老人の悔いは
   記憶の鍵を隠してる


愛した女たち
私は老いたのだから
女たちも
当然に老いたのだ
いつまで沈黙するのか
失った言葉で


おお! と
美晴
韃靼という夢想
海原万里越えて
おお! と・・・


天空に月を見ない
君の仰ぐ目
映るのは
予感という
幾年月


  月の出ていない天空を
  仰いだ君の目に
  映っている
  予感のような
  幾年月



隠れた太陽を求める
灰色の夏
便器を染めた
赤色
夏休み


無念あり

生まれし子に
遺した
ピンクの靴下


敬愛する父は
どこにも・・・
暴力と世間体が殺す
女の憧れを
殺す


邪宗門を
 くぐれば見えるか
甘の原               ■あまのはら
コツコツと
右回りの未来


太陽が隠れたままの
薄暗い夏
忘れてはいない
血の色に染まった
泥の日々


生まれてくる子が
女の子だと予感して
揃えたピンクの服

笑う赤子に逢わずに逝った無念


敬愛する「父」
というものを持てなかった

何ひとつ通わない 暴力という名の
一方通行な言葉

の 悲しさ










.