機動戦士ガンダム0079 AfterWAR 1話

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1年戦争終盤 12月 ソロモン攻略戦 このソロモンは宇宙におけるジオンの重要拠点。 ア・バオア・クー、グナラダと並びジオン絶対防衛線の一角を成している。 -------- ガラッツ達はソーラシステムの遥か後方で警戒と言う任務についていた。 量産型MSジムが6機、簡易モビルポッドボールが3機 サラミス級が2隻。 「暇だねぇ、パトロールってのは。」 ガラッツが組んだ足をモニタの上に乗せて口にする。 周囲に敵影は無くミノフスキー粒子の濃度はそれほど高くない。 -------- パトロール部隊サラミス級『キハイゼル』の艦橋に警報がが鳴り響く。 「レーダーに反応!不明機1早いです。  …この大きさMSじゃない…これは…機種照合完了、ジオンのMAビグロです!」 オペレーターのリアン・フッカァ伍長の報告を受け『キハイゼル』艦長トラント・ペッドは艦長席から腰を浮かせ指揮を飛ばす 「全艦戦闘態勢!!MS隊は艦の前に出させろ、盾にはなる!  艦は回避運動取りつつ射線確保、味方の位置に気をつけろ間違っても射線上に入るな!!  ホチ(砲術長)、射撃は任せる近づかれる前にあの腕付き戦闘機叩き落とせ!!」 しかしトラントはMAというものを知ってはいたが理解はしていなかった。 汎用性を犠牲にして大出力の推進器と強大な火器を備えたMAにとって足の遅い艦船はただの的撃ちに過ぎずMSではMAの加速力に追い縋ることも出来ないということを… -------- 先行するライトニング小隊のスラスター光を目の端で捕らえながらガラッツは僚機に指示を出す。 「ライトニング小隊先行は譲る、俺とイトウ少尉で第2線を張るぞ。  メイベル曹長はボール隊とサラミスの直衛と牽制を頼む。」 自機を前進させると同時にメイベルのジムが後ろへ下がる。 しかし誰しもがビグロの加速性能を甘く見ていた、突然爆発的に加速し先行していたライトニング小隊を嘲笑うかのように抜き去りガラッツ達を交わして『キハイゼル』の横腹へと加速してゆく。 『キハイゼル』の主砲と接近防御用バルカンが一斉に火を噴き弾幕を形成するもビグロは容易にその弾幕をかいくぐり時にはその装甲の分厚さに物を言わせて猛然と肉迫しミサイルを4発放った。 「ミサイル来ます!!」 リアン伍長が悲鳴に近い叫び声で報告しトラント艦長は負けない大声で指示を出しつづけた。 「ホチ、撃ち落せ!!右舷のクルーは中央へ避難しろ」 接近防御用バルカンによって1発は迎撃に成功するが残った3発が主砲区画とメインスラスター、動力部に各々に突き刺さり『キハイゼル』は沈黙した。 「こいつっ!」 引き返してきたライトニング小隊のジムがビームスプレーガンをビグロに向けて発砲するが『キハイゼル』の破片に阻まれビームが届くことはなかった。 どころかお返しだと言わんばかりに大型メガ粒子砲の野太い光条がライトニング小隊へと襲い掛かった。 『キハイゼル』の破片をもろともせず2機のジムが光へ変え残りの1機も辛うじてコックピット周辺をシールドで防御したものの両足と右腕が吹き飛び全身の装甲が焼け爛れていた。 パイロットは生きているだろうが戦闘は言うまでもなく不可能だった。 -------- ビグロはそのまま残ったサラミスを襲うべく進路を取った。 しかしボール隊の思わぬ反撃に回避を余儀なくされ、一度大きく旋回しパイロットはほんの少しの逡巡を挟んだ。 ここまで連邦を強襲するために非常に大きく迂回して来たのだが予想よりも遥かに早く遭遇戦を行う羽目になり既に強襲は失敗している、いずれ援軍も到着するであろう。 しかもここまでの迂回とこの遭遇戦で推進剤も帰還するには少し心許なくなっている。 ここは撤退すべきか… 否、こうなれば一隻でも多く戦艦を撃沈し連邦の戦力を削り落とす… 決断してしまえば実行するだけだった、が、この一瞬の隙が生じた時にボールの隊列を突き破るように1機のジムがビームを乱射しながら飛び出してきたのだ。 -------- 「チッ」 メイベルは味方機が撃墜され舌打ちしサラミスの護衛を離れ一人で前へ出た。 驚いたイトウもバックアップに回るべく増速したが距離が離れていたために間に合わない。 