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 いぬのかみさまのおはなし

 むかしむかし、どばというくににえらいいぬのかみさまがおりました。
 かみさまは、はじめはたかいやまにすんでいました。
 そこからひとのこのくらしをみまもっていたのです。

 あるとき、しろいはだをしたうつくしいむすめがやまをおとずれました。
 みればむすめは、さむぞらにうすいぬのいちまいでした。
 このくにのたみならばやまをおとずれるときにきるあたたかいふくそうすらしていません。
 しろいかみもこころなしか、ほそくふるえるようにゆれています。

 「かみさま、かみさまおねがいです」
 「わ、わうわう」

 いっしょうけんめいいのるむすめのまえにしろいしっぽをなびかせて、いぬのかみさまがあわらわます。

 「あ、あなたがかみか」

 むすめのといかけにいぬのかみさまはくびをたてにふりました。

 「わう」

 うなづくとむすめはすこしとまどいながらも、くちをひらきます。

 「わ、わう」
 「日本語でおk」

 かみさまはおもわずいぬごでかたりそうになったむすめをせいして、じじょうをききました。

 たかいやまにいるあいだにかみさまはきがつきませんでしたが
 ちじょうはゆきにおおわれていました。
 ごうせつたいさくされたいえがつぶれ、あんなにもゆたかだったこむぎばたけはみるかげもありません。
 ゆきがすべてをおしつぶしていたのです。

 ときおりみえるみどりのいろはさむさにつよいしんようじゅりんだけ。

 むすめのはなしをきくとかみさまは、かくごをきめたようにひとこえおおきくほえました。
「いまこそわれのちからをしめすとき」そうきこえたようなきがしますが、ぜんぜんそんなことはなかったぜ。

 そう、かみさまはむすめをせにのせてちじょうへとかけていきました。

 するとどうでしょう、かみのあしあとからくさがめばえちじょうにいのちがめばえてきました。
 そういぬのかみさまのちからが、ながいふゆからくににはるをよんできたのです。

 それいご、いぬのかみさまはまちにすむようになりました
 それというのも、まちのにちじょうふうけいにとけこんだでんちゅうをみると
 まーきんぐをしたくなったせいです。
 そのすがたはどうみてもいぬです。 ほんとうにありがとうございました。