夏の綾はカランコロン
風になびいてカランコロン
夜の舗道に迷い込み
綾は夏に盗まれた
浴衣の柄の燃え盛る
いのちの手燭が
こぼれて熱く痛々しい
通りの向こうは闇の細道恋する灯り
浴衣の綾はカランコロン
胸が高鳴りカランコロン
飛んで行けたらいいものを
熱い唇は真っ赤な薔薇よ
薔薇を銜えても
もどかしい
カランコロンと鼻緒が痛い
カランコロンと闇路がふるえ
ホタルの群れに飛び込んで
いく匹連れて道灯り
水音流れる葦原の
向こうの灯りまで連れてって
母から逃げて娘道中
父から逃げて闇道中
たったひと夜だけの
決意を示すカランコロン
いのちの手燭がカランコロン
こぼれて熱く痛々しい
すれ違う狂犬の声に耳を閉じ
ホタルが綾を守るよに
狂犬の目を焼き潰す
手出しも出来ず捨て台詞
軋む音を轢き連れてほうほうと走り去る
ま�ま�綾はカランコロン
今夜いちにちカランコロン
闇に燃える薔薇一輪
銜えて熱いカランコロン
ホタルを連れてカランコロン
甘い水を飲みたいわ
綾の闇夜はカランコロン
道中ひと夜のカランコロン
カランコロンと永久の闇夜を飛べない綾はカランコロンと走り続け
ホタルの淡火に包まれて
夏に盗まれ闇路迷い路赤い路