内蔵電池の観察(と考察)../

まずはRuputerを分解して標準の内蔵電池をじっくり調べてみよう。

【このページのまとめ】
  • 型番MS621で間違いない。充電式。3V系。交換先はMS621FEで秋月に在庫あり
  • ただし、MS621とMS621FEを混ぜて使ってはダメ

画像はクリックすると拡大するぞ。

内蔵電池の観察

【1】

これが問題の電池の実装された基板だ
手前に電池が二つある

【2】

では早速取り外してみよう

【3】

これが内蔵電池だ

【4】

もっと拡大してよく見てみよう。金具(タブ)が邪魔で型番が隠れている

【5】

直径は約6.5mm程度、厚みは約2.0mm程度のようだ
(※→の写真と↓の写真、金属製のピンセットで思いっきりショートさせてしまっているが、危険なので真似しないでね)

【6】(多分どうでもいい情報)

側面も見てみよう。
上の写真では一見TH98に見えるが上下逆だった。86H1と書かれているようだ
他の手持ちの内蔵電池を調べてみると7ZH5(72H5?)と書かれた物もあった。製造番号だろうか

【7】

ではいよいよ、この邪魔なタブを剥ぎ取ってみよう

【8】

SII MS621 MADE IN JAPAN

【9】

掲示板に投稿された内容とも一致する。(引用元:【ENTERキー】Ruputerについて語るスレ2【ダメポ】)


内蔵電池の考察

【1】

「MS621」で検索するとこのような海外の通販サイトがヒットした
MS621自体はとっくに廃番で、その代わりとしてMS621FEが売られているらしい

【2】


念のため、MS621とMS621FEの仕様をデータシートで比較しておこう(赤枠内)
ほとんど仕様は同じだが、微妙にMS621FEのほうが……
  • 容量が大きい( 4.0mAh → 5.5mAh )
  • 内部抵抗が大きい( 50Ω → 80Ω )
  • 標準充電電圧が低い( 3.3V → 3.1V )
  • 放電・充電電流がちょっと低め
  • 寿命が短め( 200回 → 100回 ) オイオイ...
どっちかというとMS621の下にあるMS621FのほうがMS621FEの仕様により近い気がする

【3】

それと、Ruputerの内蔵電池の接続も確認しておこう
内蔵電池は↑の写真のとおり直列に接続されている
参考画像

【4】
MS621FEは標準充電電圧が3.1Vで、最大でも3.3Vまでが限界。
もし最初から入っているMS621が1個3.3V(2個で6.6V)を超える電圧で充電されているなら危険だ
……でも、Ruputerはそもそもバッテリーの電圧がCR2025*2で6Vの設計なので
この内蔵電池がそれを超える電圧で充電されているとは考えにくい。だから大丈夫だろう。

また、とり出せる電流の大きさだが、
別の実験でRuputerは内蔵電池を取り外しても動作することが分かっている
多分、内蔵電池はバックアップ用途なのだろう。そんなに大きな電流は要らないはず。
だから引き出せる最大電流がちょっと少ないくらいは問題ないだろう

ただ、内部抵抗や容量の異なる充電池を直列接続して使うのは良くないという話がある
もともと入っているMS621がどのくらい劣化しているかも分からない
MS621FEに交換するなら2つとも交換したほうが良いのは間違いなさそうだ。容量も増えるし。

【5】

……ということで書き込み通りMS621FEでOKだろうということは分かった
さて入手性は?といえば、幸運なことに秋月が取り扱いを始めてくれていた(14/08/27から)
安いかどうかは微妙だが入手性のほうは問題なさそうだ。



【参考】充電された状態の内蔵電池の端子電圧(実測 劣化含む)
左手前2.86V 右手前2.73V 直列で5.60V

最終更新:2015年10月19日 00:09