで苦いとは思わないじゃないですか! 超ひどいですぅ!」 番外個体 「つまみ食いしといて何言ってんだ!」 =====

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