上条「誰を助けりゃいいんだよ……」 > 03

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以下、作者による注 >41 :1 [sage]:2011/03/05(土) 22:13:59.48 ID:VPiHbgWD0 >すいませんすいません >この方たちすっかり抜けてました > >===英国王室=== >   エリザード        【捕縛】 >   リメエア         【捕縛】 >   キャーリサ        【捕縛】 >   ヴィリアン        【捕縛】 > > >===騎士派=== >   騎士団長         【捕縛】 > > >あと吹寄【行方不明】 > >最初からこんな調子だと誰か見捨ててしまいそう… 御坂妹を病院に預け、上条は出発することにした。 カエル顔の医者を見つけ、御坂妹をネットワークに繋げるようにしてもらう。 そうすれば彼女の問題は解決だ。 「先生を探しに行くのですか?」 少女はどこか寂しげに話しかけてきた。 「それならミサカも一緒に……」 「それはやめてくれ。途中ではぐれたらもう見つけられないかもしれないだろ」 「それはそうですが、でも……」 道端で出会ってから病院に来るまでの間しか上条とは一緒に過ごしていない。 彼女としては、もう少しイベント的なものがあってもいいのではないかと期待しているのだが、 想いを寄せる相手が朴念仁なのだから、そういった受け身の姿勢では得るものがない。 というわけで御坂妹は、 「お前が無事なのが一番助かるし、俺も嬉しいんだから」 この一言で妥協することにした。 「……いってらっしゃい。必ず無事に帰ってきてくださいね、とミサカは送り出します」 病院を出ると、妹達が離れたのを見計らったのか、スフィンクスが寄って来た。 「にゃー」 「お前、今日はやけに絡んでくるな?」 ちくわも持ってないのに。 「……もしかしてウニ狙い?」 「……」ダッ ちょっと勇気を出して披露したギャグは冷たくスル―された。 スフィンクスは遠くへ駆け出していく。 「ちょ、逃げるほど寒かったか!?  俺のこのツンツンヘアーと海の幸を掛けたクスリとくるネタが……」 追いかけると、スフィンクスは曲がり角の前で立ち止まり、上条の方を振り向いた。 そして一言。 「にゃー」 「何だよ? 今度は曲がれってか?」 近寄ってみると、そこは細い路地だった。 ビルとビルの隙間の薄暗い空間。少し先は行き止まりになっている。 「何か出そうで不気味なんだけど……」 スフィンクスは構わず進んでいく。 仕方なく上条が付いていくと、大きなエアコンの室外機の陰に、何か動くものがうずくまっている。 背筋がぞわりと疼いた。 「う……うう……」 女の呻き声が聞こえる。 「な、何だ……?」 「うー…………うぅ~……」 ――聞こえるんですよ、うー、うー、って。うすぐらーい中で。 いやあ、驚きましたねえ。気味のわるー……い女の声でしたよ。 私も、やだなー、やだなーって思ったんですけどね 怖かったですけどもねえ、そー…っと近寄ってみたんですよ。 そうしたら―― 「――吹寄?」 「かっ……上条当麻……?」 吹寄制理だった。 「おい!? だ、大丈夫かよ? 何でこんな所に……」 「へ、平気よ。ちょっと休んだらすぐ行こうと思ってたんだから……」 「大丈夫そうには見えねえよ! 一体何があったんだよ、こんな見つかりにくい所で」 「人に迷惑は掛けられないから、目立たない場所を選んだのよ」 駆け寄った上条が支えてやると、吹寄はゆっくりと起き上った。 座った状態でもふらふらなのが分かる程で、とても元気そうには見えない。 無理に歩かせたらまた倒れるのではないかと心配になるくらいだ。 「何だよ、熱でも出したのか?」 「違うわよ。大丈夫だからほっといて!」 「放っておけるかよ、こんな状態のクラスメイトを!」 「大したことじゃないの。ただ……」 「ただ?」 「…………たのよ」 「ん?」 吹寄が、小さな声で何か呟いた。 怒ったように顔を赤くしている。というよりも明らかに不機嫌である。 「お腹が空いて動けなくなっちゃったのよ!!」 「ええー!! そんなベタなー!!」 「悪かったわねベタで!!」 「デコッ!?」 上条は頭突きを食らってしばらくダウンした。 「それなら僕の顔をお食べよ」カポッ というわけにもいかないので、 上条は動けない吹寄のためにコンビニでパンと牛乳を買って来てやった。 受け取った吹寄は何の付随効果も無いカレーパンに少し顔をしかめたが、 空腹の方が勝ったのだろう、何も言わず食べ始めた。 スフィンクスが物欲しそうに眺めていたが、非情にも彼女は無視した。 「で、何でお前はそんなになるまで何も食わなかったの?  もしかしてダイエット?」 「もが、べひゅに私は、むぐ、細くなるとか可愛くなるとか、むぐむぐ、興味ないし」 「だったら何で?」 