「メイベル出すぎだ!」 しかし彼女に幸運の女神が微笑んだ。 ビグロが一瞬直線的な機動をしたのだ、ここぞとばかりにビームスプレーガンを撃ちまくる。 だがビグロとの相対速度はかなりの差があったため直撃と思われたビームは僅かにビグロのわき腹を抉ったに過ぎなかった。 どうやら彼女の捕まえた幸運の女神は随分と気前が良いらしい、ビグロのスラスターの光が突如半減したのだ。 ビグロのモノアイが忌々しげに彼女のジムを見据えた。 自慢の足を半減させられパイロットはダメージコントロールに躍起になっていた。 逃げるにしろ戦うにしろこの速度では追いつかる、そうなれば小回りの効かない巨体はMSの格好の餌食になる。 そしてそんなチャンスを見逃してくれる敵は居ない。 メイベルは撃ち尽くしたビームスプレーガンを投げ捨てビグロへ突進しながら背中から筒を抜いた。 ヴンと唸りを上げて筒から光が伸び剣となる、ビームサーベルだ。 「もらった!!」 ジムはフェンシングさながらに突きを放とうと機体を捻った、そして ビグロの格闘用アームが全力でジムに叩きつけられた。 MSは大きい、何せ18mもある人型の機械だ。 パワーも相応に凄まじい連邦の現用主力戦車ですら太刀打ち出来ない程だ。 しかしMAは更に巨大だ、MSを人とするならMAはトラック並みのサイズになる。 その巨体から繰り出されるパワーはMSなど簡単に押しつぶしてしまう。 そんなパワーをもろに叩き付けられたジムは胸部装甲が弾け飛び頭部は潰れ一瞬でスクラップも同然にされてしまった。 そしてパイロットはもっと悲惨だ、シートベルトは引き千切れんばかりに張り詰めパイロットスーツの対衝撃機能が首や腰を固定し、コックピット内のアブソーバーは衝撃を緩和しようと最大限動作したが完全な許容オーバーである。 メイベルの体がコックピット内で跳ね回らなかったのはこの3つが限界を超えて頑張った事と彼女の体重が女性らしく軽かった為であろう。 しかし彼女の意識はそこで途絶えた。 ビグロは動きを止めたジムに止めを刺そうとコックピットに爪を立てようとしている。 ボール隊や追いついたイトウ機は慌てて駆け寄ろうとした、メイベル機が邪魔で砲撃出来ないのだ。 しかも今の位置からではどう撃ってもメガ粒子砲が誘爆してしまいメイベルまで吹き飛んでしまう。 イトウ少尉は最悪メイベルごと敵機を撃ち抜くことを考えた、だがそれは実行せずに済みそうだった。 ビグロの直上から一条の光が降り注ぎビグロの格闘用アームを撃ち抜いたのだ。 「美味しいとこ持ってくねぇ、隊長さんよぅ」 -------- 「きゃぁっ!」 再び強い衝撃がメイベルを襲った。 先程のものに比べれば揺りかごのようなものだがメイベルを叩き起こすには十分であった。 「しっかり掴まってろ!曹長!!」 通信の音声とともに僅かに機能を残していたカメラからの映像がサブモニターに映し出される。 ガラッツのジムは試作型のビームライフルを3連射しながら減速どころか更に加速して突っ込んでくる。 その光景にメイベルはまだはっきりしない頭を振り慌てて脇のコンソールにしがみ付いた。 ビームは真上からビグロを貫き、ガラッツのジムはタックルも同然でメイベルのジムに組み付きそして更に加速をかけビグロの脇を抜けようとした。 しかしビグロが予想に反して大規模な爆発を起こしガラッツのジムはバックパックを損傷し、バランスを崩してしまった。 僅かに残っていたカメラの機能を最大限利用して周囲の状況を確認していたメイベルは戦慄を覚えた、あのままガラッツに引っ張って貰わなければ爆発に巻き込まれて宇宙の藻屑となっていたと ガラッツは違和感を覚えた、自分はあんな大規模な爆発が起きるような個所は撃っていない。 確かに試作型のビームライフルは威力が高い、そのために要らぬ損傷を与えたのかと考えたところでメイベルから接触通信が入った。 「…助かりまし……」 通信はそこで途切れた。 圧倒的な光の奔流がソロモンに穿たれ焼かれてゆく。 チェンバロ作戦開始の合図となるソーラシステムの照射である。 誰しもがその圧倒的な光景に目を奪われている最中、ガラッツのGMのスピーカーからノイズ混じりの怒声が響いた。 「…長、上だ!!奴…ま…死んでないぞ!!」 イトウ機の放ったバズーカの弾体が頂上を通過する。 