機動戦士ガンダムSEED C.E81ザフトスピリッツ

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キャラクター紹介 |ナツキ・バートレット|大尉|19歳|乗機:ザクウォーリア| バートレット隊隊長 技量と状況判断が卓越している。 射撃の腕が自慢で、主にガナー形態で出撃する。 過去のトラウマから、隊員たちにはどこかそっけない態度を取ることが間々ある |クリスティーネ・メイベル・ゼファー|中尉|18歳|乗機:ザクファントム| バートレット隊の副隊長。主にブレイズ形態で出撃する。 |リエット・メルクール|少尉|15歳|乗機:グフイグナイテッド| 見た目はごく普通の少女だが、研究機関出身の改造コーディネイター。 無口で人見知りで若干無愛想 過去のある出来事がきっかけで極度の対人恐怖症を抱えている。 主にグフイグナイテッドで出撃する。 |ケイノスケ・イトウ|技術中尉|27歳| かなりの機械好きな青年。ナチュラル。 ニューヘリオポリスで小さなジャンク屋を営んでいたが、終戦後ザフトにスカウトされ、バートレット隊の整備主 任となる |エイブラハム・マッキンリー|大佐|53歳|キハイゼルⅡ艦長| ミネルバ改級『キハイゼルⅡ』の艦長。 いつも笑顔を絶やさず能天気ともいえるほどの楽天家。 しかし部下からの信頼は厚い。 7年前の12月 ザフトは戦いに敗れた。 最高評議会議長ギルバート・デュランダルは宇宙要塞メサイアと運命を共にし、ラクス・クライン率いる『歌姫の騎士団』が実権を握った。 新たに議長に就任したラクス・クラインがまず行った事はプラントの軍事・政治を司る『自由条約黄道同盟(Z.A.F.T)』の解体と再編であった。 旧ザラ派、デュランダル派やラクスに従わなかった議員は評議会から追放され、『歌姫の騎士団』構成員が空席を埋める事となった。 ザフト軍の名称は残されたものの、新たに階級が設けられた事、 『歌姫の同盟』に属する者が将官となり要職を独占した事は多くの兵士が不満を募らせる事となった。 C.E75年、ラクス・クラインは圧倒的な武力を背景に地球連合に無言の圧力をかけ地球連合理事会に自分の席を持つようになる。 同時期に中立国オーブを併合し地球におけるプラントの拠点としたことで、ラクス・クラインは地球圏を手中に収めようとしていることが多くの人々の認識する事となり、ナチュラル・コーディネイターを問わず彼女のやり方に疑問を持つ人々は増えていく。 C.E77年頃から反ラクス・反歌姫の騎士団の動きが盛んになり、テロが起きるようになった。これに対してラクスが取った行動は情け容赦のない弾圧と報復であり、人々の不満と怒りは解消される事無く高まる一方だった。 人々の怒り、悲しみ、喜び、野望、それらが渦巻きながら一つの流れが生まれようとしていた… そして、C.E81年が始まる。 第1話-天界の翼- 月のマスドライバーを使用し、連合の軍事施設を破壊し、連合を『平和的交渉』の席につかせる作戦。その作戦が評議会に提出された時、普段ラクス・クラインに盲従していた議員たちは一斉に互いの顔を見合わせた。誰もがラクスの正気を疑ったが、ラクスに意見できるものなど誰も存在しなかったこと、そして何よりも『歌姫の騎士団』の有力な一員であるアスラン・ザラが熱心に賛同したため この作戦は評議会で正式に決定され、ラクスはアスランを作戦責任者に任命し、戦艦とMS部隊を彼に託した。 C.E80年9月18日の事である。 そして年が明けた1月11日。 ザフト軍バートレット隊はミネルバ改級戦艦『キハイゼルⅡ』に乗り込みプラントを出発、デブリ帯やコロニーを経由して月へと向かっていた。 艦の整備デッキでは整備士らがいつでも出動できるように機体の調整を行っていた。 「艦に配備されてるMSは3機。ザクウォーリアが2機とグフイグナイテッドが1機だけか…本当に不安だわ」 バートレット隊の隊長、ナツキ・バートレットがため息をつく。 「しかし一世代前の機体とはいえザクウォーリアは装備の換装で砲撃、近接戦闘、高速戦闘と様々な運用ができます。