「むぐっ…………」 吹寄はまた顔を赤くして押し黙った。 「あの……お金が、ないの」 「ははあ……」 一人暮らしは毎月末にピンチになるのが常識である。 吹寄制理にもその常識が通用してしまったらしい。 「お前って結構しっかりしてるように見えるけど、そういうとこはルーズなのか」 「い、一応きちんと家計簿は付けているのよ? 今月はちょっと無理な買い物しちゃって」 「……いくらの健康グッズを買ったのかな?」 「うぐぐ……」 ムサシノ牛乳ではない牛乳に顔をしかめつつ一気に飲み干すと、 吹寄制理は勢いよく立ちあがった。 スフィンクスが舌打ちをした。 「とにかく私はこんなところでのんびりやってる暇はないの!  小萌先生を見つけたのよ! 声を掛けようと思ったけど見失っちゃって。  場所を警備員に伝えて捜索に協力してもらおうと思ってたの」 「先生を? どこで?」 「第六学区よ。小さな女の子を連れていたわ」 「そりゃ危ねえな。幼女の姉妹が歩いてるようにしか見えないもんな」 月詠小萌はれっきとした高校教師であるが、見た目は12歳という驚異的な若々しさの持ち主である。 そんな女性が小さな女の子を連れているということはつまり、少女を狙った犯罪者の恰好の餌食だ。 「それじゃ、警備員の詰所へ行くわよ!」 「う、え、俺も?」 「担任の先生が誘拐されそうになってるというのに、放っておくの? 貴様は!」 「め、め、めっそうもありません」 本当はカエル顔の医者を見つけて御坂妹を助けてやらなければならないのだが…… 押しに弱い上条だった。 「にゃー」 警備員の詰所には、黄泉川愛歩がいた。 「いるしッ!!」 「んー? あ、小萌センセんとこの問題児じゃん。どうした?」 「どうしたも何も、先生がいきなり行方不明になったって、結構騒ぎになってますよ!」 「あら、そうなの?」 吹寄は月詠と姫神と青髪ピアスが行方不明になったことまでしか知らない。 黄泉川まで消息が分からなくなっていたと聞かされてきょとんとしている。 「色々起こってるのね」 「そのせいで上条さんはてんてこまいですよ……」 「? なぜ貴様がてんてこまいになるの?」 そういえば、何でだろう。 自問に自答する前に、黄泉川が頭を掻きながら謝罪してきた。 「あー、悪い悪い。ちょっとドタバタしてただけで、  うっかり学校に午後の欠勤届出すの忘れてたじゃんよ」 「ドタバタって?」 「学校で色々行方不明になってるのは知ってるじゃん?  それの捜査をしてる時に遊園地で人質を取った男が立てこもり事件を起こしたって通報が来たじゃん」 「ええっ! 立てこもり? 遊園地で?」 「そ。一度にあれこれ起きててんやわんやじゃん」 ということは、警備員は今とても忙しい。 しかし遠慮していても仕方がない。 吹寄は進み出ると、月詠を第六学区で見かけた旨を報告した。 「お。ってことは小萌センセは無事かな? 報告助かるじゃん。  連絡がないのは気になるけど、事件性はなさそうだから取りあえず後回しにするじゃん」 「はい……まあ、仕方ないか」 吹寄は肩をすくめてため息をついた。ぷるん。 「用事はそれだけ?  じゃあ悪いけど、お茶を出してのんびりお喋りってわけにもいかないから、  とっとと家に帰るじゃん」 黄泉川に促され、2人は詰所から追い出される。 「じゃ、先生、さようなら」 「おう。さよーならー」 吹寄は帰って行った。 これだけのためにひどい目に遭ったね。 「……と、そうだ。先生、ついでに聞いておきたいんだけど」 一緒に出て行こうとした上条だったが、ふと気が付いて黄泉川を振り返る。 「うん?」 「打ち止めとか、この、芳川? とか……  先生の同居人が先生を探しに出掛けたらしいんだけど、会ってねえかな」 「うーん、会ってないじゃん。ちょっと連絡とって見るよ」 芳川は携帯電話を取り出し、打ち止めの番号へ電話を掛けた。 電子音が響く。 彼女は応答するだろうか。 『もしもしヨミカワーっ? 今ツクヨミと一緒に第六学区の遊園地にいるのってミサカはミサカは現状報告!』 「「」」 ■■■■救助リスト(抜粋)■■■■ ===学園都市=== とある高校    月詠小萌         【第六学区の遊園地】     結標淡希        【行方不明】    姫神愛沙         【行方不明】    吹寄制理         【解決済】    青髪ピアス        【行方不明】    土御門元春        【拉致:謎のキャンピングカー】 黄泉川家    黄泉川愛歩        【解決済】    芳川桔梗         【行方不明】    一方通行         【行方不明】    打ち止め         【第六学区の遊園地】    番外個体         【行方不明】 #hr(color=#808080)

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