るしにゃん王国wiki 未使用SS

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侵入SS ノーマ・リー

 まさかこんな時にお鉢が回ってくるとは思わなかった。

 数匹の猫と共に走りながら、ノーマ・リーは溜息をついた。別に深刻な顔はしていないが、溜息だけは出る。別に不満も愚痴も出ないのだが、一種の癖のようなものだ。
 ああ何で僕こんなとこにいるんだろ、てかいつの間に一人で侵入してんの僕。

「にゃー(今更、怖じ気づいたか)?」
「にゃにゃー(こいつ結構ビビリだしねえ)」
「ほっといて。てかまだビビリでも敵前逃亡してないから。チキンじゃないから」
「にゃうー(あんま変わらないって)」
「変わるよ?! てか五十歩でも百歩でも結構距離あるよ?!」
「「「にゃーにゃー(変わってない変わってない)」」」

『……漫才はそこまでにしてください』
 溜息混じりに声を――というか思念を送ってきたのは、同道する猫たちではなく、遠くで話を聞いていたオペレーターの方だった。
『そろそろ作戦区域です』
「……了解」
「「「にゃう(了解)」」」

 途端にシリアスになる空気。
 ノーマも口当てを引っ張り上げ、改めて武器をチェックする。
 目的地まではあと少し。相手は視線が合えば即死。緊張しないと言えば嘘にはなるが、侵入する行為そのものに、彼は一切の危惧を抱いてはいなかった。
 なにしろこの男、運だけはいい。その証拠にあれだけ騒いでいたのに敵の包囲網にかすりもしていない。何より死ぬのはそれほど怖くない。
 どうせ一度、国と一緒に消えかけた事がある命だから。

「これより、作戦行動に移ります」
『……武運を』
「ありがと」

 小さく笑って。
 そうして、彼は猫三匹と共に、走り出す。


医療支援 南無@るしにゃん王国


これで何度目だろうか、見えぬ戦況を思い描き七海は声には出さずに呟いた。
即席で用意された殆ど野ざらしと変わらぬ治療の場。
決して陽気の為などではない汗を拭う事も出来ぬ白衣、あるいはオペ服を纏う者達。
傷ついた兵士。血の香。漏れ聞こえる前線の気配。
コパイロットとして前線に出た事もあるが、戦場というのはそれがどこであっても同様の緊迫感に包まれる。
誰一人手を休める事は出来ず、足を止める事も出来ない、もしここでそれをする者がいればたちまち前線の死者が増えるのだ。
早く平和が来るといい、誰もが戦わず、この様な死との境界近くまで踏み込まず、生きていける世界が。
そんな、誰しも思っているだろうことを今更口にすることはなかったが。

外の景色が入り口を塞ぐ影によって遮られた。
小さな手術用テントの中にいることを思い出す。
今から自分はここに運ばれる重傷者を救わねばならない。
自分にしか出来ないことではない、だが、自分にできることだ。
この手に培った技術が有り難い。
以前戦場に出たときよりも、医療技術は向上している。
額を束縛する頭冠が、精神の集中を助けてくれた。
高位森国人、と自分が提唱した未知の知識、精神と言うべきか、それの発見によって、
今るしにゃん王国民は各々の分野での成果を高めることに成功していた。
何事もおこらない暢気な風土の中ではそれはまるで無敵の技術のようであったが、戦場に出ると必ずしもそうではないのを痛感する。
ぴっちりとした手袋をはめ、メスを手渡される。蒸した空気の中、患者の止まらぬ血液に塗れた肉を切り裂き、内から蝕む異物を除去する。
血管を繋ぐ。肉を繋ぐ。折れた骨を接ぐ。
これで何人目か、主な治療が終わると直ぐに次が来る。テント外に運ばれ、見えなくなった患者は生きているのか、
常ならば予測もつこうものだが、今は判断が出来ない。
(違う、思い出せる。まだ5人だ……もう5人か)
医者は自分だけではない。誰もが今手を尽くしている。息絶えようとする人々を救っている。自分が処置した数などたかが知れていた。
5人目の傷を塞ぐ。処置は衛生が徹底しきれないし、道具も少ない、だが縫い目は恐ろしく細かい。
この、今は意識のない人は恐らくまた戦場へ向かってしまうのだ、だからせめて強く、動きに少しでも馴染むように、正確に傷口を塞ぐ。


(落ち着け。必要とされている今、全力を尽くせなくてどうする)
一瞬乱れかけた集中力は直ぐに取り戻された。頭冠はこの人々の熱気を受けてなお、冷たい。
この力は誰の為のものだ、七海は自問する。既に今日幾度も自分に問いかけた言葉だ。
目前に意識のない男の身体が運ばれる。そうだ、今この瞬間からこの力の全ては彼の為のものだ。この処置が終わるそのときまで。

