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終わった と彼は言った
若い私を避けるように 
終わった と彼は言った
赤い薔薇の香りがする頬が 淋しそうに言った

    終わった、
        と彼は言った

後ろ姿を見送った
老いて背中の丸まった彼を見送った
私の愛を信じることが出来なかった彼を見送った
白い髪を撫でてあげたかったが 彼を見送った


私は恋をした
海辺のガラスに恋をした
彼の海辺のガラスに恋をした
彼の手によって産み出された海辺のガラスに恋をしたが 彼はもういない

    彼はもうどこにもいない

海辺のガラスはキスをした
ペティキュアの赤にキスをした
ベッドの脇に膝まづいてキスをした
海辺のガラスは キスをしてから砕けた
血の色に砕けて私の目に刺さると

    彼は消えた