その上ジェネレーターの出力が格段に上がりビーム兵器も通常装備されています、性能も連合のダガーに引けを取りませんよ」 『キハイゼルⅡ』整備主任のケイノスケ・イトウ技術中尉が汗をタオルで拭いながら答えた。 「なるほど…それが従来のザクとの違いね。それに近々新型の量産機がロールアウトされる言う噂も耳にしているわ、それらの機体も回してくれるといいんだけど」 その時突然黄色の警告ランプが点灯し警報機の高い音がデッキ中に鳴り響いた。 壁に取り付けられた通信機からオペレーターの上ずった声が聞こえる。 「前方に敵艦、数3!」 その時ブリッジは騒然とした空気に包まれ、オペレーターは計器を凝視し、通信士は本部に向けて通信信号を送り来るべき戦闘に向けての準備を始める。 『キハイゼルⅡ』のマッキンリー艦長は思わず椅子から飛び上がり彼らしからぬ大声を張り上げた。 「そんな、どうして気がつかなかった!」 「ニュートロンジャマーが濃く……」 オペレーターが青ざめた顔を艦長に向けようとしたが、すぐに画面に向き直ると必死の様子で 声を搾り出すように発した。 「敵、撃ってきました」 「警告もなしにか……。回避しろ、MSを直ちに発進させろ」 この時『キハイゼルⅡ』のあらゆるエリアがそうであったように、整備デッキも整備士や技術者があわただしく内部を駆け回り、最終チェックと時間が許す限りの戦闘への準備を行っていた。 「遅くなってすまない」 MS発進命令を受けたナツキがMSに乗り込む。 「2号機、3号機いけるな?」 「問題ありません」 ブレイズザクファントムに乗るクリスティーネ・メイベル・ゼファーが軽く敬礼する。 「大丈夫です、いつでも発進できますよ」 もう1機のガナーザクウォーリアのパイロット、オーヴェル・ワーカーがニヤリと笑って答える。 「よし、バートレット隊、出るぞ!」 バートレット隊各機がカタパルトから順に発進する。 「隊長、敵MS出てきました」 オペレーターからレーザー通信が入る。 「数は……ダガーが4機、ウィンダムが2機」 「……戦闘に入ったらかなりまずいですよ」 ワーカーが不安そうな声を出した。 「大丈夫、数はともかく性能ではこちらが勝ってる。それに全てを破壊する必要は無いわ、 とりあえず追い払えればそれでいい」 通信装置からは敵と思われる不明瞭な声が聴こえてきた。 「オープンチャンネル……」 敵の通信を聞いたクリスティーネが顔をしかめる。 「……MS部隊に構う必要は無い。隊長機さえやれば後は……敵戦艦を狙え」 1機のダガーがビームサーベルを抜き、ナツキのザクウォーリアに向かって突出してくる。 ダガーはそのままザクに接近するとビームサーベルをザクに向かって突き立てようとしたが、 それを横にかわすとダガーの頭部をビームライフルで打ち抜いた。 「できるだけコックビットは狙わないで、スラスターも潰さないようにね。 遺族の方に恨まれるのは心底御免だわ」 そのまま向きを変えると盾からビームトマホークを取り出し、別のダガーが手にしていたビームライフルを 断ち切る。 「ふざけているのか」と叫び声が通信機から漏れたが無視してその場を離れようとした時、 すかさず1機のダガーがザクの背後に回りこんで銃を構えようとした。 「後ろか!」 その瞬間オルトロス長射程ビーム砲から放たれたビームによってダガーの片腕が吹き飛び虚空を舞う。 「ワーカー、助かった」 「まったく、気をつけてくださいよ隊長」 そしてもう一発発射されたビームがダガーの頭部を貫く。バイザーを破壊されたダガーは パイロットがパニックに陥ったのかしばらく手足をばたつかせていたが、1機のウィンダムがダガーを 背後から押さえつけるとやがて大人しくなり、ウィンダムと共に戦艦の方向へ飛び去った。 クリスティーネは既にダガーとウィンダムをそれぞれ1機ずつ片付けていた。 連合の戦艦は作業ポッドを出してMSを回収すると戦域を後にしようとする。 「あんたら……何故俺達を殺さなかった?」 連合の兵士から通信が入る。 「別に大層な理由なんて無いわ、貴方達に恨みなんて無いし、ただ貴方達の家族が悲しむ ような事はしたくなかっただけよ」 ナツキの言葉に連合兵は黙っていたが、やがて通信機から苦笑したような声が流れた。 「やれやれ、俺達はずいぶんと慈悲深い方々にめぐり合ったようだな」 「まあ、そういう事にしとけばいいんじゃない」 「ところでコーディネイター、貴様の名前は?」 