第九話 ロシアとお前とボルシチと


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「晩飯、どこで食う?」
「そうですねー…うーん、いつもの定食屋さんでいいんじゃないですか?」
「ん、あのボルシチとか置いてある店?」
「ですです」
「ああ、いいぞ」

―――――――――

まるでタイムスリップしたかのような、和の店舗が一つ
ビル街の中の異端児の様なそのたたずまい

定食屋「ろし亜」

知る人ぞ知る、"ボルシチの美味しい定食屋"なのだ

「いらっしゃい、綾ちゃんに、御陵君か。デートかい?」

金髪に、山の様な体格
彼こそが店長の"レオーン・イワノフ"である

「デ・・・デートなんかじゃないですよぉっ」

顔を真っ赤にして抗議する綾

「まぁなんだ、とにかく座りな」

適当な席に座る

「ほれ、サービスのボルシチだ」
「ああ、どうも」
「えへへ、ここのは美味しくて大好きですっ」

綾は基本、好き嫌いは無い
好きなものはカレーにハンバーグ、あとヌメヌメしたもの

まるで小学生だ

「注文は、いつものでいいのかい?」
「えーと、そうですね」
「私もそれでお願いします」

淡々とした態度で接客する店長

「綾ちゃんは大盛?」
「きょ…今日は普通でいいですよぉっ」
「へいへい」

―――――――――――――

妙に俺よりも、ご飯が多い感じのする綾のお茶碗

…まぁそんなことより
エビチリにボルシチにスープカレー

本当に何でも出てくるな、この店は。

「御陵君、御陵君」
「ん?」
「エビチリ一口だけ・・・」
「またか。」

――――――――――――

帰り道、さっきまで元気だった綾の様子がおかしい

「どうした?」
「…思い出してしまいました」
「うん?」
「明日は…」
「明日は?」
「球技大会じゃないですか…」
「ああ」

説明しよう
普段は天真爛漫な癒し系少女、綾だが、年に数回異常にネガティブな時がある
そう、体育会系イベントだ

「また、椋と応援に行くし・・・な?」
「でも・・・綾は運動苦手ですし・・・」
「いや、な?その代わりお前は料理とか掃除が得意じゃないか、な?」

口をとがらせてぶつくさ言っている綾。
…なぜだろう、珍しすぎて笑いそうだ

「ぶー」

そうこう言っているうちに、綾の家の前に着く

「じゃぁ、また明日な」
「今晩中に、40度の熱を出すしかありませんね…っ」
「おいおい…」


―――――――――――――――