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新宿の汚れた路地のネオンの奥へ
吸い込まれていくあなたの背中を見送りました
あの日
あたしは立ち止まることなく
背筋を伸ばして通り過ぎました
過ぎる瞬間に横目で暗い穴倉へと続く階段を覗き見たのですが
もうどこにもあなたの背中はなく
あたしは唾を吐いて泣いたのでした
眼を腫らしていたら聞こえきた歌がありました
 ・・・・・・
 哀しみは手に余るほどの幸せよ
 幸せは指からこぼれるスッカラカン
 あなたあたしと死んではくれまいか
 地獄か極楽か知らねど花の咲く河原
・・・・・・
あなたの背中を見送った日から年が明けて
かたときも忘れるはずはないと思っていたが
すっかり仕事に追いまくられて
もうあなたの背中の影さえ消えてしまったけれど
同僚と連れ立って路地のネオンの下を歩いたりすると
泣いているあたしの声が這いずり回る
あたしの声に混じって幽かな歌が追いかけてきて
 ・・・・・・
 哀しみは手に余ったけれど幸せよ
 幸せは指からころげるスッテンテン
 あたしあなたを殺したよ
 地獄か極楽か知らねど石を積む祠
 ・・・・・・
わけもなく手を合わせてしまう愛執忌