謹んでお手紙します

 おめでとう、と言って良いのですね。随分と長い年月をいまか明日かと待ちのぞんでいたその日がやっと来たのですね。結婚などは形式なのだからと言い続けるだけで終わらせてしまうわけには行かないのですね。
 愚爺のように紙切れ一枚を無視し続けてしまえば、それはそれ。
世間で
   別居・
    愛人・
     放蕩・
      不埒・
       卑劣・
        残酷・
         身勝手・
        不倫・
       不治・
      惨劇・
     悲惨・
    家族・
   血縁・
などなど・・・(????)

 いえいえ、愚爺のことなどお構いなく。ハジメの決意は本物と思っていますし、連れ添うリリカさんの決意はもっと本物と感じていればこそ、真意・真実この嬉しさはヒグマが立ち上がって手を振るほどの大きさです。たとえが少しまともではないと知りながらも、この歓喜この感動をどう言えばいいのか分かりません。
 あれから七年の月日が流れ、冬が春に夏から秋へと季節を替え続けていたにも拘わらず、その日だけが来ないことに一抹の不安を抱いていたのも事実。
 ハジメとリリカさんがこの手紙を読むことなど有り得ないことなので好き勝手を書かせて貰えるというのもこれまたホント。おふたりと息子・娘ほども歳の違う愚爺であれば、何か気の利いた言葉やお品、一品あるいは逸品など届けたいところ。とは言っても、毎日の食さえ滞る身なれば、酒と煙草だけは切らさないにしても懐熱からず。
 必ず行きます式に。
 なんとかしてでも、食のひと月ふた月消化管を通さずとも、酒煙草を止めることなければ元気元気もりもり旅費も湧いてくるというもの。
 バンクーバーの港で手を振って北極回りの豪華客船に乗り込むふたりの笑顔を見ずには死ねまいて。バンクーバーのビルの窓拭きをしているリックは元気にしてますか。まだ、ボックスから堕ちたりはしてませんよね。いつもそればかりが心配だと伝えてください。下を通りかかる愚爺を見つけては身を乗り出し手を振り続けるリックには、本当にリックリしますから。
 もしかしてパーティーはあの寿司屋でやるのですかね。高い不味い、オーナーKは日本人でない東洋人で、寿司のスの意味さえ知らぬ御仁。まさか・・・ですよね。いくら友達だからってあそこだけは止してください。もちろん愚爺はKさんと巧く行ってましたよ。気が合ったというのか、同じ穴のムジナ・大言壮語・支離滅裂・夢想無害。
 とにかく年明けにはそちらに向かいます。失職している身なれば時間はいかほどにも都合のつくというもの。ただ・・・。金。なんとかします。え?旅費は送ってくださるんですか?まさか!?いやぁあ~、そんなお気遣いは有難い。感謝感激雨アラレちゃんが空を跳ぶ。

 という話は何もかもがかわ嘘。鬱蒼と茂る富士の樹海は風に穴。

とにかくおめでとう。
入籍おめでとう。
ご結婚おめでとう。
必ず、かならずそちらに参ります。参って一献!長い夜が明けるまで。


あッ!今気が付いた。

11月22日は“いいふうふ”の日か・・・おぬし抜かりは無いな。(~_~メ)