2次の過去問を分析をしていて、「何が書いてあるか」と同様に、
「何が書いてないか」も重要なんだと思った。

「コペルニクス的転回」という言葉がある。
いわゆる「逆転の発想」みたいな意味合いだ。

天文学者コペルニクスは、星が動いているのを見て、

「地球が中心になって星が動いているんだ」

とは考えず、

「動いているのは地球のほうではないか」

と考えた。

それと同じで、ボクらも、「税理士と診断士に経営管理の導入を依頼した(H17年度事例I)」
という文を見て、

「ふーん、プロに任せたのね」

とは考えず

「ってことは、従業員の参画がないってことか!」

と気づかなければならない。

あまり関係ないけど、「本文よりも先に設問から読む」という、今では当たり前のテクニックに最初に気づいた人も偉いなあと思う。「次の文章を読んで設問に答えよ」って書いてあれば、普通(特に単細胞なボクなんか永遠に)その順番にやろうとするだろうし。

もちろん、書いていないことを勝手に捏造してしまうのは危険であり、あくまでロジカルに導き出す必要があるのだけれど。

ところでボクは以前、「試験上のテクニック」と「コンサルタントとして本質的に必要な力」を区別したいと書いた。ではこの「書かれていないことに気づく」スキルはどっちなんだろうか。

ボクは後者だと思う。なぜなら、コンサルティングワークにおいても「語られたこと」よりも「語られなかったこと」のほうが大切な場合があるからだ。

ヒアリングをやったことがある方なら分かると思うが、クライアントは自分にとって都合の悪い情報を言わなかったりする。もちろん聞き手のスキルにもよるのだけれど、あとは悪気がなくても単に言い忘れてしまっていることだってある。だから、聞いた情報だけでコンサルティングストーリーを作ってしまうのは危険であり、「語られなかったことはないか」とひとまず疑うことが必要なのだとボクは考える。

だから、事例問題を解く時にはそんなコペルニクス的転回ができないかといったん考えてみる。それによって、もしかしたら解答の糸口が見つかることがあるかも知れないし、そういうトレーニングを今のうちから積んでおくことはきっと将来の仕事においても役に立つとボクは考える。







最終更新:2010年06月02日 14:54