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**「クイーンの定員」>[[QQはじめに]] *はじめに 「クイーンの定員」というリストがある。 エラリー・クイーンが1967年までに発行された125冊の個人短編集を選んだリストである。ミステリ関係で「定員」あるいは「QQ」と表記されていたら、その作品はエラリー・クイーンのお墨付きがついているとでも考えればよい。 以下は「クイーンの定員」の読書リストである。 クイーンの定員にあがった各短編集について、可能な限り掲載作品を追跡し、多くの作品を読もうとした場合の道標にと思って作成した。 しかし、注意しなければいけないことがある。クイーンが何を基準に選んだか、ということだ。名アンソロジストとして知られ、EQMMを創刊し、傑作短編の発掘に努めたクイーンである。「クイーンの選んだ個人短編集125選」と言われれば、当然短編集の傑作選だと思うだろう。だがクイーンの顔はそれだけではない。探偵小説史の研究家であり、(探偵エラリー・クイーンと同じく)ミステリ初版本の蒐集家でもあるのだ。 あらためて「Queen's Quorum -クイーンの定員-」とは何か... 光文社文庫版『クイーンの定員』は、この「定員」に選ばれた短編集からの抜粋となるアンソロジーだが、ここでクイーンは >このジャンルにおいて刊行されたもっとも重要な106冊(1967年までの補遺をふくめて125冊)の個人短編集を通して見た、探偵=犯罪=ミステリの短編小説の小史 と説明している。 勘違いしてはいけない。「重要な」という言葉は「傑作」とか「佳品」とか「珠玉」とかいう意味とイコールではない。原則として、"歴史的に"重要であることが、「定員」としての資格なのだ。 具体的に見てみよう。「定員」選定の基準・資格としては -Historical Significance -Quality -Rarity (または Scarcity) の3つが挙げられている。 最初に選んだ106冊のうちクイーン自身の短編集を除いた105冊には、その選定理由として "H","Q","R" または "S" のマークが付いているのだが、実は105冊全てに "H" のマークがついている。一方、"Q" のマークは81個。つまりこのリストは、質的に良いものであるかどうかよりも、歴史的に重要であることを優先して選定したものと判断してよい。 さらにRarityについては、「初版本」がどれだけレアものか、ということしか示していない。例えば『シャーロック・ホームズの冒険』には "R" がついている。確かに1892年に発行された "The Adventure of Sherlock Holmes" はレアだ。でもそれは初版本蒐集家にしか関係なかろう。一方フォークナーの『騎士の陥穽』なんて現代の日本で見つけるのは非常に困難だ。でもクイーンにしてみれば(当時)初版本を見つけるのは決して困難なことではなかった。この本には "R" も "S" もついていない。 探偵小説史研究家であり、ミステリ初版本蒐集家であるクイーンによる、『歴史的に』重要な個人短編集125選、それが「クイーンの定員」である。読む価値がないようなものも入っているのかもしれない。実際クイーンだって読んだことが無い本を「定員」の中に入れているのだ。 これは私自身の覚書でもあり、こんな「リスト」を見るとついつい既読・未読をチェックしてしまうあなたのための読書リストである。お役に立てればよいのだが。 ここでの目標は読むことである。できれば購入した本で。けれど初版本には拘らない。何を買えば読むことができるか、あるいは読むことができないのか、という点を追跡している。 さて、はじめよう。 [[QQリスト]] → [[QQ001]]
**「クイーンの定員」>[[QQはじめに]] *はじめに 「クイーンの定員」というリストがある。 エラリー・クイーンが1967年までに発行された125冊の個人短編集を選んだリストである。ミステリ関係で「定員」あるいは「QQ」と表記されていたら、その作品はエラリー・クイーンのお墨付きがついているとでも考えればよい。 以下は「クイーンの定員」の読書リストである。 クイーンの定員にあがった各短編集について、可能な限り掲載作品を追跡し、多くの作品を読もうとした場合の道標にと思って作成した。 しかし、注意しなければいけないことがある。クイーンが何を基準に選んだか、ということだ。名アンソロジストとして知られ、EQMMを創刊し、傑作短編の発掘に努めたクイーンである。「クイーンの選んだ個人短編集125選」と言われれば、当然短編集の傑作選だと思うだろう。だがクイーンの顔はそれだけではない。探偵小説史の研究家であり、(探偵エラリー・クイーンと同じく)ミステリ初版本の蒐集家でもあるのだ。 あらためて「Queen's Quorum -クイーンの定員-」とは何か... 光文社文庫版『クイーンの定員』は、この「定員」に選ばれた短編集からの抜粋となるアンソロジーだが、ここでクイーンは >このジャンルにおいて刊行されたもっとも重要な106冊(1967年までの補遺をふくめて125冊)の個人短編集を通して見た、探偵=犯罪=ミステリの短編小説の小史 と説明している。 勘違いしてはいけない。「重要な」という言葉は「傑作」とか「佳品」とか「珠玉」とかいう意味とイコールではない。原則として、"歴史的に"重要であることが、「定員」としての資格なのだ。 具体的に見てみよう。「定員」選定の基準・資格としては -Historical Significance -Quality -Rarity (または Scarcity) の3つが挙げられている。 最初に選んだ106冊のうちクイーン自身の短編集を除いた105冊には、その選定理由として "H","Q","R" または "S" のマークが付いているのだが、実は105冊全てに "H" のマークがついている。一方、"Q" のマークは81個。つまりこのリストは、質的に良いものであるかどうかよりも、歴史的に重要であることを優先して選定したものと判断してよい。 さらにRarityについては、「初版本」がどれだけレアものか、ということしか示していない。例えば『シャーロック・ホームズの冒険』には "R" がついている。確かに1892年に発行された "The Adventure of Sherlock Holmes" はレアだ。でもそれは初版本蒐集家にしか関係なかろう。一方フォークナーの『騎士の陥穽』なんて現代の日本で見つけるのは非常に困難だ。でもクイーンにしてみれば(当時)初版本を見つけるのは決して困難なことではなかった。この本には "R" も "S" もついていない。 探偵小説史研究家であり、ミステリ初版本蒐集家であるクイーンによる、『歴史的に』重要な個人短編集125選、それが「クイーンの定員」である。読む価値がないようなものも入っているのかもしれない。実際クイーンだって読んだことが無い本を「定員」の中に入れているのだ。 これは私自身の覚書でもあり、こんな「リスト」を見るとついつい既読・未読をチェックしてしまうあなたのための読書リストである。お役に立てればよいのだが。 ここでの目標は読むことである。できれば購入した本で。けれど初版本には拘らない。何を買えば読むことができるか、あるいは読むことができないのか、という点を追跡している。 さて、はじめよう。 [[QQリスト]] → [[QQ001]] #mailform

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