「手術開始します」

必要最低限の言葉を紡ぐ。スタッフが痺れる手を動かす。自分もまた消毒されたばかりの器具を手に取った。
夜明けは、訪れただろうか。
過る思考はたちまちの内に霧散する。
自身の戦場に再び没頭し始めた七海の耳に、外からの声はもう聞こえなかった。



指揮官ちゃき支援 ちゃき@るしにゃん王国


いつものことだった。
戦争の前には、ちゃきは部隊を見て回る。
さしもの新しくて一番でかいものに目がいく。

…これが、今回からはじめて使う未婚号…
ちゃきは、その大きな機体をしげしげと眺めた。
魔道兵器としても使えるこの機体を見上げ、口元を緩める。

ついで、新しく導入された弓兵部隊
今回の目玉とも言える部隊であった。
未知数とは言え、サブ火力としては一級だと見ていた。

自らが率いる風の中心を探すもの達…

決戦は近い、部隊を見終わったちゃきは
満足した顔でそれらを見つめると部隊が見える小高い場所に立って部隊を見渡した。
ここに森国最強の布陣が出来たぞ

この地上でもっとも戦車らしい戦車それは未婚号だった。
設計者の意図などどうでもよかった。
ちゃきは、その性能だけ見ていた。
詠唱技能によるその攻撃と防御は最強クラスだった。
さらに、そいつを二人でやるのだから燃費もよかった。
唯一の気がかりは、敵の特殊能力である根源力制限による死だった。
それは、世界解析でつぶしてしまおうと思っていた。
歩兵としての風の中心を探すものの露払いに
絶対的な火力と装甲の未婚号
まさに、戦車のコンセプトそのものだ。
さらに、サブ火力の弓兵…

ちゃきは、持っていた杖で魔方陣を描く
青い燐光が体をつつむとまるで敵を捉えた様な目になる。
そして、全軍を見渡して
「さあ、見せてやりますか戦争って奴を。今までにないくらい見事にやれそうです。」

(…蹂躙、露払いに皆殺しか まったく戦争だな。いやだいやだ)
クレール「どうしました?顔にやついてますよ」
ちゃき「いや、なんでもないですよ」

さあ行こうか、我らの力を見せ付けに…まもなく弓兵の許可される。予定どおりならば

その時、一人の猫士が駆け込み静寂を切り裂く。

「で、伝令ですにゃ!」
「どうした?」
「弓兵の申請が延期となりましたにゃ」
「ばっ…分かった」

これが、人が伝令なら確実にぶん殴って司令官解任だ。まったくありがたい気遣いだ。多分、正義がつかわしだろう。天領に出向いて交渉までした結果がこれだというのに…

正義の心労はどれほどだろうか
いや、考えるまい
あるもので戦うだけだ。
それが、報いるということだ。

敵さんには悪いが、発散させてもらおう


声。 スゥ・アンコ@るしにゃん王国


「皆、兎に角何処でもいいから隠れて……ッ!」

敵の攻撃が間近に迫る中、誰かの声が聞こえた。
それが誰の声かを判断する余裕もなく、クレールは木の影になる位置へと隠れた。
すぐ傍の岩に誰かの影が見えるが、それを確認する余裕も、やはり現在は残されていない。

長い髪が敵の攻撃に揺れる。

ぴ。

攻撃による跳ね返りなのか、小さな小石がクレールの頬に当たり、小さな痛みに顔を顰める。

(ここで――……ここで、死ぬ訳にはいきません。)


愛しい人の姿を、心の中に描き出す。
彼に会うまでは、そう、絶対に死ぬ訳にはいかないのだ。

折角小笠原で掴んで手がかりを、己がここで倒れる事によって失う訳にはいかない。

「アイヤー。こんなの反則アルよ。どうしろって言うアルかーッ!!」

逃げ惑う誰かの声に、クレールは唇を開く。

「一刻も早く、遮蔽物に隠れてください! 敵の攻撃は強力、かつ、無慈悲です!…明日の為に、皆で生きのびるんです!!」

魔法使いの印でもある杖を強く握り締めて、敵の攻撃を耐え抜くべく、麗しき女性は、その声を部隊へと響かせた。
明日の皆の笑顔を勝ち取る為にも。


るしにゃんナイン はやて@るしにゃん王国


戦場独特の緊張感が、周囲を包んでいる。
後方配置の迎撃部隊とはいえ、敵が空から妨害を受けることなくやってくる可能性は高い。
そして空の敵の行動力は、歩兵のそれと比べれば大幅に高く、少なくともまず一撃は攻撃をくらう覚悟が必要だった。