先程の爆発で撃破したと思われたビグロは自らのミサイルを自爆させ目眩ましに使っていたのだ。 ビームライフルに貫かれながら、直近でミサイルが炸裂しながらそれでもまだ生きていた。 どうやら故障していたスラスターも一部が復旧したらしくMSでは追いつけそうにも無いスピードで後退していった。 去り際の通信を残して… 「遅かった……連邦の雑兵如き…ここまで邪魔を……るとは、私も堕…たものだ…。  だが…れで終りではないぞ連邦っ!!」 -------- その後連邦はソロモンへ進行、チェンバロ作戦を続行 ジオンは敢え無くソロモンを放棄決定し、その撤退戦の最中ドズル中将は戦死する。 僚艦はボール隊と共にア・バオア・クー攻略に向けてコンペイトウと名を改められた旧ソロモンに向かって発進していった。 しかしガラッツ達は母艦であった『キハイゼル』の損傷とMSの不足により後方待機となる。 ライトニング小隊は2機撃墜、残った1機も判定大破で廃棄が決定。 ガラッツ機も破片の直撃を受けたバックパックと無理な加速をさせ続けた為に全身の推進系の交換、メイベル機は上半身は再生不能だった が四肢は無事だったので登録を抹消され部品取りに使われた。 MSとして唯一無傷だったのはイトウ機だけと言う散々な状態ではあったがあのニュータイプ部隊のガンダムですら梃子摺ったMA相手にこれ だけの被害で済んだのは一種の僥倖だったのかもしれない。 -------- ガラッツ:ラテネ甲の文字り、ゴッドラテ→Gラテ→ガラッツ      最初ラガットにしようとしたけど某壊れた剣の主役っぽくなるから辞め      年齢も22歳程度に、階級も少尉に変更 メイベル:そのまま、つーか作中にキャラ無さすぎで勝手に気は強いが焦って手柄を上げようとする感じに      年齢も20程度に変更、階級の逆転なんてありえないので曹長に降格www イトウ :最早居たのかすら分からん      元戦車乗りでMSに適性があったのでMS隊に数合わせでここに異動      同じ少尉だけど先任なのとMS操縦時間の差で今の位置って感じ キハイゼルクルーは勝手に作ったーよ 戦艦のブリッジでのやり取りとか燃えるぜ ----
1年戦争終盤 12月 ソロモン攻略戦 このソロモンは宇宙におけるジオンの重要拠点。 ア・バオア・クー、グナラダと並びジオン絶対防衛線の一角を成している。 -------- ガラッツ達はソーラシステムの遥か後方で警戒と言う任務についていた。 量産型MSジムが6機、簡易モビルポッドボールが3機 サラミス級が2隻。 「暇だねぇ、パトロールってのは。」 ガラッツが組んだ足をモニタの上に乗せて口にする。 周囲に敵影は無くミノフスキー粒子の濃度はそれほど高くない。 -------- パトロール部隊サラミス級『キハイゼル』の艦橋に警報がが鳴り響く。 「レーダーに反応!不明機1早いです。  …この大きさMSじゃない…これは…機種照合完了、ジオンのMAビグロです!」 オペレーターのリアン・フッカァ伍長の報告を受け『キハイゼル』艦長トラント・ペッドは艦長席から腰を浮かせ指揮を飛ばす 「全艦戦闘態勢!!MS隊は艦の前に出させろ、盾にはなる!  艦は回避運動取りつつ射線確保、味方の位置に気をつけろ間違っても射線上に入るな!!  ホチ(砲術長)、射撃は任せる近づかれる前にあの腕付き戦闘機叩き落とせ!!」 しかしトラントはMAというものを知ってはいたが理解はしていなかった。 汎用性を犠牲にして大出力の推進器と強大な火器を備えたMAにとって足の遅い艦船はただの的撃ちに過ぎずMSではMAの加速力に追い縋ることも出来ないということを… -------- 先行するライトニング小隊のスラスター光を目の端で捕らえながらガラッツは僚機に指示を出す。 「ライトニング小隊先行は譲る、俺とイトウ少尉で第2線を張るぞ。  メイベル曹長はボール隊とサラミスの直衛と牽制を頼む。」 自機を前進させると同時にメイベルのジムが後ろへ下がる。 しかし誰しもがビグロの加速性能を甘く見ていた、突然爆発的に加速し先行していたライトニング小隊を嘲笑うかのように抜き去りガラッツ達を交わして『キハイゼル』の横腹へと加速してゆく。 『キハイゼル』の主砲と接近防御用バルカンが一斉に火を噴き弾幕を形成するもビグロは容易にその弾幕をかいくぐり時にはその装甲の分厚さに物を言わせて猛然と肉迫しミサイルを4発放った。 