QQ008

    

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#008 The Little Old Man of Batignolles / Emile Gaboriau (1876)
バチニョルの小男 / エミール・ガボリオ

ガボリオはフランス人なので、本当は原題も "Le petit vieux des Batignolles"
であり、エミールの最初のEにはアクサンテギュがつく。

  1. Le Petit Vieux des Batignolles (The Little Old Man of Batignolles) バチニョルの小男
  2. Bonheur Passe Richesse (Love or Wealth?)
  3. La Soutane de Nessus (The Seminary)
  4. Une Disparition (Missing!) 失踪
  5. Maudite Maison (The Unfortunate House) 呪われた家
  6. Casta Vixit(仏版のみ)
(英版では 1 と 2 の間に The Matrimonial Ambassador: Monsieur J. D. de Saint-Roch が入る。なお、ここで英版は 1884年 London, Vizetelly刊のこと。)

エミール・ガボリオという名前は聞いたことがあるだろうか?あるなら、そこから想起されるのはどんな単語だろう。普通は「ルルージュ事件」、あるいは「ルコック探偵」ではなかろうか。読んだことは無いけれど、その単語なら聞き覚えがあるという人も多いだろう。最初の長編推理小説として(異論もあったりするだろうが)の『ルルージュ事件』、そして長編推理小説のシリーズ探偵としては多分最初の存在であるルコックは有名(あぁ、もちろんマニアな世界ではありますが。)だろう。確かホームズがデュパンと並んでこき下ろしたのはルコックだったかと。

しかしここで出てくるのは「バチョニルの小男」である。長編推理小説で有名なガボリオが、「クイーンの定員」という短編集リストに、いささか無理矢理気味に登場する。ちなみにガボリオの死後に出版された短編集であり、唯一の短編集でもある。

まぁ結局のところ、短編集だけでミステリ小史を作ろうとすると破綻していた、と意地悪な見方もできる。しかし歴史的にはガボリオの登場によってフランスで探偵小説の隆盛があったことも事実なのだろう。「バチニョルの小男」にはルコック探偵は出てこないが、メシネと名乗る刑事が登場する。こいつ職業刑事っぽくないけど。

「バチニョルの小男」は光文社文庫版『クイーンの定員 I』に収録されている。
こんな話。
バチニョルで発見された男の死体。そこには甥の名を示す血の文字が残されていた。作者とメシネ氏は、字を書いたのが被害者の左手であり、かつ被害者は即死であったと思われることから、血文字は犯人の罠であろうと推理する。ところが警察に拘束された甥はあっさりと罪を認め...

...ちょっと待て。読んだことあるぞ、これ。

実は 『日本探偵小説全集 1』 に黒岩涙香「血の文字」として収録されている。まぁ現代日本語に特別な嫌悪感を持っているという場合以外は勧めないが、一応現在でも入手可能だ。

つーか、ガボリオの翻訳で現在も普通に入手可能なものは全くない。涙香の翻案(中身は一緒なので翻訳とも言えるが、一応前例に倣って翻案としておく)にしたって本で読めるのは上記全集に収録された「血の文字」が 『黒岩涙香探偵小説選 II』 にも収録されているぐらい。形態に拘らなければ「人耶鬼耶」(元はルルージュ事件)などは国会図書館の近代デジタルライブラリーで見ることはできるが、そこまでするのも大変だ。名前だけはいろんなところに出てくるのに、ここまで入手困難とは。

話を短編集『バチョニルの小男』に戻そう。ここには英版、仏版それぞれ6編の作品が収録されているらしい。翻訳の記録があるのは知っている限りで3編。
バチョニルの小男:EQ1991.1, 光文社文庫版『クイーンの定員 I』
失踪(ルコックも登場する):EQ1992.5
呪われた家:EQ1998.9
以上。

『バチョニルの小男』は仏語版が現役で販売されているのだが、中身は未確認。えぇ、例え現物がここにあったって、確認できませんとも。仏語で書かれていますから。最近寝言が仏語で、ミステリの研究者にでもなろうという人以外は、スルーだ。

なお、『ルコック探偵』のみ、E-book形式で販売しているサイトがあります。あと、2006年に国書から『ルルージュ事件』が出るという話があったのだが、まだ出ていませんね...



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