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プロダクトネーム:ゴーストホーネット And he asked him, What is thy name? And he answered, saying, My name is Legion: for we are many. 『新約聖書』マルコによる福音書 5章9節より とある世界で無人機が人類を守ったとされる物語があった。 銀河の彼方の異星人に対し、丸い友人たちが戦った物語である。 そして今この世界で、人類がその禁忌の技術に手を伸ばした。 それが何を招くのか、今はまだ、誰にも判らない。 **概要 帝國軍の宇宙戦力の不足を補うために作られた半無人制御の戦闘機械。 有人の隊長機一機に対して無人機数十機からなり、先行突撃して主力の露払いを行なう。 無人機故のマシンマキシマム思想に基づいて設計された事により、従来機より低コストでありながら同等以上の戦闘力を有した。 大量生産の前提に基づいてパーツは徹底して規格を統一、機体構造を単純化することで製造過程での徹底したコストダウンが図られている。 また帝國の従来機の生産工場のラインも流用するため、基本構造はフェイクトモエリバーシリーズのものに準じている。 製造過程でハードウェアのコストダウンを図る一方で電子頭脳、アビオニクスのソフトウェア開発には最大限の力が注がれた。 「自身と引き換えに戦場を支配する」 無人機のメリットを最大限に生かすために人間の限界能力を無視したその姿は、人が操るにしては明らかに異形であった。 **機体制御 常時は機体に組み込まれた電子頭脳があらかじめ入力されたプログラムによって超攻撃的に運用される。 電子頭脳は一機につきメイン一基に独立した監視用サブが一基、更に隊長機の物を合わせた三基体制。 無人制御における最大の泣き所であるハッキング、ECM攻撃への対策であり、メインCPUが攻撃を受けた場合サブCPUが強制的にメインを遮断しシステムを掌握、更にサブCPUも汚染された場合は隊長機が外部から強制的に主導権を奪う。 一基の超高性能CPUに頼るのではなく、三基(母艦を合わせると四基)のCPUで受け持つことでリスクを分散させ、安定性を上げている。 隊長機のみ有人制御であり、これが無人機全体の制御を行なうことで完全な無人化を防いでいる。 前述の通り無人機の支援、管理が主体のため火器武装は最低限のものであり、代わりに越前藩国謹製、最高水準の通信・電子戦能力に特化されている。 なお、母艦からは機体の強制停止、強制復帰のみが可能となっている。 **機体構造 推進機能はフェイクトモエリバー3と同じ液体燃料式の双発ブースター及び姿勢制御用ノズル。 実体装甲は機動性能重視のため機体に支障がない範囲で極限まで削られている。 従来のコクピット位置は電子頭脳の搭載及び各種ペイロードに用いられ、無人機は脱出装置以外の有人用装備は除去されている。 撃墜された際は脱出装置で電子頭脳を回収し、後に別の機体に搭載して再利用する。 **武装 固定装備 「フェイタルランス」長砲身圧縮パルスレーザーキャノン 五連装小口径レーザーガン 主砲についてはフェイクトモエリバーのものをそのまま採用。 宇宙空間の戦闘が前提の為実体弾のファランクスは廃止された。 なお、「ランス」は数による一斉砲撃を見越して出力を抑え、命中精度を重視されている。 兵装(ハードポイント。目的により変更) 絶対物理防壁発生機 耐熱性媒質噴射機(絶対物理防壁代用装備) ミサイルコンテナA―多弾頭核ミサイル(対艦船装備) ミサイルコンテナB―高機動ミサイル(突撃機装備) 他隊長機用電子戦装備など おおまかに敵の前線を崩すための突撃仕様、さらに切り込んで核ミサイルを撃ち込む対艦戦仕様、有人機である電子戦仕様に分けられる。 絶対物理防壁は進行方向に対して極小面積にのみ展開するようにすることで、かろうじて搭載可能になった(とはいえ被弾面積の半分以上が露出する)。 また、その代替装備として、滞熱性媒質を機首から噴射・加熱することによって機体そのものを弾丸に変える熱量突撃の機能を持たせられるようにしたが、こちらは展開可能時間が非常に短いという欠点があり、あくまで絶対物理防壁代用のための苦肉の策であった。 /*/ 「人形と戦うのは味気ないな」 「時代は変わるんだよ」 -帝國軍エースパイロットの会話- /*/ 漆黒の宇宙を駆ける無数の光点。 フェイクトモエリバー3。帝國が誇る傑作機体である。 名パイロットですら失神する超絶機動を繰り返すその多くが、本来の機体色を真っ赤に染めていた。 唯一被弾していない隊長機のパイロットが、ブラックアウト寸前の急激反転からターゲットをロック、トリガーを引き絞る。 回避。ロスト。 何もいなくなった空間をペイント弾が空しく引き裂いていく。 代わりにロッテを組む僚機が集中攻撃を受けて「被撃墜」のサイン。 ''「化け物め…」'' 忌々しげに呟いた彼にも、十二のロックオンサイトが迫っていた。 観測を続ける多目的運用艦ミアキスの艦橋は重苦しい雰囲気に包まれていた。 メインモニターAには集中攻撃を浴びながら懸命に回避行動を取り続けるフェイクトモエリバー3。 メインモニターB、サブモニターには淡々と射撃を続ける異形の無人戦闘機械。 ''「まさか、これほどとは…」'' キャプテンシートに座る艦長の呟きが全員の心情を表していた。 フェイクトモエリバーを操るのは紛れもなく一級の腕を持つパイロットたちであり、機体スペックも総合的に上回っていた。 現に10セットの演習のうち序盤は彼等が無人機を一方的に「撃墜」し続けていた。 異変は中盤に起こった。 機動を学習したかのように、無人機が逆に彼等を圧倒し始めたのだ。 ロックした瞬間にサイトから消える。複雑な高機動を繰り返してもやすやすとそれ以上の機動で「ケツに食いついて」くる。 異変を察知したパイロットたちが本気でかかっても無人機はすぐに学習して逆襲をかけた。 結果はフェイクトモエリバーの6―3であったが、最後の1セットは行なわれなかった。 ただ9セット終了後の精根尽き果てたパイロットたちの姿が、その凄まじさを表していた。 無人機には無数のメリットがある。 人命を始めとするコストの削減。 均一の戦闘力を揃えられる安定性。 マシンマキシマム設計による超戦闘力。 だが、決して忘れてはいけない。 人間性を失った戦争は殺戮しか生まないのだということを。 道具を用いるのは人の心であると。 ゴーストホーネットと名づけられたその機体は、無機質な目で私達に問い続ける。

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