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 土場藩国には、歴史の浅い街がある。舞踏子の街として知られるグリード港。
 軍艦を備えている以外はこれといって特徴がなく、高い山と針葉樹林に囲まれた土地柄から
 ほとんど人のよりつかない土地であったが、
 根源種族との戦闘に対して、ファンブル以外にも軍事基点をという世論に押され
 何ターンもかけて徐々に開発されていった
 そして、いまこの街に響くのは舞踏子の華麗な声ではない。

「おかえりなさいませ、ごしゅじんさまー」
「そこ、もっとエレガントに!!!」
「おはようございます、ごしゅじんさまー」
「そこの”す”はもっと上げ気味にー」
「あ、そこ略帽がまがっていましてよ」
「アニキー」

 さわやかな朝であるというのに、野太い声が支配するカオス空間となっている。
 一部何か違う音声が混じっている気がするが気にしてはいけない。
 なお、朝から声を張り上げているのはただの変態ではなく、れっきとした国の戦士。
 新たなる希望「ホープ」と呼ばれるメードガイ部隊である。
 彼らは太陽系総軍軍服風に改造された軍用メード服の上に名
 パイロットの証であるイエロージャンパーを羽織り、
 藩王より直に授けられた航空用腕時計を持つ。
 彼らのほとんどが腕時計の中には愛する人の写真が収められているというが、
 誰もみたことがないので不明なままである。

 これは、そんなホープの一日を取材した記録である。

 ホープの一日はコクピットの掃除から始まる。
 国の宝I=Dをのる身分として、いざというときに命を預けるI=Dを
 大切にすることを教えられる。
 ファンブルに勤務する整備士たちほどでもないが、ホープたちも機体の大切さを
 知りその上で行動することが求められる存在である。

 そのあとは戦場にでた時の戦闘訓練である。
 己のI=Dに乗り戦闘訓練のある場所で。
 町の周囲を囲むようにある、針葉樹林を抜けて豪雪対策された家の上をすべるように飛行し、
 豊かな小麦畑を眺めてから、木もないような雪原、キリバン平原での戦闘訓練である。
 この訓練は非常に厳しく、「武器をもぎ取られても戦え」
「I=Dが壊れたら白兵戦だ、独力で中距離戦だ」という教育を行うもので
 I=Dに搭乗せずに独力で戦う。
 各地にいる兵士たちと合同でチーム戦を行うわけだが、
 ひらたくいうと雪合戦である。
 普段の戦闘訓練では突撃銃から拳銃、機関銃まで幅広く使いこなす彼らが
 雪玉を使って戦闘する様はかなり面白いらしい。
 また、寒い時期に行われるので、少しでも温かい服装をしようと切実な努力をするのが
 彼らである。
 メード服の上にイエロージャンパーを羽織り、さらに
 スカートの下にスラックスというさながらハニワのような姿になる。
 せっかく北国人特有の白い肌で美しい人材であるにもかかわらず
 優雅ではない無駄なことが大好きなのがホープ流である。

 ホープたちの生態はいまもって不明な部分が多い。
 第七世界人であるとか、いろいろ諸説あるが、彼らの目的はただひとつ
 世界に春を呼ぶヒーローを目指す。
 それ以外のことはささいなことである。