「ミサイル来ます!!」 リアン伍長が悲鳴に近い叫び声で報告しトラント艦長は負けない大声で指示を出しつづけた。 「ホチ、撃ち落せ!!右舷のクルーは中央へ避難しろ」 接近防御用バルカンによって1発は迎撃に成功するが残った3発が主砲区画とメインスラスター、動力部に各々に突き刺さり『キハイゼル』は沈黙した。 「こいつっ!」 引き返してきたライトニング小隊のジムがビームスプレーガンをビグロに向けて発砲するが『キハイゼル』の破片に阻まれビームが届くことはなかった。 どころかお返しだと言わんばかりに大型メガ粒子砲の野太い光条がライトニング小隊へと襲い掛かった。 『キハイゼル』の破片をもろともせず2機のジムが光へ変え残りの1機も辛うじてコックピット周辺をシールドで防御したものの両足と右腕が吹き飛び全身の装甲が焼け爛れていた。 パイロットは生きているだろうが戦闘は言うまでもなく不可能だった。 -------- ビグロはそのまま残ったサラミスを襲うべく進路を取った。 しかしボール隊の思わぬ反撃に回避を余儀なくされ、一度大きく旋回しパイロットはほんの少しの逡巡を挟んだ。 ここまで連邦を強襲するために非常に大きく迂回して来たのだが予想よりも遥かに早く遭遇戦を行う羽目になり既に強襲は失敗している、いずれ援軍も到着するであろう。 しかもここまでの迂回とこの遭遇戦で推進剤も帰還するには少し心許なくなっている。 ここは撤退すべきか… 否、こうなれば一隻でも多く戦艦を撃沈し連邦の戦力を削り落とす… 決断してしまえば実行するだけだった、が、この一瞬の隙が生じた時にボールの隊列を突き破るように1機のジムがビームを乱射しながら飛び出してきたのだ。 -------- 「チッ」 メイベルは味方機が撃墜され舌打ちしサラミスの護衛を離れ一人で前へ出た。 驚いたイトウもバックアップに回るべく増速したが距離が離れていたために間に合わない。 「曹長出すぎだ!」 しかし彼女に幸運の女神が微笑んだ。 ビグロが一瞬直線的な機動をしたのだ、ここぞとばかりにビームスプレーガンを撃ちまくる。 だがビグロとの相対速度はかなりの差があったため直撃と思われたビームは僅かにビグロのわき腹を抉ったに過ぎなかった。 どうやら彼女の捕まえた幸運の女神は随分と気前が良いらしい、ビグロのスラスターの光が突如半減したのだ。 ビグロのモノアイが忌々しげに彼女のジムを見据えた。 自慢の足を半減させられパイロットはダメージコントロールに躍起になっていた。 逃げるにしろ戦うにしろこの速度では追いつかる、そうなれば小回りの効かない巨体はMSの格好の餌食になる。 そしてそんなチャンスを見逃してくれる敵は居ない。 メイベルは撃ち尽くしたビームスプレーガンを投げ捨てビグロへ突進しながら背中から筒を抜いた。 ヴンと唸りを上げて筒から光が伸び剣となる、ビームサーベルだ。 「もらった!!」 ジムはフェンシングさながらに突きを放とうと機体を捻った、そして ビグロの格闘用アームが全力でジムに叩きつけられた。 MSは大きい、何せ18mもある人型の機械だ。 パワーも相応に凄まじい連邦の現用主力戦車ですら太刀打ち出来ない程だ。 しかしMAは更に巨大だ、MSを人とするならMAはトラック並みのサイズになる。 その巨体から繰り出されるパワーはMSなど簡単に押しつぶしてしまう。 そんなパワーをもろに叩き付けられたジムは胸部装甲が弾け飛び頭部は潰れ一瞬でスクラップも同然にされてしまった。 そしてパイロットはもっと悲惨だ、シートベルトは引き千切れんばかりに張り詰めパイロットスーツの対衝撃機能が首や腰を固定し、コックピット内のアブソーバーは衝撃を緩和しようと最大限動作したが完全な許容オーバーである。 メイベルの体がコックピット内で跳ね回らなかったのはこの3つが限界を超えて頑張った事と彼女の体重が女性らしく軽かった為であろう。 しかし彼女の意識はそこで途絶えた。 ビグロは動きを止めたジムに止めを刺そうとコックピットに爪を立てようとしている。 ボール隊や追いついたイトウ機は慌てて駆け寄ろうとした、メイベル機が邪魔で砲撃出来ないのだ。 しかも今の位置からではどう撃ってもメガ粒子砲が誘爆してしまいメイベルまで吹き飛んでしまう。 