自殺ではなく自死

それは定期的に訪れる彗星のように確かな思念だ

美しいままに
あるいは
若いままに生を遂げたいという願いは
あえて決断をしないという意思ゆえに
果たされることはなかった

雪よ 降れ 
 雪よ 降れ
 雪よ 降れ

白樺の木の皮の剥げたあたりに
頭をあずけて
静かに眠り込む

雪よ 降れ
 雪よ 降れ
 雪よ 降れ

安いブランディと睡眠薬を交互に飲みながら
雪原を渡る冷たい風の音を聴いている

雪よ 降れ
 雪よ 降れ
 雪よ 降れ

醜く衰えてゆく身体のどこにも存在しなくなったもの


 美
 美

あのときに決断していたらと思うのか?


 否
 否

誰にも見つけられない場所を探した

雪よ 降れ
 雪よ 降れ
 雪よ 降れ

春になったら溶けて腐乱する身体を想像する


 醜
 醜

夏になって白骨がサラサラと風に音を立てる

コロン
 コロン
 コロン

秋の落ち葉に埋もれて土となる骨よ
 いとしい骨よ 白い骨よ

冬の白さの中で永遠に発見されないという無


 無
 無

初めからそこには何も無かった 誰も居なかった