なんとかこの戦場に送り込むことのできた弓兵アイドレスを身に着けた国民は、7名。
それに射撃目標の特定や距離の測定、その他知識面のサポートとして加えられた魔法使い2名を加えた9名が、I=Dの使えないこの戦場で頼るべき対空戦闘力だ。
その中で、いつ敵がくるか分からず、ただ待ち続けるという緊張感に飽きたのか、猫耳尻尾の少年がたん、と地面を踏み鳴らす。

「あーもう……待ってるだけじゃイライラすんなっ、前に出て先にヤツらに一撃ぶつけてやるとかできねーのかよっ?」
そんなはやての傍らで、黙って弓の点検を繰り返していたかみんは努めて気軽な声で肩を竦めた。
「まあまあ、焦らなくても敵は来るさー。万が一ここまで来たときのために僕らがいるんだし」
「そうアルよー、もっと余裕を持って構えるアル。戦場では焦りを見せた者からゴミのように斃れていく………って正義が言ってたアルよー?」
さらにその後ろから、お気楽そうな声でモノマネまでしながら話しかけてきたのはスゥ・アンコ。何故か腕組みを崩さないその姿勢が、胸元を隠すためだとは今のところ誰も気づいていない。
「お前それ絶対余計なコト付け加えてるだろ……? 大体別に焦ってなんか……」
はやてがそのモノマネの似てなさっぷりに脱力してからアンコに食ってかかろうとしたとき、その後ろから魔法使いの女性の声が響き渡る。
「敵、来ますっ!!それぞれ攻撃に備えてくださいっ、相手からの攻撃を避けきってから反撃に入りますから!」
全員が空を見上げる。そこからやってくる敵の姿。直後、間髪を入れずに来る攻撃。

それと同時に展開される、理力による障壁と魔法使いたちによる回避の"おまじない"。
一斉に散開する、世界忍者としての能力も備えた弓兵たち。
それは攻撃のみではなく、防御においてもその能力を存分に発揮しはじめる。

「誰もやらせませんよ……みんな、生きて帰ります!」
「来たアルねっ、弓兵のチカラ、とくと見せてやるアルっ!」
「おうよっ!! …そんなヘボ攻撃……食らってたまるかよぉっ!!!」

るしにゃん王国弓兵部隊、9名の戦いがはじまった。

詠唱攻撃SS 合作:はやて@るしにゃん王国 スゥ・アンコ@るしにゃん王国 南無@るしにゃん王国

今や敵は目前、こちらは装甲値も7という圧倒的無力、そもそもこの分隊、作成された時点で詠唱一撃勝負で行こうぜ!ってことだった、のはいいのだが。例によってタイトスカートなど着込んだ少年は軽い不安に呻いた。忍者一筋十と云年、今この手にある杖に自然の理に反するこの力を集束させる術はまだ不慣れなもので
「うう、無理ですようこんなの倒すとか!やっぱり回避できないでしょうか
」参謀モード、軽く臆病らしい。杖と魔術教本を抱え込んで涙目で後退った。

その傍にいる娘は、目の前にある圧倒的な戦力を前にしたにも関わらず、酷く呑気であった。いや、どんな時でもこの女性がペースを崩す、だなんて余程の事が無い限り、無いと断言して良いのだけど。くるくる、と軽やかに、明らかに本来の使用用途とは違う動きで、杖を回転させながら、比較的最近得た魔法の力を集中させていく。
「無理なんて事ないアルよー。ワタシの少林寺拳法的魔術で、あんなヤツら一発粉砕アル。」
色々と矛盾を感じてならない技の名前を口走りながら、臆病な――少女、のような少年に向かって、朗らかに笑った。全く、戦場に似合わない笑みだった。

2人とは少し離れた場所。敵との彼我の距離は未だ手の届く場所にはあらず。術を唱えることのできぬドレスを着用している身には、自分が何もできないのが歯がゆい。いらだつように地面を踏み鳴らせば、それに同調するように猫の尾がばたばたと激しく動いていた。目を細めて敵の様子を伺えば、普段より悪い目つきがなおいっそうのこと険悪さを持ち、余裕が少なさげに見えるのは少年くらいの年齢であれば仕方のないことだろう。気持ちを整えるようにふぅ、っと息をつくと、軽く瞳を細めて意識を飛ばす。森国人特有の、瞑想通信
「(………南無っ、アンコっ!あんなやつら、一撃でブチのめせよっ!手加減なんかすんじゃねーぞっ!!)」