意外な質問にナツキは少し戸惑った。 「ナツキ」 「そうか、俺はフェザール、せめて次にあんたと会うとしたら平和な時だといいな」 「そうね、楽しみにしてるわ」 通信が切れるとナツキは機体を『キハイゼルⅡ』に向けて飛び立った。 結局『キハイゼルⅡ』は予定時間を大幅に遅れてザフトの月マスドライバー基地に到着した。 艦長と共に司令室に入るとすでに他の部隊の隊長や国防委員らが大勢詰めており、室内を忙しなく歩き回っていたアスラン・ザラがナツキ達の姿を視界に認めると、睨みつけながら近づいてきた。 「遅い!本国からここまでどれだけ時間をかけたんだ。すでに計画の第1段階は始まっているんだぞ!」 「申し訳ありませんでした。しかし連合軍の攻撃を受け応戦した事はそちらに伝え――」 ナツキが答えようとしたところアスランは手で制した。 「まあいい、すでに起こってしまったことはしょうがない。君達には新しい任務を与える」 「新しい任務……ですか?」 その時アスランが手にしていたノート型端末のランプが点滅し、アスランは端末を覗き込む。 「ふむ……タリビアの爆撃は順調……セントランジェの破壊にも成功。さすがラクスの計画だ、やる事全てが徹底している」 アスランは笑みを浮かべた。だが、その目は奇妙な光を放っており、ナツキは何か薄ら寒いものを感じた。 それからアスランは何かぶつぶつとつぶやいていたが、思い出したかのようにナツキに顔を向けるとにやついた笑みを浮かべたまま彼女に話しかけた。 「とにかく5日後には出発してもらう。詳細は後で説明する。今度は手抜かりの無いようにな」 彼女はまだ知らない。これから起こる出来事を。 >とりあえず全面改訂。ラテさんのに忠実にしてみました。 >突っ込み、改善案などありましたら、コメントお願いします。 #comment
キャラクター紹介 |ナツキ・バートレット|大尉|19歳|乗機:ザクウォーリア| バートレット隊隊長 技量と状況判断が卓越している。 射撃の腕が自慢で、主にガナー形態で出撃する。 過去のトラウマから、隊員たちにはどこかそっけない態度を取ることが間々ある |クリスティーネ・メイベル・ゼファー|中尉|18歳|乗機:ザクファントム| バートレット隊の副隊長。主にブレイズ形態で出撃する。 |リエット・メルクール|少尉|15歳|乗機:グフイグナイテッド| 見た目はごく普通の少女だが、研究機関出身の改造コーディネイター。 無口で人見知りで若干無愛想 過去のある出来事がきっかけで極度の対人恐怖症を抱えている。 主にグフイグナイテッドで出撃する。 |ケイノスケ・イトウ|技術中尉|27歳| かなりの機械好きな青年。ナチュラル。 ニューヘリオポリスで小さなジャンク屋を営んでいたが、終戦後ザフトにスカウトされ、バートレット隊の整備主 任となる |エイブラハム・マッキンリー|大佐|53歳|キハイゼルⅡ艦長| ミネルバ改級『キハイゼルⅡ』の艦長。 いつも笑顔を絶やさず能天気ともいえるほどの楽天家。 しかし部下からの信頼は厚い。 7年前の12月 ザフトは戦いに敗れた。 最高評議会議長ギルバート・デュランダルは宇宙要塞メサイアと運命を共にし、ラクス・クライン率いる『歌姫の騎士団』が実権を握った。 新たに議長に就任したラクス・クラインがまず行った事はプラントの軍事・政治を司る『自由条約黄道同盟(Z.A.F.T)』の解体と再編であった。 旧ザラ派、デュランダル派やラクスに従わなかった議員は評議会から追放され、『歌姫の騎士団』構成員が空席を埋める事となった。 ザフト軍の名称は残されたものの、新たに階級が設けられた事、 『歌姫の同盟』に属する者が将官となり要職を独占した事は多くの兵士が不満を募らせる事となった。 C.E75年、ラクス・クラインは圧倒的な武力を背景に地球連合に無言の圧力をかけ地球連合理事会に自分の席を持つようになる。 同時期に中立国オーブを併合し地球におけるプラントの拠点としたことで、ラクス・クラインは地球圏を手中に収めようとしていることが多くの人々の認識する事となり、ナチュラル・コーディネイターを問わず彼女のやり方に疑問を持つ人々は増えていく。 