番外・裏お茶会

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<p>「……という事で<br /> "EpisodeX・proof of the golden witch"<br /> は、これにて終了!私とベアトの共同傑作。ねぇベルン!どう?どうだった?」<br /><br /> 「…余りの酷さに言う事すら無いわ。………破滅的ね」<br /><br /> 「まあまあ、そう言うでないぞ?ベルンカステル卿。これは、ただのお遊び。小説でいうならば行間程度のものであるのだからな」<br /><br /> 「そうよ!あんたが勝てなくて可哀相だったから、ちょっとしたお情けじゃない!」<br /><br /> 「……そうね。これは本編には何の関係もない、所謂未来のifのカケラ……いえ、猫箱だものね」<br /><br /> 「くくくっ…!口直し程度には、お楽しみ頂けましたかな?卿よ」<br /><br /> 「…ええ。趣向が違っていたから、それなりには退屈しなかったわよ」<br /><br /> 「またまたベルンは強がっちゃってさー!面白かったでしょ?難易度は超易!謎なんて存在しない、ただの答えの寄せ集めってくらいにしたんだけどね」<br /><br /> 「そうね…まあ、上条当麻には解らなかったみたいだけど」<br /><br /> 「そりゃそうよ!いくら簡単だからと言っても、ゲームに参加したこともない一介の人間には無理よ」<br /><br /> 「この程度の謎、もう戦人なら簡単に解いてしまうであろうよ。くくくッ!」</p> <p>「…でも、やっぱり科学の街・学園都市の能力者には、ファンタジーもミステリーも合わないわ」<br /><br /> 「まあ…たしかにその通りよね。だから遊びはこれっきり。さっさと戦人を呼んできて次のゲームを行いましょ!」<br /><br /> 「そうであるな。……しかし、その前に一つ。先程、ベルンカステル卿はこのゲームを"破滅的"だと仰っていたが、それは一体何がであろうかな?」<br /><br /> 「…貴女、分かってて言ってるでしょ?………全部よ、全部。…探偵役が途中で死ぬ事、超能力が使える人間が登場する事…そして、探偵役が入れ替わる事」<br /><br /> 「…超能力なんて使える人間が側にいたなら、犯人としてその人物を疑わざるを得ないでしょ?だから、このゲームは退屈なのよ。面白みがない事この上ないんだからぁ。そして、もう一つ。……私は上条当麻を探偵役にしていたなんて言っていない!あの中に探偵権限を持つ人間なんて居ないのよ」<br /><br /> 「……」<br /><br /> 「…魔女との戦いには、ノックスもヴァンダインも存在しないという事よ。垣根帝督の言葉を借りるならば"常識は通用しない"…とでも言ったものかであろうか?」</p> <p>「うふふ。そうそう、魔女に常識なんて求める方が間違ってるわよね。…じゃあベルン!またあとでね。行きましょベアト」<br /><br /> 「では、ベルンカステル卿。…また次のゲームにて、お会いしようぞ」<br /><br /> 「……ええ。またね」</p> <p> </p> <p>…やっと煩いのが消えてくれたわね。<br /><br /> そして、これを見ている貴方とは、"初めまして"になるのかしら?それとも"お久しぶり"?<br /><br /> こんな、ルールも法則もありやしない出鱈目なゲームに、自ら望んで参加しようだなんて物好きも良いところよ?<br /><br /> ……でも、それでも推理をやめないというのなら、この私がまた少しだけ力を貸してあげる。<br /> …ただの気まぐれ、意図なんて無いけれど。<br /><br /><br /><br /><br /> …このゲームの難易度はあの子が言った通りの、激易。いつものゲームとは天と地ほどの差がある、本当の"お遊び"よ。<br /><br /> でも、貴方が魔女との推理合戦が初めてのニンゲンなら、少しは頭を悩ませるのかもしれないわね。<br /><br /><br /> …だから、私が貴方に出来るアドバイスはただ一つだけ。</p> <p> …あなたが何も無いと感じて、読み飛ばした一文、一言一句に重大なヒントがある。少しでも描写に違和感を感じたなら、それは答えに繋がるカケラに成り得る。<br /><br /> だから、一時足りとも、思考をやめないで。<br /> 考えることだけに、私は勝利を約束できる。僅かな事が、後の大きな伏線となる。<br /><br /> そして、"その時の心情"が誰のものであるのか、間違えないで。<br /><br /><br /> …私が言えるのはそれだけ。<br /> 簡単な話でしょう?<br /><br /> ………だから勝利なさい。<br /> ここまでしてあげた私を、絶望させないで頂戴。<br /> 共に、あの子に絶対的な負けを認めさせてあげましょう?<br /><br /><br /> …退屈は魔女を殺すの。<br /> 精々努力して、貴方は私を楽しませなさい。<br /><br /> この、ただ一つの偶然のカケラ。<br /><br /><br /> それに捕われてしまった以上、抵抗を棄てなさい。<br /> 抗うことなんて出来ないのだから………ね?<br /><br /><br /><br /><br /><br /> くすくすくす………</p>

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