新仮面ライダーSPIRITS(1)

新仮面ライダーSPIRITS(1)


「体は怪人同様 しかし心は人間のまま……そんな状態で本当にまともでいられるもんなんスか」
「言うな滝……そんなもの――」


 仮面ライダーゼクロス・村雨良が「BADAN」なる大組織を相手に戦いを繰り広げる、昭和の時代。
 そこからさらに遡ること十数年前。「始まりの男」が脳改造手術寸前で魔の手を逃れ、その身一つで、人類の「自由」のために戦いを続けていた。

 仮面ライダー・本郷猛は、世界征服を企む悪の秘密結社「ショッカー」によって生み出された改造人間である。
 その拳は、力の加減を誤れば蛇口など容易く捻り潰す。その異形は、見る者に恐怖を与える。
 望まれて作り変えられたわけではない鋼の体を武器に、本郷猛ただ一人、同じショッカーが生み出した怪人たちとの日夜死闘を繰り広げていた。
 協力者の一人である、立花藤兵衛は言う。

「猛……本当は怪人といえど殺し続けることに疲れているんじゃないか?」

 そんな彼の前に、一人の男が姿を現す。
 フリーカメラマン・一文字隼人。強すぎる正義感のあまり、ショッカーへと立ち向かい、改造手術を施されてしまった男。
 一人の少女の頼みを糧に、改造された我が身への絶望を振り切り、一文字隼人は本郷猛の傍らへと並び立つ。
 「2号」の名を持って。
最終更新:2010年04月25日 17:02
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