神機動戦史ガンダムラテール第4話


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「いいから早く夏休みの宿題やりなさい、シンヤ!!」
 母の金切り声が聞こえた。
 ち、と心の中でシンヤは舌打ちして、雷が過ぎるのを待とうと思った。
 後十分、二十分、それだけ待てば、母は近くのパチンコ屋に出掛けるに決まっている。
 そう、テーブルに千円札を置いてそそくさと外出していくのだ。
 兄と弟はシンヤと違って部活や友達と出掛けて、とっくに家にはいない。
 従ってこの千円は、まるまるぐうたらなシンヤの小遣いになるのである。
 何を買おう、何に使おう、そう狸の皮算用を続けるシンヤに、母は更にお小言を続け、それでもようやく玄関に立った。
 後もう少しで解放される、そうシンヤが思った時、ピンポーンとベルが鳴った。
 いつもと違う展開である。
「はーい」
 パチンコ屋への道のりが少しだけ遠くなった母は、不機嫌そうにドアを開けた。
「ま、ま、先生!」
 上擦った母の声にシンヤは夢想から引き戻された。
 シンヤの担任が思い詰めた顔でそこに立っているのを見て、シンヤはようやく思い出した。
 夏休み、親を連れて学校に来なさいと言われていたことを誰にも告げずにいたことを。
「早斑さん、突然の訪問で申し訳ありません。重大なお話があります」
 パチンコ屋に行く気も失せた母は蒼白な顔になった。
「ど、どうぞ、どうぞお入り下さい」
「シンヤ君もいるのか、ちょうどいい」
 母の勧めも断って玄関先から入ろうとしない担任は、やがて切り出した。
「シンヤ君は中学を卒業できません」

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