C.E77年頃から反ラクス・反歌姫の騎士団の動きが盛んになり、テロが起きるようになった。これに対してラクスが取った行動は情け容赦のない弾圧と報復であり、人々の不満と怒りは解消される事無く高まる一方だった。 人々の怒り、悲しみ、喜び、野望、それらが渦巻きながら一つの流れが生まれようとしていた… そして、C.E81年が始まる。 第1話-天界の翼- 月のマスドライバーを使用し、連合の軍事施設を破壊し、連合を『平和的交渉』の席につかせる作戦。その作戦が評議会に提出された時、普段ラクス・クラインに盲従していた議員たちは一斉に互いの顔を見合わせた。誰もがラクスの正気を疑ったが、ラクスに意見できるものなど誰も存在しなかったこと、そして何よりも『歌姫の騎士団』の有力な一員であるアスラン・ザラが熱心に賛同したため この作戦は評議会で正式に決定され、ラクスはアスランを作戦責任者に任命し、戦艦とMS部隊を彼に託した。 C.E80年9月18日の事である。 そして年が明けた1月11日。 ザフト軍バートレット隊はミネルバ改級戦艦『キハイゼルⅡ』に乗り込みプラントを出発、デブリ帯やコロニーを経由して月へと向かっていた。 艦の整備デッキでは整備士らがいつでも出動できるように機体の調整を行っていた。 「艦に配備されてるMSは3機。ザクウォーリアが2機とグフイグナイテッドが1機だけか…本当に不安だわ」 バートレット隊の隊長、ナツキ・バートレットがため息をつく。 「しかし一世代前の機体とはいえザクウォーリアは装備の換装で砲撃、近接戦闘、高速戦闘と様々な運用ができます。その上ジェネレーターの出力が格段に上がりビーム兵器も通常装備されています、性能も連合のダガーに引けを取りませんよ」 『キハイゼルⅡ』整備主任のケイノスケ・イトウ技術中尉が汗をタオルで拭いながら答えた。 「なるほど…それが従来のザクとの違いね。それに近々新型の量産機がロールアウトされる言う噂も耳にしているわ、それらの機体も回してくれるといいんだけど」 その時突然黄色の警告ランプが点灯し警報機の高い音がデッキ中に鳴り響いた。 壁に取り付けられた通信機からオペレーターの上ずった声が聞こえる。 「前方に敵艦、数3!」 その時ブリッジは騒然とした空気に包まれ、オペレーターは計器を凝視し、通信士は本部に向けて通信信号を送り来るべき戦闘に向けての準備を始める。 『キハイゼルⅡ』のマッキンリー艦長は思わず椅子から飛び上がり彼らしからぬ大声を張り上げた。 「そんな、どうして気がつかなかった!」 「ニュートロンジャマーが濃く……」 オペレーターが青ざめた顔を艦長に向けようとしたが、すぐに画面に向き直ると必死の様子で 声を搾り出すように発した。 「敵、撃ってきました」 「警告もなしにか……。回避しろ、MSを直ちに発進させろ」 この時『キハイゼルⅡ』のあらゆるエリアがそうであったように、整備デッキも整備士や技術者があわただしく内部を駆け回り、最終チェックと時間が許す限りの戦闘への準備を行っていた。 「遅くなってすまない」 MS発進命令を受けたナツキがMSに乗り込む。 「2号機、3号機いけるな?」 「問題ありません」 ブレイズザクファントムに乗るクリスティーネ・メイベル・ゼファーが軽く敬礼する。 「大丈夫です、いつでも発進できますよ」 もう1機のガナーザクウォーリアのパイロット、オーヴェル・ワーカーがニヤリと笑って答える。 「よし、バートレット隊、出るぞ!」 バートレット隊各機がカタパルトから順に発進する。 「隊長、敵MS出てきました」 オペレーターからレーザー通信が入る。 「数は……ダガーが4機、ウィンダムが2機」 「……戦闘に入ったらかなりまずいですよ」 ワーカーが不安そうな声を出した。 「大丈夫、数はともかく性能ではこちらが勝ってる。それに全てを破壊する必要は無いわ、 とりあえず追い払えればそれでいい」 通信装置からは敵と思われる不明瞭な声が聴こえてきた。 「オープンチャンネル……」 敵の通信を聞いたクリスティーネが顔をしかめる。 「……MS部隊に構う必要は無い。隊長機さえやれば後は……敵戦艦を狙え」 1機のダガーがビームサーベルを抜き、ナツキのザクウォーリアに向かって突出してくる。 