まだ寒い港の公園の夜を彷徨うあなたを
なぜか見つけてしまいました
どうして忘れてくれないのでしょうか
過ぎ去った時を抱きしめるためとはいえ
あまりにそれは執着が過ぎると僕は思います

たとえば

港 客船 遠くの観覧車 霧笛 

ようするに

影踏みの夜 投射される位置 赤い靴の女 

だから

忘れ去るべきでしたね
ふたりのあの暮らしを
どうにか かろうじて かすかに 
赤い糸で?
有り得ないですね それ

なぜなら ボクもアナタも 
これほどまでに老いたのですから
顔を合わせる時刻はとっくに過ぎたじゃないですか

めぐりめぐって
 昔のわたしが 今のわたしであるように
 昔のあなたが 今のあなたであるように

   すべてが変わってしまったのです

公園を這う反射光を踏み続けるのは
もうよしませんか
 あなたを今でも大切に思ってはいても
  決して口になどしませんから
もうよしにしませんか

あの日の光は今日の光ではないのです