佐天「時を止める能力……」 > 08

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<p>──九月十八日の放課後のファミレス<br /><br /><br /><br /><br /> 佐天「さてさて、今年も大覇星祭の季節がやってたわよ初春!」<br /><br /> 初春「大覇星祭ですか……私には憂鬱な季節です……」<br /><br /> 佐天「それでも学園都市の生徒かぁぁ!出るからには頑張るのだ!」<br /><br /> 初春「えぇ~何いきなり熱血キャラになってるんですか……」<br /><br /> 佐天「去年までは憂鬱だったが今年は違ぁう!!」ビシッ<br /><br /> 白井「まぁまぁ、初春の言う通りですわ……第一イメージアップだか知りませんが……はぁ……」<br /><br /> 御坂「まぁー黒子は怪我してるから競技に参加できないし憂鬱だろうねぇ」<br /><br /> 御坂「私もだるいわー、学校を上げてだからだし……」<br /><br /> 佐天「あー、常盤台中学ってだけで相手チームに同情しちゃいますねぇ」<br /><br /> 初春「お嬢様学校ですからね!何せホワイトハウスも攻略できますから!」<br /><br /> 白井「誰が言い出したんでしょうね、そのホワイトハウスを攻略だなんて……こっちは迷惑ですわ」</p> <p>御坂「まー何にせよ事実だからじゃないかしらね?机上の空論だろうけど」<br /><br /> 白井「はぁー……それにしたって大覇星祭──憂鬱ですわ……」<br /><br /> 佐天「随分と憂鬱そうにしていますけれど白井さんは大覇星祭楽しみじゃないんですか?」<br /><br /> 白井「楽しむも何も去年は風紀委員の仕事も兼ねてましたので目が回る忙しさでしたわ」<br /><br /> 白井「祭り、となるとはしゃぎたい一般人が学園都市の生徒、能力者に喧嘩を売ったり──くだらない事をしでかすものですわ」<br /><br /> 佐天「へぇ~そうなんですか……、でも白井さん怪我してるから大覇星祭中は仕事無いんじゃないんですか?」<br /><br /> 初春「白井さんには支部の方で色々裏方を『沢山』やってもらうので大丈夫ですよ」ニコニコ<br /><br /> 白井「…………憂鬱ですわ……」<br /><br /> 初春「さ、白井さんティータイムは終わりです、支部に向かいましょう」<br /><br /> 白井「………憂鬱ですわ」ハァ…</p> <p><br /> 佐天「でも何にせよ今年はやるぞー!!」<br /><br /> 御坂「私は明日から競技あるのよねー」<br /><br /> 佐天「えっとー常盤台中学は明日に『玉入れ』ですか」<br /><br /> 佐天「何の競技にしろ相手チームに同情しちゃいますねーアハハ……」<br /><br /> 御坂「みんな多少手加減する筈だし、怪我人を出したら罰則だからなぁー」<br /><br /> 佐天「そういった意味では御坂さんはやりにくそうですね」<br /><br /> 御坂「そうねぇーまぁ私が出る幕でもなさそうだし、楽っちゃ楽よ」<br /><br /> 御坂「……で、佐天さんはあの能力──どうなの?」<br /><br /><br /><br /> ドォ────z____ン!!<br /><br /><br /><br /> 佐天「と、ささっと佐天は御坂さんの隣に回りこみまーす……なんてね」<br /><br /><br /><br /> 御坂「!?……ほんっとよく分からない能力ね、それ」<br /><br /> 佐天「それに最近またヘンテコな能力に目覚めましたし」</p> <p>御坂「??佐天さんの能力は多少分かったけど、能力がまた発現って……?」<br /><br /> 佐天「そうですねー、例えば左手にあるこの中身の入ったコーヒーカップを──右手へ向けて逆さに!」<br /><br /> コーヒカップから零れた珈琲は佐天涙子の右手に触れた瞬間に──<br /> まるで凍った滝のようにビタリ、と静止した。<br /><br /> 御坂「!?……嘘……何これ、念動力か何か……?」<br /><br /> 佐天「正確に言うなら静止させた状態ですね、まぁ右手に触れるもの限定なんですけど」<br /><br /> 御坂「はぁー、原理も何も分からない能力ねぇ……、新しい能力って、実現不可能とされる多重能力じゃないのかしら」<br /><br /> 佐天「あーっと多分違うと思います、御坂さんの電撃を強くしたり弱くしたりのように能力の強弱を付けてる感じかと」<br /><br /> 佐天「それにこの右手の力は気付いてないだけで前からあったっぽいですし」<br /><br /> 御坂「前からあった?それってどういうことかしら」<br /><br /> 佐天「多分あたしの能力ってこの右手からの副産物みたいなものっぽいです」<br /><br /> 佐天「ON/OFFの切り替えって感じですかねぇー」<br /><br /> 御坂「???よくわからないわねぇーやっぱ」<br /><br /> 佐天「あはは……自分でもよくわかりませんし……」<br /><br /> 御坂「今度の身体測定で詳しく調べてみたほうがいいわねーっと」<br /><br /> 御坂「そろそろ門限だから私は帰るわねー、お互い大覇星祭楽しみましょ!」<br /><br /> 佐天「そうですね!楽しい大覇星祭になる事を願いますーさよならー!」</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>──────────</p> <p>佐天「ふんふふーん」<br /><br /> 佐天「……(右手の能力に気付いてから約一週間かぁー自分なりの解答はみつけたけど…)」<br /><br /> 佐天「(多分時を止めるのも、遅くするのもこの右手の力、よね……)」<br /><br /> 佐天「(右手で空間に触って『空間を静止させた』多分これが正解……)」<br /><br /> 佐天「ま、細かいことはいいか……おっといけない遅くなっちゃう!!」ダッ<br /><br /> 佐天「こういう時こそ時間を遅くするのが便利よ、ねッ!!」</p> <p> </p> <p> </p> <p><br /> 時間を遅くしている所為で超高速に見える彼女を覗く滞空回線があった。<br /> 70ナノメートルのシリコンの塊は学園都市に5000万機ほど散布されているが<br /> この滞空回線はとある人物のとある専用機だった。<br /><br /><br /><br /> アレイスター「ふむ、彼女専用の滞空回線の出来は良い、苦労して作った甲斐があったものだ」<br /><br /> アレイスター「明日は大覇星祭、彼女が全てを静止できるのならば見せてもらおうかな」<br /><br /> アレイスター「本来は上条当麻の成長に使う予定だったが、両方の成長に変更だ」<br /><br /> アレイスター「上条当麻は問題ないとして、佐天涙子は果たしてどうだろうか」<br /><br /> アレイスター「『魔術』を止めることは果たして出来るかな──クク、結果は分かっているがな」<br /><br /><br /><br /><br /><br /> アレイスター「佐天涙子、お前は上条当麻のように幻想を殺す──幻想を止めることはできるかな」</p>

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