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年代
今の地球からすれば、数十万年あとの未来。
地殻変動で大陸は大きく姿を変えている。 特殊な食糧事情
人間が多くの生き物を食べてきたため、ほぼすべての動植物は人間に食べられないような毒素の体に進化している。
面倒な加工を経れば食べられないことはないが、それだけではコストが見合わず経済が破綻する。 ただし、例外としてベヒモスの肉だけは食用に適する。 ベヒモス
ある時から現れるようになった、巨大な動物の総称。
今地球に存在する毒素を持った動物とは違い、昔の動物のように簡単な加工で食べることができる。 全長は10mから1000mと幅広く、ただ歩きまわるだけで甚大な被害を与えるが、彼らの肉なしに人類は存続できない。 ベヒモスの分類
例:ジズ型C級二足第四種ロック
宗教観
多くの宗教が何十万年も昔のものなので、必ずしも完全再現することが正しいことにはならないとの認識が広まっている。
大抵の人は好きな宗教の好きな部分をいいとこ取りして、オリジナル聖書を作っている。 国家
ベヒモス対策のためには小さい国家がたくさんあるのでは経済的に難しく、大陸が大きな一つの国となって支え合う形になっている。
結果、大陸と国はほぼ同じ意味の言葉になりつつある。 三つの国家大陸
言語
世界共通言語が制定されていて、他の言語はほぼ絶滅している。
昔の言語は今では伝統芸能としての歌の中にのみ存在する。 技術
現在よりは発達しているが、ネット回線がしょっちゅう壊されるので高度情報社会ではない。
すぐに直せる安価な有線通信網・チープケーブルが利用されている。 品種改良により、ガソリンのような燃料を作れる植物・ガスツリーが生み出され、世界中の畑で栽培されている。 ロボット工学の技術が発達しているが、あくまで動作の制御が素晴らしいだけで、人間レベルのAIのようなものは見られない。 交通
未整備の道が多く、バランス制御用機構を取り付けたガソリン自動車がメイン。
座席の上に片足立ちできるぐらいに優れたバランス制御力を持つ、クライムバイクという自動二輪が人気。 電車はベヒモスの出現のたびに線路が破壊されるので整備が滞っている。 海は主に船舶で渡り、ジズ型と遭遇する可能性がわずかだが存在する飛行機は忌避される(レヴィアタン型は海中を移動するため、波にさえ気をつければ危険は小さい)。 兵器
ベヒモスのせいで経済的余裕がなく人間同士で戦争する暇はないので、ほぼすべての兵器が対ベヒモス用のものになっている。
対ベヒモス地雷
有用な地雷。
あまりに大型の場合は効果が薄いが、D型相手には主力武器となる。 C型には爆発の勢いで板をずらし転倒させるバナナの皮のような地雷が使われることもある。 登山戦車
ノミのような足を持った、軽量のコクピットと装備固定具のついた戦車。
ベヒモスの体表を登っていき、搭載した火砲で攻撃したり爆弾や部品を設置することが目的。 主にC級以上のベヒモス相手に使用され、比較的安価なためによく見る。 皮膚穿孔砲
登山戦車で運んだパーツをそのまま皮膚上で組み立てて作る、ベヒモスの皮膚を穿ち臓器を破壊する火薬兵器。
大型かつ鈍足なベヒモスにしか使用できないが、威力は絶大。 クラシック
昔のような戦闘機に、対ベヒモスの爆弾を積んだもの。
ベヒモスに気づかれると回避されかねないので、発見されないように他の兵器を利用して反対側を向かせて置かなければならない。 コストがトップクラスに大きいので、特に重大な作戦以外では使われない。 職業
底辺職として採肉坑という、倒したベヒモスの肉を切り出す仕事がある。
不衛生な環境での重労働なので、体を壊す人が多い。 ベヒモスを狩る狩猟軍は命の危険はあるものの採肉坑よりは待遇がよく、研修期間を経れば数ヵ月後には登山戦車に乗ってベヒモスの体をよじ登ることになる。 ただしクラシックのパイロットや海軍のような特別な技術が必要な部所は、学習するだけでも環境が必要になるのでとても目指せるものではない。 壊れたチープケーブルを修理するスカブマンという仕事もあり、採肉坑よりはマシだが睡眠時間が不定の日々を送ることになる。 怪物行動学者、通称河馬追いは高給取りの代名詞の仕事で、ベヒモスの行動パターンを予測して軍に指示をする。 河馬追いになるには厳しい国家試験で合格する必要があり、過去のデータや最新の研究に関する深い知識が必要とされる。 |
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あらすじ
ある少年は、生まれつき体が弱かった。
一人よく遊びに来てくれる友人はいたが、家の中ではあまり楽しいことはなかった。 両親に迷惑をかけ続けることもはばかれるので、彼は必死に勉強して河馬追いの資格を取る。 採肉坑の仕事中に友人が事故死したことを知ってショックを受けつつ、首都に引っ越してベヒモスと戦う仕事を続けた。 数年後、増えてきた給与で買えるようになった新しい薬のおかげで、彼の体の弱さはかなり改善されていた。 生まれて初めて散歩をしてみることを決意し、何処に名所があるかも判らない首都を散策することにした。 案の定迷子になってしまったわけだが、そこでとある研究所が目についた。 怪物行動学者とは違って金にもならないし成果も出ない、ベヒモスの正体そのものを究明しようとする研究所、そして一人で研究を続ける貧乏なおじさん。 彼は初めて芽生えた好奇心に引きずられ、怪しい研究所に入り浸るようになった……。 登場人物あからだ
主人公。
生まれつき体が弱かったが、怪物行動学者として貰える金で買う常備薬のお陰で快方に向かっている。 ずっと家の中にいたので、初めて見つけた物珍しい研究に強く興味を惹かれている。 「流行している」と文句がついたものは何でも衝動買いしてしまう。 普段はおとなしいが、何かに興味を惹かれるとすこし明るくなる。 なとろき
研究者のおじさん。
研究対象に対する情熱はとても素晴らしいが、興味のないものには否定的な態度をとるのであまりいい印象をもたれにくい。 あからだが自分の研究に惹かれていることに気を良くしつつも、金持ちの彼に援助させれば研究所を維持できると打算で考え引きこむ。 女性嫌いで子供嫌いで老人嫌いで同年代嫌い。 序盤の中盤辺りから登場。 ばろば
学生の小娘。
金持ちの息子でもないのに怪物行動学者として功績を上げているあからだの弟子になることで、貧乏出身の自分でも同じように怪物行動学者になれるのではないかと考えている。 家賃が払えず、勝手にあからだの弟子になってからは、なとろきの研究所に無断で居候している。 なとろきとよく喧嘩し、実験器具を人質にする。 中盤辺りから登場。 |
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