イトウ少尉は最悪メイベルごと敵機を撃ち抜くことを考えた、だがそれは実行せずに済みそうだった。 ビグロの直上から一条の光が降り注ぎビグロの格闘用アームを撃ち抜いたのだ。 「美味しいとこ持ってくねぇ、隊長さんよ」 -------- 「きゃぁっ!」 再び強い衝撃がメイベルを襲う。 先程のものに比べれば揺りかごのようなものだがメイベルを叩き起こすには十分であった。 「しっかり掴まってろ!曹長!!」 通信の音声とともに僅かに機能を残していたカメラからの映像がサブモニターに映し出される。 ガラッツのジムは試作型のビームライフルを3連射しながら減速どころか更に加速して突っ込んでくる。 その光景にメイベルはまだはっきりしない頭を振り慌てて脇のコンソールにしがみ付いた。 ビームは真上からビグロを貫き、ガラッツのジムはタックルも同然でメイベルのジムに組み付きそして更に加速をかけビグロの脇を抜けようとした。 しかしビグロが予想に反して大規模な爆発を起こしガラッツのジムはバックパックを損傷し、バランスを崩してしまった。 僅かに残っていたカメラの機能を最大限利用して周囲の状況を確認していたメイベルは戦慄を覚えた、あのままガラッツに引っ張って貰わなければ爆発に巻き込まれて宇宙の藻屑となっていたと… しかしガラッツは違和感を覚えた、自分はあんな大規模な爆発が起きるような個所は撃っていない。 確かに試作型のビームライフルは威力が高い、そのために要らぬ損傷を与えたのかと考えたところでメイベルから接触通信が入った。 「…助かりまし……」 通信はそこで途切れた。 圧倒的な光の奔流がソロモンに穿たれ焼かれてゆく。 チェンバロ作戦開始の合図となるソーラシステムの照射である。 誰しもがその圧倒的な光景に目を奪われている最中、ガラッツのジムのスピーカーからノイズ混じりの怒声が響いた。 「…長、上だ!!奴…ま…死んでないぞ!!」 イトウ機の放ったバズーカの弾体が頂上を通過する。 先程の爆発で撃破したと思われたビグロは自らのミサイルを自爆させ目眩ましに使っていたのだ。 ビームライフルに貫かれながら、直近でミサイルが炸裂しながらそれでもまだ生きていた。 どうやら故障していたスラスターも一部が復旧したらしくMSでは追いつけそうにも無いスピードで後退していった。 去り際の通信を残して… 「遅かった……連邦の雑兵如き…ここまで邪魔を……るとは、私も堕…たものだ…。  だが…れで終りではないぞ連邦っ!!」 -------- その後連邦はソロモンへ進行、チェンバロ作戦を続行 ジオンは敢え無くソロモンを放棄決定し、その撤退戦の最中ドズル中将は戦死する。 僚艦はボール隊と共にア・バオア・クー攻略に向けてコンペイトウと名を改められた旧ソロモンに向かって発進していった。 しかしガラッツ達は母艦であった『キハイゼル』の損傷とMSの不足により後方待機となる。 ライトニング小隊は2機撃墜、残った1機も判定大破で廃棄が決定。 ガラッツ機も破片の直撃を受けたバックパックと無理な加速をさせ続けた為に全身の推進系の交換、メイベル機は上半身は再生不能だったが四肢は無事だったので登録を抹消され部品取りに使われた。 MSとして唯一無傷だったのはイトウ機だけと言う散々な状態ではあったがあのニュータイプ部隊のガンダムですら梃子摺ったMA相手にこれだけの被害で済んだのは一種の僥倖だったのかもしれない。 -------- ガラッツ:ラテネ甲の文字り、ゴッドラテ→Gラテ→ガラッツ      最初ラガットにしようとしたけど某壊れた剣の主役っぽくなるから辞め      年齢も22歳程度に、階級も少尉に変更 メイベル:そのまま、つーか作中にキャラ無さすぎで勝手に気は強いが焦って手柄を上げようとする感じに      年齢も20程度に変更、階級の逆転なんてありえないので曹長に降格www イトウ :最早居たのかすら分からん      元戦車乗りでMSに適性があったのでMS隊に数合わせでここに異動      同じ少尉だけど先任なのとMS操縦時間の差で今の位置って感じ キハイゼルクルーは勝手に作ったーよ 戦艦のブリッジでのやり取りとか燃えるぜ ----

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