ジオンスピリッツ 真エンディング


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ジオスピ完結記念ということで投下します。ご意見、ご感想はコメント欄まで。

最終話+「選ばれた末路」

戦争は、ラテールの神の活躍で終結した。
英雄の愛機――ガンダムラテールは、母艦の周りを凱旋飛行してから着艦した。
上半身と下半身のパーツがアームで取り外され、コクピットたる自転車(ラテールバイシクル)がふわりと床に降下する。
ラテールの神はバイシクルを降り、これからの事を想像してニヤニヤした。
味方のパイロット達は暖かく出迎えてくれるだろう。かのんは抱きついてくるかもしれない。
リュミエールは、自分を部屋へ誘ってくれるかもしれない。そしたらそしたら――
妄想を次々思い浮かべながら、みんなの待つであろう場所へ向かったラテールの神であったが、
そこには思わぬ人物がいた。

「ようシンヤ。満足したか?」
兄のタクヤだった。皮肉な笑みを浮かべている。
「俺はラテールの神だ! シンヤなんかじゃない!」
嘘だ。
本当の名前はhybtシンヤ。
思いがけない事態に苛立ったシンヤは、声を荒げた。
だが、兄はそれ以上の怒りをもってシンヤに怒鳴り返してくる。
「いいかげんにしろ、学校にも行けない引きこもりが! 」
引きこもり。
シンヤはたじろいだ。が、すぐに言い返す。
「俺は小説家を目指しているんだ! 学校のくだらない授業なんか必要ない!」
シンヤは、もはやラテールの神という建前をかなぐり捨てていた。
「新人賞に応募する。そのためには勉強してる暇なんてない」
「やめとけ。恥が増えるだけだ」
「俺の才能に嫉妬するな!」
「嫉妬するか! お前のばかげた現実逃避のせいで、俺たち家族は迷惑しているんだ。
 名前も住所もバレた。ネットのやつらが今にも家に来るかもしれないんだ!」
「種アンチの強がりだ!」
「あいつらはお前を弄んでいるんだぞ!」
「A木がウソをついてるだけだ!」
「そいつが誰だろうと関係ない。お前が勝手に恨んでいるだけだ」
「兄貴も種アンチの差し金なんだな!?」
少なくともシンヤにとってはそうだった。自分に嫉妬するものは、みな種アンチ。
しかし、タクヤはやれやれというふうに両手を上げると、
「俺がお前に何を言っても無駄らしいな……じゃあ、お前のキャラクターに言ってもらうか」
そう言っていずこかへと去った。

