『勝手にサイボーグしばた'14』 第1話「スキップ!」


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【これまでのあらすじ】
普通の高校生だった柴田あゆみは、サイボーグによるカニ漁で安価でカニを販売する大山田カニ商会の設立を企むマッドサイエンティスト大山田らによって
言葉巧みに全てが10倍のサイボーグに改造されてしまった。それからなんやかんやあって13年の歳月が流れたのであった。


「博士!?なんですかこれは!?」
「おお大谷君来てくれたか!見ての通り、ホットドッグ屋だよ」
「いやそれは看板も出てたから分かりますけど、どうしてホットドッグ屋をやるのかっていう…」
「資金稼ぎに決まっているだろう、新発明の開発と柴田を捕らえるための」
「まだ柴田をあきらめていないんですか?」
「ところで、斉藤君はどうした?」
「田舎に帰りました」
「なにっ!? 村田君は?」
「田舎に帰りました」
「なにっ!? ということは…」
「私だけです」
「うーむそうか、それは想定外だったな。ならば、君には3人分働いて…」
「やですよ!」
「ははは、冗談だ冗談」
「目がマジでしたけど」
「まあ2人はなんとか呼び寄せるとして、大谷君には早速動き出してもらおう」
「おっ、開店するんですか?私、今までバイトしてた店でデヴィ夫人やDAIGOさんの接客したこともあるんですよっ」
「いや今日はホットドッグ屋ではない」
「へっ?」

大山田は、ある資料を取り出した。


「何ですかこれ」
「ホットドッグ屋だけでは厳しくてな、ちょっとした下請けの仕事もやることにしたのだ」
「で、何なんですか?なんか女の子何人かの写真とかもありますけど」
「こいつらの実態調査をするのだ」
「なんか探偵みたいですね」
「この“リゾナント”とかいう喫茶店に出入りする、10人の少女に関することを事細かに記録するというのが仕事だ」
「…それ、ホットドッグ屋と両立してやっていけるんですか?」
「正直、無理だ」
「じゃあなんで受けたんですか!」
「ギャラが良いからだ」

やっぱり、ダメかもしれない。
早くも大谷はそう思った。

「とにかく、君にはそっちの仕事を主にやってもらう」
「はぁ」
「私みたいなオヤジがこういう喫茶店に出入りするのは浮くからな」
「私が行ってもそれはそれで目立つと思いますけど」
「…そこで君に使ってもらいたいのがコレだ」

大山田は、ある物を取り出した。


「なんですかこれ、ただのスニーカーに見えますけど」
「ただのスニーカーじゃない、まずは履いてみたまえ」

言われた通り、スニーカーを履く大谷。

「履きましたけど、やっぱりただのスニーカーじゃないですか」
「つま先をトントン、とやってみたまえ。両足ともな」

トントン トントン

「それで歩いてみたまえ」

歩き出す大谷。

「おおぉっ!?」

普通に歩こうとしただけのはずが、ふわっと浮かび上がり、そして着地する。
ドクター○松のなんとかシューズも真っ青なくらい、軽やかな足運びだ。

「名付けて、スーパーソフトスキップシューズだ」
「ど、どうなってるんですこれ!?」
「つま先をトントンした分だけ、ジャンプ力が上がるのだ。足に全く負担をかけずにな。ちなみに元に戻すには、同じ分だけかかとをトントンするのだ」
「すごいですねこれ!」
「もし逃げなければならないような事があった時は、それを使えばたちまち巻く事ができる」
「…え?逃げるとか、そんな結構ヤバい仕事なんですか?」
「ゴホッゴホッ!!よしじゃあ行ってきたまえ!」
「ちょ!ちょっと博士!」


半ば強引に送り出された大谷は、渡された資料に記された喫茶店“リゾナント”に向かった。

カランコローン

「いらっしゃいませー」

自分よりも若い女マスターの声に迎えられ、大谷は店内を見渡せる端の席に座った。

「お待たせしました、カプチーノでございます」
「あ、どうも…」

会釈する大谷。
カウンター内へ戻る女マスター。
手元の資料には、その名は“道重さゆみ”とある。
年齢は24歳、血液型はA型、そして“ヒーリング”と記されている。
資料にある10人の少女は全て同様に、氏名・年齢・血液型の他にそういったよく意味の分からないカタカナが添えられている。

どういう意味なんだろう…?

本人と資料を見比べながら、カプチーノを飲む。
が、30分ほど粘ってみたが道重さゆみ以外の少女は現れない。
追加注文できるほど懐も豊かではないので、大谷は会計を済ませ店を出た。


一歩踏み出した瞬間──

グチョ

嫌な感触が、足に伝わった。

「あぁ~!犬のフン~!」

踏んでしまったのだ。
路面やガードレール等に擦り付けて、何とか取ろうとする。

トントントントントントントントン トントントントントントントントン


そこに鳴り響く着信音。

「おっと、電話でいっ。はい、大谷です」
「おお、大谷君か?調子はどうだね?」
「ん~、それがですね~」

通話しながら歩みを進めたその瞬間──


バヒューーーーーーーン!!!!!!!!

「あ~~~~れ~~~~」
「大谷君!?もしもーし!?大谷く~ん!?」

プー プー プー

「…クソぅ、大谷君がやられたか。おのれ、覚えておけリゾナンターとやら」

全く関係のない事で恨みを買われるリゾナンターであった。



つづけ




2014/02/25(火) 00:02:23.29 0