心がどれほどのものか
優しさがどうした
素直だって言うのかい
笑顔が可愛いのかい
毎日同じ洋服を着なければならない女の絶望を
どこへ捨てたらいい
見せ窓の向こう側のドレスをいつまでも見続けるだけの夕暮れ
その女のいびつに笑った顔は
怯えきっているというのに
心がどれほどの慰みか
太陽が街の女たちを欲情させても
工場で汗を流し続ける女に
何か希望があるというのか
夢を見ることはあっても叶うなど思いも寄らない絶望の微笑を
美しいと言うのか
おまえ、女を見るだけで
何もしないおまえ
救い出せもしないなら
こんな詩など歌うな
歌うどんな意味があるのか
どおせ景色でも見るように通り過ぎていく暇つぶしじゃないか
それでも歌うなら
ひとこと声をかけてやるがいい
奪えッ!
略奪しろ!
見せ窓の冷たいガラスを蹴破って
ドレスを奪え
遠慮などするな
それはおまえのものだ
欲しいと願い続けたおまえのものだ
奪えッ!
散らばった朝日がキラキラと輝く
破れた窓が女を今度こそ美しく欲情させる