「そんなこと言って、アンコちゃん私と大して力変わらないじゃないー、って、ま、待って、私も攻撃しますー」
半泣きで覚えたばかりの詠唱を…そこはそれ、忍者出身なので単純に物覚えは良かった…小さく唱えだす。まだ腰は引けているのだが。つい、位置もアンコの斜め後ろあたりまで移動してしまうのは臆病者の性だった。力を構築する過程でふっと割り込んできた、比較的親しい人の声がする。集中している為詳しく意味を捉えるまではできなかったが、それでも気持ちだけ、伝わったのか僅かに肩の力が抜けた。
「大丈夫、正義にたくさん教わったんだもの、わ、私負けるわけにはいかないですからー」
ほとんど、自分に言い聞かせる、類の物言いだった。

種族特有の手段で伝わってくる、少年の言葉に、ハン、と鼻で笑うように唇に笑みを浮かべる。手加減、だなんて単語こそ、己に似合わないものだと。
「任せておくアル。とっておきのをサービスしてやるアル。 ――南無とワタシじゃ、人としての器が違うアルよ。」
確かに、着ている職業も、アイドレスも一緒。根源力に若干の差はあれど、力に差は無い筈だ。正義――、この国にいる、オーマの名を聞けば、笑みはより深く唇に刻まれ。
「…あの、青いのを越える一発、くれてやる…、アル!」
杖を媒介にして、己の力が光となっていく。光を向けるのは、ただ、一つ。そう、目の前の敵に向かって 。

器レベルで言われて自分の人間性に欠片も自信のない少年は見事に落ち込んだのだが、逆に自分の立ち位置が明確になってほっとした風でもあった。所詮、下僕の属性、補佐と思い込んだ方がよっぽど力が出せる
「そうだよね!さすがアンコちゃん!よし、私もお手伝いするね…!」
急に前向きな、根っこは極端に後ろ向きな明るい声でそうのたまった。それが別働隊のはやてにまで届けばいい。多分届くだろう、俯き加減がなおったので。晴れやかな笑顔で思う。見ててください正義、私の晴れ舞台、待っててください王様、我等の帰りを、まあ死体かもしれないけど。集まりの悪かった魔力が杖先に一点に凝縮されて行く。
「私は、負けない。この力はその為に、得たのだから…」
ちょっと、声が低くなった。あるべき姿に戻ったのかもしれない
「欠片も残さぬよう、殲滅します!」基本、ろくでもない種類の方へ。
そして魔力の光が、弾ける。

「……あーっ、俺もハデな忍術とか使えりゃ……っ!!」
火炎とか、水流とか。くしゃくしゃと髪をかき混ぜると、額に巻きつけたバンダナがずり落ちかけ、慌てて位置を整える。と、返事の代わりか、魔法使いたちの詠唱が幽かに耳に入ってきた。聞きなれた仲間たちの声ではあるが、紡ぎだす呪文の響きは敵を前に普段より真剣に聞こえた気がした。ぎゅっと拳を握りしめ、瞳を見開いたその瞬間、自分たちの横合いを抜け、幾条ものまばゆい光が一直線に伸びてゆき、一つに束ねられて敵を射抜きかかる!

「っし、行けぇぇぇっ!!!!!」



オペレーターSS ノーマ・リー@るしにゃん王国

「……司令部、通信繋がりません」

報告のアナウンスをしながら、ノーマ・リーは頭を掻いた。
まあいつものことだとはいえ、戦闘には異常事態ばかり起こる。ろくでもない。本当にろくでもない。というか攻撃受けたんだろーか。

(そういえば、前にソーニャさんがナンタラノープルがどうこう言ってたっけ)

同国人――既に二人とも故郷を離れて久しいから、元同国人というべきか――が、少し前に話してくれたことを思い出して頭を掻く。
かなり昔の戦争の話だ。小回りの利く部隊に一挙に攻め入られて壊滅したやつ。分かり易くビジュアルで言うとクマと戦闘するより、虫の大群に襲われる方がヤバいみたいな、そういう話だった。
年貢の納め時。
そんな言葉が頭に思い浮かんで、首を振る。いかんいかん。それはよくない。精神衛生上めちゃよくない。
「―――どうしましょ?」
インカムを押えながら振り返ってみる。
そこには、現在の滞在国・るしにゃん王国の、それと知られた戦上手が集まっていた。やがて、中の一人――眼鏡も凛々しい今回の指揮官、ちゃきが肩を竦める。

「どうもこうもないな。既に敵はいるし、押し付けられそうな味方はいない」
「闘うしかない、ですか」
「そうなると思うよ」
「了解。――じゃあ、出来るだけのデータを集めます」
「そうしてくれ」

ここまで来たからには腹をくくるしかない。
既にここは戦場だ。味方もいて、敵もいて、戦端はいつ開かれるかも判らない。
なら、オペレーターはオペレーターの仕事をしよう―――

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