追うだけの余裕は、今のシンヤにはなかった。
「A木め……I田め……バカザワめ……」
呪詛のように呟いていると、向こうのほうから自分がもともと待っている人たちが現れた。
かのん、リュミエール、モリーゾ、そして……もやしにティファ。
だが、彼らは一様に怒りの表情を浮かべていた。
かのんがシンヤの目の前に寄ってきて、口を開く。
「あたしの扱いなに!? 戦場で怒鳴ってただけじゃない! 
 そういえば、1話の3人組もいつの間にかいなくなってたわね。
 ロクにキャラクターも立てられない癖に小説家なんて名乗ってほしくないわね!」
そう言うと去っていった。シンヤは、捨てられた子犬のように頭を垂れて聞いているしかなかった。
今度はリュミエールが来た。
「黒歴史って結局なんだったんですかね? 宇宙世紀にC.E.のMSが出ていたことですか? 
 それとも、もしかしたらこの小説を書いたこと自体かも知れませんけどね」
ほとんど嘲るような口調で言った。彼女はそのまま、シンヤの背中側を通って消えた。
つづいてシンヤの目の前に現れたのはモリーゾだった。脂ぎった顔には常に汗が浮かんでいる。
こうはなりたくないな、とシンヤが思っていると、
「要するにバクシオー爆死だな」
と叫び、爆発して粉々になった。
突然の事態に少しは驚いたシンヤだったが、見下す相手ができたので少しほっとした。
全く懲りていない。
シンヤがヒヒヒと笑っていると、人の影がシンヤの顔に当たる光を遮った。
見上げると、もやしだった。
「もやし、生きていたのか」
シンヤは、ラテールの神を演じようとした。
だが、もやしはシンヤの胸倉を掴み上げた。殺意のこもった低い声で言う。
「そっちの都合で何回も殺しやがって。しかも毎回セリフ違うじゃないか。福○監督の真似か? 
 どっちにしたってこっちは大変だったんだぞ。それをどの面下げて『生きていたのか』だぁ? 
 ふざけんなよ、ああ?」
「……せっかく格好良く死なせてやったのに」
「何か言ったか?」
「い、いえ」
シンヤは屈した。悔しさが胸にこみ上げた。
「まあいいか。どっちにしろ、パクッた演出と三文芝居しかできないんじゃお話作りなんて無理無理。じゃあな」
シンヤを放り出すと、もやしは肩を回しながら悠然と歩いていった。
「次の作品ではザコキャラにしてやる」
シンヤは立ち上がり、部屋に戻るべく歩き出した。
「待ちな。まだ俺様がいるぜ」
振り返った。そこにいたのはティファだった。
狂気に満ちたその表情は、先ほど急造のボス役として『ラテールの神』の目の前に現れたティファそのものだった。
そのティファであって、決してシンヤが×と呼ぶ作品のティファではない。
「満足か? 俺様をこんな風に改変して」
ティファは、笑っていた。カンにさわる笑い方だった。
自分をバカにしているからだ。
「そうだよな、オ○ニーだからな。楽しいよな。当たり前だよな」
「何が言いたい?」
「そんな考えで二次創作を書くお前は、
 ばぁーか
 ってことだ」
ティファはそう言って、腹を抱えて笑い転げた。
「×厨の癖に!」
シンヤは、心の中で怒りがくすぶるのを感じた。だが、ティファは意にも介さない。
「あ、それ以前の問題か。なんせロクに学校にも行ってないんだもんなぁ、読めたもんじゃねーよ」
 まぁでも、楽しかったぜ? 作者のヲチが。こんなに笑える奴、なかなかいないもんなぁ。
 あははははははははははははははははははははははははははは!」
ティファは笑った。笑い続けた。
その笑いを聞き続けるうちに、シンヤの脳裏に学校やインターネットで受けた屈辱が蘇る。っそしてついに、シンヤは爆発した。
「種アンチどもがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!」
シンヤは廊下を逃げ出した。ティファに飛び掛ることはできなかった。
わけのわからないことを繰り返し叫びながら走るシンヤの背中を、ティファの笑い声がいつまでも追いかけてきた……

シンヤは部屋に戻ると、布団をかぶった。もうそこは母艦ではなく、hybt家だった。
現実へと戻ってきていた。
シンヤの頭の中でさまざまな感情がぐるぐると回りだす。
何の疑いもなく信じていた、アニメのような勝利。
それを打ち砕かれた学校生活。
自分の願望を具現化してくれたインターネット。
そんな自分をあざ笑い、ネットまで付けまわすハイエナども。
「俺は……俺には未来があるんだぞ! 俺は小説家を目指しているんだぞ!」
シンヤは携帯をつかむと、ブラウザを開いて荒らす掲示板を探した。
今度の新人賞に応募すれば、自分は晴れて小説家になれるはずだ。
シンヤはそう考えながらいくつもの掲示板に必死で書き込み、モニターの向こうの愚民どもの返すレスを笑っていた。
胸中の暗いものには、すでに封がされていた。
しかし、彼はまだ知らない。かつて何万人が同じ事を考え、そして堕ちていったかを。
そして彼の両親が、春には無職になる我が家の不良債権をどう処理するか、さすがに考えはじめていることを。
シンヤの人生は長く、夢はただ大きい。

(完)

  • 乙です。これがファイナルプラス、真のエンディングですねw -- 名無しさん (2011-01-27 11:10:03)
  • 本人はスペエディをニコニコ煮上げる(原文ママ)そうですが……w -- 名無しさん (2011-01-27 18:23:09)
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