第六話 兄と妹と微妙な関係


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そう、春の連休
それは学生たちが新たにできた友達と共に交流を深める日。
新しく入部した部活に精を出す日

…そんななか俺は

妹といました。

「お兄ちゃんっ見て見てっ」

水族館に来てみたものの。
オオサンショウウオに驚いたぐらいで、そんなに…
とにかく、妹は一人隔離されたこのマンボウに夢中なようだ

「マンボウって不思議だよね?お兄ちゃん」
「まぁ…言ってもそこまで不思議か?」
「だってすごく薄いのに、なんというか…」
「そこまで薄かったけ…?」

で、いざ見てみると。

「「薄っ」」

――――――――

1通り回り、お昼ごはんも兼ねて一休み

「そういえば、亜瑠姉さんは元気にしてるのか?」
「うん、でも相変わらずかも、奈々子も最近会ってないし」
「…そうか。」

亜瑠姉さんとは誰か。
みなさまの疑問に答えなければならないであろう

華咲 亜瑠(はなさき ある)、もう25歳になる俺のいとこ
正直言って少し苦手でもある

何故かって?
性格がすごく冷めているというか落ち着きがありすぎるというか…

本人に内緒で、「ブリザードの眼の持ち主」と呼んでいる

あの冷たい目線が…癖になるわけ…がない。
なってるやつは変態だ、なら既に「い」から始まる奴は変態ということだ。

「虎狼さん…なんで亜瑠姉さん選んだんだろうな」
「どういう意味?」
「いや…奈々子には少し早かったな」
「?」
「なんでもない」

しまった。
立て続けに新キャラじゃないか

華咲 虎狼 (はなさき ころう)さん。
亜瑠姉さんの旦那さんで、気のいい人だ

よく言えば、愛妻家なんだが…
もはや危ない域というか…いやまぁ…みなまで言うまい

すごくいろんな意味で危険な人だ。
体内の99%が亜瑠姉さんで埋め尽くされている人だからな

黙っていれば2枚目、亜瑠姉さんが絡むとストーカー、まぁ黙っていれば2枚目なんだ…うん…

「黙っていればなぁ…」
「…どうしたの、お兄ちゃん?」
「悲痛すぎて心の声が漏れただけだ、なんでもない」
「ひつう?」

ぐっ…無垢な子この表情…

「な…なんでもない、そろそろ行くか?」
「うん、お兄ちゃん…なんか変」
「…そうか?」
「うん」
「…そうか」

―――――――――――

お土産の大きなアザラシをゲットし、大満足の様子の奈々子
兄としてはこういう表情をされるだけで幸せなものである

「アザラシ、気にいったか?」
「うんっもふもふでふわふわでほわほわだよっ」

すまん…
その擬態語の連続はさすがに伝わりそうで伝わらん…

―――――――――

流石に遊び疲れたのであろう
外食し、帰宅して風呂に入ってすぐ、奈々子は寝てしまった

「結局また一緒に風呂に入ってしまった…」

まぁ兄たるもの、こんな邪な念を抱いているようでは…

「そういや明日帰るんだっけか、まぁいつでも会える距離だし…」

だが寂しい
自分にとってただ一人の肉親

「クソ親父に母さん、奈々子、大きくなったよな」

ふと天井に頭を上げ、語りかけてしまう
仏壇は6年前、親戚の家にいたため、向こうにあるのだ
こういう言い方もおかしいかも知れんが、暫く顔を見せていない

「ちっ…先に逝きやがって…」

心が重くなってくる

「…寝るか」