ダガーはそのままザクに接近するとビームサーベルをザクに向かって突き立てようとしたが、 それを横にかわすとダガーの頭部をビームライフルで打ち抜いた。 「できるだけコックビットは狙わないで、スラスターも潰さないようにね。 遺族の方に恨まれるのは心底御免だわ」 そのまま向きを変えると盾からビームトマホークを取り出し、別のダガーが手にしていたビームライフルを 断ち切る。 「ふざけているのか」と叫び声が通信機から漏れたが無視してその場を離れようとした時、 すかさず1機のダガーがザクの背後に回りこんで銃を構えようとした。 「後ろか!」 その瞬間オルトロス長射程ビーム砲から放たれたビームによってダガーの片腕が吹き飛び虚空を舞う。 「ワーカー、助かった」 「まったく、気をつけてくださいよ隊長」 そしてもう一発発射されたビームがダガーの頭部を貫く。バイザーを破壊されたダガーは パイロットがパニックに陥ったのかしばらく手足をばたつかせていたが、1機のウィンダムがダガーを 背後から押さえつけるとやがて大人しくなり、ウィンダムと共に戦艦の方向へ飛び去った。 クリスティーネは既にダガーとウィンダムをそれぞれ1機ずつ片付けていた。 連合の戦艦は作業ポッドを出してMSを回収すると戦域を後にしようとする。 「あんたら……何故俺達を殺さなかった?」 連合の兵士から通信が入る。 「別に大層な理由なんて無いわ、貴方達に恨みなんて無いし、ただ貴方達の家族が悲しむ ような事はしたくなかっただけよ」 ナツキの言葉に連合兵は黙っていたが、やがて通信機から苦笑したような声が流れた。 「やれやれ、俺達はずいぶんと慈悲深い方々にめぐり合ったようだな」 「まあ、そういう事にしとけばいいんじゃない」 「ところでコーディネイター、貴様の名前は?」 意外な質問にナツキは少し戸惑った。 「ナツキ」 「そうか、俺はフェザール、せめて次にあんたと会うとしたら平和な時だといいな」 「そうね、楽しみにしてるわ」 通信が切れるとナツキは機体を『キハイゼルⅡ』に向けて飛び立った。 結局『キハイゼルⅡ』は予定時間を大幅に遅れてザフトの月マスドライバー基地に到着した。 艦長と共に司令室に入るとすでに他の部隊の隊長や国防委員らが大勢詰めており、室内を忙しなく歩き回っていたアスラン・ザラがナツキ達の姿を視界に認めると、睨みつけながら近づいてきた。 「遅い!本国からここまでどれだけ時間をかけたんだ。すでに計画の第1段階は始まっているんだぞ!」 「申し訳ありませんでした。しかし連合軍の攻撃を受け応戦した事はそちらに伝え――」 ナツキが答えようとしたところアスランは手で制した。 「まあいい、すでに起こってしまったことはしょうがない。君達には新しい任務を与える」 「新しい任務……ですか?」 その時アスランが手にしていたノート型端末のランプが点滅し、アスランは端末を覗き込む。 「ふむ……タリビアの爆撃は順調……セントランジェの破壊にも成功。さすがラクスの計画だ、やる事全てが徹底している」 アスランは笑みを浮かべた。だが、その目は奇妙な光を放っており、ナツキは何か薄ら寒いものを感じた。 それからアスランは何かぶつぶつとつぶやいていたが、思い出したかのようにナツキに顔を向けるとにやついた笑みを浮かべたまま彼女に話しかけた。 「とにかく5日後には出発してもらう。詳細は後で説明する。今度は手抜かりの無いようにな」 彼女はまだ知らない。これから起こる出来事を。 >とりあえず全面改訂。ラテさんのに忠実にしてみました。 >突っ込み、改善案などありましたら、コメントお願いします。 - ザクファントムは指揮官機なのでナツキをファントム(もしくはウィザード対応機としての上位互換であるドムトルーパー)に、クリスをウォーリアにした方がよいと思われます。 いっそゲルググry &br()リエットに関してもグフはザクよりも高性能(空戦が可能な点など)なのでスラッシュザクウォーリアが妥当かと。 &br()ちなみに、ダガーはC.E.73の時点でウィンダムへの置き換えが進んでいる機体です。 -- 名無しさん (2011-01-02 23:21:39) #comment

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