神機動戦史ガンダムラテール第3話


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シンヤは焦っていた。
期末試験が終わり2日経った本日、全教科の答案がシンヤの手元に戻ってきたのだ。
最も良かった保健体育ですら平均点ジャスト、他の教科は全て20点を割っている。
成績が悪いのはいつものことだが、今回はいつものことでは済まない事情があった。
シンヤは足りない頭をフル回転させ、テストの結果に対する言い訳を考える。

遡ること一週間、シンヤの平穏な家庭生活は一通の封筒で脆くも崩れ去った。
封筒の中にはシンヤの異常とも言える愚行が淡々と書き連ねられた書類が封入されていた。
当然シンヤの父は怒る。

シンヤは気づいていないが、シンヤの父はシンヤを疎んじていた。
学問の才能もない、芸術の才能もない、運動も出来ない、おまけに顔も悪い文字通りの愚息である。
シンヤの父も決して才能に恵まれている訳ではない。
平凡な商業高校を卒業し、地元の中小企業に就職した。
しかし、大卒に負けてなるものかと死に物狂いで働き、道を切り開いてきた自負がある。
そんな父にとって口先で誤魔化し、現実逃避を繰り返すシンヤは到底容認できる存在ではない。
愚かではあるがシンヤは人に迷惑をかけるようなことをしていない、これが父にとって唯一の救いであった。
しかし、その救いも幻に過ぎなかった。
父はこれが最後のチャンスと心に決め、シンヤに反省を促す言葉をかける。
しかし、シンヤは身に覚えがない、何かの間違いだと言い張るばかりだった。
父はただ、ただ悲しかった。

シンヤは長時間にわたる考察を終えて結論を出す。
「今回は問題が難しすぎた、平均点は一桁だった」と言い張ることにしよう。
ウチのバカ親父ならこれで誤魔化し通せるに違いない。

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